政治活動と選挙運動について

2020年10月20日

一般的な概念から「政治活動」とは、「政治上の主義もしくは施策を推進し、支持し、もしくはこれに反対し、または公職の候補者を推薦し、支持し、もしくはこれに反対することを目的として行う直接間接のいっさいの行為」とされています。

広い意味では選挙運動も政治活動の一部ですが、公職選挙法では政治活動と選挙運動を理論的に明確に区別しています。

 

政治活動の定義

政治上の目的をもって行われるいっさいの活動から、選挙運動にわたる行為を除いたものをいいます。

 

選挙運動の定義

特定の選挙について、特定の候補者の当選を目的として、投票を得または得させるために直接または間接に必要かつ有利な行為をいいます。

 

選挙運動の期間

選挙運動ができる期間は、公職選挙法により定められています。立候補届が受理された時点から選挙期日の前日までです。この期間中も、選挙カー(船舶)などでの連呼行為や街頭演説は、午前8時から午後8時までの間に行うこととされています。(公職選挙法第129条)

なお、選挙事務所については、選挙期日においても、投票所を設けた場所の入口から300m以外の区域であれば、設置することができます。また選挙運動用ポスターもそのまま掲示しておくことができます。

 

イメージ図

 

【立候補の届出前でもできること】

●立候補の準備

  • 政党の公認を求める行為
  • 立候補の※瀬踏(せぶみ)行為
  • 候補者選考会、推薦会の開催行為
  • 供託物を供託する行為 等

※瀬踏行為・・・ごく一部の人に、事前に選挙に立候補することを伝え、意見を聞くこと。

 

●選挙運動の準備

  • 選挙運動費用の調達
  • 各選挙運動者間の任務の割振り
  • 選挙運動者相互間における仕事の連絡
  • 選挙事務所借入の内交渉
  • 演説会場の内交渉
  • 選挙運動者または労務者となることの内交渉
  • 選挙演説依頼の内交渉
  • 立看板を作成しておく行為
  • 選挙運動用ポスターの原図を作りまたは印刷しておく行為
  • 選挙公報の文案を作成する行為
  • 政見放送の放送原稿を作成する行為 等

 

【立候補の届出前はできないこと】

  • 電話での投票依頼
  • 個々面接
  • 投票の依頼と認められる行為 等

 

事前運動の禁止

選挙運動期間前に選挙運動をすることは「事前運動」として禁止されています。具体的にある行為が選挙運動であるかどうかは、取締機関がその行為の様態、すなわちその行為のなされる時期、場所、方法、対象等について総合的に実態を把握し、それが特定の候補者のための投票獲得に直接または間接に必要かつ有利な行為であるかどうかを実態に即して判断することになります。

 

選挙事務関係者や特定公務員等の選挙運動の禁止

公正さを保つため公務員等、選挙運動ができない人もいます。選挙運動は原則として、誰でも行うことができますが、職務や地位等の影響等を考慮して、以下の人は選挙運動を行うことが禁止されています。

 

選挙事務関係者(投票管理者、開票管理者、選挙長、不在者投票管理者等)

※これらの職務代理者および職務管掌者も、現実に職務を行うことになった場合は、この適用を受ける可能性があります。

投票立会人、開票立会人および選挙立会人は禁止されていません。

年齢満18歳未満の方

※ただし、選挙運動のための労務に従事することは可能です。

特定公務員(中央選挙管理会、選挙管理委員会などの委員や職員、裁判官、検察官、会計検査官、公安委員会の委員、警察官、収税官吏および徴税の吏員)

選挙犯罪により選挙権・被選挙権を有しない人

 

また、公務員や特定独立行政法人などの役職員、教育者等も、その地位を利用して選挙運動をすることが禁止される等の制限があります。

 

選挙運動の方法

選挙運動の方法は、大別すると、印刷物その他の文書図画(ぶんしょとが)によるとものと、演説その他の言論による選挙運動に分類されます。

 

【文書図画(ぶんしょとが)】

文書図画とは、文字や記号、絵、写真などが記載されたすべてをいいます。文書図画による選挙運動は、お金のかかる選挙の原因となりやすいことから、特に詳細な規制があります。選挙運動に使える文書図画は、次のものだけで他のものを使うことは禁止されており、選挙の種類ごとに使うことができる文書図画が定められています。また、有権者に選択材料を提供するため、「選挙公報」も配布されています。

選挙で使用できる文書図画

●選挙運動用の通常はがき ●ビラ ●ポスター ●新聞広告 ●パンフレットまたは書籍

●選挙事務所のポスター、立札、看板等 ●選挙カー(船舶)に取り付けるポスター、立札、看板等 ●演説会場のポスター、立札、看板等

●候補者が着用するたすき、胸章および腕章等

※それぞれ、規格、数量(回数)、使い方(配布方法や掲示場所等)等について詳細が決められています。また、ここにあげたものでも選挙の種類によって、使えるものと使えないものがあります。さらに、国政選挙では「候補者が使う」「政党が使う」「その両方が使う」という区別もあります。

●選挙公報

選挙管理委員会が発行するもので、候補者の経歴や政見、政党の政策等が掲載されています。選挙期日の2日前までに各世帯に届けられます。

※衆議院議員総選挙、参議院議員通常選挙、都道府県知事選挙で発行されます。その他の地方公共団体の選挙では、その地方公共団体の自主的な判断で条例に基づいて発行されます。

●インターネット

 

【インターネット選挙運動】

平成25年4月の法改正により、国政選挙、地方選挙においてインターネットを使った選挙運動ができるようになりました。

  1. 有権者は、ウェブサイト等(ホームページ、ブログ、ツイッターやフェイスブック等のSNS、動画共有サービス、動画中継サイト等)を利用した選挙運動が可能となりましたが、電子メール(SMTP方式および電話番号方式)を利用した選挙運動は引き続き禁止されています。
  2. 候補者・政党等は、ウェブサイト等および電子メールを利用した選挙運動が可能になりました。

インターネット選挙運動で禁止されていること(例)

有権者が電子メールを使って選挙運動をすること

電子メールを使って選挙運動用の文書図画を頒布できるのは、候補者・政党等に限られます。有権者は候補者・政党等から送られてきた選挙運動用電子メールを転送により頒布することはできません。

年齢満18歳未満の人が選挙運動をすること

年齢満18歳未満の人は、インターネット選挙運動を含め、選挙運動をすることができません。

HPや電子メール等を印刷して頒布すること

選挙運動用のホームページや、候補者・政党等から届いた選挙運動用の電子メール等、選挙運動用の文書図画をプリントアウトして頒布することはできません。

選挙運動期間外に選挙運動をすること

インターネット選挙運動が解禁になっても、選挙運動は、公示日(告示日)に立候補の届出がされてから選挙期日の前日までしかすることができません。

 

【言論・その他】

言論による選挙運動は、有権者にとっては候補者の人物や政見を知るのに役立ち、また、候補者や政党にとっても政見等を訴えられる利点があります。これについても一定の制限が設けられています。

言論による主な選挙運動
演説会

候補者が開催するもの(個人演説会)と、衆議院議員総選挙で候補者や候補者名簿を届け出た政党が開催するものがあります。

開催回数に制限はありませんが、選挙の種類によって、演説会の開催中使用できる立札や看板の総数が定められており、

その結果、同時に開催できる数は制限されます。

※これ以外の選挙運動のための演説会はすべて禁止されており、開催できません。

街頭演説

各選挙の候補者または衆議院議員総選挙の候補者名簿を届け出た政党は、演説者が所定の標旗を立て、

その場にとどまった状態で街頭演説を行うことができます。

衆議院議員総選挙では、このほかに候補者を届け出た政党が、停止した選挙カー(船舶)の上や周辺で街頭演説を行うことができます。

いずれの場合も、午前8時から午後8時まで国等が所有・管理する建物、電車や駅構内、病院等では禁止

選挙運動従事者の数の制限所定の腕章等の着用等、さまざまな制限があります。

※連呼行為

演説会、街頭演説の場所、選挙カー(船舶)の上で行うことができます。

選挙カー(船舶)の上での連呼は、午前8時から午後8時までの間に限られています。(いわゆる流し連呼。)

政見放送

候補者等が録音、録画した政見や主張をそのままテレビやラジオで放送します。

※衆議院議員、参議院議員、都道府県知事選挙で実施します。衆議院小選挙区選挙、衆議院比例代表選挙、

参議院比例代表選挙では、政党による政見放送が行われます。

経歴放送

テレビやラジオを通して、候補者の氏名、年齢、党派別、主要な経歴等を紹介します。

※衆議院小選挙区選挙、参議院選挙区選挙、都道府県知事選挙で実施します。

※連呼行為・・・短時間に同一内容の短い文言を連続して繰り返し呼称すること。

 

【自由にできる選挙運動】

  • 電話での投票依頼・・・誰でも自由に行えますが、候補者や出納責任者の指示でかけるような場合、料金は選挙運動費用に加算されます。
  • 個々面接・・・商店や病院等において、その店員や医師等が来訪者にあるいは街頭やバス等の中で出会った人などに投票を依頼することができます。また、選挙の演説会ではない集まり(街頭以外での場所)でも投票依頼をすることもできます。

 

【禁止されている行為】

  • 戸別訪問・・・誰であっても、投票の依頼や投票を得させない目的で戸別訪問することは禁止されています。また、軒先で面会する場合、訪問の相手が不在や面会を拒絶された場合も戸別訪問になります。このほか選挙運動のため、演説会や演説があることを戸別に告知することや、特定の候補者や政党の名前を言い歩くことも戸別訪問になります。(公職選挙法第138条)
  • 署名運動・・・誰であっても、投票の依頼や投票を得させない目的選挙人に対し署名を集めることは禁止されています。(公職選挙法第138条の2)
  • 人気投票の公表・・・誰であっても、選挙について候補者等の順位等を予想する人気投票の経過や結果を公表することは禁止されています。(公職選挙法第138条の3)
  • 飲食物の提供・・・誰であっても、選挙運動についていかなる名義をもってするを問わず飲食物を提供することは、湯茶とお茶うけ程度の菓子を除き禁止されています。ただし、衆議院の比例代表選挙以外の選挙では、選挙運動に従事する者および選挙運動のために使用する労務者に対するものであれば、限られた数と単価の弁当を提供することができます。(公職選挙法第139条)
  • 気勢を張る行為・・・誰であっても選挙運動のために、いわゆるデモ行為をすること、人目を引こうと自動車を連ねることや隊列を組んで往来することはできません。ほかにも、鐘や太鼓、ラッパ、サイレンなどを高々と鳴らすこと、花火などを用いたりすることも気勢を張る行為として禁止されています。(公職選挙法第140条)
  • あいさつを目的とする有料広告・・・候補者等は、選挙区内にある人に対し、時候、慶弔や激励等のあいさつを目的とする広告を有料で新聞、雑誌等に掲載すること、テレビやラジオで放送することは禁止されています。(公職選挙法152条)
  • 買収・・・選挙犯罪の中でもっとも悪質なもので、法律でも厳しい罰則が定められています。候補者はもちろん、選挙運動の責任者等が処罰されたために当選が無効になることもあります。(連座制)

お問い合わせ

選挙管理委員会
電話:0894-22-5981