一般質問(一問一答方式) H30.12 佐々木加代子 議員

公開日 2022年01月12日

〔佐々木加代子君質問席へ移動〕

 

○佐々木加代子君  皆様、おはようございます。
 それでは、久々のトップバッターで、私は大綱3点について質問をさせていただきます。理事者の皆様の御誠意ある答弁をどうかよろしくお願いを申し上げます。
 それでは、大綱1、生活困窮者自立支援法改正についてであります。
 本年6月1日に成立した生活困窮者自立支援法等の改正では、生活困窮者の自立支援の基本理念や定義の明確化、自立相談支援事業等の利用勧奨の努力義務の創設、関係機関の間で情報共有を行うための支援会議の設置、自立相談支援事業、就労準備支援事業、家計改善支援事業の一体的実施の促進、都道府県による研修など、市町村への支援事業の創設、子供の学習支援事業の強化などが新たに規定をされました。特に就労準備支援事業では、15人以上という定員要件の緩和や障害福祉サービスとのタイアップなど、一層自治体として取り組みやすくなるよう規定をされております。また、3事業の一体的な実施により、家計改善支援事業の国費割合も2分の1から3分の2に補助率が引き上げられました。本市の生活困窮者に対する包括的な支援体制強化のため、情報共有のための支援会議の設置やさらなる任意事業の取り組み強化を実施していくべきだと考えます。
 それでは、質問に入ります。
 まず初めに、生活困窮者自立支援事業は社会福祉協議会への委託となっておりますが、この支援事業が始まってからの相談件数の推移と、自立に向けての支援の状況について伺います。
○議長(新宮康史君)  社会福祉課長。
○社会福祉課長(福岡勝明君)  お答えします。
 生活困窮者自立支援制度は、生活保護になる前の生活困窮者について支援していく制度で、平成28年度から社会福祉協議会に業務委託しています。平成28年度の相談件数は、家族問題4件、収入の減少4件、借金3件、財産問題1件、ひきこもり1件の合計13件になっています。平成29年度は、家族問題9件、収入の減少22件、借金4件、財産問題1件、ひきこもり6件、そのほか障害4件、虐待1件、仕事関係1件の合計48件とふえています。
 自立に向けての支援については、家計相談、ハローワークまで同行しての就労相談、福祉資金、小口資金の貸し付け、食料支援を行っています。また、相談の中で、収入が生活保護法の最低生活費を下回る場合、市は社会福祉協議会と連携し生活保護につなげています。なお、平成30年度の相談件数は、11月末現在81件と大幅にふえています。
 以上です。
○議長(新宮康史君)  佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君  私が思っていたよりは、かなり相談件数がふえているなというのが実感をいたします。こういう市が事業を行っていることの認知が進んできたということもあるのかなというふうに思うんですが、今回の改正では、ひきこもりが長かったのですぐには働けない、家計が常に赤字だ、こうした困窮者の悩みに応えるため、福祉事務所を置く自治体が国の補助を受けて行える事業として、就労準備支援や家計改善支援を定めています。就労準備支援は、生活習慣の改善や就労体験などの支援を行うもの。家計改善支援は、家計表などを使って自力で家計管理できる力を育てるサービスです。いずれも自立を促す支援策として重要であることから、改正生活困窮者自立支援法では、両事業の実施が自治体の任意から努力義務に格上げされました。また、自治体が必ず実施する自立相談支援と両事業を一体的に行う場合は、先ほども申しましたが、国の財政支援を拡充するというものです。
 2017年度で両事業の実施率はともに4割程度でありましたが、国は今後3年間を集中実施期間と位置づけた上で、22年度には100%を目指す考えを示しております。各自治体で、より実態に即した形で活用されるようにする取り組みを進める例として、厚労省では10月から省令を改正し、就労準備支援で規定されている資産、収入要件に関して、世帯全体では収入があっても本人に収入がないなどのケースを支援対象として明確化いたしました。80代の親が50代のひきこもりの子供の面倒を見る8050問題などを念頭に置いたもので、従来も自治体の判断で支援することはできるとしておりましたが、明文上の規定がないことから、支援につながらないという場合があったといいます。
 この八幡浜市においては、法改正以前に、世帯全体では収入があるが本人には収入がないというケースの方の自立支援相談について取り組んでおられたのかどうかをお伺いいたします。
○議長(新宮康史君)  社会福祉課長。
○社会福祉課長(福岡勝明君)  お答えします。
 法改正以前は、主に世帯全体での収入により困窮者の相談に対応していましたが、世帯全体では収入があるが本人には収入がないケースについても相談には応じていました。法改正後はこのようなケースも支援対象として明確にされましたので、例えば親の収入があり、子供がひきこもりで社会参加できず収入がない場合は、子供の社会復帰のため自立支援相談を行い、対応していきます。
 以上です。
○議長(新宮康史君)  佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君  八幡浜市では改正以前から、今言われましたように、取り組んでおられるということであります。一人一人に合った自立支援相談の体制ができているということで安心をいたしました。
 次に、この改正で私が特に注目したのが、情報共有のための支援会議の設置という内容です。これまでにこのような会議などは定期的に持たれていたのかどうかを伺います。
○議長(新宮康史君)  社会福祉課長。
○社会福祉課長(福岡勝明君)  お答えします。
 支援会議は、協議が必要な困難ケースについて随時、社会福祉協議会と開催し解決に向けて取り組んできました。平成29年度は、社会福祉協議会と市の福祉関係部署に加え、オブザーバーとして社会福祉士や弁護士を交えたメンバーでの全体会議は1回、関係部署のみの個別会議は14回、保護係との相談は52回行いました。法改正により情報共有ができる支援会議が設置できるようになったため、委嘱する会議委員に守秘義務を課すことによって関係者間の積極的な情報交換が期待できることから、今後は開催回数をふやしていくよう考えているところです。
 以上です。
○議長(新宮康史君)  佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君  この改正では、把握した生活困窮者に対し自立相談支援事業等の利用勧奨を行う努力義務の創設についても盛り込まれております。これまでに私のところに生活困窮の御相談に来られた方全員が、生活困窮者本人からの御相談というよりも、知人の方が見るに見かねて、何とかしてあげられんもんかなという御相談でありました。このままでは最悪な事態にもなりかねないというケースなどもあり、早急な対応が必要な方もおられました。
 生活保護受給にはつながっていないけれども大変な状況下で生活されている方に対して、自立支援事業等への利用勧奨などは積極的にされているのか、また今後はどのようにすれば生活困窮者の方が自立した生活が送れるようになっていくのか、お考えをお聞かせください。
○議長(新宮康史君)  市民福祉部長。
○市民福祉部長(舛田昭彦君)  当市では、ホームページで制度を周知しております。民生委員や見守り推進員に制度の説明を行い、両委員からの情報により生活困窮者の把握に努めています。また、窓口に来られた生活困窮者に対しては、資産や収入にかかわらず、十分な時間をとって相談を受けております。社会福祉協議会が行っている自立支援事業への利用勧奨は、生活困窮者に対する有効な支援方法の一つであり、法改正により努力義務となったことで、関係部局との連携強化によって自立相談支援窓口につながっていない生活困窮者を確実に窓口につなげ、適切な支援を実施します。
 また、自立した生活を送るため、1人で悩んでいる生活困窮者を見逃すことなく、相談者に合った支援が行き渡るよう、他市の状況等も参考に取り組みを強化していきたいと思います。
 以上です。
○議長(新宮康史君)  佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君  どうかよろしくお願いいたします。
 それでは、自立支援相談事業の利用勧奨努力義務にもつながっていくと思います、ひきこもりやニートについての実態調査などはされておられるでしょうか。
○議長(新宮康史君)  社会福祉課長。
○社会福祉課長(福岡勝明君)  お答えします。
 当市では、主体的にはひきこもりやニートの調査は行っておりません。なお、ホームレスについては毎年調査を行っております。
 以上です。
○議長(新宮康史君)  佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君  ひとり暮らしの高齢者の方の見守りについては、民生委員、見守り推進員さんにより実態を把握できる態勢が整っておりますので、生活困窮に陥った場合には支援につながりますが、若年層のひきこもりや8050問題などの生活困窮者についての実態をつかむというのは、非常にハードルが高いのが正直なところです。しかし、現状をしっかりと把握し、困窮者支援の一層の充実に取り組んでいただくということが法改正の目指すところでありますので、実態把握とともに今後の取り組みをよろしくお願いをいたします。
 昨年度の生活保護の相談で福祉事務所を訪れ受理されなかった人は、全国で年間約30万人と推計され、県内では17年度実績で2,101人に上るそうです。八幡浜市では、生活保護の御相談に来られたが対象にはならなかったという方は17年度でどのぐらいおられたのでしょうか。
○議長(新宮康史君)  社会福祉課長。
○社会福祉課長(福岡勝明君)  お答えします。
 平成29年度の生活保護の面接相談件数は55件になります。このうち、申請は30件、生活保護開始は28件、生活保護に至らなかった相談のみは27件になります。例えば、これは世帯の収入が最低生活費を上回る場合になります。生活保護に至らなかった場合は、生活困窮者自立支援制度の説明や、必要に応じて生活困窮者貸し付けを行っている社会福祉協議会への紹介、随行して相談のサポートをするなど、他施策での運用につなげられるような取り組みを行っています。
 以上です。
○議長(新宮康史君)  佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君  身体的な理由や精神的理由により生活保護受給に至るケースがあります。人によっては、ひきこもりがちで外出をしたくない、ましてや役所の人には会いたくないという方もおられます。生活保護担当の職員の方の仕事については大変な御苦労があるということは十分に承知をしているつもりではありますが、生活保護を受給されている方に対してどなりつけるような言動をぶつける職員の方がおられるということを市民の方からお聞きします。また、見た目だけの判断で、働きなさいとだけ言われて帰されるといった場合があるようだとも耳にします。絶対にあってはならないということだと思いますし、人間としての尊厳を第一義に考えて接していってほしいと思うのです。人権にかかわることにもなりますので、課内での教育、指導の徹底を要望しておきたいと思いますが、何か御意見があるようでしたらお聞かせを願います。
○議長(新宮康史君)  副市長。
○副市長(橋本顯治君)  それでは、一つお答えしておきたいと思います。
 生活保護を受給されている方だけではなく、福祉事務所にはさまざまな悩みを抱えた方が来訪しておられます。人間としての尊厳を守るということは、職員が市民と対応する上で一番大事なことであると考えています。ごくまれに、御相手によっては毅然とした態度をとらなければならないということもありますけれども、まずは相談者に寄り添うことを第一に心がけています。生活保護の相談に来られた方との面談で、生活保護制度の説明や相談者の状況を把握した上で、生活困窮者自立支援法など他施策を活用することによって保護に至らないケースもあります。
 生活困窮者自立支援法は、生活困窮者が生活保護に至る前の段階で自立を図るために制定されたものです。自立支援プログラムは、生活困窮者だけでなく生活保護受給者のためにも考えられており、その中でも就労支援が重要視されています。受給者の方へは医師の判断に基づいて就労指導をしており、就労可能な方へは個々に合った就職先を就労支援員やハローワークと連携しながら選定しています。
 今後も、生活保護受給者や生活困窮者に対し御指摘を受けないよう、丁寧な対応に努めていきたいと思います。
 以上です。
○議長(新宮康史君)  佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君  私が担当をさせていただいた方への職員の方の振る舞いがそういう形のケースになったという、決してその方が毅然とした態度をとらないといけないという相手ではなかったというのが私の認識でありますので、相手の家庭状況とか、その方の置かれた環境とか、そういうことをしっかりと考えた上で対応を今後もよろしくお願いをいたします。
 愛媛新聞の記事に掲載されておりましたが、改正生活困窮者自立支援制度に詳しい生活困窮者自立支援全国ネットワークの櫛部理事は、相談者のうち関係機関から紹介を受けているのは全体の約3割と低いと指摘されていて、生きづらさを抱えている人は自力で制度を活用できない場合が多い、関係機関の連携で困窮者からのサインに気づくことが重要であると強調をされています。私自身も、困っておられる生活困窮者の方を自立支援相談につなぐお世話をさせていただいた経験から、これまで以上に行政、地域が連携して、生きづらさを抱えている人からのサインを見逃すことのない努力を今まで以上に行っていただきたいということを心から要望をさせていただき、次の質問に参ります。
 大綱2、置き勉について。
 通学時の子供の荷物が重過ぎる、こんな声が児童・生徒、保護者から上がっていることを受け、文部科学省は9月6日、全国の教育委員会などに対し、一部の教材を教室に置いて帰る、いわゆる置き勉を認めるなどの対策を検討するよう通知をいたしました。小学生のいる母親に聞くと、上履きや給食袋、体操着などを持って帰る金曜日とそれらを持っていく月曜日は特に荷物が多くなり、両手が塞がって危ないと心配されているとのこと。
 教科書協会が2017年度に行った調査などによると、小・中学校の主要教科の平均的なページ数は、2002年に小学校は3,090ページ、中学校は2,711ページであったのに対し、脱ゆとり教育後は、2015年の小学校では4,896ページ、2016年度の中学校では4,182ページと、それぞれ1.5倍程度ふえていることがわかったといいます。重量については、大正大学の白土教授の行った小学1年生から3年生までを対象とした調査では、平均が7.7キログラム、最高は9.7キログラムもあったそうです。また、民放番組が東京都内の中学生を対象にした調査によると、平均で8.6キログラム、最高で17キログラムの生徒もいたそうです。重い荷物を背負っての通学がもたらす健康への影響について、柔道整復師の陣川英幸さんは、まず、背骨がゆがむ側わん症が考えられる、さらに、日常的に身体への過度な負担がかかることで神経を圧迫し、ヘルニアの症状が出る可能性もあると警鐘を鳴らしておられます。
 9月の文科省通知以降の八幡浜市の対応と、通学時の子供たちの持ち物の重さ調査などはされているのかを伺いたいと思います。
○議長(新宮康史君)  教育長。
○教育長(井上 靖君)  教科書は以前に比べればはるかに重くなっており、これには、カラー化、写真、図版の増加などにより、用紙の種類が普通紙から上質紙に変化したことも要因の一つではないかと思っています。
 本年9月6日付で文部科学省から都道府県の教育委員会に対して児童生徒の携行品に係る配慮についての事務連絡がなされており、その後、愛媛県を通じて県下各市町に連絡がありました。これが議員御質問の置き勉についての通知です。教育委員会では、それを受けて、10月5日の教頭会議において市内全小・中学校に周知しております。
 現在の子供が持ち運ぶ教材などの荷物の重量は、以前に比べかなりふえていることは理解しておりますが、教育委員会としてこれまで持ち物の重さ調査までは実施しておりませんでした。今回の御質問がありましたので、市内のある小学校に照会してみたところ、1年生25名が下校時に持ち帰る荷物の重量平均は4.66キログラムという測定結果を得ております。
 以上です。
○議長(新宮康史君)  佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君  早速ありがとうございます。
 市としてある程度統一した見解を示されているのかどうか、もしくはそれとも各学校の校長先生の判断に任せているということになるのでしょうか、またそこには子供たちの意見は反映されているのかを伺います。
○議長(新宮康史君)  教育長。
○教育長(井上 靖君)  教育委員会としては、この件に関して各学校へ統一した見解は示しておりません。9月の文部科学省の通知の中でも、各学校においては、教科書やその他の教材のうち何を児童・生徒に持ち帰らせるか、何を学校に置くこととするかについて、保護者とも連携して児童・生徒の発達段階や学習上の必要性、通学上の負担等、これまでも学校や地域の実態を考慮して判断していると思われるが、改めて検討の上、必要に応じ適切な配慮を講じていただきたいという通知になっておりますので、学校を対象とした指導と捉えています。
 それぞれの学校では、発達段階や通学距離などの諸条件を考慮するとともに、児童・生徒、保護者の意見も尊重しながら適切な対応がなされているものと考えております。例えば、使用頻度の少ないもの、実技を伴う教科、図工、美術、保健等の教科書とか道具類また資料集などは現在も教室内に保管している状態です。
 以上です。
○議長(新宮康史君)  佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君  2010年のアメリカのカリフォルニア大学の研究者らの調査では、日本のランドセルに当たるバックパックの重さは子供の背中の痛みの原因となり、腰椎、椎間板の変形等に影響する可能性があると指摘をしています。こうしたことを受け、カリフォルニア州では2014年に、子供の体重の10%以上の重さのバックパックを持たせないようにするとの重量を制限する法案が可決されています。
 昨今、小・中学生の重過ぎる荷物については、日本のマスコミ等でも取り上げられることが多く、子供たちの体の成長に悪い影響が出ないように、私たち大人が真剣に向き合っていくべき課題であると考えます。子供の健康への影響についての認識と、今後の対策についての御所見をお聞かせください。
○議長(新宮康史君)  教育長。
○教育長(井上 靖君)  子供のかばんの重さの関係の報道を見ますと、かなりの割合で児童・生徒が首や肩の痛みなど不調を訴えているという調査結果もあるようです。御指摘のとおり、重過ぎる荷物を持ち運ぶことで子供の健康に害が及ぶようなことがあってはなりません。
 当市では、以前から小学校5年生と中学校1年生を対象に、モアレ検査、脊柱側わん症の検査を実施しております。また、近年、年度初めに実施する全児童・生徒対象の保健調査の中に運動器検診、いわゆる整形外科のチェック項目が導入されましたので、それらの結果を注視していくとともに、校長会、教頭会等を通して各校への指導を継続していきたいと思います。
○議長(新宮康史君)  佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君  非常に細かく取り組んでいただいておることを今お聞きしまして、安心をいたしました。
 育ち盛りの年齢の子供たちが健康で元気に生活できる学校環境を整えていくことが、我々大人そして行政の役割であると思いますので、今後とも真摯に取り組んでいっていただきたいことを要望して、次の質問へと移ります。
 大綱3、自転車保険の加入義務化と保険料補助について。
 近年、自転車と歩行者の事故で高額賠償請求事例が相次ぐ中、自転車保険への加入を義務づける自治体がふえています。努力義務も含めると、2015年以降、16都道府県7政令市で条例が制定されています。警察庁によると、2017年中の自転車側が加害者となった事故は1万5,000件を超えており、歩行者側が重傷もしくは死亡した人数は299人に上り、このうち3割が保険に未加入であったといいます。政府も、ことし6月に発表した自転車活用推進法に基づく推進計画の中で、法律による保険加入の義務づけについて検討を進める方針を明記しました。
 2013年に神戸地裁で出た判決では、男子小学生11歳が歩行中の女性62歳と正面衝突。この女性は意識不明の重体になったということで、9,521万円の賠償命令が出されました。このことがきっかけとなり、兵庫県では2015年10月に全国で初めて保険加入を義務化いたしました。このほかにも、2008年東京地裁判決では、男子高校生が車道を斜めに横断し、自転車で直進中の男性会社員24歳と衝突。会社員は言語機能を失う傷害を受け、9,266万円の賠償請求判決が出ています。
 今回の私の質問では、八幡浜市として自転車保険の義務化に取り組み、保険料の補助を行うことで、加入率の向上を目指せないかというものです。特に小・中学生全員が自転車保険に加入し、自身が負傷した場合はもちろん、万が一加害者となった場合でも救済できる体制づくりが必要ではないかという考えからです。
 それでは、小学生の自転車使用許可となる学年は何年生からなのか、またその時点で交通安全教室などは開催されていると思われますが、その後の交通安全教室の開催頻度を教えてください。
○議長(新宮康史君)  教育長。
○教育長(井上 靖君)  ごく一部の学校では小学校1、2年生で認めている学校もありますけども、全体としましては、小学校3年生以上の児童を対象に交通安全教室を開催した後、保護者の了承を得た児童に対して自転車の利用を認めております。
 交通安全教室は、市内全小・中学校において毎年度開催し、全校児童・生徒を対象に安全な自転車の運転と歩行の仕方を中心に指導をしております。
 以上です。
○議長(新宮康史君)  佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君  本市の小・中学生の自転車保険の加入状況などは把握されておられますでしょうか、また自転車保険加入の喚起などはされておられるのか伺います。
○議長(新宮康史君)  教育長。
○教育長(井上 靖君)  市内全小・中学校において年度当初に、新入学児童・生徒だけでなく全児童・生徒とその保護者の皆さんに対して自転車保険の加入を呼びかけております。現在、自転車保険の加入状況としては、中学生の年間自転車通学生はほぼ100%ですけども、小・中学生全体の自転車を利用している児童・生徒は1,529人、そのうち880人が加入しており、加入率は58%となっております。
 議員御指摘のとおり、自転車においても重大な事故が起こり得ることから、もしもの事故の備えとして、なるべく多くの児童・生徒が自転車保険に加入するよう、これからも啓発していきたいと考えております。
 以上です。
○議長(新宮康史君)  佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君  58%の方が加入しておられるというのは、私もある意味、うれしい意外でありました。
 自転車保険は、自動車損害賠償責任保険のような強制保険ではないため、条例で保険加入を義務づけている自治体でも未加入者への罰則は設けていません。自転車保険は、他人にけがを負わせたときなどに補償する個人賠償責任保険と、自分のけがに備える傷害保険を組み合わせたものです。加入した保険の種類によって補償額は異なりますが、現状では、年間数千円の保険料で1億円程度の個人賠償責任補償がついたものが主流となっています。現在契約中の自動車保険や火災保険、クレジットカードの保険などの特約に含まれている場合もあるため、重複を防ぐためにも保険の契約内容を確認しておくことも必要になります。
 国による保険加入の義務づけが検討されているということではありますが、これに先駆けて、全国的にも自治体による自転車保険の加入義務づけが広がり始めています。全国で初めて自転車保険の加入義務づけを行った、先ほども申しました兵庫県では、県民が加入しやすい保険制度をつくるべきという考え方から、ひょうごのけんみん自転車保険制度として条例で義務化し、損保会社との連携で自治体独自の年間1,000円から加入できる保険を創設し、現在10万人近い方が加入しているそうであります。また、自転車保険の義務化に伴い、兵庫県や京都府、滋賀県などでは、各市町で自転車保険の保険料に対して補助制度を設けています。
 愛媛県は、サイクリストの聖地として世界に情報発信するとともに、愛媛県全体をサイクリングパラダイスとして自転車を手段とした地域振興に取り組んでいます。県では、2014年に高校生が亡くなる交通事故が2件発生したことを受け、高校生へのヘルメット着用を義務化し、自転車通学生へのヘルメットを無償配布しております。また、県の職員に対してはヘルメットの着用が義務づけられていると伺いました。県は、平成25年7月より愛媛県自転車の安全な利用の促進に関する条例を施行。条例の目的として、自転車の安全な利用に関する意識の向上、自転車を安全かつ快適に利用できる環境の整備、自転車が関与する事故の防止を図り、自転車の安全な利用を促進することとしています。また、条例の特徴として、本条例は、さらに高い目標を推進事項として設定し、愛媛県全体で自転車マナー先進県を目指すこととしていますが、自転車保険に対する取り組みとしては喚起のみということになっています。既に保険加入の義務化をしている地域では、県による義務化に伴い、市町での条例義務化と保険料補助制度の創設が行われているということでありますので、八幡浜市としても、マウンテンバイクに代表されるように自転車による地域振興に力を入れている市ということで、県の自転車保険の義務化について要望していただきたいと思います。
 そして、小・中学生全員に、万が一加害者、被害者となった場合の補償として自転車保険加入の義務化と保険料の補助を始めていくべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○議長(新宮康史君)  市長。
○市長(大城一郎君)  本市では、マウンテンバイクやサイクリングを通して自転車文化の振興に全市を挙げて取り組んでいるところであり、今佐々木議員がおっしゃいました保険料の一部について公費で負担することについて、今後保険会社と協議をして、まず検討していきたいと思っております。
○議長(新宮康史君)  佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君  ぜひともどうかよろしくお願いをいたします。
 国土交通省の担当者は、自転車保険の知名度はまだ高くないため、より多くの自治体に条例を制定してもらいたいと言っておりますが、兵庫県の取り組みのように、今市長がおっしゃっていただきましたように、損保会社との連携により独自の保険を創設すれば、保険料も安価で加入促進にもつながっていくのかなというふうに思っております。今後調査研究をしていただき、前向きに御検討いただきたいと強く要望をして、今回の私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。 

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