一般質問(一問一答)R5.6 遠藤綾議員

公開日 2023年09月06日

〔遠藤 綾君質問席へ移動〕

○遠藤 綾君  私は、大綱3点について質問いたします。理事者の皆様には、市民に分かりやすい誠意ある御答弁をよろしくお願いいたします。
 大綱第1は、「マイナンバーカードをめぐるトラブルについて」であります。
 健康保険証を廃止してマイナンバーカードに一本化するマイナンバー法など改正関連法が6月2日に自民、公明、維新、国民の賛成で成立しました。2024年秋の実施を目指すとのことです。
 このマイナンバーは、国内に住む全ての人に割り当てられた12桁の番号です。健康保険証の廃止は、カード取得は任意とのこれまでの政府の説明に反し、事実上の義務化であると言えます。
 今後、利用範囲も拡大されるとのこと。これまで社会保障と税、災害対策の3分野に限られていましたが、自動車に関わる登録や国家資格の更新、外国人の行政手続も可能になるとのことです。
 しかも、これらに準ずる事務なら法改正せず、内閣や大臣の発する政令や省令で利用可能になるとのこと。国会のチェックが働きにくくなり、政府の恣意的運用が懸念されます。
 政府がマイナンバーカードの登録を急ぐ中で、期限までに保険証としての利用申込みや公金受取口座を登録すれば、マイナポイント最大2万円などと強力に推し進めた結果、今年3月末時点で全国で人口の76.3%まで普及したと言います。
 さらに、保険証とのひもづけも進むと同時に、全国で様々なトラブルが明らかになってきています。
 当市の現状や対応について伺ってまいります。
 当市におけるマイナンバーカードの4月末現在の交付率は80.7%と、県内11市中第1位とのことです。
 そこで、お伺いいたします。
 マイナンバーカード健康保険証(マイナ保険証)の利用手続を終えた方の割合はどのくらいでしょうか。
○議長(平家恭治君)  市民課長。
○市民課長(倭村祥孝君)  お答えします。
 まず、国全体の状況ですが、5月28日時点のデジタル庁のデータでは、マイナンバーカード交付率は77.0%、マイナンバーカードをお持ちの方で健康保険証としての登録をされている方は69.1%となっています。
 市で状況が把握できるのは国保被保険者のみとなりますが、4月末の市の交付率を当てはめて計算しますと、マイナンバーカード取得者のうち82.2%の方が利用登録済みであると推測されます。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  マイナンバーカード登録者で国保加入者の82%がマイナ保険証の手続を終えているということです。
 総務省の発表では、全国では69.1%ということで、来年の秋までに全国民が取得できるのか。高齢者や障害を持つ方などで意思を示すのが難しい方もいます。この件は後でも詳しく触れますが、全国民が取得するにはまだまだ課題があると思います。
 そこで、2点目ですが、現在当市においてマイナンバーカードを使うオンラインでできる手続はどういったものがありますでしょうか。また、今後新たに可能となる手続はいつから可能なのか、伺います。
○議長(平家恭治君)  市民課長。
○市民課長(倭村祥孝君)  お答えします。
 現在、本市で利用可能なマイナンバーカードを使用したオンライン手続には、マイナポータルを通じた転出届やパスポート更新の申請などがあります。
 マイナポータルとは、政府が運営するオンラインサービスのことで、このサービスを利用することにより各種行政手続が便利に行えるようになりました。
 また、オンライン申請とは異なりますが、本市では今年度中にマイナンバーカードを利用したコンビニ交付を実施する予定です。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  コンビニで住民票や印鑑登録証明書、税証明書、戸籍証明書などが取れるようになるという理解で合ってますでしょうか。はい。
 その際の手数料は、市役所で現在支払っている手数料と比べて、同じでしょうか、それともコンビニを経由するので高くなるのでしょうか。ちょっとこれは分かる範囲でお願いします。
○議長(平家恭治君)  市民課長。
○市民課長(倭村祥孝君)  コンビニ交付の手数料についての御質問なんですけれども、まだ現段階で決まっておりませんけれども、これから検討するということでございますが、現状では同額で行いたいということで協議を進めております。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  分かりました。
 次に、オンライン申請の具体的なやり方について、簡単に御説明をお願いいたします。
○議長(平家恭治君)  市民課長。
○市民課長(倭村祥孝君)  お答えします。
 転出届やパスポート更新につきましては、マイナンバーカード読み取りに対応しましたスマホやカードを読み取る装置を備えたパソコンから、行政手続のオンライン窓口であるマイナポータルを通じてマイナンバーカードと暗証番号を使用して申請します。
 また、コンビニ交付は、全国のコンビニエンスストア等に設置されておりますキオスク端末を利用しまして、マイナンバーカードの読み取り、暗証番号の入力をした上で、証明書の種別や部数等を選択すれば、住民票、印鑑登録証明書、戸籍証明書、課税・所得証明書などの各種証明書が発行されます。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  スマホ、それからパソコン、そしてコンビニなどでもできるようになるということですが、若い方でしたら割と適応が早いかと思うんですが、そういったことが苦手な方も高齢者を中心にいらっしゃるのではないかと思います。そういった方法を知りたい場合は、市の窓口に問い合わせれば教えていただけますでしょうか。
○議長(平家恭治君)  市民課長。
○市民課長(倭村祥孝君)  4月から市民課のほうにマイナンバー係が新設されましたので、そちらにお問合せをいただきましたら、オンラインの取扱いについて御説明をしたいと考えております。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  ありがとうございます。
 マイナンバーカードをめぐるトラブルが全国で相次いでいます。公金受取口座に他人の口座が登録されていた例が全国で748件、本人ではない家族名義の口座が誤って登録される事案が13万件確認されていると発表されています。
 公金振込の口座が家族名義の口座で登録されていて、本人に振り込まれないおそれもあります。DVを恐れて逃げている人が公金を受け取れない、そんな場合も考えられます。
 また、マイナ保険証でもトラブルが続出しています。
 他人の医療情報が誤登録されたり、医療機関が保険資格を確認できず、患者が一旦10割負担を請求されるケースが、少なくとも533件発生していると報道されています。これでは大事な個人情報が漏れてしまいます。
 それだけでなく、保険証に誤った情報が登録されていたら、他人の薬が処方されたり、他人の治療履歴に基づく治療が行われることになれば、命や健康に関わります。
 また、マイナポイントが他人に付与されていたり、マイナポータルで他人の年金記録が閲覧できるトラブルがあったことなども新たに分かりました。
 マイナンバーカードに旧姓を併記できるようになっているはずが記載されていなかったり、間違った写真が貼られたままになっていたなどの事例も聞きます。
 当事者がトラブルを問い合わせたら、総務省、デジタル庁、マイナンバー総合フリーダイヤルなど、様々な窓口をたらい回しにされ続けたとの報道もあります。責任の所在がはっきりしていないなど、問題が指摘されています。
 また、マイナ保険証に他人の情報が登録されていたケースは全国で7,000件以上が確認されているということです。
 厚労省は、その主な原因は、健康保険を運営する組合による加入者情報の入力ミスだったとして、先月23日におよそ3,400ある全国全ての組合に対して、これまでの入力作業でルールを守っていたか、点検を要請しているとのことです。
 マイナンバーカードのトラブルは、一気に申請が増えたことから、人のアナログのミスやシステムへの負担が増えたことが原因とも指摘されています。当市でも申請が急激に増えたかと思います。
 次に、当市においてこれまでにマイナンバーカードをめぐるトラブルの報告はないでしょうか。今後トラブルがあったときの窓口はどこが担当するでしょうか。改めて問題のある登録はないか総点検を行うべきではありませんか。市として間違いをチェックする仕組みなどはあるのでしょうか、伺います。
○議長(平家恭治君)  市民福祉部長。
○市民福祉部長(福岡勝明君)  お答えします。
 今日現在、本市ではマイナンバー誤登録のトラブルの報告はありません。
 トラブル時の御相談については、今、議員おっしゃられたマイナンバー総合フリーダイヤルもしくは市民課マイナンバー係にお問合せください。
 総点検については、市が管理しているシステムやデータではありませんので、実施することができません。
 現在報道されている公金受取口座の誤登録問題については、国が総点検していると承知しています。
 なお、市として確認できるのは、市が保険者である国民健康保険の被保険者情報に関してのみとなります。
 国保の点検の仕組みとしては、資格情報を集約している国保連合会が定期的に中間サーバーのシステム内でデータの突合チェックを行い、誤入力が疑われるケースがあれば、関係団体に個人番号誤入力チェック一覧表が送付されるようになっています。
 市では、誤入力チェック一覧表を受領の都度、基幹系システムの情報と登録内容に相違がないか確認しています。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  デジタルを使うためには、今のところアナログな手法、人の手で入力するしかないということです。アナログなので、どこでもミスは起こり得ます。
 ある事例では、端末で入力する際、前の人の情報をログアウトしないまま他人の情報をそこに入力してしまったという事例も報告されています。
 市役所の窓口での市民の方の新たな登録のサポート業務などはされるかと思いますし、国保情報の登録業務など市が関わる業務で既に慎重に業務を行われているとは思いますが、ミスは起こり得るという前提でしっかりチェック機能が働くよう、入力作業のルールの明確化など、改めて工夫をすることが必要ではないかと思いますが、その件についてどのようにお考えでしょうか。
○議長(平家恭治君)  市民課長。
○市民課長(倭村祥孝君)  ただいまの、支援窓口の支援体制といいますか、チェック体制についての御質問だと思うんですけれども、基本は個人でオンライン、つまりスマホとかパソコンを使って、そういうマイナンバーに関する手続をしていくということなんですけれども、それが御自宅でできないとか、スマホで分からないとかという方について、支援窓口をつくって、市のほうがその方の支援をしているという形になっております。
 端末を使って操作するわけなんですけれども、そういう中で御本人と画面を確認しながら手続を行っておりますので、それが誤ったかどうかというのは、御本人と確認しながら操作をしていくということでやっております。これについては、申請書とか、特に書類とかがない操作でございますので、間違いが起きないかと言われましたら、絶対間違いはないということはもちろん言えないんですけれども、あくまでも御本人と確認を取りながら操作をしているということで御理解をいただきたいと思います。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  あくまでも本人が入力するということであるということで、そういったときにミスのないようにということで、さらに注意していただきたいということは申し上げたいと思います。
 次に、全国の高齢者施設、介護施設のうち、59%の施設担当者が健康保険証の廃止に反対、94%の施設が利用者、入所者のマイナンバーカードの代理申請について対応できないと回答していたことが、全国保険医団体連合会の調査で分かったと報道されています。
 代理のカード申請の対応ができない理由は、83%が本人の意思確認ができないと回答しています。
 また、マイナンバーカードの暗証番号を含む管理について、94%が管理できないと答え、その理由としては、91%がカード暗証番号の紛失時の責任が重いと回答しています。
 また、愛媛県保険医協会では、2日に健康保険証の廃止を含むマイナンバー法など改正関連法が与党などの賛成多数で成立したことに抗議する声明を出しています。
 声明では、現行の全ての被保険者に健康保険証を交付する義務を、被保険者から申請主義に転換するものだと指摘。無保険扱いになる人を政策的につくり出す愚策だと訴えています。
 来年の秋には現行の紙の健康保険証が廃止され、マイナ保険証を申請しない人、申請できない人は保険料を払っていても無保険の状態になる。資格確認書を発行すれば診察を受けられるということですが、窓口負担はマイナ保険証よりも重くなるということです。
 この資格確認書というものですが、これは自動的に送られてくるのか、それとも本人が申請しなければ送られてこないのか、その点についてはどうですか。
○議長(平家恭治君)  市民課長。
○市民課長(倭村祥孝君)  今、御質問は、資格確認書についての御質問と思います。
 これにつきましては、国のほうがマイナ保険証の義務化を令和6年秋から予定をしておりまして、現行保険証につきましては、これに伴い廃止をされます。
 ただし、マイナンバーカードの取得につきましては任意であるということでございますので、カードの未取得者には資格確認書というものを保険者、国保でありましたら市民課の国保係が発行することになります。
 これにつきましては、資格確認書につきましては、有効期間は最長1年ということになりまして、あくまでも本人からの申請に基づき無償で交付をすることになっております。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  やはりこの資格確認書も申請で行わなければ届かないということです。
 今後、本人の意思確認を行うことが困難な方が無保険者扱いになり、不利益を被ることがないような対策が求められますが、同時にカードと暗証番号の管理の問題もありますし、盗難なども心配されます。
 国の対策は十分とは言えない。そのまま改正法が通ってしまいました。意思確認の難しい方を置き去りにした対応だと思います。
 現行の紙の健康保険証も廃止後1年間は有効にするとの経過措置が取られるとのことですが、一番簡単なのは、今の紙の保険証も使えるままにすることではないでしょうか。
 ここまで様々なトラブルの事例、課題などを上げてまいりました。ここまでの話を聞いて、市長、率直な感想はどうでしょうか。
 八幡浜市ではマイナンバー交付率80%、県内1位とのことですが、お金、マイナポイントや物価対策のポイントをつけても100%にはならないということは、逆に言えば残りの20%に申請ができない方、また自分の意思でしないと決めている方などが含まれているのではないかと思います。
 紙の保険証も併用可能であれば、わざわざ資格確認書を発行する手続も必要なくなるわけですが、市長、全国市長会などで現行の保険証との併用を行うよう声を上げていただけないでしょうか。御意見も含めてお願いします。
○議長(平家恭治君)  市長。
○市長(大城一郎君)  マイナンバーカードについては、先ほど首相のほうから、今のトラブルに対して重要に受け止めて、国民に心配をおかけしていることについて陳謝するというような報道がなされたところであります。国からもそういった報道が出されたところでありますが、私としてどう思うかということですが、やはり社会がそういったマイナンバーカードを、今後の生活において地域社会の活動をしていく上でやはり今の時代に必要だろうということで、今社会が大きく変わっていく段階にあると思っております。その変わっていく過渡期において、幾ら100%でスタートしていこうといっても、やはりトラブルは至るところで出てくるものだということも認識をしております。そこをやはり改善しながら次の世代へ向けていくためには、そういったトラブル、いろいろなところでどんなトラブルが起きるのか、最初から仮定もできないところがあろうと思いますので、やっぱりそういうところも社会のひずみとして出てくるのは当然だろうと私も思っております。
 その上で、国としてしっかりリードしていただいて、次なる社会において市民生活、国民生活がいい形になるような制度の充実につなげていってもらいたいと思っております。
○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  そうすると、市長会で意見を言う考えはないということでしょうかね。併用を求めるような意見はないですか。
○議長(平家恭治君)  市長。
○市長(大城一郎君)  今の状況を見ながら、それは私なりに判断をしていきたいと思います。
○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  分かりました。
 これだけマイナンバーカードのトラブルが毎日のように明らかになる中、健康保険証の廃止の時期が来年秋と決まりまして、意思確認ができない方の代理申請やカードの暗証番号の管理はどうなるのか、置き去りのままです。
 河野大臣は、9日の参議院特別委員会で、トラブルについて当然責任は私にある。何らかの形で私に対する処分をやらなければいけないだろうと答弁したそうです。
 しかし、法案が通った後にこういう発言をするのではなくて、国会で審議中にしっかりとそういう話をするべきではなかったのかなと私などは思います。
 一方、マイナンバー事業は、初期投資で3,000億円、ランニングコストはその20%と言われ、毎年数百億円もの税金が投じられ、事業規模はトータル1兆円とも言われています。
 カードの発行の事業の中核を担うのは地方公共団体情報システム機構で、国と地方公共団体の共同運営法人であり、その法人には総務省出身の理事が務めると同時に、電気通信の大手企業からの出向者が多数在籍、また機構の発注事業の発注先を出向元の企業や制度設計から関わった大手企業が独占していることなど、問題があると思います。関係省庁の天下り先ともなるなど、指摘されています。
 また、その企業から自民党の政治団体への献金が、21年までの3年間で2億5,000万円になるとの報道もあります。政官財癒着の構造が指摘されています。
 また、このマイナンバーに似たシステム、アメリカでは社会保障番号に様々な情報がひもづけられているため、社会保障番号を基に名寄せなどがされ、個人のプライバシーが丸裸にされ、不正使用や売買、なりすましをされるなどの被害もあると言います。
 カードの顔写真と市内の防犯カメラを連動させれば、特定の個人の行動を追跡することも可能になり、防犯、治安を口実に中国のような国民監視社会をつくることも可能になります。
 集約した膨大な情報は、匿名化したといってもビッグデータであり、今後企業活動に利用されるというおそれもあります。
 国民のデータを集約し、金融資産の保有状況、医療保険、介護保険の負担増の連動、税と社会保険料の新たな徴収強化につながるということも指摘されています。国民の所得、資産、社会保障給付を把握し、国民への課税強化、給付削減を押しつけることは許されません。
 サービスの拡充の一方で、このマイナポイント等を呼び水にして交付率を上げ、その反面、そのような課税強化が狙われている、こういう面もあります。
 日本共産党は、このマイナンバーカードの問題点の改善を求め、社会保険料の削減などは許さないよう声を上げていきたいと考えております。
 以上で大綱1を終わります。
 次に、大綱2、2015年11月に消費税の増税、8%の軽減税率、10%と8%の軽減税率との導入と併せてインボイス制度が導入されることが決まりました。
 大綱第2は、「インボイス制度による市民生活への影響について」であります。
 今年の10月1日から実施予定の「適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス制度)」とは、税務署が発行する登録番号を記載した取引ごとにやり取りする伝票を基に消費税の納税額を計算する仕組みです。
 現行の帳簿方式の場合、課税業者が課税売上げが1,000万円以下の免税事業者から仕入れをしても消費税から経費として仕入税額が控除できます。
 しかし、今年の10月からは、納税額の計算方式が適格方式に変更になり、課税業者が仕入先から適格請求書(インボイス)がもらえないと、売上げにかかる消費税から経費として仕入税額の控除ができないため、課税業者としては消費税の納入額が増えてしまうということになります。
 そのため、課税業者は免税業者を取引から外したり、あるいはその分単価の引下げを求めたり、課税業者になるよう求めたりするという可能性が指摘されています。
 課税売上げが1,000万円以下の免税業者がインボイスを登録すれば、消費税の申告と納付が必要になり、免税業者に新たな負担が生じます。
 今多くの免税業者はこのインボイスに登録して負担増を受け入れるか廃業するかの危機に瀕しているという声があります。この免税業者には個人事業主も含まれ、零細の飲食店、美容室、建設業の一人親方、個人タクシー、ホステスやヤクルト配達員、電気やガスの検針員、農業・漁業者、それから障害者施設、幅広い事業者が影響を受けると言われています。
 八幡浜市議会でも、インボイス延期の意見書が去年の12月議会で通りました。
 フリーのライターや声優など多くの人が反対の声を上げているのもそのためです。
 実際、非正規労働者と同じような勤務形態、時給制であっても雇用契約によらない場合、個人事業者になります。
 そこで、1つ目の質問です。
 インボイスの影響を受ける可能性がある人について伺います。
 例えば直近の収入で営業収入がある方の人数と1,000万円以下の人数、また農業収入がある方の人数と、そのうち1,000万円以下の方の人数をお答えください。
○議長(平家恭治君)  税務課長。
○税務課長(田本憲一郎君)  お答えいたします。
 本年10月1日から導入される新しい仕入税額控除の方式であるインボイス制度は、議員が言われるように、これまで消費税の納税義務者であった課税事業者だけでなく、消費税の納税を免除されてきた免税事業者にも影響が及びます。
 なお、議員御質問の営業収入及び農業収入のある方の人数ですが、令和4年度の申告に基づく令和3年中の収入では、営業収入を申告された方1,206人のうち、その収入額が1,000万円以下の方は964人です。
 また、農業収入を申告された方1,453人のうち、その収入額が1,000万円以下の方は872人です。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  2つ合わせると大体2,000人弱ぐらいになります。
 八幡浜市にある事業者といっても、大規模な事業者はほとんどいないと思いますので、ほとんどの八幡浜市の多くの事業者が影響を受けるのではないかと思います。
 今の上げていただいた数字がイコール必ずしも影響を受ける方とは言えないかもしれませんが、おおよその目安になるのではないかと思います。
 このまま10月からインボイス制度が始まれば、事業者の中で混乱が起こる可能性があります。
 2つ目の質問ですが、税務署、商工会議所などとも連携して、市内の免税業者へのインボイス制度の説明会や相談窓口を設けることなどの検討も必要だと思いますが、どのような対応をなさっていますでしょうか。
○議長(平家恭治君)  商工観光課長。
○商工観光課長(萩森久人君)  お答えします。
 インボイス制度については、関係省庁等が連携し、コールセンターや相談窓口を設置しているほか、インボイス制度への対応も見据えたデジタル化基盤導入に係るIT導入補助金、小規模事業者持続化補助金でのインボイス転換事業者に対する補助上限を一律50万円上乗せするなど、国が支援策を講じているところです。
 また、八幡浜商工会議所、保内町商工会では、インボイス制度に関するセミナーを開催しているほか、申請する必要があると思われる会員については申請手続を指導するなど、きめ細かな対応を行っています。
 市としても、関連機関と連携してインボイス制度の周知に努めてまいりたいと思います。
○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  実際に10月から始まれば、また、よく分かっていない、まだ分かってない人も多いのではないかと予想しますので、混乱も予想されます。影響がありそうな方に親身に相談に乗っていただくように、再度強く要望したいと思います。
 次に、シルバー人材センターについてです。
 シルバー人材センターの会員も事業者とみなされます。
 インボイス制度が始まると、シルバー人材センターは免税業者である会員との取引において、消費税の仕入税額控除が認められなくなり、その分シルバー人材センターに新たな納税コストが生じます。もしくは会員の負担となる場合、1人3万円ほどの負担増になるのではないかと言われています。
 激変緩和の観点から、3年間は80%の控除が可能に、そしてそれから先の3年間は50%の控除が可能に、その先は控除不可という激変緩和措置が併せて設けられていますが、国は会員に負担がかからないように、発注者の地方自治体に適正価格の設定を要請したと聞いています。
 インボイスでシルバー人材センターの実質収益が減ることから、その分は地方自治体が負担しなさいということかと思います。本来は当然国が負担すべきものだと私は思いますが、この国の答弁、市からシルバー人材センターへの補助金の増額についてどうお考えでしょうか、お答えください。
○議長(平家恭治君)  市民福祉部長。
○市民福祉部長(福岡勝明君)  お答えします。
 現時点では、シルバー人材センターから補助金の増額要望はありません。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  インボイス制度について先ほど申し上げたように、激変緩和の経過措置が設けられているということで、すぐに大きな影響が出るとは言えないかもしれませんが、数年かけて段階的に率が上げられていくということですので、今後シルバー人材センターから経営が苦しいのでもっと補助金を出してほしいという要望がある可能性があると思います。その場合は協議して、この補助金の額を決定していっていただけますでしょうか。その点についてはどうですか。
○議長(平家恭治君)  市民福祉部長。
○市民福祉部長(福岡勝明君)  今後のことになると思いますけれど、当然そういう要望があれば検討したいと思いますし、今の遠藤議員の要望、それをシルバー人材センターの事務局にも伝えたいと思います。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  会員の配分金が減らされたり、会員の負担が増えたりすることがないように、そのようなことがないよう、しっかりとシルバーの方と協議をして、必要な場合は対応していただけますように、支援をしていただきますように強く要望いたします。
 次に、市とインボイス制度の関わりについて伺います。
 市の企業会計、水道、下水道、病院などへのインボイス制度の影響はどういったことが考えられますでしょうか、お答えください。
○議長(平家恭治君)  財政課長。
○財政課長(明礼英和君)  お答えいたします。
 市内事業者等に不利益を及ぼすことのないよう、本市においてもインボイス制度への対応が必要と判断した一般会計、特別会計及び企業会計については、適格請求書発行事業者の登録を完了しております。
 インボイス制度の対応にあたり、現在対象の会計において登録番号、適用税率、税率ごとに区分した消費税額等を記載した請求書または領収書等を発行するため、財務会計システム等の改修が必要となりますので、10月からの制度開始に向け対応中です。
 また、駐車場事業特別会計では、インボイス対応のレシートを発行するために、精算機の更新も予定しており、費用負担が発生しております。
 制度開始後の影響としましては、事務の煩雑化に加え、適格請求書発行事業者になっていない事業者との取引については、消費税の仕入税額控除を受けることができないため、消費税の負担額が増加してしまうことも懸念されます。
 以上でございます。
○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  市が発注する建設工事、役務、物品納入などにおいて、取引先の免税事業者に対して課税業者になることを強要したり、免税事業者が取引から外されたりすることがないようにしていただきたいと思いますが、つまり市の負担が発生するということになるんですが、けれどもそのようなことがないようにしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(平家恭治君)  財政課長。
○財政課長(明礼英和君)  お答えします。
 事業者に適格請求書発行事業者の登録を強制したり、登録していないことをもって取引において不利な扱いをすると、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独占禁止法)などの法律に抵触する可能性があるため、そのようなことは絶対に行わないよう、庁内での周知徹底を図ります。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  よろしくお願いいたします。
 まとめますと、フリーライターの小泉なつみさんという方が、「STOP!インボイス」制度中止を求めるアクション、呼びかけ人をなさっていますが、その中で、インボイスは知れば知るほど分かりにくい制度ですが、一言で表すならば消費税の増税です。フリーランスや小規模事業者だけの問題ではなくて、将来さらなる増税への足がかりになる制度だと思っています。インボイスを発行するため課税事業者になり重い負担を強いられるか、取引から排除される不安を抱えながら免税事業者のままでいるか、私たちは地獄の2択を迫られている。どちらの選択をしてもインボイスによって新たに発生する消費税を誰かが必ず負担しなければならなくなるという制度だとはっきりと言っています。
 ライター、声優、俳優など、様々な文化的な分野で活躍している若い方々が、このインボイス制度によって廃業も選択肢になると、苦渋の選択を迫られている、こういう問題をはらんでいます。
 激変緩和措置が入っていますけれども、根本的な解決にはなっていないという意見もおっしゃっています。
 マイナンバー制度のところでも述べましたが、国は国民の徴税を強化したいというのが一番の本音ではないかと私は思います。
 それは、今後5年間で43兆円という、軍事費を2倍化する、その財源をひねり出すために、今まで免税されていた免税業者など弱いところからも取ろうということではないでしょうか。
 先ほど井上議員の質問でも減税が必要だという意見がありましたが、日本共産党は消費税5%への減税と併せて大企業の内部留保に適切に期限付で課税して、併せて労働者の賃金やグリーン投資をすれば税額は控除される。そういうことをすれば消費税は減税することができる。これまで消費税が3から5、8、10と上げられるたびに大企業の優遇税制を行い、不況時でも大企業は内部留保を積み増してきましたが、適切に課税すればこのインボイスによる増税は必要ないと思います。弱いところへの負担を増やすインボイスは中止すべきだ。そのことを主張しまして大綱2を終わります。
 大綱3「八幡浜道路開通による交通量の変化と影響について」お伺いいたします。
 高規格道路「大洲・八幡浜自動車道」、総距離14キロのうち、市内大平から郷にかけて約3.8キロの八幡浜道路が3月25日に開通しました。
 県のホームページによりますと、本来「大洲・八幡浜自動車道」は、四国の西の玄関口として九州とフェリー航路を持つ八西地域と大洲市北只で四国8の字ネットワークとを結ぶ自動車専用高規格道路ということで、本州、四国、九州を結ぶ新たな国土軸の一翼を担い、地域産業の活性化、観光振興、地方創生の道であり、また大規模災害発生時の広域避難や緊急輸送の役割を担うなどとうたわれています。
 さて、八幡浜道路が開通し約2か月超がたちますが、その効果について町の声を聞いていますと、前向きな評価ばかりではないようです。
 ある方は、車の流れが変わってしまい、みなっとから江戸岡交差点を通り大洲方面へ向かう国道197号線の通りは交通量が激減し、交通量に商売の影響を受けやすい国道沿いのコンビニやガソリンスタンドではお客さんが激減しているということです。1本道ができただけでこんなにも交通量が変わってしまうのか、何とかしてくれとの声が寄せられています。
 そこで、お伺いいたします。
 八幡浜道路開通による交通量の変化と市内事業者の影響について、予測していましたでしょうか。また、市内事業者の中でどのくらい影響が出ているか、実態を把握していますでしょうか、お聞きします。
○議長(平家恭治君)  市長。
○市長(大城一郎君)  県では、八幡浜道路の開通1か月後の4月末に交通量調査を実施し、現在、調査結果の整理を進めている状況と伺っております。
 また、八幡浜商工会議所におきましても、12月と3月の年2回、昭和通など市内9地点で交通量調査を実施しているところですが、八幡浜道路開通後の調査は未実施であるため、今のところデータを持ち合わせておりません。
 これらの結果が出れば、事業所への影響をある程度把握できるのではないかと思います。
 なお、八幡浜道路が開通し、長年の懸案だった昭和通など中心市街地の慢性的な渋滞が緩和され、市民の皆さんから多数好意的な声が寄せられる一方、議員御指摘のとおり、交通量の激減により、一部では売上げに影響のあるお店もあろうかと思われます。
 ただし、見方を変えれば、渋滞緩和により交通の流れがよくなったことで、お客さんにとっては行きたい場所、行きたいお店へ行きやすくなったというような側面もあります。
 そして、何より当市へのアクセスがよくなったことで、市外からのお客さんを呼び込むチャンスが広がりました。
 市としましては、八幡浜道路の開通を契機として、魅力ある商品やサービスを提供するお店がさらに増えていくことを期待しております。
○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  データはこれから出てくるということですが、日々、今言った道を通っていますと、今言ったように渋滞の緩和といういい面もありますし、脇道から国道へ出るのもスムーズに楽になったという面は確かにあります。
 ただ、明らかに交通量が少ないなと感じます。みなっとから郷までの国道にはガソリンスタンドが4軒あります。江戸岡フジの横にあるガソリンスタンドでも、やはり大きな減少があったという意見があったということです。駅前や千丈にも2軒ありますが、これまで車社会になって小さな商店がどんどんなくなっていった反面、この国道沿いで車でさっと行けるようなお店がにぎわってきたということがあったかと思いますが、今度はそういった店にも交通量の大きな影響を受けているということで、営業的には打撃があるのであろうというふうに感じます。
 そこで、八幡浜みなっとはゴールデンウイーク中、県内からのお客さんで大変にぎわった。松山城に次ぐ観光客数で大盛況であったとの市長の報告もありましたが、例年であればゴールデンウイーク中はそういう国道沿いのガソリンスタンドなどは車があふれるぐらいで、売上げが期待できた、そういう状況でしたが、みなっとから大洲へ向かう国道、それから伊方、保内、大洲方面から高速に乗るために向かうために通っていた車、そういったものがほとんど通らなくなってしまったという現状があり、みなっとの大盛況の恩恵を全く受けてない状態であったということです。
 個人の努力も必要ですが、市や県の施策によって影響を受けた事業者に対して何もしなくていいのでしょうか。
 そこで、お伺いします。
 今後事業の見直し等の対策を迫られる、そういう苦境にある事業者に対して何らかの支援が必要ではないかと思いますが、お考えをお伺いいたします。
○議長(平家恭治君)  産業建設部長。
○産業建設部長(垣内千代紀君)  八幡浜道路が事業化されたのは平成17年で、少なくとも18年前には八幡浜道路が開通すれば昭和通などの交通量が減少することは想定できたと思います。
 このように、計画的につくられた道路の影響による売上げの減少について、直接補填するような支援はほかの自治体でも例がなく、実際のところ難しいと思います。
 ただし、先日の市議会協議会で御説明しましたように、市では創業等支援事業補助金を拡充するなど、新たな事業展開を後押しする補助制度や低利の融資制度もありますので、事業の見直しを検討される場合には、ぜひこれらを御活用いただきたいと思います。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  そうですね。個々の店の努力ももちろんあると思いますし、相談があれば、そういった融資制度などもあるということは私からも伝えますし、ぜひ相談があればぜひ親身に乗っていただきたいなと思いますが、その点はどうですか。
○議長(平家恭治君)  産業建設部長。
○産業建設部長(垣内千代紀君)  先ほども申しましたように、直接的に売上げを補填するようなことはなかなか難しいんですけど、御相談がありましたら、いろんな制度を御紹介したりと、親身になって相談に乗りたいなと思います。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  よろしくお願いいたします。
 大洲・八幡浜自動車道の全ルートが全面開通した場合でも、市内の道路を車がバランスよく通るよう、市内にもここへ行きたいという目的地をつくり、動線を導いていくこともまちづくりをしていく上では大切な観点だと思います。
 高速で大洲方面から来た車が、郷の八幡浜東インターで降りて、駅前を通って市内をみなっとへ向かう道に車の流れを呼び戻すためにも、途中で車で立ち寄りたくなるような、ほかにはない拠点が必要ではないかと考えます。
 例えば八幡浜駅からみなっとまでの通り、無電柱化の計画もあるとは聞いていますが、それと併せて人が集まる魅力ある施設をつくり、車の流れをつくっていくことも大切だと思います。町にとって道路を走る車は人間の血液の流れと同じ。車がどこかに滞っても、通わなくなっても、そのルート、その周囲は死んでしまいかねません。
 そこで、お伺いしますが、例えば八幡浜駅周辺で、駅から降りた観光客をおもてなしするような施設をつくるとか、伊方や保内から来た人たちも時々は市内を通りたくなるような施設を検討すべきではないかと思います。そのようなスポットがたくさんあることがベストだと思うんですが、今の考えについていかがでしょうか。
○議長(平家恭治君)  市長。
○市長(大城一郎君)  八幡浜駅周辺などで新たな拠点施設を市が整備する具体的な計画は、現在のところありませんが、市内を素通りされないための魅力あるまちづくり、これは大切な考えであると私も思っております。
 現在取り組んでいる四国電力跡地プロジェクトや八幡浜港みらいプロジェクトに、より魅力ある施設などの誘致ができれば、周辺への波及効果も期待でき、新たな人の流れにもつながるのではないかと考えているところです。
○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  例えば西予市の駅前周辺には今レストランがたくさんできていますが、そういったところを利用した後に八幡浜駅を見ますと、やっぱりちょっと活気を失っている。レストランなども減ってしまったなという感じもしておりますので、八幡浜のもう一つの玄関口である八幡浜市駅前周囲、これをやはり今後車で通りかかった人が行きたくなるような、そのような拠点をつくっていただきたいと御要望をお伝えします。
 それを要望しまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

お問い合わせ

議会事務局
住所:愛媛県八幡浜市北浜一丁目1番1号
TEL:0894-22-5998
FAX:0894-22-5963
このページの先頭へ戻る