1.工事の概要について

記事番号: 1-1004

公開日 2022年09月01日

スポーツセンター上空写真

工事の目的

地中熱システムがもたらす持続可能で安定した省エネ効果により、地域のエネルギー構造の高度化への理解及び長期にわたる産業振興を実現し、「八幡浜モデル」の確立を目指します。

そのために、行政が先鞭をつけて市民に親しみのある公共施設「市民スポーツセンター」へ地中熱を利用した空調設備とシステムを見える化した設備を実証導入します。

事前調査により明らかとなった“八幡浜らしさ”のあるエネルギー資源の一つである、豊富な地下水から生み出される「地中熱」を活用し、さらに効果を高める新技術を取り入れた省エネ設備の導入を行います。

本工事では、地中熱を利用した再生可能エネルギー設備の導入にかかる、計画から運用までのプロセスや実証データを共有(見える化)することで、市内および四国全域への普及拡大のシンボルとすることを目的として行います。

工事の概要

本工事は、地中熱(地下水熱を含む)を利用したヒートポンプ冷暖房空調システムを、市民スポーツセンターの2Fサブアリーナ及び1Fロビー部分を対象として導入します。

対象エリアの空調に必要となる最大冷房負荷分の全てを地中熱で供給するため、センターに隣接する北浜公園の駐車場の場所に、深度50mのボアホール27本を掘削し地中熱交換器を設置します。

また、地中熱利用システムの仕組みと、効果をリアルタイム理解してもらうことを目的に、センサー類から収集したデータをPCで処理し、1Fロビーへ設置する大型モニターへ写す「見える化」システムを導入します。

設備導入の全体イメージ図
(図1)設備導入の全体イメージ図

  1. 空調対象エリア
     2Fサブアリーナ・1Fエントランスロビー
  2. 再エネ種別・出力数
    【1】地中熱採熱設備
     地中熱交換器(セミクローズドループ方式) 深さ50m×27本(※)
    ※F/S調査時の50m×1本(クローズドループ式)を除く
    【2】熱源設備
    (2Fサブアリーナ用)
     地中熱ヒートポンプチラー(水熱源) 暖房232Kw・冷房216Kw
    (1Fロビー用)
     地中熱ヒートポンプビルマルチ(水熱源) 暖房69.0Kw・冷房61.5Kw
    【3】中央監視・自動制御設備工事
     見える化モニター(1Fロビー)、制御用PC、データ収集PLC

本工事の特徴

本工事の最大の特徴は、国内だけでなく全世界でみても本格的な導入第1号となる「セミクローズドループ方式(地下水移流型熱交換器)」を採用している点にあります。この新技術は、国立研究開発法人産業技術総合研究所 福島再生可能エネルギー研究所(FREA)を中心に、福島県の復興事業の中で開発されたもので、地下水の流れが大きな地域で高い熱交換能力が得られる方式です。地中熱が広く普及してきたヨーロッパで生まれたシステム(クローズドループ方式)とは異なるものであり、日本のような雨が多く急峻な山々が多い地域において導入拡大が期待されています。

セミクローズドループ方式の地下水移流効果の利用イメージ
(図2)セミクローズドループ方式の地下水移流効果の利用イメージ

施設の概要

市民スポーツセンターは、市庁舎や公園、温泉施設、大型スーパー等の様々な施設に隣接しており、愛媛国体でもバレーボール会場となったメインアリーナや、卓球や体操教室など日常的な利用頻度が高いサブアリーナ、幼児から高齢者まで親しまれている温水プールを有し、市民生活に欠かすことのできない施設として利用されています。

  • 施設年間利用者数 約150,000人(月平均12,500人)

次の記事  2.関係計画と事前調査について


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この記事に関するお問い合わせ

市民福祉部 生活環境課
郵便番号:796-8501
住所:愛媛県八幡浜市北浜一丁目1番1号
TEL:0894-22-3115
FAX:0894-22-5990

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