5.ボーリング作業・井戸ケーシング(その1)

記事番号: 1-1039

公開日 2022年10月28日

地中熱システムにおいて、最も重要な部分となる地中熱交換器を設置するためには、地面に垂直に掘削を行う必要があります。今回は地中50mまで地中熱交換器を挿入する必要があるため、重りや配管などを考慮して深さ53mの垂直孔(井戸)を掘ります。この井戸を地中熱交換井(せい)と言います。

今回の工事では地下水の移流効果(地下水の流れによる熱輸送の効果)による高い熱交換が期待されるセミクローズドループ方式を採用しているため、地中熱交換井の穴の直径も一般的なクローズドループ方式よりも大きなものとなっています。(一般的な穴の直径165cm、今回220cm)

今回の工法は、地下水を汲み上げて利用するための井戸を設置する「さく井工事」とほぼ同様のものです。

掘削について

地中熱交換井の掘削は専用のボーリングマシンで行います。掘削する位置は、「仮囲い・試掘調査について」で掲載しているとおり、地中埋設物や事前調査より決定した位置となります。井戸と井戸の間隔は、地中熱での熱交換によるお互いの熱干渉を避けるために4m以上の距離を置くことが望ましい,とガイドラインにより示されています。

掘削作業では、ボーリングマシン以外にも圧縮空気を送るための大型コンプレッサーなどが必要となります。また、作業工程に応じて必要となる資機材の移動や、大量に発生する汚泥を処理するためのバックホウや汚水タンクなども必要となります。

なお、今回の工事で使用した主な機材は表1のとおりです。

番号 名 称 数 量
ボーリングマシン 1台
コンプレッサー 1台
6tトラック(クレーン付き) 1台
バックホウ 1台
発電機 1台
サンドポンプ 一式
水中ポンプ 一式
汚水タンク 一式

表1 今回の使用機材一覧

 

掘削関係機材
(写真1)掘削関係機材

今回の掘削方法は「ダウンザホールハンマ式」という方式で行います。これは、専用のボーリングマシンを使用し、ボーリングロッドの先端に取り付けたハンマービットへ、コンプレッサーより圧縮空気を送ることで先端のビットに打撃や回転を与えながら地中の岩石等を砕いて掘り進めます。

ボーリングマシン全景
(写真2)ボーリングマシン全景

ハンマービット
(写真3)ハンマービット

今回の掘削場所は、埋立地であることや事前調査で軟弱な地盤があることが判明しているため、掘削した後の壁面が崩れないようにロッドと一緒に金属製のケーシングパイプ(直径220mm×長さ1.0m)を順番に継ぎ足しながら、深さ53mまで掘り進めていきます。この作業では、大量のケーシングパイプとボーリングロッドを使用するため、場内の運搬にトラッククレーンを利用します。

ケーシングパイプ
(写真4)ケーシングパイプ

目的の深さまでの掘削が完了したかどうかは、ケーシングパイプ(長さ1.0m)の本数で確認します。今回は53mの深さまで掘削するため、ファーストケーシング1本(1.6m)にボーリングロッド52本(1本1.0m)を延長します。(残尺0.6m)

その後は、ボーリングマシンによってケーシングパイプを地中に残した状態で、ボーリングロッドを引き抜きながら取り外し最後に先端ビットを引き抜きます。

(詳しくは、ボーリング作業・井戸ケーシング(その2)に掲載しています。)

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