一般質問 H20.9 上脇和代 議員

公開日 2014年09月05日

〔上脇和代君登壇〕


○上脇和代君 
 私は、通告書に従いまして、大綱
2について質問いたします。市長並びに関係理事者の誠意ある御答弁をお願いいたします。

 質問、大綱1は、市立八幡浜総合病院の現状と救急についてであります。

 市立八幡浜総合病院は、八西地域住民の医療の中核を担う一大病院として、伊方原子力発電所の事故や南海地震等の不慮の災害にも対応できる医療機関として不可欠であるにもかかわらず、臨床研修制度の導入により医師の進路自由化、都市集中化が進み、地方に医師が来ないという状況の中、市立病院においても深刻な医師不足となり、十分な医療が提供できない事態となってまいりました。

 市立病院では、その対策として医師の激務を緩和するために4月から内科外来に対して開業医の紹介と事前予約が必要となり、救急診療については6月から毎週水曜日と土曜日の2回、2次救急患者を市外の病院に搬送しております。

 一方、市民に対しては、この現状を正しく理解してもらうために積極的に地区公民館などに出かけられ、懇談会を開催してこられました。このような対応に市民は一応理解し、落ちついているかに見えますが、決して不安が解消されているわけではありません。また、今議会において、市立病院へ約3億円の多額の予算措置がなされるという報道にさらに市民の不安を大きくしております。

 そこで、次の6点についてお伺いいたします。

 質問の1は、内科診療については開業医の紹介が必要となってから約6カ月が経過いたしましたが、現在までの診療状況はどのようになっているか、患者の増減、収益の増減についてもお伺いいたします。また、内科以外の診療科についても、患者の減少という影響はないのでしょうか、お伺いいたします。

 質問の2は、市立病院では地区公民館などへ出かけて懇談会を開催され、医師不足による現状やかかりつけ医の紹介状の必要性などについて広く市民に理解を求めてこられましたが、十分な理解が得られたとお考えでしょうか。何カ所開催されたのか、また今後の開催予定についてもお伺いいたします。

 質問の3は、医師不足に伴う収入の減少が経営に影響を及ぼすということから、市立病院に対し今議会において市の一般会計から29,965万円の繰り入れを上程されておりますが、医師不足が解消されない限り、今後さらに厳しい状態が続くのではないかと危惧されます。今後の対応についてはどのようにお考えになっておられますか、お伺いをいたします。

 質問の4は、医師が病院を選ぶ条件として、1にその病院がどのような医療を目指しているか、2にきれいで効率よく働ける施設であること、3に報酬などが上げられております。市立病院は築50年が経過しており、非常に老朽化が進んでいるということですが、研修医制度が見直されたとしても、この病院に医師が来てもらえるかどうか不安に思います。市立八幡浜総合病院整備検討委員会では、現在の病院の厳しい状況を見守っておられるように見受けられますが、地域住民に質の高い医療を提供するためには積極的に近隣の伊方町や西予市にも働きかけ、連携して真に地域の中核病院として再生する必要があるのではないかと思います。

 市立病院の立てかえについてはどのようにお考えになっておられますか、財政面も含めてお伺いをいたします。

 質問5は、次に救急医療についてお伺いいたします。市立病院は八西地区の救急患者を365日、24時間受け入れは困難ということで、毎週水曜日と土曜日の2日間、2次救急の対応を休止されましたが、その後の救急搬送の状況や市内外の病院との連携、特に市外の病院への受け入れ状況、問題点はないか、お伺いいたします。

 質問6は、救急車を利用する人の半分は救急車の出動がないコンビニ受診と言われています。消防署ではCATVを通して、7月と8月に5回、救急車の受け入れ態勢と救急車の利用について丁寧にお話をされており、効果があるのではないかと思われます。

 しかしながら、八幡浜市のCATV加入世帯は、8月末現在、世帯数17,056世帯に対し9,224世帯となっており、54.1%であります。全世帯に行き渡っているとは思いません。本当に救急の必要な人に利用していただくためにも地域住民への意識啓発が必要ではないかと思いますが、今後の取り組みについてお伺いいたします。

 大綱2は、道路整備についてであります。

 当市においては、いち早く下水道工事を進められ、市民の健康で安全な生活環境の確保に努めてこられたことに対して感謝しているところでありますが、工事終了後の松柏から桧谷、矢野町、レンガ通りに至る市道は、各家庭への配管工事のため、舗装が継ぎはぎ状態となっており、小さな段差も自転車や単車などにとっては走行しにくい状況であります。また、舗装がひび割れたところなども見受けられ、いい状態ではありません。

 そこで、質問ですが、道路はその町の顔でもあります。整備計画はないのでしょうか、お伺いをいたします。

 以上、大綱2についてよろしくお願いいたします。

○議長(上田竹則君)  市長。


○市長(高橋英吾君) 
 道路整備について、上脇議員の質問に回答いたします。

 道路舗装は永久構造物ではございませんので、わだちによるたわみやアスファルトの劣化による損傷など避けられない部分がありますが、上水道や下水道の取りつけ管工事など道路内に埋設されたライフラインの工事により部分的に掘り返された箇所が締め、固め不足などの影響により、時間の経過とともに段差が生じて通行しづらくなる場合が多く見られます。

 その対応ですが、舗装の不良箇所は日ごろの道路パトロールにより発見する場合と、住民の方からの通報により調査を行い対処する場合がありますが、いずれも早急に調査を行い、迅速な補修を実施しておりますが、市道延長約440キロメートルございまして、すべての箇所を点検できていない状況であります。昨年の市道矢野町五反田線のように、既設がコンクリート舗装であったため、水道管の布設がえにあわせて、水道課と調整し、全面アスファルト舗装を行ったケースもありますが、予算が厳しい中、多くの場合は部分的な補修で対処させていただいております。

 したがいまして、舗装の整備計画はございませんが、御指摘の市道松柏矢野町線につきましては早急に調査し、悪い部分は補修したいと考えております。

 以上です。

 その他の問題は担当課長より答弁をさせます。

○議長(上田竹則君)  副市長。


○副市長(谷口治正君) 
 それでは、私のほうから大綱
1の市立八幡浜総合病院の現状と救急についてのうち、4点目の中核病院としての再生について、5点目の救急医療について、6点目の救急車利用の地域住民への意識改革について、この3点について答弁をさせていただきます。

 まず、4点目の中核病院としての再生についてでございます。

 議員御指摘のとおり、病院施設については、そこで働く医療関係者にとって、あるいは患者様にとってもきれいでわかりやすい施設配置が必要であろうと理解をしております。また、目指す医療の方向性あるいは医師等の報酬についても、今市立病院が直面している医師不足を解消するための非常に重要な要素の一つであると認識をいたしております。これらの問題は非常に重要であるにもかかわらず非常に難問であり、しかも早期に解決しなければならない課題でもあります。また、そのことが複合的により課題を困難なものにしているのも現実でございます。

 こうした数多くの問題を解決していくための計画として、国からの要請により今年度中に公立病院改革プランを策定する必要があります。この改革プランの骨組みを構成する3本柱の一つに再編ネットワーク化といった地域病院の機能再編を含めた検討案件があり、この計画策定作業の中で周辺市町との広域による体制づくりについても検討を行っていきたいと考えております。

 御質問の建てかえにつきましては、施設が老朽化しており、災害拠点病院としての機能を果たす上で必要でございますし、議員御指摘のように医師のモチベーションを高めるという意味でも必要であろうと思いますので、財政面を含め改革プランの策定に合わせ、病院整備についても検討してまいります。

 なお、平成15年度に策定をいたしましたプランでは事業費が130億円となっておりますが、医療環境、財政事情も当時とは大きく変わってきておりますので、真に必要な機能を果たすための適正な規模、事業費について見直し、十分に検討していきたいと考えております。

 次に、5点目の救急医療についてでございます。

 先日の議員協議会で御報告をさせていただきましたとおり、休止後の水曜日及び土曜日の状況でございますが、8月末までの3カ月間で、総件数では、不搬送を含めて昨年の132件からことしは96件と大幅に減少をいたしております。そのうち、宇和島市に14人、松山市へ7人、大洲市へ7人の救急患者が搬送されております。また、軽症の患者様につきましては、八幡浜医師会の御理解のもと、市内の医療機関でも受け入れをいただいており、全体的に大きなトラブルは発生しておりません。

 なお、心肺停止など緊急を要する患者様につきましては、水、土曜日でも市立病院で受け入れますし、内科以外の診療科におきましては、消防との連携のもと、極力受け入れるようにしております。

 なお、この3カ月間の市立病院での水、土曜日の受け入れ件数は、昨年の97件に対してことしは14件ということで、当初の目的である市の負担軽減を図ることはできました。今後とも、皆さんには大変御迷惑をおかけすることになると思いますが、引き続き御協力をお願いしたいと思います。

 次に、6点目の救急車利用の地域住民への意識改革についてでございます。

 消防署においては、御指摘のCATVでの広報を初め各市町の広報紙での啓発、一般住宅への巡回訪問の際の救急車適正利用のチラシ配布、各種救命講習時あるいは99日の救急フェアにおける啓発等を行っております。

 議員御指摘のように、今後は市立病院の地区別懇談会での啓発など、消防、行政、病院が一体となって市民の意識改革を図っていく方策を検討してまいりたいと思っております。

 以上でございます。

○議長(上田竹則君)  財政課長。


○財政課長(國本 進君) 
 上脇議員御質問の大綱
13点目、一般会計からの繰り入れについて、医師不足が解消されない限り、今後さらに厳しい状態が続くのではないかと危惧されますが、今後の対応についてはどのように考えているかについてお答えをいたします。

 議員御指摘のとおり、市立病院の経営は医師不足等により非常に悪化しており、今までの医療提供体制をこのまま維持していくことが非常に難しい状況になっているのが現状であります。このため、抜本的に公立病院のあり方を考え、経営改革をしていこうという趣旨で、昨年12月に総務省が公立病院改革ガイドラインを策定しております。このガイドラインには3つの視点が掲げられております。1つは経営を効率化すること、2番目に病院の再編ネットワーク化すること、3つ目は経営形態を見直すこととあり、この趣旨に沿って今年度中に公立病院改革プランの策定が求められております。

 改革プランには、公立病院がこの地域でどのような役割を果たさなければならないかを具体的に整理し、明確化し、公立病院として必要な機能に対して一般会計がどのようなルールでどのような考え方で財政負担をするかを改革プランに明記することになっております。一般会計の厳しい財政状況の中で病院会計を支えるといっても限度はあり、最少の経費で最大の効果を上げるよう、そのような運営をしていかなければならないと考えております。

 以上でございます。

○議長(上田竹則君)  病院事務局長。


○市立病院事務局長(田中正憲君) 
 上脇議員の大綱
11点目、診療の状況についてお答えをいたします。

 まず、平成204月から7月までの4カ月間ですが、内科外来の紹介状の状況につきましては、診療所や開業医からの紹介分が322件、患者様御自身が持参されました分が29件で、合わせて351件となっております。前年の同期の数値では、診療所等からの紹介によるものが183件、患者様御自身の持参分が144件で、合計で328件であり、前年同期と比べまして23件増加しております。

 次に、患者数への影響につきましては、4月から7月までの4カ月間の外来患者数は前年比11,482人の減で442人、これは前年の77.7%となっております。そのうちに、内科外来患者数は前年比4,431人の減の8,703人で、前年の66.3%となっております。また、入院患者数につきましては、前年比7,147人の減の25,499人で、前年の78.1%となっております。そのうち内科入院患者数につきましては、前年比4,432人減の9,785人で、前年の66.8%となっております。

 次に、収益への影響につきましてですが、全診療科の外来収益、前年比9,4607,783円の減の33,5642,451円で、前年比の78%となっております。そのうち内科の外来収益につきましては、前年比3,0109,992円減少の14559,152円で、前年比の77.6%となっております。また、入院収益では、前年比18,0444,672円減の82,0966,187円で、前年比の82%となっております。そのうち内科入院収益につきましては、前年比の12,3264,658円減の31,7272,429円で、前年比の72%となっております。

 このような患者数及び医療収益の減少の主な要因としましては、議員承知のとおり、眼科、脳神経外科医の開業及び内科常勤医の減少によるもので、特に内科の常勤医が昨年度の10名から5名へと半減したことが大きく影響したものと推察しております。しかし、内科医1人当たりの外来患者数では約1,740人で、前年同期の1,460人と比べて280人の増となっております。また、入院患者数におきましても、内科医師1人当たり1,960人、前年同期1,580人と比べて380人の増となっており、内科医師1人当たりの負担は軽減されておりません。そのため、内科医師の確保を喫緊の課題として今取り組んでございます。

 次に、大綱22点目の地区懇談会についてですが、地区公民館及び自治公民館の懇談会は11カ所で開催し、約630人の参加をいただいております。そのほか、老人クラブや女性団体等の総会等に呼ばれまして出席しました。その回数が7カ所、580人、合計いたしますと、18カ所で開催し、1,200人余りの市民の皆さん方に参加をいただいております。参加された皆さん方からは市立病院の現状や常勤医師の過重労働について大変なことがわかった、何か協力することはできないかというようなありがたい御提言もいただいております。出席された皆さんにはおおむね理解をいただいたものと思っております。

 また、広報や地元紙の報道もあり、参加されていない皆さん方にも何らかの情報提供にはなったものと思っております。ただし、これで十分とは思っておりませんので、現時点では新たな懇談会の予約は今入っておりませんが、今後も引き続き地元には出向き、情報の提供を行い、住民の皆さん方からの生の声を聞かせていただきながら、安心できる病院づくりに努めてまいりたいと思っておりますので、御理解のほどよろしくお願いいたします。

 以上であります。

○議長(上田竹則君)  上脇和代君。


○上脇和代君 
 再質問をさせていただきます。

 道路についてはよろしくお願いをいたします。

 病院について質問の1の利用状況などについては、やはり減であるということ、しかしお医者さん1人に対しては軽減されてないということは非常にこれからもまだまだ厳しい状態におられるのかなというふうに思います。こういうことを軽減するため、医師だけの問題なのか、そこらもちょっと、先ほどの財源の投入に対してどのような考え方でおられるかということが何か具体的に出てこなかったんですけれども。これだけの予算を投入して、今後まだこの研修医制度は、先日のテレビでは12月ごろに少し何か見直しがあるような、3年向こうぐらいには何か制度そのものを検討するようなことも出ておりましたけれども、それまでに至る間についてのやっぱり厳しい財政的な負担が必要になるんではないかなと思いますが、市長はどのようにその負担についてお考えでしょうか。

 それから、市民への広報活動なんですけれども、先ほど課長が言われたように、各地へ行かれたことによって、それが報道されて、それからまた市民から市民に伝わって、いい効果的な状況が起きたために後の懇談の申し入れがなかったのではないかなあと思いますけれども、今後建てかえの問題もあれば、さらにそういうところにも出かけていって理解を求めることも必要ではないかと思いますが、この2点についてお伺いいたします。

○議長(上田竹則君)  市長。


○市長(高橋英吾君) 
 財政面ですけれど、この前議員協議会でお話ししましたように、
300床の場合、全国平均1ベッド当たり360万円が普通であります。県病院が、お聞きしますと、これ平成17年度の計算ですけど、大体県が306万円、大洲市が166万円です。そして、私どもがそこまでやったときは66万円です、1ベッド当たり。だから、世間並みにやればすぐ黒字なんですけれど、要はやっぱり病院側、それから私どもの手元不如意ということで、よく66万円で頑張っていただいたと。平成11年、私が引き受けたときは赤字が5億五、六千万円だったと思います。平成19年度終わった時点では7億円ちょっとですね、11年間で2億円はふえておりますが、それは環境がよかったからあそこにとどまったということで、初めて今年度多くふやして、1ベッド当たり160万円ぐらいですか、やっと大洲並みになったということです。しかし、これがずうっと160万円で続くかどうか。ただ、360万円になって普通じゃないかというわけにはいかないというのが手元不如意ということで。

 しかし、その背景には、この八西地区においては八幡浜市と同じように病院がないわけです。この基幹病院がたくさんある東京とか松山とかは一つ、二つつぶれてもほかにあるじゃないかということで精神的に安定するんですけど、ここはないという苦しさがあります。したがって、何としてでも議員の皆さん方と市民の皆さん方の御理解を得て、市立病院を頑張っていかなければいけないというのが現状であります。しかし、先はなかなか難しいということで、とにかく一番手早いのはお医者さんを連れてくることということです。

 ある人と話したんですけど、松山のお医者さんで、八幡浜出身で、来たいんだけど、自分がいなきゃその病院はつぶれるということでどうしても来れないということ、そういう話はたくさんあります。今四方八方手を尽くしておりますので、23名の議員の皆さん方もぜひ御協力お願いして、市長が1人や2人とかと言わずに、皆さん方が1人ずつ連れてくれば非常に簡単であると思いますが、なかなかそれが難しいと。私もまだまだ努力しておる、先ほど申しましたように来週も交渉に行ってまいります。

 それから、市民に対する周知度ですけれど、これはなかなか難しいと思いますし、もちろん広報にも相当載っております。しかし、広報は読む人と読まない人がいるので、病院側が毎晩毎晩本当に御苦労さまであるように各公民館へ行って説明をしております。もうこれ以上はなかなか気がつかないので、もし地区によって来て話してくれといった場合は気持ちよく行くということでありますし、また23名の皆さん方もこの市立病院の現状を自分の支持者たちに話していただきましたら、まだまだ広がると思いますので、我々としても一生懸命やりますが、ぜひ議員さん方の御協力もお願いいたしまして、私の答弁といたします。

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