一般質問(一問一答方式) H30.3 高橋時英 議員

公開日 2022年01月12日

〔高橋時英君質問席へ移動〕

 

○高橋時英君  皆さん、こんにちは。
 それでは、通告に従いまして、大綱1点、少子・高齢化、人口減少に伴い生じる課題と市の長期的政策についての一般質問を行わさせていただきます。どうか市長及び関係理事者の皆様におかれましては、誠意ある御答弁のほどよろしくお願いいたします。
 さて、当市の喫緊の課題を整理すると、次の4点だと思います。1つに出生数の減少、2つに高齢者の増加、3つに社会の支え手の不足、4つに、これらが互いに絡み合って起きる人口減少だと思います。
 未来を予知することはできませんが、人口は予測することができます。人口が減少し、高齢者がふえることによって生じる弊害は何か、それにどう対応していかなければならないか。これからは、都度国からの通知に従い行政事務を遂行するだけではいけないと思っております。一部の自治体の人口がふえたとか、減ったとか、この取り組みが功を奏したとか、一喜一憂している場合ではなく、10年先、20年先、全体を見据え、予想される課題に対して対策及び長期的政策を考えないといけないのではないでしょうか。
 前置きが少し長くなりましたが、今回の一般質問は今後、深刻化するであろう課題について、当市の現状や見解、長期的政策を伺うものですので、御答弁をよろしくお願いいたします。
 1点目でございます、育児と介護のダブルケア問題について。
 50代になるころから、親の介護に直面する人はぐっとふえてまいります。自分の親が要介護認定を受ける年齢、およそ80歳になるころです。しかし、近年は、晩婚・晩産傾向にあります。2016年の第1子出産時の母親の平均年齢は30.7歳、第2子以降も考えれば、50代で子育て中の人も今後ふえてまいります。親の介護も重なれば、育児と介護を同時に行うダブルケアに直面する人も多くなるのではないでしょうか。
 また、病院施設から在宅へと介護方針がシフトされている昨今では、家族の支えがないとそのような介護方針も達成できません。定職についていても、育児や介護のために、働きたくても働き続けることができず、離職せざるを得ないケースもふえてくるのではないでしょうか。
 そこで、この問題に関して、当市の現状や見解、長期的政策を伺いたいと思います。
○議長(新宮康史君)  市民福祉部長。
○市民福祉部長(舛田昭彦君)  育児に関する支援としましては、保育所や放課後児童クラブの利用があり、就労によらずとも、同居親族の介護を理由とした利用も可能としているため、当事者の育児負担軽減に資するものと考えております。
 次に、介護による離職問題については、平成29年2月から3月にかけて実施しました八幡浜市民の保健福祉に関する意識調査のアンケート調査の中で、家族や親族に介護を主な理由として過去1年の間に仕事をやめた方がいるかいないかについての質問を行っております。
 回答内容は、介護のために仕事をやめた家族、親族はいないが66.7%、転職を除き、主な介護者が仕事をやめたが10%というアンケート結果が出ております。
 現在、国の施策の中で介護離職ゼロに向けての取り組みを進めているところで、2020年度初頭までに介護離職する者をなくすとともに、特別養護老人ホームに入所が必要であるにもかかわらず、自宅待機をする高齢者を解消することを目指し、介護サービス等を整備することとしています。
 当市におきましても、介護離職ゼロも勘案した施設整備を行うため、平成30年度から32年度を期間とする第7期介護保険事業計画において、平成31年度にグループホーム2ユニット、定員18名、平成32年度に小規模多機能居宅介護1事業所、登録者29名を新規に整備することを予定しているところです。
 晩婚・晩産傾向は今後も継続すると思われます。今後は、介護保険事業計画と子ども・子育て支援事業計画において、育児、介護のダブルケア問題も視野に入れ、地域の課題を的確に把握した上で、実情に応じ、連携した計画、取り組みができるようにしていきたいと考えております。
 以上です。
○議長(新宮康史君)  高橋時英議員。
○高橋時英君  ここ二、三年先というのは具体的にお話を伺うことができたんですが、やはり10年先、20年先となると長期的政策というのは弱いかなという感じがいたしました。
 あとそれと、介護施設の受け皿については整備のお話を聞けたんですけれども、介護休暇制度について市職員の状況、市職員を例に制度を教えていただけたらと思うんですが、総務課長、いかがですかね。
○議長(新宮康史君)  総務課長。
○総務課長(藤堂耕治君)  お答えします。
 市職員の介護に係る休暇制度はどうなっているかという御質問にお答えをしたいと思います。
 市の職員、正職員の場合にはなりますが、要介護者として配偶者、父母、子、配偶者の父母、その他規則で定める者が負傷、疾病、老齢により介護が必要となった場合には、介護休暇が取得できる制度となっております。
 介護休暇には長期と短期の2種類がありまして、短期の場合も長期の場合も、先ほどの対象となる要介護者の条件は同じですが、短期の場合は1人の要介護者について年に5日まで、ただし要介護者が2人以上の場合は年に10日までということとなっております。これは特別休暇となりますので、有給となります。今年度、平成29年度も市役所で2人、市立病院で2人取得をしております。
 長期の場合は2週間以上介護が必要となった場合ということになりますが、1人の要介護者に対して3回まで、通算で6カ月まで介護休暇が取得できるようになっております。
 ただし、これは無休なので、給料は支給はされませんが、市の職員の場合は、この点について共済組合、互助会から、90日を限度ということにはなりますが、給料の約60%が支給される制度となっております。
 長期の介護休暇につきましては、平成27年度以降ということになりますが、市立病院も含めまして、平成27年度に1人、1件取得をしておりますが、28年度はなく、29年度も、現在のところはありません。
 以上です。
○議長(新宮康史君)  高橋時英議員。
○高橋時英君  済みません。通告なしの質問やったんですが、ありがとうございます。
 施設とかをつくるのに関してはお金がかかることでございます。しかしながら、制度を整備するということは余りお金がかからないことですので、市が見本となって、どんどんそういった介護制度について整備をしていただいて、市内の事業所のお手本となっていただけたらと思います。
 次に行きます。
 2つ目です。ひとり暮らし社会への対応についてでございます。
 未婚者の増加もありますけれども、一般的に結婚している世帯では、子供がひとり立ちをした後、夫婦2人での生活になり、夫が亡くなって独居になるというパターンが想定されます。男性に比べ女性のほうが長寿のため、特に女性の独居がふえると思われます。頼れる家族がいないから、住みなれた地域を離れたくないから、子供は転勤が多いから、気楽な生活を望んでいるからなど、ひとり暮らしの理由はさまざまだと思っています。それでも身体能力の衰えとともに、一人で暮らせなくなる日がいつかはやってくるのではないでしょうか。
 そうなると、都会に出た子供を頼って転出をしたり、高齢者施設へ入所したりする人が出てまいります。一番問題なのは、身寄りがなく、経済的にも厳しく、それでもひとり暮らしを続けざるを得ない人だと思います。いろいろなケースがございますが、高齢者のひとり暮らしを地域で支える、そういった仕組みが必要だと思っております。
 そこで、この問題に関して、当市の現状や見解、長期的政策を伺いたいと思います。
○議長(新宮康史君)  保健センター所長。
○保健センター所長(二宮恭子君)  お答えします。
 現在市では、在宅において1人で暮らす高齢者等が住みなれた地域で安心して暮らすことができるよう、地域住民が一体となって見守る体制を形成することにより、高齢者の在宅福祉の向上を図ることを目的に、独居高齢者等見守りネットワーク事業を実施しております。
 この事業では、各地域に見守り推進員を配置し、70歳以上の独居高齢者等を対象に、おおむね週1回の安否確認を行い、また直接みずからが訪問する日を除き、近隣住民等の協力を得て安否確認ができる体制づくりを進めています。
 平成28年度においては111名の見守り推進員を配置し、独居高齢者1,494名、高齢者のみの世帯564世帯の見守りを実施しております。
 また、社会福祉協議会に委託する事業として、平成27年11月から地域における高齢者の多種多様な取り組みをコーディネートする生活支援コーディネーターを配置し、平成28年8月からは情報共有と協働による人材資源開発等を図る場として、地域支え合い第1層協議体を設置しております。その協議体の中で、地域ごとに第2層協議体を設置して、地域高齢者の生活支援等を具体的に考えることが課題となり、生活支援コーディネーターが働きかけをした結果、現在では、千丈地区、喜須来地区の2カ所で第2層協議体が立ち上がり、今後の地域高齢者のサポート体制などに取り組んでいただいております。
 今後は、全市的に第2層協議体の設置を進めたいと考えており、高齢者の居場所づくりや独居高齢者へのサポートなど、さまざまな局面で活躍するボランティアの発掘を期待するところです。
 この協議体以外にも、宮内地区公民館では愛媛大学の教授を招いて地域づくり、地域住民の助け合いなどの講座を開いているというお話も聞き及んでおりますので、これらの取り組みとも協働しながら、地域住民が安心して暮らしていける体制をつくっていきたいと考えております。
 以上です。
○議長(新宮康史君)  高橋時英議員。
○高橋時英君  やっぱり長期的政策が少し弱いかなという、そういうイメージはありましたけれども、興味があったので教えてほしいんですが、千丈、喜須来の地域が第2層協議体で取り組んでおられるという話があったんですけれども、具体的にどういう活動をされているんでしょうか、わかる範囲で結構です、お願いします。
○議長(新宮康史君)  保健センター所長。
○保健センター所長(二宮恭子君)  千丈地域におきましては、民生委員さんと地区の社会福祉協議会の役員さんが、我々がこの協議体の話を進める以前ぐらいから、各地域の高齢者の実態などをアンケートをしてみようと、そういうようなどうも動きがあったようですので、その自主的な動きと市が考えていたこのコーディネーターの動きがちょうど一致したというところで、合わせた形で、市の一番に考えていくような地域ということで、まだアンケートでございますので、どこにどの人というところまではいっておりませんけれども、そこらを地域のこととして、全体ですると話がぼけてしまいますので、地域で一緒に考えていくと、その体制も一緒に考えていこうというような形で進めております。
 また、喜須来地区におきましては、そういう地区社会福祉協議会の活動などを、情報交換をされた中で自分たちも何かしていきたいというようなことで、地区に倣いながら、また協議体に一緒に入っていただきながら進めてもらっているところです。
 以上です。
○議長(新宮康史君)  高橋時英議員。
○高橋時英君  今後、地域とか、ボランティアとかの活用というのは必須になってくるのかなと思います。当初予算案でも訪問型サービスB、ボランティアを活用したサービスに係る経費も計上されていましたので、すごく楽しみにしております。
 次参ります。
 3点目でございます。認知症対策についてです。
 認知症は誰もがいつ発症してもおかしくない病気です。内閣府の高齢社会白書2017年によれば、団塊世代が75歳以上となる2025年に730万人となり、65歳以上の5人に1人が認知症、また2060年には1,154万人となり、3人に1人が認知症になるとの推計を紹介をしています。若年性認知症も考えれば、40歳代からの患者さんもおられます。
 今後は、認知症を患いながら1人で暮らす高齢者世帯の増加も進んでくるのではないでしょうか。報道等で自動車事故のニュースも後を絶ちません。地域においては認知症の方を支えるために、全ての住民にかかわる問題として認知症の理解を深め、認知症になっても安心して暮らせるまちづくりを推進していくことが大切だと思っています。
 そこで、この問題に関して、当市の現状や見解、長期的政策を伺います。
○議長(新宮康史君)  保健センター所長。
○保健センター所長(二宮恭子君)  お答えします。
 平成29年4月の当市において認知症と把握している方は1,500人となっており、65歳以上の高齢者における割合が11.2%となります。平成27年度は10.5%、28年は10.7%ですので、増加傾向にあると言えます。
 当市の認知症対策としては、認知症サポーター養成講座、認知症予防出前講座、認知症何でも相談、家族介護教室、認知症高齢者どこにいるのネットワーク事業などを行い、参加者も多く、一定の効果を得られましたが、平成29年1月からは認知症専門医、研修を受けた保健師等の専門職により認知症初期集中支援チームを結成し、認知症の初期に対応できる体制を整えております。
 認知症においても大切なことは、他の疾患にも言えることですが、早期発見早期治療です。これにより進行をおくらせることができる場合が多くあります。このことから、今年度、70歳代後半に体調を崩される方が多いという過去のアンケート結果から判断して、78歳安否確認訪問事業を展開しました。これは、介護保険や福祉事業などにおいて個人の情報が把握できていない方を対象として、1年かけて戸別訪問したものです。
 結果は、244人の自宅等を訪問し、そのうち認知症または認知症の疑いがある方が6人いました。現在は、先ほど申し上げました認知症初期集中支援チームや訪問指導員によって適切に医療や介護サービスにつなげているところです。
 以前は、民生委員さんなどの通報によって進行した認知症が発覚する場合が多く、いわば情報を待っている状況でしたが、現在では、積極的に情報収集を行っております。78歳安否確認訪問事業が一定の成果をおさめましたので、認知症高齢者等の早期発見に向けて、今後も継続して行ってまいりたいと考えております。
 以上です。
○議長(新宮康史君)  高橋時英議員。
○高橋時英君  78歳安否確認で実際に発見できたということですごいすばらしい取り組みだと思います。
 余談でございますが、我々市議会議員の平均年齢61.3歳でございます。あと4年後、同僚議員も高齢化してまいるかもしれませんが、私は安心しております、多分しっかりした方々ばっかりですので、済みません、大変余談でございました。
 私、保健センターに勤務していたころ、市職員を対象に認知症サポーター養成講座をしたことがあります、10年ぐらい前になりますね。そのときからずっとオレンジリング、認知症の見守り員としてこれをつけているんですけれども、きょう見た感じ、皆さんはつけられておられるのかどうか見えないんですけれども、10年前の取り組みですので、市職員がまず認知症に対して理解を持っておかなきゃいけないと思います。ですから、職員対象にぜひとも認知症サポーター養成講座を実践していただけたらと思います。
 次に参ります。
 空き家対策についてです。
 後継ぎがいない人の家はいずれ住人がいなくなり、空き家になります。住宅・土地統計調査2013年では、全国の空き家は約820万戸あるそうです。七、八軒に一軒は誰も住んでいない計算となります。空き家と言っても、一軒家もあればマンションもあります。今後は、スラム化したマンションも社会問題として重くのしかかってくるのではないでしょうか。
 政府も空家対策特別措置法を制定し、てこ入れを図っていますが、人口減少を予測しながら、景気浮揚対策として住宅ローン控除など新築住宅を促す政策も推進してまいりました。政府にも責任はないとは言えません。今後は、空き家の有効活用をどんどん図っていかなければならないと思っております。
 そこで、この問題に関して、当市の現状や見解、長期的政策を伺います。
○議長(新宮康史君)  市長。
○市長(大城一郎君)  本市では、平成27年5月に空家等対策の推進に関する特別措置法が完全施行になったことや空き家に関する相談が増加傾向にあったことから、住民ニーズに幅広く応えるため、県下に先駆けて平成28年4月に建設課に空き家対策係を設置しました。
 また、平成28年11月には、法務、不動産、建築、福祉と幅広い分野の有識者から成る空き家等対策協議会を設立し、委員の意見を伺いながら、空家等対策計画を策定するとともに、当市の空き家対策の推進を図っているところです。
 当市の現状についてですが、管理不全な空き家を抑制するための啓発活動や新聞、ニュース、テレビ等のマスコミの影響も相まって空き家に関する相談件数が、平成27年度25件、平成28年度60件、本年度現在では110件と急増しています。その中で、管理不全で近隣の迷惑となっているような空き家については、所有者や相続人を特定し、適正な管理をするように促しております。老朽化した危険な空き家については、除却費用の一部を補助する制度を実施しており、平成27年度4件、平成28年度14件、本年度20件を予定しており、一定の成果を生み出しております。
 また、程度のよい空き家に関しては、継続した適正管理をお願いするとともに、中古住宅市場への流通を図り、移住・定住につなげる取り組みとして、空き家バンクを昨年9月に開設をしております。
 現在16件の物件を掲載しておりますが、3件の契約が成立し、交渉中の物件が3件と順調な滑り出しとなっております。今後は、利用者のニーズを把握しながら、継続的に登録物件を増加し、より有用な制度運用に努めてまいります。
 そのほか、本年度空き家等活用促進事業を立ち上げ、地域コミュニティーの活性化に資する事業を実施することを条件に、向灘にコダテルという施設が完成をしております。今後、この施設にたくさんの人が集い、新たなアイデアが生まれ、八幡浜市の発展につながるよう期待をしているところです。
 空き家等対策の一番は、空き家に、あるいは空き家を改築、撤去、新築し、ここに人が住んでくれること、誰かにそこに住んでいただくためには、まずは仕事のこともありますが、さらに空き家周辺地域が生活に利便性があり、魅力のあるエリアであるかどうかが問われてくると思います。そのような意味で、最大の空き家対策は町の活性化であると思っており、狭い意味での空き家対策を含め、さまざまに取り組んでいきたいと思っております。
○議長(新宮康史君)  高橋時英議員。
○高橋時英君  コダテル、すばらしい僕も取り組みだと思ってます。人が集まる施設、空き家がそういった施設に生まれ変わるというのは本当に地域の活性化につながるすばらしい事業だと思ってます。新しい建物も魅力的なんですけれども、建築には費用もかかりますし、設計費用とかも含めたらもっとかかります。
 これは、当初予算書案に書いてある医師住宅とか看護師住宅のお話にもつながるかと思うんですけれども、新築じゃなきゃいけない理由、やっぱり同じところに住みたくないというお話も聞くわけですよ、近所づき合いが面倒くさいからっていう理由で、ですから一軒家をリフォームして空き家を活用してっていう考え方もあるのかなというふうに思っております。これは通告してませんので、委員会で内容を確かめたいと思いますので、答弁を考えておいてもらったらと思います。
 次行きます。
 5番目です。耕作放棄地及び農業後継者対策についてでございます。
 労働力人口が減るということは、1次産業に携わる人も減るということです。農業就業人口の平均年齢は66.4歳、65歳以上の占める割合は63.5%です。少子化の加速、人口の減少は、後継者が育たないため、世代交代もなかなか進みません。ミカンを主産業とする当市も大打撃を受けそうです。農業就業人口が減ると、農地面積の減少も進んでしまいます。農林水産省の資料2016年によれば、2014年の荒廃農地は27万6,000ヘクタール、農業後継者の確保、育成は喫緊の課題だと思います。そうしないと、今後、当市の耕作放棄地または遊休農地はふえ続けてまいります。また、全国的な労働力不足からミカンアルバイターの確保も難しくなるのではないでしょうか。
 近年、異常気象も続いております。気候変動も視野に、安定した生活を送ってもらうためにも、セーフティーネットとして収入補填の制度も必要となるのではないでしょうか。
 2017年産の温州ミカンの販売総額は、台風等の影響で前年を約10億円下回る約86億円になるとの報道も耳にしました。
 ここで、参考までに、ミカンではないんですけれども、これは昨年10月の台風で被害を受けた五反田のフジガキの様子です。ぱっと見きれいに柿がなってるとは思うんですけれども、私現場に行きまして、農家さんに、ああ、きれいな見事な立派な柿ができましたねって言ったら、ここで全部見えるの全て廃棄処分ですと言われました。台風で葉っぱが飛んでしまうと一気に熟成が始まってしまい、渋い状態のままで終わってしまうと、そういうことでことしのフジガキは全滅であると、ことしどうやって御飯を食べようかっていうふうに、そのようなお話も伺いました。
 ですので、やっぱりそういう収入補填、セーフティーネットというのも今後考えていかなきゃいけない課題かなと思います。
 そこで、この問題に関して、当市の現状や見解、長期的政策を伺いたいと思います。
○議長(新宮康史君)  産業建設部長。
○産業建設部長(菊池司郎君)  お答えします。
 まず、耕作放棄地についてですが、平成27年に行われました農林業センサスの統計によりますと、当市の耕作放棄地は、非農家所有農地を含め394ヘクタール、耕作放棄率が13.97%となっております。5年前の平成22年統計時は、耕作放棄地が310ヘクタール、耕作放棄率が10.57%であり、県内平均耕作放棄率が、22年が21.95%、平成27年が25.1%ですので、当市内農業者の皆さんには農地を荒らさないよう頑張っていただいていると思っております。
 しかし、農業就業者の減少に伴い、耕作放棄地は着実に増加しています。市では、耕作放棄地解消のため、向灘地区と釜倉地区の圃場整備に対する費用として、平成29年度は70万3,500円を補助し、土壌の改良やモノレールの敷設などの施設整備を行っております。
 また、農業後継者の確保、育成が必要であり、新規就農者には経営の安定化を図る農業次世代人材投資事業を活用し、新規就農者に対する補助を行い、Iターン就農時の研修、定着に係る費用の一部として、短期研修でおおむね10日間の生活支援費用6万円の2分の1等を負担するなど、さまざまな支援を行っております。
 また、本年度は台風や風雪による被害が出ており、被害額はかんきつ、落葉果樹合わせて約6億2,000万円と報告を受けております。収入が天候に大きく左右されることから、来年度より、農家の収入減が発生した際に、国と農家が拠出する保険金と積立金から一定額を補填する収入保険制度が実施されます。この制度は、品目の枠にとらわれず、自然災害による収量減少だけでなく、価格低下などを含めた収入減少を補償する仕組みで、青色申告を実施していることが加入条件となっておりますが、1年分の青色申告の実績で加入できますので、これに加入することにより収入の補償はある程度得られるものと期待しております。
 また、労働力確保の長期的施策として、現状の個々の施策のみでは労働力不足、担い手不足の根本的な解消は難しい段階に来ていると考えられますので、JAにしうわが既に実行中の産地間での連携による新たな収穫期の労働力確保対策や外国人の移入等について検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(新宮康史君)  高橋時英議員。
○高橋時英君  収入保険についてなんですけれども、青色申告を行っている経営体のみということで、過去1年でいいとはいうお話ではあったんですが、不正受給を防ぐためには仕方のないハードルかなとも思うんですけれども、やはり全員が安心して入れる制度ではないということも考えながら、今後の検討としていただきたいと思います。
 次行きます。
 6番目です。放置船、空き船及び漁業後継者対策についてでございます。
 漁業就業者数は全国で約16万人と言われています。平均年齢は56.7歳、年々減少の一途をたどっております。このままでは何年も使われていないような朽ち果てた漁船が漁港に放置されていくのではないでしょうか。漁業には定年がなく、引退をしても退職金は出ず、逆に船をスクラップにする経費がかかってしまいます。ほとんど海に出ない高齢者が、そのまま組合員を続けているケースが出てくるかもしれません。
 また、放置船は高潮時には流出による被害、油の流出による水質汚染、景観の悪化等の懸念がございます。東日本大震災では、津波より流出し、住居地への被害が発生したこともあり、放置船対策の必要性が再認識されているところです。農業後継者と同様に、漁業後継者の確保、育成は喫緊の課題と言えます。
 そこで、この問題に関して、当市の現状や見解、長期的政策を伺いたいと思います。
○議長(新宮康史君)  副市長。
○副市長(橋本顯治君)  それでは、お答えします。
 放置船、空き船及び漁業後継者問題については、当市の基幹産業である水産業において深刻な問題であると認識をしています。平成28年度の港勢調査によると、当市で登録されている漁船は、これは放置船も含めて登録されているのが352隻、これ以外に陸揚げされて明らかに廃船とわかる漁船が12隻ありました。
 放置船の対策について、市では、放置船の調査、放置船所有者への電話や文書による撤去指導を行っています。また、八幡浜漁協でも、高齢等の理由で漁業を引退される方に対して漁船の処分に関する指導を行っているところです。
 平成24年と27年には、漁船が転覆し、油が流出する事故が発生をしました。どちらも市が漁船を引き揚げましたが、平成24年の経費が約80万円、このうち70万円はまだ完済をされてないままになっています。平成27年の経費は30万円で、これについては全額回収ができているというところです。
 あくまでも漁船の所有者が責任を持って船舶の撤去、処分まで実施することが原則です。しかし、漁業から引退すると、そのまま船が放置され、撤去されない場合があります。全国でもこのような事例が多発していることから、市としても対応に苦慮しているところです。
 船舶の放置が長期化するほど、放置船流出による被害、油の流出、景観の悪化といった周辺や防災面での影響が大きくなります。仮に沈没すると、処分にも多額の経費を要することになります。市としては、漁協等関係機関とも連携をとりながら、船舶所有者の意識啓発や放置船に対する撤去指導を早目に実施することで、放置船の解消を図ってまいりたいと考えています。
 また、放置船の抜本的な解消については、船舶購入時にリサイクル費用を徴収するといったような根本的な法の整備が必要かなというふうに考えています。
 次に、漁業後継者問題ですけれども、直近の平成25年漁業センサスによると、当市の漁業就業者280名のうち、65歳以上が110名で39%になります。高齢化の理由は、もともと高度成長までには多数の新規就業者があったものの、その後は年々新規就業者が減少し続け、当時の大半の新規就業者が時間の経過により高齢化されたということによるのではないかと思っています。
 漁業後継者の対策として、将来の漁業の担い手確保と育成を目的に、教育面では市場見学、体験学習などを通じて魅力のある漁業の普及に努めています。また、平成29年度に漁業後継者及び新規就業者に対し、市単独で新たに助成制度を設け、1名ですけれども、漁業後継者の就業につながったということがあります。
 今後も、漁業後継者の確保に向け、関係機関や団体と連携しながら、新たな教育や受け入れ態勢づくりに努めていきたいと考えています。
○議長(新宮康史君)  高橋時英議員。
○高橋時英君  すごいしっかり考えられてるなという印象です。あと、漁業新規就業者の支援っていうことは、国の補助もつかない中、よく市単独事業としてやっていただいたということはすごく私は評価をしたいと思っています。なかなか国の補助がない中、起債もつかない中、新規事業をするっていうのは、今の財政状況が厳しいんですが、やっぱり必要なものは必要として、これはやり遂げないかんことだと思います。
 最後の質問です。7つ目、水道事業運営と施設・設備の更新についてでございます。
 これまでの水道施設は、新規または拡張のため、将来の最大値に向けて整備されてきました。一方で、近年、人口は減少に転じ、もはや水事業の伸びが見込める状況にはありません。今後、水道施設の更新を進めるに当たっては、ダウンサイジングを踏まえた強靱で省エネ、省コストに配慮した持続的な施設の再構築が必要になってまいります。ただ単に施設を小さくするということだけでなく、将来的な人口減少に対応し、まちづくりのコンパクト化も考慮しながら、効率的につくりかえていく必要があります。
 そこで、この問題に関して、当市の現状や見解、長期的政策を伺います。
○議長(新宮康史君)  水道課長。
○水道課長(山内慎一君)  お答えします。
 近年、全国の水道事業を取り巻く環境は厳しさを増しており、当市においても、減少人口や節水意識の高まりなどにより給水収益は年々減少しています。これまでと同じ計画給水量を前提とした水道施設では、稼働率が低下し、効率も悪くなるため、老朽化が進む浄水場や配水系統の見直しとともにダウンサイジングを図るなど、効率的なシステムへの再構築が迫られています。
 ただし、人が住んでいるところで給水をとめるわけにもいかず、またその方に移転を強制することもできません。当分の間、水道事業の効率は悪くなりますが、過疎化が進行している中では特効薬のないやむを得ない状況であると認識しています。耐震化等、施設、設備を更新するためには、毎年多額の事業費が必要であり、全体の収支バランスについて十分なチェックが必要と考えています。
 当市では、総務省通知に基づく公営企業の抜本的改革の取り組みにより、平成22年度に八幡浜市水道ビジョンを策定した上で、水需要予測に基づき事業規模の見直しを図り、2度にわたる水道改定を実施し、安全で安定した給水と健全経営に努めてきました。
 現在、平成26年8月の総務省通達により、最新のデータに基づくアセットマネジメントを活用した経営戦略を策定し、検討しております。その結果がまとまる来年度には、現状の問題点と将来の見通し、今後の水道経営について議会や住民の方々へ丁寧な説明を行っていく予定です。
 以上です。
○議長(新宮康史君)  高橋時英議員。
○高橋時英君  長年、当市の水道行政に御尽力いただいた課長も定年退職ということで、まずもって敬意を表したいと思います。
 人が住んでいるところでも、端々のほうで人口が減り、結局1人しか住んでいなくなっても、水道はどうするか、そういった究極の問題を抱えていると思います。なかなか答えが出るもんでもないんですけれども、新しい計画、新しい最新データのアセットを用いた経営戦略も間もなく公表予定ということで、その内容を確認した上で、またいろいろお互いに意見交換できたらなと思っております。
 結びになりますが、少子化はなかなかとまりません。出生数も100万人を切りました、約94万人と言われてます。子育て支援策が成果を上げて合計特殊出生率が多少改善したところで、未来の母親となる世代の絶対数が少ないために、出生数が増加することはありません。高齢化に至っては、既にこの世に存在する人が年を重ねる結果起きるものですから、これに歯どめをかけることはできません。団塊の世代が75歳以上になる2025年問題、我々団塊ジュニア世代が75歳以上になる2042年問題、そこまで見据えて政策を練っておく必要があると思っています。
 冒頭にも申し上げましたが、人口が減少し、高齢者がふえることによって生じる弊害は何か、それにどう対応していかなければならないか、若干答弁を聞く限りでは長期的政策がまだ見えてこないところも弱いなと感じるところがございました。今だけでなく、10年先、20年先、全体を見据え、予想される課題に対して対策及び長期的政策をともに考えていけたらと思っています。
 以上で私の一般質問を終わります。ありがとうございました。ともに頑張りましょう。

 

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