一般質問(総括方式) R3.6 竹内秀明 議員

公開日 2022年01月13日

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○竹内秀明君  私は、一般質問通告書に従いまして、大綱2点質問をいたします。関係理事者の皆様には、誠意ある御答弁をよろしくお願いいたします。
 大綱1、障害者入所施設及び障害者支援の整備についてであります。
 令和2年2月25日に市議会協議会において、旧喜須来保育所園庭を活用した障害者入所施設について御説明がありました。障害のある方が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるように、市内に障害者が入所できる施設を準備することは重要であると感じております。
 この旧喜須来保育所園庭を、民間事業者による障害者グループホーム設置・運営を支援するために貸し付けることとし、希望する事業者を募集していましたが、土砂災害警戒区域、さらに家屋倒壊等氾濫想定区域に指定されたことを受けて、優先的な整備は望めず、認可されないことも懸念され、建設は困難となったようですが、間違いないでしょうか。
 また、募集期間内に民間事業者からの問合せは何件あったのでしょうか。
 そしてまた、地元に障害者入所施設がないので松山の施設に入所している。ぜひとも市内に入所施設が欲しいなどなど、障害者の保護者の方からも、私のほうに多くの声が寄せられております。
 現在、入所施設の整備が振出しに戻っておりますが、今後どのように対処していくのかお伺いいたします。
 また、障害者支援の現状についてお伺いいたします。
 以前、市内にも愛媛県立宇和養護学校八幡浜学園分校が栗野浦にありましたが、24年前の1997年廃校となっております。
 まず、この24年間、こういった学校が市内にできなかった問題点は何だったのであろうかと思います。
 この特別支援学校についても、多くの保護者の皆様から、どうして八幡浜にはできないのだろうかと。ぜひ市内にも特別支援学校が欲しいとお声をいただきます。
 がしかし、現在の日本では、障害のある人、ない人は、特性や個性と考えられ、多様な方と暮らしていく社会となっております。しかし、そこでもまた障害者として生きてきた方が、あまり接点のなかった障害を抱えてない人と出会います。逆に障害のない方が障害のある方との出会いもあります。人は、経験のないことや出会ったことのない人には臆病になる傾向が強いため、そこから区別や差別、一定の社会的距離が生まれることも懸念されがちです。
 誰しも年をとり、障害を抱えるといったような障害の理解を推進し、多様な人が学び合い、障害は個性、特性として個別的な学習プログラムを提供していく、また当事者が学習を選択していく時代に突入したのだと考えます。
 そこで、さきに申し上げた特別支援学校に入所を希望する人、それと特別支援学級のようなインテグレーション教育を希望する人、また他者との関わりを重視するインクルージョン教育を希望する人、それぞれを当事者や家族が選べる環境、市内の学校に通う生徒が理解を深める段階的な福祉教育の推進などが必要だと思います。
 障害者の尊厳や自己決定を尊重し選択できる。八幡浜市でそれをサポートする。例えば勉強会の実施、当事者グループの設立と支援、市内イベントや福祉計画策定等への参画できる配慮に努めることが大事であると考えます。
 そして、小規模でもいいので市内に数か所ある廃校を利用して、選択肢の一つである特別支援学校の設置も進められたら、八幡浜市にないから他市にと困っている方も、安心していただけるのではないかと思います。
 これにはもちろん専門知識を持った教職員の配置といった問題も出てきます。全てにおいて一朝一夕には解決できることではありませんが、一つ一つ解消していくことが大事だと思いますが、いかがでしょうか。
 続きまして、大綱2、中高生や若者たちが集い遊べるプレイグラウンドを。
 当市にある公園や児童館は、いつでも誰でも自由に遊べることを基に設置され、小学校高学年や中学生、高校生も利用できる触れ合いの場として運営されています。
 がしかし、幼児などの小さい子供向けにつくられた公園も多く、スリーオンスリーやスケートボード、ブレイブボードなどで思い切り遊べないといった声が多く聞こえます。
 また、児童館のような屋内の施設も、閉館時間が早いことなどから、中高生には利用しづらいといった保護者からの相談もあります。
 そして、当市の各地区にある広い運動場などは、休日や放課後にいきなり遊びに行っても利用できなかったり、木々で囲まれていたりするため、安心・安全に遊べないという声も多く聞こえます。
 そこで、私は中高生や若者がメインで思い切り遊べる施設とはどんなものがあるかを調べてみました。
 全国各地にバスケットコートやスケートパークといった魅力的な施設がありますが、その中でも特に気になった施設を御紹介させていただきます。
 東京都の新豊洲には、スポーツブランドで有名なナイキが施設全体のデザインとスポーツプログラムを担当した「TOKYO SPORT PLAYGROUND」が、2020年10月10日から東京オリンピック・パラリンピックが終わるまでの2021年9月20日の期間限定で開設されています。
 こちらはスケートボード場とバスケットボールコート、ランニングのできるトラックなどを備えたスポーツパークです。イベント開催日以外の一般開放日に利用できる施設で、入場料は無料だそうです。車椅子の方でも快適に利用でき、ジェンダーレストイレを採用するなど、全てにおいてフリーと受け取れるデザインがとてもすばらしいと思います。
 そして、こちらの施設はウェブから混雑状況のチェックも可能で、空いているタイミングを見計らって利用することもできるそうです。
 また、埼玉県吉川市にあるアクアパーク吉川という施設のシステムにも大変魅力を感じます。こちらは、何と調整池とプレイグラウンドを兼ね備えた施設だそうです。平成30年7月、当八幡浜市でも深刻な被害のあった西日本豪雨がありました。市内を流れる川も物すごい水位になり、恐ろしい思いをした市民の方も多数おられます。そのようなときに、一時的に雨水をため込んで周辺地域をその被害から守ることができるのが調整池です。平常時は水がないそのスペースを利用してスケートボードやバスケットボールを楽しむために開放された施設が、このアクアパークだそうです。多目的広場兼野外ステージ、バスケットコート、スケートボード場などの若者を中心とした遊びの施設で充実され、大雨時には、近隣住民の浸水被害を軽減するための重要な調整池となります。このようなすばらしい施設をぜひ八幡浜市にもと思います。
 特に保内町神越地区付近では、大雨のたびに住民が浸水被害で恐ろしい思いをしていることも踏まえて、閉校した学校跡地なども場所としては理想的ではないでしょうか。
 また、新フェリーターミナルが完成した後の今ある港など、八幡浜みなっとが近いことから開けていて、他の大人の目が届きやすい環境とも言えます。
 そして、四国電力跡地活用にも考える余地があるのではないでしょうか。
 このように、新しく土地を開発しなくても、今ある土地で理想的な場所は多々あると思います。
 補足として申し上げますと、保護者などの関係者以外は御存じない方も多いと思いますが、スケートボードや、少し前から子供たちの間で流行しているブレイブボード、キックボードなどは、芝生や砂地、泥地などでは遊べません。がしかし、最適なコンクリートやアスファルト舗装の場所は、車や歩行者の往来で危険なため、学校や地域などから禁止されている場所が多いと聞きます。
 小学校高学年や中高生の保護者、そして若者がともに安心でき、安全かつ健全に遊べる施設をぜひとも御検討いただきたいと思います。
 そんな明るい健全な施設が八幡浜にできれば、近隣他市からもスポーツレジャー客の誘致につながるかと思います。
 今、子育てサポートや幼児教育の充実に向けた取組で、小さな子供たちやその保護者の方々に優しいまちづくり、そして道の駅みなっと、まちづくり活性化やインフラ整備と、各関係者の方にも御尽力いただいており、市民の方々が住みよい地域を目指しております。
 そして、ここで未来を背負う若者たちが、地元八幡浜で楽しい青春時代を送ることで、また八幡浜に帰って子育てをしたいと思えるそんな少し先を視野に入れたまちづくりをと願いますが、いかがでしょうか。
○議長(石崎久次君)  市長。
○市長(大城一郎君)  竹内議員の大綱2、中高生や若者が集い遊べるプレイグラウンドをについてお答えをします。
 現在、本市では市民の健康と体力の増進を図るとともに、スポーツ及びレクリエーションの振興等のため、市民の方に小・中学校の体育館や保内中央体育館、統廃合された学校施設等を御利用いただいております。
 議員御指摘のとおり、学校等の運動場は、休日や放課後に仮に中高生がいきなり遊びに行っても、スポーツ少年団や一般の方が前もって利用の許可を取り利用している際は、そこで遊ぶことはできません。
 スケートボードや3人制バスケットボールスリーオンスリーは、東京オリンピックの正式種目にも採用されるということで、最近テレビでも放送され、一部で人気が出ていると承知をしています。
 スポーツが多様化している中で、今後このようなスポーツの競技人口や愛好者が増えていくことが考えられます。
 一方で、そのようなスポーツができる大規模な施設の整備につきましては、新たに土地の取得や整備に多額の費用が必要となるほか、周辺住民の理解を得ることなど、解決すべき課題も多くあります。
 市としましては、スケートボードやブレイブボード、3人制バスケットボール等のスポーツの普及状況を注視していくとともに、まずは既存施設の活用範囲の拡大や、例えば王子の森公園にバスケットボールを新設するなど、中高生や若者が遊べる場所が整備できるように前向きに検討していきたいと考えています。
 その他の質問につきましては、教育長、課長のほうから答弁をします。
○議長(石崎久次君)  教育長。
○教育長(井上 靖君)  竹内議員御質問の大綱1の2点目と3点目についてお答えさせていただきます。
 まず、1点目、大綱1の2、八幡浜学園分校がなくなった後、市内に特別支援学校ができなかった理由、背景についてです。
 現在、当市から特別支援学校に通っている児童・生徒は、小学生が2人、中学生が7人の合計9人です。内訳は、西予市の宇和特別支援学校に8人、東温市のしげのぶ特別支援学校に1人となっています。
 宇和特別支援学校では、聴覚障害、肢体不自由病弱、知的障害の3部門で児童・生徒を受け入れており、視覚障害以外は対応できています。
 また、宇和特別支援学校には寄宿舎もありますが、スクールバスを4台所有しており、南予地区全域で運行しております。当市まで通学支援があることから、保護者の負担も軽減されているのではないかなと思います。
 宇和特別支援学校は、養護学校の設置義務により、1979年、昭和54年に開校されました。このとき、1953年、昭和28年に設置された八幡浜学園も、大洲学園、野村学園とともに分校となりますが、3分校とも平成になり、まず八幡浜学園、続いて大洲学園、野村学園が廃止となりました。その後、当市には特別支援学校に当たるものが設置されておりませんが、基本として、南予全域から受入れ可能な施設・設備を備え、専門的な知識を持った教職員を配置している宇和特別支援学校で学ぶことが、児童・生徒によりよい教育環境が提供できるとの判断があるものと理解しています。
 大綱1の3点目、市内への特別支援学校設置について。
 県内にある特別支援学校は、愛媛大学教育学部附属特別支援学校を除き全てが県立学校です。施設・設備、教職員の配置等を考えたとき、市が独自で特別支援学校を設置することは困難です。
 特別支援学校をつくることは困難ですが、当市の特別支援教育の現状について説明をさせていただきます。
 市内小・中学校16校全ての学校に特別支援学級を設置しており、小学校で31クラス59人、中学校で7クラス20人が在籍しております。内訳を申しますと、知的障害が32人、自閉症・情緒障害が41人、肢体不自由が3人、難聴が2人、病弱・身体虚弱が1人です。
 また、通級指導教室については、松蔭小学校の言語障害に15人、神山小と八代中にあります学習障害の通級指導教室にそれぞれ20人、18人が在籍しております。
 さらに、特別な支援の必要な児童・生徒については、幼稚園、小学校、中学校で合わせて43名の学校生活支援員を配置して安全で豊かな学校生活が送れるよう支援しております。
 歩行困難な児童への支援につきましては、昨年車椅子用階段昇降車を購入しました。
 学校教育課教育支援室では、相談事業として療育教育相談年間6回、スクールライフアドバイザーやスクールソーシャルワーカーの学校への派遣、また療育支援としましては、ソーシャルスキルトレーニング、これは学校生活や社会生活の技能を身につけるトレーニングなんですけど、年間6回、ミュージックケアを年間5回、発達支援に関する講演会なども開催しております。
 今後も障害のある児童・生徒一人一人の教育的ニーズを把握し、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善、克服できるよう適切な指導と必要な支援に努めてまいりたいと思います。
 以上です。
○議長(石崎久次君)  社会福祉課長。
○社会福祉課長(松本有加君)  民間事業者による障害者グループホーム整備の現状について、これまでのいきさつについては、今竹内議員が言われたとおりです。
 なお、改めて障害者入所施設の整備、募集の経緯と民間事業者からの問合せ件数及び今後の整備方針についてお答えしたいと思います。
 市としては、民間事業者による障害者入所施設の設置・運営を支援するため、市有地である喜須来保育所園庭跡地を貸し付けることとし、希望する民間業者を令和2年2月の市広報紙やホームページで募集しました。
 募集期間内に3事業者が相談や現地確認を行い、最終的に応募いただいたのは1事業者のみでした。
 続いて、整備を断念した理由についてですが、愛媛県が令和2年6月に指定した喜木川の洪水浸水想定区域図において、喜須来保育所跡地が家屋倒壊等氾濫想定区域に該当することが判明したことからです。
 災害時の安全確保については十分に考慮されるべきであること、またこのような場所でのグループホーム新設について、国の許可や国庫補助確保の上で懸念される状況もあったため、喜須来保育所跡地での建設は困難と判断しました。
 なお、現在、県外の民間事業者が市内にグループホームの整備を計画しているという話を伺っております。
 今後は、この民間事業者の動向を注視しながら、障害者団体等と意見交換を行い、中長期的なサービス利用の需要等を踏まえ、入所施設の整備・運営について支援を図っていきたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(石崎久次君)  竹内秀明議員。
○竹内秀明君  詳細な御答弁ありがとうございました。よく理解はできました。
 障害者入所施設は、望んでいる方の声が多く寄せられておりますので、一日も早く実現することを期待しております。
 支援学校についても、現況はよく理解できております。支援学校設置は難しいようでありますが、これからは特別支援学級や通級などを一層充実していただき、さらに障害は個性、特性と理解していただけるような教育、研修等を実行していただけるよう強く要望しておきます。
 また、大綱2で質問した若者たちが集い遊べる施設についてでございますが、当市において子育てサポートや高齢者福祉等が充実してまいりましたが、未来を切り開く若者の青春時代の楽しい思い出をサポートし、八幡浜に帰りたくなるような施設を検討していただきたいと思います。
 その中で跡地活用協議会などが設置されましたら、ぜひこんな意見もあったぞというようなことを取り上げてもらいたいと思います。
 施設のデザインを市内のデザイナーとかスポーツブランド等に声かけし、若者向けのおしゃれなデザインにするなど、市内が明るくなる雰囲気づくりもよいのではないでしょうか。強く要望し、期待しております。
 以上で私の一般質問を終わります。ありがとうございました。

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