一般質問(一問一答方式) R3.12 攝津眞澄 議員

公開日 2022年03月02日

〔攝津眞澄君質問席へ移動〕

 

○攝津眞澄君  皆さん、おはようございます。
 ミカンの収穫も進み、段々畑が少しずつ緑色に変わってきており、年の瀬の慌ただしさを感じる季節となりました。
 市議会議員に拝命して3か月が過ぎ、2021年最後の一般質問となります。
 通告書に従いまして、大綱2点について御質問させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 大綱1、全国学力・学習状況調査から見える学校教育について御質問します。
 全国学力・学習状況調査を受けて、八幡浜市の結果、分析及び今後の取組についてお伺いいたします。
 文部科学省が平成7年度から毎年実施している全国学力・学習状況調査が、令和3年5月27日に行われました。
 調査は、小学校6年生、中学校3年生を対象とし、国語、算数、中学校は数学の2教科があり、県内の公立校から特別支援学校や中等教育学校の児童・生徒を含む約2万1,000人の参加がありました。
 全国47都道府県中、愛媛県、小学校10位、中学校7位、1位、2位は不動の石川県、秋田県でしたが、上位県は、子供同士が対話をしながら課題に対して試行錯誤し、解明していく対話型・探求型の授業であること、また通塾率が極めて低いにもかかわらず、家庭学習のサポートを手厚く指導されていることが上げられています。
 全国、愛媛県、八幡浜市の各平均正答率は、小学校、全国、国語64.7%、算数70.2%に対し、愛媛県、国語65%、算数72%、八幡浜市、国語69%、算数76%、中学校、全国、国語64.6%、数学57.2%に対し、愛媛県、国語65%、数学58%、八幡浜市、国語67%、数学62%と、小・中学校の全科目において全国、愛媛県の平均を超え、すばらしい結果となっております。
 これもひとえに豊かな人間性を育てる教育を学校教育目標に掲げ、確かな学力の定着と向上を目指して基礎・基本を徹底し、主体的、対話的で深い学びの実現に向けた授業改善と評価の充実を図り、言語環境を整えるとともに、言語活動の充実を図る教科指導のたまものだと、先生方に感謝申し上げます。
 そこで、お伺いいたします。
 八幡浜市内小・中学校の近年の調査推移、また各教科における詳細な結果と分析をお願いいたします。
○議長(平家恭治君)  教育長。
○教育長(井上 靖君)  お答えします。
 令和2年度は、新型コロナウイルス感染症の関係で調査が実施されませんでした。
 平成30年度までは、A問題、知識を問う基本的な内容、B問題、活用を問う応用的な内容に分かれて実施されました。
 小学校、中学校ともに今年度を含めこの4年間、全て全国平均を上回っており、当市の子供たちの学力は確かに育っていると言えます。
 各学校において、児童・生徒の実態に基づいた学力向上推進計画を立て、教員が真摯な態度で取り組み、その中で授業改善のための校内研修の充実を図ってきた成果と捉えています。
 また、30年以上続いている当市独自の取組である中学校区ごとのブロック別の研究体制により、小学校と中学校の連携、小学校同士の連携が図られている点もよい結果につながっていると捉えています。
 このように、小・中学校ともにおおむね基礎・基本は定着していると言えますが、条件に応じ必要な情報を読み取りながら自分なりの考えを書くタイプの問題に課題が見られました。
 当市では、これらの調査結果及び改善策を毎年学校ごとに全ての保護者にお知らせしています。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君  以前八幡浜市教育委員会より図表で表された教科に関する資料をいただきましたが、小学校国語に関しましては、基本の事項、話す、聞く、書く、読むのバランスがよく、算数とともに知識や技能、思考、判断、表現などを考え応用していく力も育っているように感じます。
 一方、中学校の国語を見てみますと、若干国語の読む力が弱いのが読み取れますが、その原因としてどのようなことが考えられるでしょうか。
○議長(平家恭治君)  教育長。
○教育長(井上 靖君)  お答えします。
 国際的な学力調査では、読解力を、書かれたテキストを理解し、利用し、評価・熟考すること。熟考というのはよく考えるということですが、としています。つまり、1、情報を探し出す。2、理解する。3、評価・熟考する。この3点を読解力としています。
 これまでの国語の授業では、2の理解する部分に力を入れてきました。1の情報を探し出すことや3の評価・熟考する部分の指導が弱かったことが原因として考えられます。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君  文部科学省の調査によりますと、家にある蔵書の数が多いほうがテストの正答率が高くなるという傾向があるとの結果報告がありました。
 また、家庭環境により学力に差が生じているという事実が示されました。
 特に小学校低学年は、基礎的な学力だけでなく、規則的な生活・学習習慣を身につける上でとても大切な時期であると考えますが、学校、教員はどのような点に重視して指導されているのか、お伺いいたします。
○議長(平家恭治君)  教育長。
○教育長(井上 靖君)  基礎的な学力をつけるためには、学習するための土台がしっかりしていなければなりません。その土台が基本的な生活習慣、基本的な学習習慣ということになります。
 小学校では、1年生のときに身につけた習慣で6年間の生活が成り立ちます。その土台の一つが「早寝早起き朝ごはん」です。
 そのため、家庭と連携する中で生活リズム週間を設定し、児童が提出した生活記録表に学級担任がコメントを返す方法で規則正しい生活習慣の醸成を図っています。
 もう一つは、決まった時間机の前に座る習慣をつけるということです。小学校では、学年の数掛ける10分を目安に家庭学習を行うよう指導しています。
 この積み重ねがやがて45分間の授業に集中する力となり、学力の向上につながると考えています。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君  規則的な生活・学習習慣はとても大切なことです。
 また、家庭での学習の時間確保、教員の手厚い指導とサポートが学力向上につながるとのことでありますので、今後ともよろしくお願いいたしたいと思います。
 次に、コロナ禍における学校教育及び生活状況の把握とその改善方法についてお伺いいたします。
 一昨年はコロナのためこの調査が中止となり、県内の教育現場でも時短学習や分散登校など、様々な支障があったかと思いますが、八幡浜ではどうだったでしょうか、お願いします。
○議長(平家恭治君)  教育長。
○教育長(井上 靖君)  愛媛県では、令和2年4月20日から5月24日まで全ての公立学校が臨時休業となりました。
 当市では、同年5月25日の学校再開前の2週間、学習の保障の観点から、5回の登校日を設定し、段階的に実施可能な教育活動を行いました。
 登校日には、通常どおり登校し、午前中の2時間から3時間、幾つかのこまに分けて教科学習のポイントを示し、休業中の家庭学習が主体的に行えるようにするとともに、次の登校日には、家庭で実践したことが評価できるよう工夫をしました。
 1教室当たりの人数も制限するなどの感染防止策も取りました。
 また、宮内小、愛宕中、八代中、保内中では、分散登校を行っています。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君  コロナ禍において特に注意した点や改善点、また今後を見据えた取組があればお伺いいたします。
○議長(平家恭治君)  教育長。
○教育長(井上 靖君)  先ほど述べましたとおり、昨年度は4月から5月にかけて臨時休業となりました。
 どの学校も例年より授業時間数が少なくなる中で、学力をつけるために様々な工夫を行いました。授業の遅れを取り戻すために、教える内容を十分に精査、吟味した上で、授業の進め具合を調整した学校、これは重点的に丁寧に取り扱うところと軽く取り扱うところ、軽重をつけたという意味です。
 期間限定で7時間授業を行った学校、補充学習の時間を設定した学校などがありました。
 また、1学期を7月31日までとし、夏休みの開始を10日遅らせることで市全体として授業の進め方に余裕を持たせるように努めました。
 学校行事につきましても、感染防止策を講じながらの実施となりました。
 修学旅行は、時期や場所を変更しながら、小学校では1泊2日、中学校では2泊3日で全ての学校が行いました。
 運動会も来場者を制限し、午前中開催として実施しました。
 今後を見据えた取組として、学習発表会、学芸会をオンラインなど動画配信で行った学校もありました。
 今年度は全て対面で行っています。
 また、本年度から活用している1人1台端末を持ち帰り、学校と家庭をつないだ双方向の学習など、子供たちの学びを止めないための工夫にも着手しています。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君  ありがとうございます。
 次に、学習・生活状況の結果についてお伺いします。
 小学校では、朝食を毎日取る割合が低くなっていますが、八幡浜市の小・中学校で朝食を毎日食べない児童・生徒の割合をお尋ねいたします。
○議長(平家恭治君)  教育長。
○教育長(井上 靖君)  中学校で高いところで5%程度、小学校では多少の違いはありますが、おおむね朝食を取ってこない児童の割合は1%程度と把握しています。
○議長(平家恭治君)  攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君  八幡浜市は御飯を食べている子が割かし多い気がします。
 朝食を取らない理由と食べてこない子供たちへの指導方法や改善方法がありましたらお伺いいたします。
○議長(平家恭治君)  教育長。
○教育長(井上 靖君)  朝食を取らない理由は大きく3つあります。
 1つ目は、保護者に朝食を用意してもらえない場合。2つ目が、登校時刻ぎりぎりまで寝ているため食べる時間が取れない場合。3つ目が、食欲がない場合です。
 保護者が朝食を用意してくれない場合は、個人懇談等で直接お願いをしたり、保健だよりや学校だよりを通して朝食の大切さを伝えたりするようにしています。
 登校時刻ぎりぎりまで寝ている場合と食欲がない場合は、本人の不規則な生活によるところが大きいので、生活リズムを整えるための生活記録票の活用や、朝食や睡眠の大切さを授業の中で考えさせるといった指導をしています。
 また、バナナ1本でも、ヨーグルトだけでもいいからとにかく口に入れましょうと、具体的な直接的な声かけも行っています。
 いずれの方法も即効性は期待できませんが、少しずつ改善した例もありますので、指導を継続していきたいと思います。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君  手厚い指導ありがとうございます。
 文部科学省の調査で、朝御飯を毎日食べている子供ほど学力が高くなるというデータが出ています。また、50メートル走や持久走、瞬発力を判定する体力調査についても同じ結果になっております。
 加えて、東北大学加齢医学研究所と農林水産省が共同で行った調査では、朝食習慣の有無が大学進学や就職、収入等にまで影響を及ぼしているという結果まで出ています。
 もちろんこれが全てではありませんが、やはり朝食は大切だということには変わりありません。
 さらに、パンよりお米のほうが脳はよく働き、やる気に関わっていること、脳の神経細胞間をつなぐシナプスがしっかりと働くためには、ブドウ糖だけなく、様々な栄養素が必要であり、おかずの量が多いほど発達指数が高いことも立証されております。
 保護者の皆さんの御協力をいただき、毎食朝食を取る子供たちが増えるといいなと思っております。
 次に、国語力の向上に向けた課題と今後の取組についてお伺いいたします。
 1つ目は、学校図書室を使った教育の推進についてです。
 もう一つ気になるところは、小・中学校国語の授業内容がよく分かる項目の低下です。国語は読解力や文章力、表現力など総合的な力が必要であり、全ての勉強の基礎は国語力であり、学力向上の鍵は国語力向上にあるとまで言われており、これが記述式設問に強い上位県との差であると言われております。
 そこで、お伺いいたします。
 授業内容がよく分からないというのは、具体的にどういう状態であるのか、また、その原因として考えられることは何か、お伺いいたします。
○議長(平家恭治君)  教育長。
○教育長(井上 靖君)  先ほど議員さんに紹介していただいた平均正答率、小学校国語4.3ポイント、中学校国語2.4ポイント、全国平均よりも高いんですけども、質問紙の中で国語の授業がよく分かるという小学生は、全国よりやや高い、中学生は全国よりも低いという結果が出ており、算数、数学はよく分かるのに国語は分からないという、そういう質問だと思います。
 算数、数学では答えがはっきりとしており、問題を解き、正解を得られたときに、できた、分かったという実感が持ちやすいのではないかと考えています。
 それに対し国語では、文章で答える問題が多く、その正解は必ずしも一通りではないため、たとえ正解であったとしても、できた、分かったという実感が湧きにくいのではないかと考えられます。
 また、算数、数学においては、少人数指導を行っている学校もあり、1クラスを2つ、3つに分けて授業を行っていますので、より細かく指導を受けられることで分かると実感できるのだと思います。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君  ありがとうございました。
 今後、子供たちが授業内容をもっと把握するために、教育現場ではどのような取組を考えておられますか。
○議長(平家恭治君)  教育長。
○教育長(井上 靖君)  現場の教員は、これまでも様々な手だてを講じながら授業改善を行ってきました。平均正答率としては全国平均よりも高いため、子供たちは自分自身が感じている以上に国語の内容を理解していると捉えています。
 今後は、子供たちに自信と実感を持たせることができるよう、また、より子供の能力を伸ばせるよう、これまでの取組を継続していきたいと考えています。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君  反復学習とか、分からない箇所の分析など、一人も取り残さないという環境づくりをしていただきたいと思っております。
 経済協力開発機構が2000年から3年ごとに15歳を対象として世界79か国で実施している学習到達度調査PISAでは、2018年日本は数学6位、科学5位と、これまでの世界水準を維持したものの、読解力は4位から8位、15位と大きく順位を下げ、中学校の2割は教科書の文章の主語と目的語の基礎的読解ができておらず、5割は教科書の内容を読み取れていないというデータが出ており、読解力低下が危惧されています。
 また、日本の子供たちは無解答率が高く、自信がないと答えることを放棄する傾向にあることも示唆されております。
 そして、このような読解力の低下には、スマートフォンの普及による読書離れが関与していると言われています。
 本や新聞を読む習慣がある生徒は読解力の平均点が45点高いという結果も出ています。
 八幡浜市の子供たちの読書時間やスマートフォンの使用時間はどのくらいでしょうか。
○議長(平家恭治君)  教育長。
○教育長(井上 靖君)  まず、読書時間についてお答えします。
 小学校6年生の家庭での読書時間は、1時間以上が12%、30分以上1時間未満が26%、30分未満が52%、読書をしないが10%という状況です。
 中学校3年生においては、読書をしないという割合は小学校6年生とほとんど変わりありませんが、30分未満が増える傾向にあります。
 もう一つのスマートフォンについてですが、昨年度の調査で、スマートフォンを所持している割合は、小学校高学年で20ないし25%、中学校2・3年生で50%を超える状況でした。
 必ずしも全員が所持しているわけではありませんので、ここではスマートフォンを含むネットができる専用の機器を持っているが95%以上あります。
 ネットができる専用の機器を1日どのくらい使っているかをお伝えします。
 毎日1時間以上利用する割合は、小学校高学年で53%、中学校で67%という状況です。
 どのように利用するかについて、最も多いのが、小学生も中学生も音楽や動画、2番目に多いのが小学校ではゲーム、中学校では調べ物、3番目は小・中でそれが逆の状況になります。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君  スマートフォンの保持率も高いのでちょっと心配しております。
 中学生になって調べ物が多いということは理解できますので、全部が全部否定してはいけないのかなと思います。
 4時間以上テレビゲームをしている子供の正答率が54.8%であるのに対し、全くしていない子供は74.7%であるとの調査結果が出ています。
 以前視察に行かせていただいた島根県の揖屋小学校では、担任、学校司書、司書教諭が連帯して綿密な打合せを行いながら学校図書館活用の教育を行っておられます。
 子供たちが登校後、まず向かうのは図書室、朝読書の本を選びに行きます。平成19年度は全校平均1人80冊、1年生においては72冊ほどの図書利用が、平成23年には全校平均125冊、1年生に関しましては246冊と、大幅に伸びております。図書室は年間630時間、週18時間、全教科で利用され、学校を挙げて年間指導計画に基づき学年や単位ごとに展開されております。
 子供たちは、郷土史、地図、図鑑、事典などで調べ学習を行った後、自分たちがつくった文集や地図、絵、工作物を使ってプレゼンテーションを行います。昔大切なこととして読み、書き、そろばんと言われてきましたが、それを根底にして話の内容を理解し、情報の集め方、整理の仕方、発表の方法を知り、理論的に考えることができるようになるとのお話でした。
 そして、それらが中学校に向けての学びにつながるということでした。
 そこで、八幡浜市各学校の図書室の利用についてお伺いいたします。
○議長(平家恭治君)  教育長。
○教育長(井上 靖君)  各学校では、朝及び昼休みに図書室を開放し、図書委員が貸出しの当番に当たっています。小学校では毎日30人から52人、中学校では10人から20人の利用があります。長期休業前には1人3冊の貸出しを行うとともに、随時貸出しを行っている学校もあります。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君  朝とか昼とかの読書の貸出しはあるそうなのですが、学校の教科に使うことが少ないようなので、また使っていただきたいと思っております。
 教室から図書室に移動し、いつもと違う学習方法にすることで、子供たちの意欲増進につながるかもしれません。行ってみたくなる図書室、使いやすい図書室、授業に使える図書室、意欲を刺激する図書室、想像力を育む図書室をつくり、子供たちが自主的に学び、本に親しむことにより読解力の強化につながるよう、さらなる図書室の有効利用をお願いしたいと思っております。
 また、市長自らがフェイスブックでかわいい移動図書館サルビア号を皆さんにPRしておられましたが、八幡浜市内を巡回し、本が好きな子供たちがたくさん増えていくことを願っております。
 2つ目です。新聞を使った教育NIEについてです。
 1930年にアメリカで始まったNIE、ニュースペーパー・イン・エデュケーション、新聞を教材として活用する教育が日本各地でも行われています。
 最近、愛媛新聞でも度々NIEを使った面白い事例がたくさん紹介されていますが、その中に、新聞の文字から言葉を選び、周囲を黒く塗り潰して俳句を作る愛媛発の黒塗り俳句が掲載されておりました。
 資料として持ってきました。百聞は一見にしかずということで見たほうが早いかなと思って。こういうものです。
 自由部門の最優秀には、恋する女の子の淡い気持ちを表現した「七夕に幼なじみの勘違い」、課題部門最優秀では、雪原にたたずむ馬がゆっくりと呼吸をする情景を詠んだ「雪の中馬の息吹に色はなし」正岡子規生誕の愛媛らしい面白い発想に感激しました。まさに浮かぶ17音のアートです。
 そこで、お伺いいたします。
 学校図書館の新聞の設置の有無とその活用方法をお聞かせください。
○議長(平家恭治君)  教育長。
○教育長(井上 靖君)  今紹介のありましたNIEにつきましては、過去に小学校、中学校は4校全て研究指定校に当たったことがあります。その際は、各新聞社の5紙ぐらいから無料提供がありますので、研修もしやすいんですが、今年度の状況をお伝えします。
 図書室に新聞を設置している学校は、小学校2校、中学校2校です。
 図書室前に掲示し、複数人が同時に読むことができるような配置の工夫、また自由に閲覧できるような工夫、教科の授業や総合的な学習の時間で活用できるようにしています。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君  私も中学時代、新聞の社説欄を要約し、自分なりの意見をまとめる宿題に取り組んだ思い出があります。
 新聞には様々な分野の情報が網羅されており、膨大な情報を読み解き、社会への関心を持ち、課題や解決策を見いだすことができる上に、語彙力や表現力の向上にも役立ちます。
 御家庭で読んだ後の新聞を用いるなど、ぜひ活用していただきたいと思います。
 3つ目です。コミュニティ・スクール導入についてです。
 揖屋小学校では、地域の方々にも掲示物を張ったり、傷んだ本の補修をしていただいたりと、読書ボランティアとして学校教育に関わっていただいており、地域に開かれた学校の姿を拝見いたしました。
 また、学校図書の予算や支援活動を行政、学校、PTA、地域が一体となり行っていることが本当にすばらしいと思いました。
 そこで、お伺いします。
 市内の学校では、読書に関するどのような取組が行われていますか。
 また、地域の方々との連帯はどうされているのか、お伺いしたいと思います。
○議長(平家恭治君)  教育長。
○教育長(井上 靖君)  お答えします。
 ほとんどの学校が朝読書の時間を設定しています。その上に、週1回全校読書時間を設定している学校、図書委員会がお勧めの本を紹介したり、多くのジャンルの本に親しみ、読書の幅を広げる取組を行ったりしている学校もあります。
 さらに、多読賞、1年間で最もたくさん本を読んだという多読賞を設定し、年度末に表彰する取組、上学年の児童が下学年の児童に読み聞かせを行う活動、生徒会主催による書評ゲームの実施。書評ゲームというのは、書くに評価と書くんですけど、数人の生徒がそれぞれ面白いと思う本について言葉でプレゼンテーションを行い、生徒同士で投票を行った上で、最終的に一番読みたい本を選ぶというレクリエーションですけども、中学校ではビブリオバトルというような表現を使っています。そういうゲームの実施、全校児童による読書リレーなど、各校工夫した取組を行っています。
 地域との連携では、ブロック別人権教育協議会の講演会に招いた講師による絵本の読み聞かせ、地域の方のボランティアによる定期的な読み聞かせ、市立図書館のあいうえおはなし会やゆめいろぽけっとの利用などがあります。
 また、先ほどありました移動図書館サルビア号を新車両にし、今治市出身の絵本作家である長野ヒデ子さんのデザインでラッピングしました。
 長野ヒデ子さんは、令和元年度8月に当市にも来ていただき講演会をしましたし、絵画展も開いておりますが、その縁で協力していただきました。
 大変温かみがあり、年代を超えて親しみが持てるデザインとなっています。児童図書をより多く配置できる構造にし、550冊積載できます。
 今後は、従来の路線を見直し、学校、公民館、放課後児童クラブなど、希望される施設に運行します。そうすることによって図書館利用の促進、子供たちの読書意欲の向上につなげたいと考えています。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君  ただ単に読むだけではなくて、読書の楽しみを全体に周知するということはとてもいいことだと思っております。
 次に、学校図書の購入予算はどこからどのように配分されているのか、お伺いいたします。
○議長(平家恭治君)  学校教育課長。
○学校教育課長(菊池和幸君)  学校図書予算の50%を学校数で均等割し、残りの50%を学校の児童・生徒数割で算出して各学校に配分しております。
 令和3年度の予算額は、小学校全体で326万円、中学校全体で168万1,000円です。
 また、図書館における図書購入予算額は、市民図書館で660万7,000円、保内図書館で482万円、移動図書館で37万5,000円です。
 この予算内で子供用図書も選定購入して、たくさんの本と触れ合うことができる環境を整えております。
 以上でございます。
○議長(平家恭治君)  攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君  ありがとうございます。
 地域住民や保護者が学校運営に参加できるコミュニティ・スクールは、5月現在で1万1,856校となり、前年度から2,000校増えており、これは公立校の33%に当たります。
 文科省は、全公立校の指定を目指しているとのことです。
 先生方の膨大な業務軽減にもつながりますので、ぜひ八幡浜市でも地域の皆さんの御協力を賜りながら学校運営できる体制の整備をお願いしたいと思います。
 次、4番目です。外出自粛による子供たちへの生活影響についてお伺いいたします。
 先ほども少し出ましたが、コロナでおうち時間が増え、テレビやビデオ、携帯電話やパソコンなどのメディアの接触時間が増えることにより、学習時間の減少や体力低下につながっており、自粛生活により、小学校1年生の転倒リスクが1.9倍になったとの報道もありました。八幡浜市の現状はいかがでしょうか。
○議長(平家恭治君)  教育長。
○教育長(井上 靖君)  先ほども申し上げましたとおり、昨年度4月20日から5月24日まで臨時休業となりました。
 5月25日から学校を再開しましたが、小学校の水泳記録会中止、小学校の陸上の活動や中学校の部活動も大きく制限され、子供たちの体力の低下が心配されました。
 そこで、学校が再開して5か月たった11月に、市内小・中学校の校長にアンケートを実施しました。その結果、子供たちの様子を見て気になること、心配している項目として最も多かったのが、5校から出されたゲーム時間の増加、ゲーム依存と体力の低下、運動不足でした。
 また、養護教諭からは、視力の低下が気になるという報告も受けています。
 ここで、令和3年度の全国学力・学習状況調査の中で、コロナ禍に特化した設問がありましたので、紹介させていただきます。
 休業期間中に勉強について不安を感じた小学生53.4%、全国平均は55%です。八幡浜市ちょっと低い状況です。そのような不安を抱えながら計画的に学習できたと答えた児童は69.1%、全国が64.7ですので、4ポイント高い状況でした。
 また、中学校では、休業期間中、勉強について不安を感じた生徒が66.6%、全国が62.5%です。66.6%いましたが、計画的に学習できたと答えた生徒が50.9%。先ほどの小学校に比べて低い数字ですが、全国の中学生の平均が37.7%ですので、当市の子供たち、中学生は13ポイント上回っている状況になっています。
 このようなことをまとめますと、当市の小・中学生は、不安を感じながらも計画的に学習した、規則正しい生活を送ったと答えていますので、それが先ほどの学力テストの結果などにもつながっていると考えています。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君  少し安心いたしました。
 八幡浜市の調査では、携帯電話、スマホについての約束を守っているとありましたが、小・中学校生徒の携帯電話の保持率と学校、家庭でのスマホに関する主な指導方法についてお伺いいたします。
○議長(平家恭治君)  教育長。
○教育長(井上 靖君)  市内の小・中学生の携帯、スマートフォンの所持率は、令和2年12月の時点で、小学校で約33%、中学校で約58%となります。
 当市では、事例で学ぶネットモラルという教材を導入しており、それを活用して児童・生徒に指導を行っています。
 また、今年度、市PTA連合会と市校長会が連携し、ネット依存を予防するための取組を始めました。
 手始めに、市PTA連合会が各校に関係書籍を7冊ずつ寄贈し、各校でPTAへの啓発を推進しているところです。
 さらに、外部から講師を呼んで保護者対象、児童・生徒対象の講座を各学校が行っております。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君  もう一つお伺いしたいのですが、携帯電話の学校への持込みは許可されている学校はあるのでしょうか、お伺いいたします。
○議長(平家恭治君)  教育長。
○教育長(井上 靖君)  許可しておりません。
 ただし、保護者から要請があり、緊急性と必要性があると学校長が判断した場合に限り許可する場合もあります。
○議長(平家恭治君)  攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君  災害等の緊急時対応のための持込みを許可されている学校もあります。保護者が安否確認等で学校への多数の電話対応を抑えるためとされていますが、その点につきまして八幡浜市はどのようにお考えでしょうか。
○議長(平家恭治君)  教育長。
○教育長(井上 靖君)  災害等の緊急対応においては、引渡し表を活用した保護者への引渡しを行うことを想定をしており、そのための避難訓練を各学校で行っています。
 引渡しがうまく機能しない場合のみ、学校から保護者へ連絡を取るようにしています。
 全国的には、御指摘のような自治体もあることは承知しておりますが、当市では授業を中心とした学校生活への支障のほうが大きいと考えており、現在のところ学校への持込みの許可は考えておりません。
○議長(平家恭治君)  攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君  携帯電話におきましては、使用時間厳守という観点だけでなく、内容にも事件性のある悪質なものやいじめにつながる誹謗中傷等の人権に関するものも多く、年々巧妙なものになっており、保護者の皆さんも心配されていることと思います。
 生徒たちは、学校でのスマホ教育を受講されているかと思いますが、先ほど保護者や先生のスマホ教育もされているということで、安心しました。
 私も以前、愛媛県高等学校PTAリーダーズ研修におきまして、子供がインターネットを利用する際の注意事項と題して、株式会社LINEの講習を受講したことがあり、ネット上での子供たちが書き込みしている隠語というものは読み解けないものが多く、本当に恐ろしいものでした。
 また、子供たちへの指導方法等の相談にも御回答いただき、とてもためになったと記憶しております。
 学校や家庭でのルール遵守はもちろん、先生方、保護者におかれましても、今まさに子供たちの周りで起こっている多種多様な案件を知り、それに対応するスマホ教育を受講していただき、いじめ等に十分な配慮をしながら、子供たちが社会のマナーや家庭内でのルールを守り、安全・安心に使用できるよう御指導いただきたいと思っております。
 これで大綱1の質問を終わります。
 続いて、大綱2に入ります。
 八幡浜市の文化継承とその取組及び支援についてです。
 八幡浜市の文化継承とその役割について。父が残してくれた市制50周年を記念して発行された八幡浜市誌、ページをめくりますと、古書特有の臭いとともに、何か懐かしさを感じます。
 気候温暖な風土に包まれた我が八幡浜は、原始時代から人の住んだ形跡があり、藩政期の交易や明治時代の商業活動により、伊予の大阪と称され、四国の西の玄関、ミカンと魚のまちとして栄えてきました。
 しかし、昭和30年、1955年の人口5万5,471人をピークに、昭和40年5万5人、昭和50年4万5,259人、昭和60年4万1,600人と、10年間で約4,000から5,000人ずつ減少し、保内町との合併に至った今なお毎年約600人の人口減少が続いております。
 市誌第6編文化の項では、社寺や教会、美術、芸能、娯楽、民俗や民謡、方言、文学や文化財などが第1章から7章にわたり収められていますが、今も大切に残されているものがたくさんあります。
 新年のお節やお雑煮、正月7日に食べる七草がゆ、海へ投げ入れたえびす像を拾い大漁の祈願をする十日えびす、鬼は外福は内、バリバリシバを挟み、イワシの頭を添え、豆をまき、災いを運ぶ鬼の侵入を防ぐ節分、穴井の座敷雛、川名津の柱松、子供の成長を祝う端午の節句、人形に名前、年齢を書き、夏無病息災で越せるように、知恵を授かるようにと祈願し輪をくぐる輪抜け、短冊に願いを書き笹につるす七夕、御先祖をお迎えし、供養するお盆行事や盆踊り、8月15日に八幡浜港から打ち上げられ、夜の夜空を彩る花火大会、戦国時代不慮の死を遂げた修験者金剛院の霊を慰めるために始められたと言われ、県指定の無形民俗文化財に指定されている五反田柱祭り、秋のお彼岸、みなと朝市の競りの様子や、黄金色に輝くミカンの山の風景の歌に合わせて踊る八幡浜てやてや踊り競演大会や秋祭り、八幡浜各地域で行われる牛鬼、四つ太鼓、五ツ鹿、唐獅子、亥の子、お神楽、盆踊り、子供の健やかな成長と守護を願う七五三、しめ飾りや年越しそばで新年の準備をする大みそか等々、コロナワクチンの集団接種の会場では、経過観察の待ち時間に八幡浜の祭り風景の映像が流れておりました。
 市民の皆さんは、スクリーンを見ながら、コロナが終息し、来年こそは実風景としてお祭りを楽しめるようにと願われていたと思います。
 私たちは、先人がいろいろな思いを込めて守ってきたたくさんの文化を、今、後世に伝える橋渡しをしております。
 新たに宇崎竜童さんのテンポある曲で踊り歩く八幡浜てやてやウエーブ、てやてや快進撃コンサートや、てやてやウエーブダンスコンテストなど、若者のニーズを取り入れた企画も加わり、八幡浜市の新しい文化も増えました。
 しかしながら、地域や企業等の団体が仮装して車で練り歩く仮装行列がなくなってしまったのは、当初とても残念でした。代々受け継がれてきた祭りでは、1年を通して移り変わる日本の美しい四季や自然と寄り添いながら、自然の恵みにともに分かち合い、地域の絆を深めてきました。
 また、御先祖を敬う心、健康や成長、大漁や豊作に感謝するとともに、生活に潤いを与える上でとても大切な行事であると考えており、社会的役割も兼ね備えていると感じています。
 その中の一つである秋のてやてや踊り競演大会そのものがなくなってしまったとの情報を知ったのは、私自身ここ最近であり、コロナが終息して再びみんなと一緒に踊れることを心待ちにしていた矢先でした。
 また、コロナ禍で中止になっていると思われている市民の方々も非常に多いことにびっくりしました。
 そこで、お伺いいたします。
 秋のてやてや踊り競演大会が廃止になった経緯と、市民やメディアへの周知方法をお伺いいたします。
○議長(平家恭治君)  商工観光課長。
○商工観光課長(萩森久人君)  秋のてやてや踊り競演大会は、昭和23年にスタートし、コロナ禍で中止となる前の令和元年まで71年にわたり開催され、秋の風物詩の一つとして市民に定着しているところです。
 しかし、その一方で、近年は観客動員数や踊り手の減少、事務局の負担の増大などの課題を抱えてきたこともあり、令和3年3月11日に開催されたみなと祭協賛会総会において、秋の大会を取りやめ、夏のお祭りに一本化されることになったものです。
 また、一本化の周知については、協賛会事務局の商工会議所から関係者へ文書で通知しているほか、商工会議所ホームページや会報などでも周知されています。
 なお、市におきましても、今年10月の広報紙でお知らせしたところであり、今後、一本化した後の夏祭りの内容が決まりましたら改めてホームページや広報紙、SNSなどを通じて周知に努めたいと思います。
○議長(平家恭治君)  攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君  この八幡浜てやてや音頭は、踊る大ダイ、山は黄金にと歌詞の中にもありますように、みかんと魚のまちとして50年以上前から市民に親しまれてきた御当地ソングであり、今後もずっと受け継いでいくべきものであると考えます。
 盆踊りが行われない地域も多く、てやてや踊り競演大会がなくなれば、今後の若い世代が耳にすることも少なくなり、継承していくのが難しくなると思われますが、市ではどのように考えておられるのか、お伺いいたします。
○議長(平家恭治君)  産業建設部長。
○産業建設部長(垣内千代紀君)  秋のてやてや踊り競演大会の取りやめにつきましては、先ほど商工観光課長が申しましたように、様々な問題点を踏まえた上で、みなと祭協賛会の総会において決定したことなので、これを覆し、これまでと同じ形で継続していくという話にはならないかと思います。
 ただし、今後一本化した後の夏祭りをどうするかについて、みなと祭協賛会の中で話し合われることになりますので、その中で魅力ある夏祭りにするための一案として、長年市民に親しまれてきたてやてや踊りを、何らかの形で組み入れることは検討材料になるものと考えます。
 まずは、攝津議員の思いを含め、てやてや踊りを残してほしいという市民の声があることを市のほうからも改めまして協賛会へ伝えたいと思います。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君  平成30年8月に古賀メロディー復活プロジェクト八幡浜盆踊り大会が北浜公園で開催され、私も娘と一緒に参加させていただきましたが、八幡浜市民ほか誰でも参加できる盆踊り大会など、何らかの形でこのてやてや踊りを残していただけるよう御要望いたします。
 また、県立高校の体育祭の中では、生徒がてやてや音頭を踊る種目がありますが、小・中学校では運動会等の場面でてやてや踊りを踊る機会はあるのでしょうか、お伺いいたします。
○議長(平家恭治君)  教育長。
○教育長(井上 靖君)  御存じのとおり、昨年度と今年度の運動会につきましては、午前中開催で、プログラムも大幅に限定されました。
 その中で、今年度、旧八幡浜市の小・中学校の中で秋のてやてや音頭をプログラムに取り入れた学校は、小学校2校、中学校1校でした。
 参考までに言いますと、夏のてやてやウエーブを取り入れた学校も小学校2校、中学校1校という状況です。
○議長(平家恭治君)  攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君  秋のてやてや踊りがなくなるとすれば、やっぱり子供たち踊る機会も少なくなってくるので、せめて運動会とか、いろんな機会に取り入れていただきたいと思っております。
 先日三崎高校の文化祭に参加させていただきました。先人からのよき文化を継承しようと、生徒たちは地域の方々から学び、練習し、太鼓や五ツ鹿、唐獅子などの舞を披露してくださいました。
 また、踊ることに先駆けて、生徒たちは踊りの歌の意味を知ることで郷土愛がますます強くなったと話してくれました。学校行事の中に組み入れ、自分の故郷の歌や踊りに親しみ、後世に受け継いでいけるようお願いしたいと思います。
 また、市民より、昔からあるお祭りが平日開催では、子供たちと一緒に参加できないとの声を頂戴しております。仕事を休んで参加しなければならない、小さい子供だけでは参加できない、子供たちの姿を見に行けない、みなっと等で唐獅子の競演大会に参加協力できないという理由から、祭りの休日開催についての要望が多く出ております。祭りを休日開催にすることはできないのでしょうか、お伺いいたします。
○議長(平家恭治君)  生涯学習課長。
○生涯学習課長(井上耕二君)  お答えします。
 国や地方自治体の行政と宗教は切り離して考えるべきであるとする憲法上の原則として政教分離があります。
 憲法第20条では、信教の自由を保障した上で、宗教団体が国から特権を受けることや国や自治体が宗教教育、その他いかなる宗教的活動もしてはならないとされています。
 旧八幡浜市で毎年10月19日に行われるお祭りは、秋季例大祭として八幡神社が行っているものですので、このお祭りの日程の変更につきましては、政教分離原則からしますと市で関与することはできません。
 参考となりますが、保内町川之石宮内地区と喜須来地区のお祭りは、地元住民と神社との協議により、日程を変更し、川之石宮内地区では平成19年から10月第4土曜日とその前日、喜須来地区では平成23年から第3日曜日の開催となっています。
 また、市が主催の唐獅子競演大会につきましては、毎年お祭りの前日である10月18日に行っていますが、仮にこの大会だけを土曜日か日曜日に変更した場合は、お祭りと日程が離れることとなり、それぞれ別々に準備や稽古、後片づけをする必要が出るなど、参加者の負担が増え、参加団体が減少するおそれがあるといった問題があります。
 さらに、みなと祭協賛会主催のてやてや踊り競演大会等においても、過去に2度、土曜日に開催したことがありましたが、商店街及び企業、踊り手になりますが、そちらから元に戻してほしいとの声があったことから、10月18日に戻した経緯があります。
 こうした観点から、唐獅子競演大会につきましても、お祭りの日程と合わせた形で今後も実施したいと考えております。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君  多分市民の皆さんはそういうことも多分御存じないかと思いますので、私のほうからも周知していくように努めたいと思います。
 休日開催にすることによって、お祭りの参加者が増えるだけでなく、市内外からの観光客も期待でき、みなっとや商店等の売上げに対する相乗効果にもつながるとは思います。地域住民と神社側で御協議いただき、市民みんなでお祭りを盛り上げていけるよう願っております。
 次に参ります。文化継承のための支援についてでございます。
 次に、文化継承のための八幡浜の支援についてお伺いいたします。
 少子・高齢化の中での祭りの人員確保、また祭りで必要な経費等の捻出においても御苦労されている団体も多いとお聞きしておりますが、現在八幡浜市で支援していることがあればお伺いいたします。
○議長(平家恭治君)  政策推進課長。
○政策推進課長(松良喜郎君)  お答えします。
 お祭りなどに限定した支援制度ではありませんが、宝くじの収益を財源とした一般財団法人自治総合センターの補助制度である一般コミュニティ助成事業において、各地区の祭り行事に使用する衣装や道具に対し助成している事例があります。
 例えば、令和元年度は穴井御神輿保存会、令和2年度は片山町町内会の唐獅子の備品、令和3年度は松柏自治公民館の唐獅子備品に助成しています。
 ただし、予算の制約があるため、年に1件ずつの助成にとどまっている状況です。
 なお、新型コロナウイルスの影響で地域の祭りなどが存続の危機にあることを受け、文化庁が令和3年度補正予算に、地域の伝統行事等のための伝承事業として、山車や衣装をはじめ用具の修理費用など65億円の計上を予定しているとの報道発表もありましたので、当市としても活用可能な補助金等について情報を収集していきたいと思います。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君  限られた予算内ではありますが、文化の継承は、衣装や道具、ほかたくさん費用がかかります。また、地域ボランティアの皆さんが休日を返上して取り組んでおられます。
 行事役員の方々の御要望や御意見をお聞きしながら、古きよき風習や文化を後世に伝えていけるよう支援していただきますよう要望いたします。
 次、3番目です。食の文化の推進についてです。
 次に、食の文化についてお伺いしたいと思います。
 人類が数千年かけて築いてきた食の文化が崩れるかもしれないという報道をよく耳にします。一人で食べる孤食という言葉が生まれ、それを支えるために外食やコンビニが発達しました。
 食べたいものはスーパーやコンビニで24時間簡単に買え、インスタントやレトルト食品もたくさん出回る時代となっており、毎日の食事の形も変わってきております。
 しかし、このことは食べることを軽視する風潮につながり、それぞれの地域の食の文化の保護や継承にはマイナスに働いております。
 郷土食文化は自然を尊重するとともに、先ほど述べました地域の年中行事と密接に結びついた社会習慣であることをいま一度考え直す必要があります。
 また、伝統食料理教室、コンテスト、イベント等を通じた伝統食文化の普及活動の必要性を感じます。
 人口減少で国内の米生産は衰え、海外からの輸入に頼っており、それに伴い和食に欠かせない米離れが深刻になっていますが、その反面、食生活の変化により、9割を輸入に頼っている小麦粉を使ったパンや麺類の需要が伸びております。
 気候変動や自然災害により、小麦や油の価格が高騰したため、パン給食が週に1回になった地域もあるようですが、八幡浜市の学校給食の現在、また今後の動向をお聞かせください。
○議長(平家恭治君)  市長。
○市長(大城一郎君)  パン給食についてでありますが、今八幡浜市におきましては、毎週金曜日と隔週の水曜日に1週間に1回から2回の割合でパン給食を実施しています。
 思い出しますと、私たちが小学校、中学校の頃には週5回給食があって、御飯が週に1回あるかないかということで、随分変わってきたのかなというふうにも考えております。
 学校給食は、成長期における児童・生徒の健康の保持増進、体位の向上はもとより、栄養バランスの取れた望ましい食習慣の形成という役割を担っております。
 米飯給食が増えるとメニューがどうしても和食中心の献立となってしまいます。児童・生徒に幅広い献立により食事の楽しさを味わい、望ましい食習慣の形成につなげるという点においても、パン給食は重要な役割を担っていますので、現状の回数を維持したいと考えています。
 また、八幡浜市におきましては、ダルメイン世界マーマレードアワード&フェスティバル日本大会を開催して、マーマレードを通して世界との交流やかんきつ産業の活性化に努めています。
 本市の子供たちがおいしいマーマレードの給食を食べる。八幡浜市で食べたマーマレードはおいしかったというようなことが将来思い出に残る給食、そのような給食として郷土愛を育んでいきたいと考えております。そのためにもパン給食は必要であると考えています。
○議長(平家恭治君)  攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君  学校の家庭科の授業数も減少していることから、和食に限らず、生きていくために一番必要な食に関する学びも少なくなってきております。
 以前子供たちに体験学習をということで、PTAのお仲間であり、テレビでも御活躍中の料理研究家中村和憲さんにお手伝いいただき、白浜小学校、江戸岡小学校、千丈小学校の3校でみそづくり教室を実施したことがあります。保護者も一緒に参加したいとのことで、参観日に開催した学校もありました。
 みそは買うものと思っていた子供たちは、大豆、こうじ、塩の3つの食材から簡単につくれることを学び、1年間容器で寝かせ、育てる楽しさを味わい、最後にいろんなものに調理し、食することで、みそ本来の味や調理方法、また体に大切な栄養素についての知識を身につけることができ、みそづくりを通して何倍もの視野が広がったと思います。
 出来上がったみそは、子供たち一人一人に分けられ、おうちでも調理し、後で感想を提出。家族とお料理を考えたり調理したりするきっかけになったと、保護者の皆さんにも大変喜んでいただけました。
 八幡浜市におきましても、各分野での食の文化継承、食育に取り組まれていると思いますが、まず地域活動での取組についてお伺いしたいと思います。
○議長(平家恭治君)  市民福祉部長。
○市民福祉部長(二宮恭子君)  当市の食育に関する取組からお答えをしたいと思います。
 市民一人一人が生涯にわたって心身ともに健康で生き生きとした豊かな生活を送ることができるように、また食に関する課題を解決するために、平成31年3月に第2次八幡浜市食育推進計画を策定し、関係機関と連携しながら推進しています。
 ライフステージに応じて乳幼児期は子育て支援課と保健センター、小・中学校は学校教育課、高校生から成人、高齢者は保健センター、地域包括支援センターなど、各関係機関が協力しながら望ましい食生活や食の定着に努めているところです。
 食文化につきましては、食育推進計画で3本柱の一つとして、地域の食文化を伝えようを重点目標に掲げ、取り組んでおります。
 例えば、郷土料理の継承につきましては、伝承する機会をつくるために、健康づくりボランティアで組織する八幡浜市食生活改善推進協議会におきまして、ふるさとの味研修会を開催し、会員以外に希望された一般市民の方にも御参加いただき、実施をいたしました。
 また、協議会では、各地域で伝達講習を行い、郷土料理をつくり伝える機会を設けています。
 ほかにも、保健センターが年に2回発行し、全戸配布する浜っ子食育だよりで、郷土料理等について情報発信を行い、また今年度で8回目となる食育コンクールの副賞、参加賞には、かんきつ加工品や練り製品、削りかまぼこ等、地域の特産品を贈ることで地元産品を知り、味わう機会を増やす取組を行っているところです。
 今後も関係機関と連携協力しながら、郷土料理をはじめとする食文化を次世代につなげていく取組を続けていきたいと考えています。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君  地域でもたくさん和食とか食文化に関わっていただけることを聞いて安心しました。
 次に、学校教育の中での取組についてお伺いいたします。
○議長(平家恭治君)  教育長。
○教育長(井上 靖君)  お答えします。
 新しい魚市場ができた後、水産港湾課が小学校5年生を対象に、魚のさばき方の出前授業を始めました。
 また、中学校の授業家庭科では、1年生が郷土料理として鯛そうめん、和食としてはちらしずし、だしを扱ったものとして豚汁などに挑戦しています。
 しかし、どちらもコロナの関係でこの2年は中止にしたり、時間数が十分確保できなかったりしている状況です。
 また、中学生が京都府八幡市との交流事業を行っておりますが、前回京都八幡市の中学生を受け入れたときは、当市の中学生が3回実習を重ねて3品の魚料理でおもてなしをして、大変好評を博しました。
 学校給食におきましては、鯛めし、潮汁、ハモだんご、チャンポンや削りかまぼこを使ったあえ物、最近ではマーマレードを使ったメニューなど、郷土料理を月2ないし3回提供しております。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君  ありがとうございます。
 昔に比べ保護者の皆さんだけでなく子供たちも時間に追われ、食文化に関わるような機会がだんだん減ってきているように思われます。
 和食がユネスコ世界文化遺産に登録され8年になります。また、八幡浜市でもダルメイン世界マーマレードアワード&フェスティバル日本大会が開催され、八幡浜市が誇るミカンを使った地産地消の文化にも触れることができ、今後のさらなる活動拡大が期待されております。
 郷土料理には地域特有の海の幸、山の幸がふんだんに使われており、郷土食を見るとその地域の自然をうかがい知ることができ、遠くにいても故郷を思い出す一つのツールにもなります。
 さらに、農業や林業の衰退により川の働きが弱まり、沿岸の恵み、そして近隣の回遊魚や大型の魚の漁獲量減少につながると言われております。それがまた米離れ、魚離れにつながっていきます。
 和食に欠かせない米、そして八幡浜市に大いな影響がある魚離れに対しても、予防策を講じていく必要があると考えております。
 郷土料理を給食に取り入れる、和食のよさを子供たちに伝える、親子での食育を推進する、学校側での食育のイベントや高校生の料理の開発、食を通しての地域活動など、学校、地域で見たり体験したりしながら食の文化を考える機会をもっと子供たちに与えていっていただきたいと思います。
 先日だんだん保内保育所を視察させていただきました。園庭のプランターでは、ホウレンソウやニンジン、ネギ等の冬野菜が植えられ、シイタケの原木も並んでおりました。
 また、11月24日は和食の日ということで、4・5歳児で取り組んだ昆布やカツオ、煮干しを使っただし教室の様子が張り出されておりました。
 調理師さんにお聞きすると、愛媛の地場産品を使った特にお魚をたくさん使うような献立を心がけています。そして、やっぱりお野菜いっぱいの和食を食べさせてあげたいですとお答えいただきました。
 三つ子の魂百までという言葉がありますように、3歳児までに培われた味覚が人の一生を左右すると言われています。離乳食が始まり、小学校に上がるまでの間にいかにたくさんの食材の味を経験させるかがとても大切になるわけですが、まさしくだしを使って素材そのものの味を生かす和食は、子供たちの感性を育む上で最高の食であります。
 コロナ禍においてステイホームが推進されたことは、家庭での調理を促進しました。料理は献立を立てる、食材を選ぶ、切る、味をつける、調理する、盛りつけるなど、知術、身体技術、芸術を併せ持っております。認知症の予防にもなるということで、私も日々取り組んでおります。
 学校、地域、家庭それぞれの場でよき食の文化を意識して保護・継承していかないと消えてしまいます。
 おふくろの味、田舎の味、そして日本の和食文化を次世代へとつなげてほしいと思います。
 以上で大綱2の質問を終わります。ありがとうございました。

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