一般質問(総括方式) R4.6 竹内秀明議員

公開日 2022年09月29日

〔竹内秀明君登壇〕

 

○竹内秀明君  私は、一般質問通告書に従いまして、大綱1点質問をいたします。関係理事者の皆様には、誠意ある御答弁をお願いいたします。

 また、今ほどお手元に資料を配付しておりますので、御参照のほどください。

 大綱1、放課後児童クラブの現状と課題及び今後の支援拡充について。

 放課後児童クラブとは、昼間就労等で保護者が自宅にいない御家庭の小学生、児童を対象に遊びを主とした健全育成の場を提供する子育て支援策であります。

 当市においても、市の直営で行っている児童クラブは市内に8か所あります。松蔭、神山、千丈、白浜、江戸岡、宮内、川之石、喜須来が対象です。また、利用者が少ないことを理由に市直営児童クラブが設けられていない小学校も4か所あります。この4か所のうち、児童クラブがないのが川上小学校、PTA主体で独自に運営されているのが日土小学校、公民館主体で運営されているのが双岩小学校、また農繁期、11、12月のみに独自に農繁期真穴子ども教室を運営されているのが真穴小学校です。

 市内児童クラブ運営の財源を調べてみますと、市直営の児童クラブは国3分の1、県3分の1、市3分の1の子ども・子育て支援交付金を財源としています。日土小学校、双岩小学校の財源は、市単で八幡浜市地域型放課後児童見守り事業補助金を財源としています。賃金、報償費の補助率2分の1、需用費、役務費、賃借料、使用料の補助率は5分の4となっています。令和3年の補助額は、日土小学校が85万4,000円、双岩小学校が28万4,000円です。

 また、真穴小学校では、農繁期子ども教室事業で温州ミカンの一大産地である真穴地区において家庭で目が届きにくい農繁期の農家の子供たちが放課後を安心・安全に過ごせる場所を提供するとともに農家の負担軽減を図り、市の補助金として18万5,000円を農林課の財源を充てています。

 次に、保護者の負担金ですが、直営の場合、通常利用で月額4,000円、日土小学校の場合は通常利用で1日200円、双岩小学校は保護者負担金なし、真穴小学校は利用料として1か月1,000円、11月、12月の2か月利用の場合は2,000円、これは共済掛金も含まれております。

 次に、支援員についてですが、直営の場合は市が公募しております。日土小学校の支援員は、代表の方が御苦労して探されております。真穴小学校は、見守りスタッフさんが1日2名で子供たちを見守っておられます。

 このような状況の中、日土小学校の運営状況を述べたいと思います。

 今、支援員は9名おられ、支援員の賃金は時給770円から始まり、現在では時給は一律900円になっています。有資格者の方とは若干の差があるようです。なかなか運営が厳しく、少しでも経費削減をと支援員さんに30分単位、15分単位で就労してもらっている状況です。

 利用者の保護者の方にお聞きすると、1日の利用料が200円であるのはとても助かっているとの声を聞きます。また、西校舎、低学年共有スペースを利用しているが、学校の行事等で利用できない場合にはJAの和室をお借りして運営をされております。

 今まで述べたのが、当市の現状であると思います。

 これから質問に移ります。

 周辺部にはかつてミカン農家や3世代で暮らす家庭も多かったが、今では共働き家庭が当たり前となり、特に低学年の間は放課後児童クラブで預かってほしいと願う家庭が増えています。つまり、児童数の少ない小学校でも、中心部と同様に児童クラブの利用ニーズが高くなってきています。ところが、周辺部の小学校では直営児童クラブが実現されず、3つの地域においては実現可能な方法による独自の児童クラブが開設され、今日に至っております。しかし、その開設状況を直営児童クラブと比較すると、市の支援の在り方に中心部と周辺部では明らかに格差が生じていると感じられます。

 当市として、公設児童クラブのない小学校の保護者に対するニーズ調査などを行ったことはあるのか伺います。

 また、周辺部の児童クラブの開設状況についてどのような現状認識と質的向上を図ろうと考えているのか。例えば、利用児童数や保護者負担、預かり施設、支援員の勤務条件、市からの補助金などの観点を全て伺います。

 また、真穴小学校においての財源は農林課となっているが、その根拠はどうなのか伺います。

 農繁期の農家の子供たちが安心・安全に過ごせる場所と農家の負担軽減を図るとあるが、農家以外の方で希望があれば受け入れてあげているのですか。

 また、農繁期だけでなく年中通して開設してもらいたいという意見もお聞きしますが、どのように対処するか伺います。

 また、川上小学校に児童クラブの開設の予定はないのでしょうか。長期休業中には、川上から松蔭児童クラブに連れていかなければいけないと言われる保護者もおられるとお聞きします。

 また、財源についてですが、当市には子育て支援課もできており統一できないものか、農林課と子育て支援課と分ける必要があるのか伺います。

 また、直営児童クラブと日土児童クラブを比較したときの支援体制ですが、どちらも最近は支援員不足が課題となっています。直営は、常勤の支援員あり、会計年度任用職員で手当、休暇、社会保険等は会計年度任用職員の条件が適用されています。日土児童クラブは、常勤支援員なし、手当、社会保険等はなしで、独自に児童クラブ支援員共済に加入しています。このような差があることをどう受け止めておられるのかお伺いいたします。よろしくお願いいたします。

○議長(平家恭治君)  市長。

○市長(大城一郎君)  放課後児童クラブに関しての質問をいただきました。

 私のほうからは、最後の直営児童クラブと日土児童クラブの支援体制の比較についてお答えをいたします。

 公設の児童クラブの支援員については、同じ会計年度任用職員でも常勤や日々雇用などの任用条件により、手当や休暇、社会保険の加入等が異なります。日土児童クラブの雇用条件等に関しては、実施団体の裁量によるところですが、資金面において実施団体の負担が過度にならないよう配慮しなければならないと考えます。

 児童見守り事業の補助金を創設した当初は、児童数が今よりも多く相応の利用料収入があったことから、収支のバランスが取れた適切な補助金設定であったと思いますが、現在は児童数が減っていることや支援員不足の観点から実施団体の持ち出しが発生しており、補助金設定を見直す時期に来ていると感じております。児童見守り事業の安定した運営を図るため、今後、実施団体と人件費や利用料金等の設定について協議した上で補助金の見直しを検討していきたいと思います。

 その他の件に関しましては、担当の部課長のほうから答弁をさせます。

○議長(平家恭治君)  子育て支援課長。

○子育て支援課長(岡本正洋君)  それでは、公設児童クラブがない小学校の保護者に対するニーズ調査についてお答えします。

 保護者へのニーズ調査については、放課後児童クラブの立ち上げの際や子ども・子育て支援事業計画の策定時に市内全体の就学前、就学後の保護者を対象に行っていますが、公設児童クラブのない小学校の保護者のみを対象としたニーズ調査は近年実施していません。継続して行っている子育て応援ポストの御意見や子育て応援サイトはまっこの投稿等を通して、常時、市民ニーズの把握に努めています。

○議長(平家恭治君)  市民福祉部長。

○市民福祉部長(二宮恭子君)  私は、放課後児童クラブの開設状況についてお答えをしたいと思います。

 公設の8つの放課後児童クラブにつきましては、国の補助事業である放課後児童健全育成事業の基準により制定している八幡浜市の当該事業に関する基準条例と実施規則に基づいて運営しています。日土児童クラブと双岩地区青少年育成協議会が行っている児童見守り事業は、各実施団体の運営規定に基づく地域の実情に合わせた自主的な取組で、子育て支援課が所管する八幡浜市地域型放課後児童見守り事業補助金の交付により実施されております。真穴地区については、農繁期真穴子ども教室として収穫時期の農家の負担軽減も目的に、農林課が所管する八幡浜市農業振興事業費補助金の交付により実施されています。

 公設の児童クラブは、国の基準等に基づくため、専用区画の設定それから有資格者1名を含む放課後児童支援員2人以上の常設、原則1年につき250日以上の開所日数、平日4時間以上、学校の休業日は8時間以上の開所時間、また月額による利用料等の規定がございます。これに対し、周辺部の児童クラブ等については、国の基準等に縛られることなく実施団体が地域の実情に応じた内容で運営規程を定めることができ、市の補助金についても制度設定当初から利用料収入等を考慮した上で実施団体の負担が過度にならないよう補助率等が定められていると認識はしております。

 なお、運営の質的向上につきましては、毎年補助金の予算計上のため次年度の実施内容について要望等を聞き取り、協議をしております。今年度は、双岩地区において初の試みとなる夏休み子供塾の開催要望が追加されており、現在補助金の増額に関する準備を進めているところです。

 以上です。

○議長(平家恭治君)  農林課長。

○農林課長(宇都宮久昭君)  真穴小学校における農繁期子ども教室事業について2点御質問がありました。

 まず、1点目の所管が農林課となっている根拠についてお答えをいたします。

 真穴地区で実施している農繁期子ども教室は、議員のお話にもありましたように、農家負担の軽減を図るという趣旨に照らし、農林課にて予算を措置し、毎年度18万5,000円を助成しております。この支援は平成26年度に始まったものですが、その当時、地域から市に対しスタッフの謝礼や交通費、消耗品費などの経費について保護者が負担する共済掛金を除いて支援してほしいとの要望があり、その金額が18万5,000円だったことから現在もそのまま同額としているものです。

 なお、実績報告書を見ますと、年々事業費は増加傾向にありますが、市の助成金で不足する分は利用者負担の増額で対応しているようです。ちなみに、令和3年度は事業費が約27万円、そのうち約3割に当たる8万2,000円が利用者の負担金で賄われております。

 次に、2点目の農家以外の子供たちの利用状況についてお答えします。

 農繁期真穴子ども教室は、農家のお子さんが対象となっておりますが、農家以外のお子さんでも要望があれば受入れを行っております。令和3年度は、利用児童30名のうち3名が農家以外のお子さんとのことです。

以上です。

○議長(平家恭治君)  子育て支援課長。

○子育て支援課長(岡本正洋君)  次に、農繁期だけでなく通年での開所はできないかについてお答えします。

 農繁期だけでなく年中通しての開設の要望であれば、農繁期の子ども教室ではなく、日土地区や双岩地区と同様に地域型放課後児童見守り事業の実施について御案内しています。

 なお、公設の児童クラブや商店街で実施している休日子どもクラブは、市内全域の児童を受入れ可能としています。学校が長期休業中の利用について、放課後児童クラブがない周辺部からの入所希望があれば、個別の相談に応じてこれらのクラブを御案内しています。

○議長(平家恭治君)  市民福祉部長。

○市民福祉部長(二宮恭子君)  次は、川上小学校における児童クラブの開設についてお答えをしたいと思います。

 川上小学校の児童クラブ開設につきましては、公民館の関係者が事務の傍ら、農繁期や夏休みに施設を開放して児童の見守りを行っておられると伺いました。そこで、市では農繁期の子ども教室や放課後児童見守り事業の御案内をさせていただきましたが、支援員の確保や利用料徴収など諸事情により現在クラブ等の開設には至っておりません。

 こうした地域の動きについて、神山地区の地域活動交流拠点施設あすもわでは、地域が主体となって子供の居場所づくりに取り組んでいます。また、江戸岡、千丈地区の子ども食堂のきしたでは、子ども食堂の開設に合わせて児童の学習支援も行う夏休み勉強会が企画されるなど、地域で様々な子育て支援が展開されています。

 市としましては、農繁期の子ども教室や放課後児童クラブの運営に限らず、それぞれの地域でのそれぞれの実情に応じた児童の健全育成事業について、今後も支援していきたいと考えています。

 以上です。

○議長(平家恭治君)  子育て支援課長。

○子育て支援課長(岡本正洋君)  それでは最後に、子育て支援課と農林課に所管を分ける必要があるかについてお答えします。

 当該事業の財源について、子育て支援課で統一できないかという御質問ですが、真穴地区の農繁期真穴子ども教室は農繁期の農家の負担軽減を目的としており、支援事業の内容もその目的に沿ったものとなっています。財源についても、それぞれの目的に応じて予算計上するものと考えます。

 以上です。

○議長(平家恭治君)  竹内秀明議員。

○竹内秀明君  細やかな説明を誠にありがとうございました。よく理解できました。

 私は、全てが市直営がいいとは必ずも思ってはおりません。今部長が言われましたように、双岩ではまた夏休みに夏休み子供塾、そういった地域とか地域の頑張り、団体の頑張り、そういうのも全面的に支援してもらっていったらと思います。

 当市では、日本一のミカン産地を維持、発展させていくために農業の魅力を発信したり、農業研修の支援を行ったりして移住促進に取り組んでおられます。しかし、子育て世代の方が移住を考えたときに、就労したい地域の小学校に放課後安心して子供を預けられる適切な児童クラブや、地域独自の子育てサポートを充実することは、移住促進を推進する上でも最も大切なことであります。今後、市内全域において児童数が一層減少していく見通しであるが、だからこそ行政としてはより手厚い子育て支援が望まれるのではないでしょうか。ぜひとも中心部同様、周辺部の小学校にも不公平感のない環境を構築していただきますよう強く要望して、私の質問を終わります。

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