令和5年八幡浜市議会6月定例会会議録第2号

公開日 2023年09月05日

 

令和5年八幡浜市議会6月定例会会議録第2号

議事日程 第2号

令和5年6月12日(月) 午前10時開議

第1
会議録署名議員の指名

第2
一般質問
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本日の会議に付した事件

日程第1
会議録署名議員の指名

日程第2
一般質問
―――――――――――――――――――――
出席議員(16名)       

  1番  井  上     剛  君
  2番  攝  津  眞  澄  君
  3番  平  野  良  哉  君
  4番  田  中  繁  則  君
  5番  遠  藤     綾  君
  6番  菊  池     彰  君
  7番  西  山  一  規  君
  8番  佐  々  木  加  代  子  君
  9番  竹  内  秀  明  君
 10番  平  家  恭  治  君
 11番  石  崎  久  次  君
 12番  樋󠄀  田     都  君
 13番  新  宮  康  史  君
 14番  上  田  浩  志  君
 15番  宮  本  明  裕  君
 16番  山  本  儀  夫  君
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欠席議員(なし)
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説明のため出席した者の職氏名

 市長          大 城 一 郎 君
 副市長         菊 池 司 郎 君
 教育長         井 上   靖 君
 代表監査委員      若 宮 髙 治 君
 総務企画部長      藤 堂 耕 治 君
 市民福祉部長      福 岡 勝 明 君
 産業建設部長      垣 内 千代紀 君
 市立病院事務局長    井 上 耕 二 君
 総務課長        宇都宮 久 昭 君
 税務課長        田 本 憲一郎 君
 政策推進課長      松 良 喜 郎 君
 財政課長        明 礼 英 和 君
 社会福祉課長      二 宮 恭 子 君
 子育て支援課長     岡 本 正 洋 君
 市民課長        倭 村 祥 孝 君
 保内庁舎管理課長    二 宮 万裕美 君
 生活環境課長      菊 池 和 幸 君
 保健センター所長    小 野 嘉 彦 君
 人権啓発課長      山 本   真 君
 水産港湾課長      山 中 貞 則 君
 建設課長        宮 下 栄 司 君
 農林課長        松 本 有 加 君
 商工観光課長      萩 森 久 人 君
 下水道課長       菊 池 利 夫 君
 水道課長        山 本   覚 君
 会計管理者       河 野 久 志 君
 学校教育課長      梶 本 教 仁 君
 生涯学習課長      宇都宮 一 幸 君
 監査事務局長      坂 井 浩 二 君
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会議に出席した議会事務局職員

 事務局長        水 岡 能 成 君
 事務局次長兼議事係長  菊 池 文 孝 君
 調査係長        黒 田 昌 利 君
 書記          北 本 真紗美 君
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   午前10時00分 開議       
○議長(平家恭治君)  皆さん、おはようございます。
 これより本日の会議を開きます。
 本日の議事日程は、お手元に配付してあるとおりであります。
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○議長(平家恭治君)  日程第1 会議録署名議員の指名を行います。
 会議録署名議員は、議長において6番 菊池 彰議員、11番 石崎久次議員を指名いたします。
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○議長(平家恭治君)  日程第2 一般質問を行います。
 順次質問を許します。
 まず、井上 剛議員。
〔井上 剛君質問席へ移動〕
○井上 剛君  おはようございます。双岩地区出身、井上 剛です。令和4年度最後の質問に続きまして、令和5年度最初の質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
 通告書に基づき質問させていただきますので、理事者の皆様には、市民の皆様に対し、分かりやすい答弁を求めます。
 まず、昨年末、インボイス制度延期の意見書が当市八幡浜市議会で採択されました。市民目線の声が具現化され、発信できたものと思っています。
 インボイス制度について市民、国民が声を上げることのできる期間も残り少なくなってきましたが、現場の声が日増しに大きくなり、混乱も顕在化してきている中で、国会においてもインボイス中止や延期を求める声が大きくなってきております。
 今の日本を取り巻く長引く不況の打破と好景気に向かうための処方箋は、減税と財政出動、公共投資拡大のみと私は思いますし、積極財政への転換こそ我が国の未来を明るくしていくものと考えております。
 先日、とある代議士の先生の政治報告会に参加させていただきましたが、その際にお運びいただいた党幹部の先生からも、現段階では増税は必要ない、ピンポイントの財政出動、補助金や支援金などの支出の見直しと支出増、また使われなかった予算の見直しと同時に、特別会計の運用見直し、特に今回の円安によって得た外為特会の果実部分を運用することにより、財源は幾らでも産むことができますと力強く語っていただきました。
 現在日本の現実を表しているとともに、金融市場においては、日本の国債の金利が低いままで推移していることは、そのあかしとも思いますし、積極的な財政支出が日本を元気にすると言われていると感じました。
 ある種の増税にもなるようなインボイスが進みながら、こういう意見もあるというようなことで、やっぱりなかなか混迷を極めているのだなというふうなところも感じた次第です。
 また、先日は市長自ら東京に赴かれ、当地域の未来のための政策実現に向け、代議士の先生方のところに様々なお願いをされ、同時に担当大臣のところまで伺われたことと拝察申し上げます。
 予算の獲得によって政策実現へ向けるとともに、公共事業における資金循環を目指し、地域再興のさらなる一歩をお願いしたいところです。
 さて、質問に移らさせていただきます。
 大綱1「八幡浜市における常備消防組織の今後について」を質問いたします。
 先日の市議会議員全員協議会におきまして、近隣市町との消防組織の再編計画について伺いました。
 令和5年度本年度中に再編計画案を策定、令和6年度末までに再編を準備、そして令和7年より新たな組織で運営していくことを御説明いただきました。
 施設事務組合ということで、複数の自治体で管理や施設の運営が行われ、当八幡浜市も構成自治体であることから、そのような運びになっていると思います。
 私の地元もそうなんですけれども、市街地などでも、八幡浜市、道路が狭隘なところもあったりとか、高低差もあったりとか、有事の際、火災発生時や救急搬送時における交通事情も様々な状況が想定されると思います。
 市民の皆様も、この再編計画にあっては、大きな関心が向けられているものと思います。
 そこで、改めて現段階の状況について、周知できる範囲で構いませんので、御説明いただければと思います。よろしくお願いします。
○議長(平家恭治君)  市長。
○市長(大城一郎君)  5月22日の市議会協議会で八幡浜地区施設事務組合消防本部より説明のあった今後の常備消防組織について説明をします。
 八幡浜地区施設事務組合を構成する市町のうち、西予市が組合を脱退した令和7年度からは、当市と伊方町の1市1町の構成となります。
 八幡浜消防では、これまでの常備消防サービスの効果検証と課題解決のため、八幡浜市と伊方町への消防力の適正配置を一般財団法人消防防災科学センターに委託し、調査を行ってきました。
 その結果、旧八幡浜市内に本署、保内町、伊方町瀬戸、西予市三瓶町にそれぞれ分署を置いた1本署3分署の配置では、火災や救急事案に対し、7分以内に到達可能なのは、八幡浜市83%、三瓶町は68%に対し、伊方町では13%にとどまるといった消防力の偏りがあることが分かりました。
 また、西予市脱退後の署所再編案について、3署所、4署所、5署所体制の案が提示され、八幡浜地区施設事務組合消防本部としては、現在の保有消防力を活用して対応可能な4署所案が望ましいといった報告でありました。
 再編後の消防本部分署配置等については、今後伊方町と協議していくこととなりますが、1市1町での新たな負担割合など、今後さらに詰めていく必要があります。
○議長(平家恭治君)  井上 剛議員。
○井上 剛君  ありがとうございます。
 再編にあっては、やっぱりこのようなデータの分析に基づいて新たなハードを設置していくというふうなこと、とても大事なことだと思います。また、今後も分析していかないけないというふうなことで、ありがとうございます。ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 私も昨年度末まで八幡浜市消防団に在籍し、市民の皆様の安心・安全の一助となればと、微力ながら精進してまいりました。
 有事、いざ出動というとき、常備消防の皆様の能力と組織力、八幡浜市消防団の団員の地域愛と結束力、職員と団員の連携からもたらされる八幡浜市の消防力は、端から見ている私自身も誇りに思えるすばらしいものと思います。
 消防行政に携わる全ての皆様の鍛錬と、生業の傍ら技術習得のため錬磨に励んでくれている団員さんの御尽力のおかげとも思いますし、今後のためにも、今般の再編に伴う施設整備は、これから予想されている様々な自然災害に向かうとりでの構築、地域防災の要の整備とも捉えることができ、できる限りの施設整備や装備の充実を図ることができればと考えております。
 ただいま御説明いただきました再編計画に基づく案の中で、今までの体制と変わっていく今後にあって、現段階で不安に思える箇所があれば御提示をお願いできたらと思います。よろしくお願いします。
○議長(平家恭治君)  総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君)  ただいま御質問いただきました、これまでの状況と今後の状況におきまして、現段階で不安に思える箇所についてお答えをさせていただきます。
 現在、本市では、火災・救急時に20分以内に到着できる地域が99%となっており、日土地区の一部のみが20分以上かかる状態です。
 また、消防署本署の救急車2台、保内第二分署の救急車1台の合計3台が出動している場合には、三瓶の第三分署から出動していますが、4署所案においても、これまで同様に、補い合う体制の維持は可能となります。
 懸念する事項としましては、三瓶の第三分署から救急出動する場合と比べ、本署から出動する場合では、穴井地区、谷地区、横平地区への到着時間が2分ほど遅くなるという課題がございます。
 以上でございます。
○議長(平家恭治君)  井上 剛議員。
○井上 剛君  若干遅れる地域がちょっと見えてきたよというふうな分析の結果だと思います。
 ただいま御説明いただいたとおり、再編計画に基づく分署配置となった際には、救急体制、火災における日土の例も出していただきましたけれども、周辺部における救急搬送時の現場到着時間の変化と思います。
 火災もそうなんですが、初期の時間帯というのは非常に重要な時間帯となります。これは救急の件にあってもそうだと思いますけれども、常備消防組織には、火災発生時における消火、減災の面と、一方で救急医療の根幹を担う救急搬送の役割の中で、高齢化が進む当地域において、そのニーズは直面しているものがあると思います。
 近年、八幡浜市の高齢化率は約60%を超え、御高齢の方が大変多くなっております。それに伴いまして、救急出動の要請は多くなり、消防署職員さんの御負担も増加していくものと考えますし、増加傾向であるとも思います。
 消防関係者の専門的な知見を結集し、現在構築中と思います再編についてです。何か新たな体制構築の御提案など、現段階では採用できるできないとさえお伝えすることのできない時期とは重々承知をしているところではありますけれども、何かお示しできることがあれば伺いたいと思いますので、よろしくお願いします。
○議長(平家恭治君)  副市長。
○副市長(菊池司郎君)  先ほど御説明しました穴井地区、谷地区、横平地区への到着時間が2分ほど遅くなる点については、第三分署と本署との距離的問題があり、現状ではいかんともし難い状態です。
 また、市議会協議会で提案のございました救急ステーションなどの出張所については、救急救命士、救急隊員、機関員の3名1組の体制で24時間365日対応するには10名以上が必要になります。そのためには、当市の負担金の額も大幅に増えることが予想され、現下の厳しい財政事情では困難であると考えております。
 しかしながら、2分といえども、場合によっては地域住民の生命に関わる問題でありますので、何らかの方法で対処できないか、引き続き八幡浜地区施設事務組合消防本部に対し、検討を要請してまいります。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  井上 剛議員。
○井上 剛君  ありがとうございました。検討をしていくというふうなことで、ぜひ住民の皆様の期待に応えるように万全な体制、先ほどもおっしゃられましたが、負担金やなんかの影響でまんどにすることはなかなか難しいこともあろうかとは思いますけれども、最大御尽力いただけたらというふうに考えます。
 この質問を準備する際に、いろいろな専門のお話もお伺いすることができました。八幡浜消防署に行きまして現状把握や国全体の流れなども教えていただいた際に、平成24年姫路市より総務省に向けて、軽車両、軽自動車における救急利用についての要望が上がったのを受けまして、総務省も理解を示してくださいまして、軽車両を利用した救急車両が運用をされ始めたそうで、愛媛県内でも今治市、新居浜市と活用している実績があるようです。
 一方、当市にあっては、平成27年に先輩議員から、緊急車両の小型化について検討できないかという質問があって、その当時の理事者の皆様からは、ちょっと様々な要因で難しいんですよというふうなことでしたけれども、それから数年が経過しまして、救急専用車両ではないものの、小型車両を様々な目的で柔軟に活用して担架の搬送にも役立てている車両ありますよというふうなことも伺いました。そのような現場からの声も今後の再編計画に反映していただき、よりよい再編計画の策定を要望させていただけたらと思います。
 ここ数年で小学校、中学校、高校、それらも再編、大きな枠組みが本当ここ数年で変わっていくというような現実がありまして、理事者の皆様にかかる期待は大きいものがあろうかと思います。ぜひそのあたりのところ、目配り気配りで御対応お願いできたらと思います。
 当市は、昨年度、八幡浜港のターミナルビルが完成しまして、その後、八幡浜道路が開通、交通インフラが整いつつある中にあって、八幡浜市独自の町の特徴を発信していかねば、ただ通過するだけの町になるとともに、空洞化が顕著になり、町の発展に逆効果とならぬような留意が必要とも感じます。
 また、同時に、今回のような住民サービスのさらなる充実も図っていかねばならないと思います。市民の満足、何げない充実、それこそ大切であると思います。
 これまで積極的に打ち出されているマウンテンバイク世界大会、八幡浜道路開通に伴う各種イベントにも市長自ら率先垂範にて参加され、活躍され、職員の皆様も同じように御尽力いただいてる姿は、各種メディアへの情報発信に貢献大なるものがあると思っていますし、たくさんの応募があるマーマレードアワード&フェスティバル日本大会も、八幡浜の知名度アップに寄与していると思います。
 今後とも御自身の健康やワーク・ライフ・バランスとともに御相談の上、お力添えをお願い申し上げまして、一般質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(平家恭治君)  次、佐々木加代子議員。
〔佐々木加代子君質問席へ移動〕
○佐々木加代子君  始まります前に、非常に今回誤字が多いので、それの修正をさせていただきます。
 まず、通告書のほうが正しい大綱の文字です。それを、多分原稿をお持ちの方は違うようになっとると思いますので、通告書に合わせていただくのと、「COCOROプラン」のRが本当はLですので、ここの修正をよろしくお願いいたします。申し訳ありません。
 それでは、質問に入らせていただきます。
 私も大綱2点について質問をさせていただきます。理事者の皆様には、市民の皆様に分かりやすく御答弁いただきますように、よろしくお願いを申し上げます。
 それでは、大綱1「がん罹患者への『アピアランスケア』について」。
 宇和島にお住まいの方の御友人が八幡浜市在住で、その八幡浜市にお住まいの方が、がん治療によりウイッグの購入を考えているのよと御友人に話されました。聞かれたその御友人は、宇和島には購入費助成があるので、八幡浜市にもあるのではないかと言われたとのことです。その後、宇和島の議員から私のほうに問合せがあり、残念ながら現在八幡浜市においての購入費助成は行われていない旨をお伝えしたところです。
 日本人の死因として、1981年から40年以上にわたって第1位であるがん。年間30万人以上の方が、がんで亡くなっています。
 また、生涯のうちにがんにかかる可能性は、男性の2人に1人、女性の3人に1人とされています。
 また、男女のがん罹患数では、50代までは女性のほうが多く、60代以上になると男性の罹患数が増えて、70代では女性の約2倍の数の男性の罹患数となっているとのデータも出ています。
 1970年代、がんは不治の病と思われていましたが、今では大きく時代は変わり、また医療の先進化によって、がんにかかっても60%強は治り、がんイコール死ではなく、生き延びられる時代になっていることから、経済的・精神的な支援を行政から発信していただきたいなというふうに思っているところです。
 それでは、初めに、八幡浜市におけるがんの罹患者数や死亡数などの実態について、データ把握などはされておられるのかを伺いたいと思います。
○議長(平家恭治君)  保健センター所長。
○保健センター所長(小野嘉彦君)  お答えします。
 「がん罹患者数」については、愛媛県全体のデータしかありません。令和4年度愛媛県生活習慣病予防協議会の資料の中で、直近、令和元年の県全体の罹患者数は、男性6,894人、女性5,226人、合計で1万2,120人です。
 「死亡者数」は、令和元年、同資料の中で、県全体で4,549人。また、令和4年度版八幡浜市統計書によりますと、令和元年の八幡浜市のがん死亡者数は121人です。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君  それでは、次に、がんの罹患者の方に対する情報提供や支援など、八幡浜市が行っていることについてお聞かせを願います。
○議長(平家恭治君)  市民福祉部長。
○市民福祉部長(福岡勝明君)  お答えします。
 本市においては、令和2年8月から「若年がん患者在宅療養支援事業」を開始しており、介護保険サービスが利用できない20歳から39歳の若年がん患者に対し、在宅療養を希望する場合は訪問サービスや福祉用具の貸与などの体制整備と利用料の助成を行っています。
 地域包括支援センターでは、住民が安心し住み慣れた地域で暮らし続けるための医療と介護の連携を推進しています。
 八幡浜医師会へ委託している「在宅医療・介護連携推進事業」において、在宅緩和ケアコーディネーターが中心となり、患者や家族、医療機関からの相談に対応し、医療や介護保険サービスの調整を行うことで患者や家族の不安の軽減にもつながっています。
 また、市立八幡浜総合病院は、「がん診療連携推進病院」として、地域医療連携室内にがんに関する相談窓口を設置しているほか、外来化学療法室にパンフレットやカタログを展示し、必要に応じて、がん化学療法看護認定看護師が相談に対応しています。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君  私が想像していた以上に支援はされておるという、今、部長の答弁でございましたが、正直言って知らないことばかりありました。
 今、部長も言われました、20歳から39歳までのがんの罹患をされた方については、今、「AYA世代」というふうに言われております。しっかりとこのAYA世代の方への支援も八幡浜市で行っておられることを聞いて非常に安心をいたしました。また今後ともよろしくお願いを申し上げます。
 放射線治療や抗がん剤治療により髪が抜けてしまった方や、乳がんの治療などによる外見の変化や心のケアを行うことを「アピアランスケア」と言います。例えば医療用のウイッグや乳房切除後の補整下着等の購入費などの助成を通じて、がん罹患者の方の生活の質の向上に向けた取組を行うことで、がんの治療後に安心して暮らせるための支援が必要だとの考えから行われているものです。
 がん治療の影響で外見が変化することは、人に会うことが苦痛に思えるなど、社会生活が困難となる場合が少なくないと思います。
 厚生労働省では、がん医療の進歩により、治療を継続しながら社会活動を送るがん罹患者が増加していることや、治療に伴う外見変化に対して、医療現場におけるサポートの重要性が認識されているといった現状を踏まえ、アピアランスケアの必要性を示しています。
 国立がん研究センター中央病院では、アピアランスケアについて、「外見の変化を補完し、外見の変化に起因するがん罹患者の苦痛を軽減するケア」と定義をして、この病院主催で医療者向けのアピアランスケア研修基礎編と応用編が行われているようです。
 しかし、研修の応用編まで修了した方の人数は、令和元年の数字にはなりますが、全国で533名と、まだまだ少ない状況にあると言います。
 それでは、市立病院においては、今お話をした病院の研修でなくても結構ですので、アピアランスケア研修を受講され、患者さんのケアに従事されている専門の方はおられるでしょうか。
 また、病院内のがん罹患者の方への相談体制についてどのようになっているのかをお聞かせください。
○議長(平家恭治君)  市立病院事務局長。
○市立病院事務局長(井上耕二君)  市立八幡浜総合病院では、アピアランスケアも含め、がん化学療法における安全・適切な投与管理、副作用ケアなどの専門的知識と技術を持った「がん化学療法看護認定看護師」を外来化学療法室に1名配置し、患者様のケアを行っています。
 また、院内のがん罹患者への相談体制については、医師、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、作業療法士、看護師、社会福祉士などで構成する「緩和ケアチーム」を設置しており、抗がん剤の副作用により脱毛や肌の変色、爪の変化、皮膚炎などの外見の変化が生じるリスクのある患者様に対しまして、医療用ウイッグを選ぶ際の相談や、爪・皮膚などのセルフケアに関する生活指導のほか、患者様の抗がん剤による副作用症状の緩和に対する支援を行っています。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君  市立病院内での患者様に対する、いわゆるアピアランスケアを行っておるという今御答弁でございました。
 それでは、再質問になりますが、八幡浜市立病院で、先ほど部長もおっしゃっておられました「がん診療連携推進病院」という県の認定を受けておられると思うんですが、院外の、要するに病院内でかかられとるがんの罹患者に対する相談体制であるとか、悩みに寄り添うアピアランスケアは行われているという今お話しでございましたが、院外、市立病院にかかられてない罹患者の方からの相談とかアドバイスなどについて行っているのか、伺います。
○議長(平家恭治君)  市立病院事務局長。
○市立病院事務局長(井上耕二君)  市立八幡浜総合病院内に設置しております地域医療連携室におきまして、院内・院外を問わず、がん罹患者に対して相談を受けております。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君  次の質問に移ります。
 愛媛県内で、がんに特化した支援を行っている自治体と支援内容について教えていただきたいと思います。
○議長(平家恭治君)  保健センター所長。
○保健センター所長(小野嘉彦君)  お答えします。
 県内で支援事業を実施している自治体は3市あり、西条市が令和3年度から、今治市が令和4年度から、宇和島市が令和5年度から実施しています。
 支援内容は、3市とも医療用ウイッグと胸部補整具の購入費用に対して、用具ごとに購入費用の2分の1、3万円を上限に助成しています。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君  今治、西条、宇和島ということでございますが、私としては、がんに罹患し治療していく過程でのお困りのことがあれば、市立病院や、また保健センター内の地域包括支援センターへ御相談いただきたいという、そういうことをしっかりと全市民の方が認識できるまで周知するということに心がけていただきたいなと思っているところです。双方でしっかりと連携をしていただき、罹患者の方へ寄り添う支援をここで改めて要望をしておきたいというふうに思っておりますので、しっかりその連携を今後ともよろしくお願い申し上げます。
 それでは、この大綱1の最後の質問になりますが、最後にアピアランスケアの取組の一つとして、医療用ウイッグや補整具の購入費用の助成、先ほど言われた今治や西条、宇和島のような購入費の助成を行う考えはないでしょうか。
○議長(平家恭治君)  市長。
○市長(大城一郎君)  アピアランスケアの支援につきましては、従前から実は保健センターのほうと話をしておりまして、がんにかかられた方の、特に女性のウイッグ、男性もあるんですけど、ウイッグとか、雑誌とかで女性が、乳房切除された方が若い奥さんで、娘さんと一緒に銭湯とか行けないとかというようなこともありまして、そういったときにどういった対応ができないかというようなことも相談しておりまして、医療用のウイッグとか胸部補整具、この購入費の助成については、現段階で県内の市町における導入状況を調査しながら、今後助成制度導入に向けて前向きに取り組んでいきたいと考えております。
○議長(平家恭治君)  佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君  非常に希望を持てる市長の今御答弁でございますので、期待を持って待たせていただきます。
 今回このテーマで私が質問をいたしましたのは、30年以上前からのお付き合いがある親友が、ステージ4のがんであることをつい最近本人の口から伝えられました。本人より私のほうがショックを受けて、どう励ましたらいいのか分からず、涙を彼女の前で見せるのをとにかくこらえるのだけが精いっぱいでした。
 彼女はまさに抗がん剤治療の最中で、ウイッグの準備も考えているというふうに言っていました。
 ウイッグは数万円から数百万円と、様々な種類があります。安いものをつけると見た目も不自然で、かといっていいものは高額になる。病気の治療費の負担の上に、髪の毛が抜け落ちていくという精神的にもつらい中で、さらに経済的負担がのしかかります。
 がん患者の方への物心両面における寄り添うケアについて、行政として何ができるのかを改めて調査研究をしていただきますことを強く要望をいたしまして大綱1の質問を終わります。
 それでは、大綱2「COCOLOプランを受けての不登校支援の推進について」であります。
 昨今、不登校は珍しい状況ではなくなりました。文部科学省の調査によると、2019年度に不登校状態にあった中学生は全国で約12万8,000人、割合にして3.94%が不登校になっていたことが分かっています。実に25人に一人、一クラスに1人以上が不登校を経験している計算になります。
 原因としては、何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により児童・生徒が登校しない、あるいはしたくてもできない状況などがあるとされています。
 先月、「八代ブロック子ども育成会」に出席させていただき、小・中学校の不登校児童・生徒の状況をお聞きいたしました。
 質問になります。八幡浜市の小・中学校においても増加傾向にあるとの御報告があった不登校と不登校傾向にある児童・生徒の状況について伺いたいと思います。
○議長(平家恭治君)  教育長。
○教育長(井上 靖君)  まず、この4年間の本市の不登校児童・生徒の状況についてお答えします。
 令和元年度が19人、令和2年度が24人、令和3年度が23人、令和4年度が30人となっており、小学校は令和2年度が最も多く、この2年は減少傾向。令和元年度から横ばいだった中学校は、昨年度増加しました。
 また、年間30日を超えない不登校傾向の児童・生徒は、令和4年度、昨年度、小学校が3名、中学校が1名でした。
 次に、佐々木議員のお話の中にもありました2019年度、令和元年度、中学生は25人に一人が不登校とありましたが、本市においても不登校の児童・生徒は増える傾向にあり、重要課題の一つと捉えておりますが、令和3年度の最新の不登校出現率でいいますと、小学校の場合、全国は77人に一人、愛媛県は99人に一人、本市は126人に一人という状況です。
 また、中学校では、全国が20人に一人、愛媛県が22人に一人に対して、本市は56人に一人という状況です。
○議長(平家恭治君)  佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君  詳しく説明していただきました。
 不登校は、一部の人だけが経験し得る特別なものではなく、誰にとっても身近な問題になっているというふうに思います。
 不登校になったことで、本人も保護者も将来を心配してしまうと思いますが、適切に対処すれば問題なく学校復帰・社会復帰することは可能であるとも言われていて、大切なのは、一人一人に合った形で適切に対処することが重要になってくるというふうにされています。
 小・中高等学校の不登校の児童・生徒数が急増し、約30万人となる中、文部科学省は令和5年3月31日に、誰一人取り残されない学びの保障を社会全体で実現していこうと「COCOLOプラン」、皆様のお手元にも資料が配付をしていただいておると思いますが、COCOLOプランを発表いたしました。
 これに先立ち、我が党の不登校支援プロジェクトチームは、3月23日に「子どもたちの自己肯定感をはぐくむために」との提言を行いましたが、今回のCOCOLOプランには、その提言内容が多く盛り込まれています。
 そこで、COCOLOプランのすぐに実行できる内容について早急に実行し、不登校の児童・生徒の速やかな支援を行っていただきたいという思いから、文部科学省が発表したこのCOCOLOプラン、誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策の内容に沿って質問をしていきたいと思います。
 COCOLOプランの2-03、ページ数はまた開けていただいたら2-03出てきますので、見ていただいたらと思います。
 提言1として、「一人で悩みを抱え込まないよう保護者を支援」してほしいという提言をいたしました。
 不登校の子供を支援していく上で、その保護者を支援していくことは大変重要であり、不登校の子供の保護者の会は非常に重要な役割を果たしています。
 しかし、現状では行政からの支援はなく、意欲ある保護者が自主的に設置しているため、地域によって状況が様々であります。
 不登校支援プロジェクトチーム(以後「支援PT」と表現をさせていただきます)では、不登校の子供の保護者同士の話合いの場である、1、保護者会の設置と、2、保護者会にスクールカウンセラーを派遣し、コーディネーターの役割を担うことを提言いたしました。
 これを受けて、今回のCOCOLOプラン(2-03)では、「スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーが関係機関等と連携して保護者を支援する」というふうに明記をされております。
 不登校の子供の保護者の会について、不登校の子供の保護者であれば誰でも自由に参加ができる保護者の会を設置するとともに、スクールカウンセラーかスクールソーシャルワーカーを派遣し、コーディネーターの役割を担い、保護者の悩みに寄り添う支援を今以上に専門家の力も借りて行っていただきたいという要望をしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(平家恭治君)  教育長。
○教育長(井上 靖君)  お答えします。
 本市では、学校教育課教育支援室が平成29年度より行っている事業に「きりんカフェ」があります。これは、登校しづらいお子さんを持つ保護者が、悩みやつらさを相談できる場です。自由に参加でき、年間5回設定しています。
 ちなみに「きりん」という意味合いは、首を長くして待つという、そういう意味合いです。
 また、市内4中学校のうち、3つの中学校にはそれぞれ1名のスクールカウンセラー、残りの中学校にはハートなんでも相談員を配置し、全ての小学校と連携し、対応可能な体制を取っています。
 さらに、スクールソーシャルワーカーという専門的な相談員が全ての学校を巡回し、児童・生徒だけでなく、教職員や保護者と相談できる体制も整備しています。
 最初に紹介しましたきりんカフェには、教育支援室に配置しています公認心理師も毎回参加しておりますし、5回中1回は「おおずふれあいスクール」適応指導教室の教育相談員も招いて保護者と話し合える場にしています。
 今後は、これまでの取組の課題を明らかにして、より充実したものにしていきたいと考えています。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君  教育長、お伺いします。そのきりんカフェには大体毎回何人ぐらいの方が参加されとるかは分かりませんでしょうか。
○議長(平家恭治君)  教育長。
○教育長(井上 靖君)  令和元年度以降、毎年5回開催していますが、令和2年度はゼロでした。一番多い令和3年度が3人でした。
 案内はしてるんですけど、通信などでも呼びかけてるんですけど、なかなか来られないという実情です。
○議長(平家恭治君)  佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君  ありがとうございます。
 それでは、提言2「多様な学びの場の確保について」。不登校の児童・生徒は一人一人の状況が大きく異なるため、丁寧な指導を行うためには、多様な学びの場の確保や指導体制を整備することが必要になってまいります。
 そこで、支援PTでは、教室に行きづらくなった児童・生徒が学校内で落ち着いて学習できる環境、スペシャルサポートルーム等の設置の提言と、不登校児童・生徒が自宅にいても学習を進めることができるよう、1人1台端末を活用し授業を自宅等に配信してのオンライン指導の充実等を要望をいたしました。
 それを受けて、今回のCOCOLOプラン(1-02、1-03、1-05)では、校内教育支援センター(スペシャルサポートルーム等)の設置促進とともに、学校での授業を、1、自宅や、2、スペシャルサポートルーム等、3、教育支援センターに配信し、オンライン指導やテスト等も受けられるようにするというふうに明記をされております。
 以前は、学校には登校するが教室に行きづらくなった児童・生徒の居場所といえば保健室が通例でありましたが、保健室には児童・生徒も出入りすることや、保健の先生への負担にもつながることから、COCOLOプランでは、学校内で落ち着いて学習できる環境、スペシャルサポートルームの設置と学校の授業を、1、不登校の子供の自宅、2、校内のスペシャルサポートルーム等、3、教育支援センターに配信し、オンライン指導ができる指導体制の確立を言われていますが、八幡浜市の不登校生徒に対する今現在行われていることと、今後の取組について詳しくお知らせをいただきたいと思います。
○議長(平家恭治君)  教育長。
○教育長(井上 靖君)  お答えします。
 学校に行きづらくなった児童・生徒が安心して活動できるように、他の児童・生徒と顔を合わせなくてもよい放課後に登校したり、保健室や図書室、相談室を使って学習したりできる環境を整えています。
 また、午前中登校できなくても、部活動への参加意欲のある生徒を受け入れる体制も取っています。
 いずれの場合も、該当児童・生徒の心の支えになるよう配慮しています。
 また、適応指導教室であるおおずふれあいスクールを活用するとともに、1人1台端末を活用してオンライン授業の参加も可能としています。
 今年度、不登校生徒でリモートで授業を受けている中学生が4名います。
 さらに、児童・生徒が抱える悩みについて、学習用端末を使って相談できるシステム「やわたはま元気ノート」を今年度からスタートさせました。
 このシステムは、子供が自らSOSのサインを出せるような環境をつくり、悩みやトラブルの早期発見、早期解決につなげることを目的としています。
 子供たちの心と体の状態をキャッチし、悩みが小さいうちに対処できるようにしたいと考えています。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君  それでは、3つ目の提言3に移ります。
 「不登校児童・生徒の多様な学びの『成績評価』の確実な実施」ということで、不登校の生徒の多様な学びの場が拡大をしている中で、今教育長からもお話しいただきまして、八幡浜市でもいろいろとされているという内容をお聞きしましたが、また、先ほどから何度も申しますように、自宅であったりスペシャルサポートルームであったり、教育支援センターなどでの学びが、学習成果として評価されないために、調査書(内申書)の成績がつかず、不登校生徒の高校進学の選択が制限されているという問題があります。
 そこで、不登校の生徒の高校進学を支援するため、多様な学びの場、自宅とか教育支援室での学習の成果について、生徒の状況を踏まえつつ、一定の条件の下で成績評価を行うことを努力義務化することを支援PTから提言をいたしまして、今回のCOCOLOプラン(1-02、1-03、1-05)では、自宅やスペシャルサポートルームと、また教育支援センターでの学びの結果が成績に反映されるようにするというふうに明記をされました。
 そこで、今回のこのCOCOLOプランで示されたように、不登校の生徒の高校進学を支援するため、自宅やスペシャルサポートルーム、教育支援センターでの学びを確実に学校での成績に反映させることになったということについて、八幡浜市としての今後の取組をお考えをお聞かせください。
○議長(平家恭治君)  教育長。
○教育長(井上 靖君)  お答えします。
 先ほども述べました適応指導教室、おおずふれあいスクールでは出席扱いとしておりますし、1人1台端末を活用してオンライン授業に参加した場合も出席扱いとしています。
 本市では、児童・生徒、保護者の思いや願いを大切にして、適切な学習支援や進路相談につなげていきたいと考えています。
 不登校の生徒の進学先は、県内外の通信制高校や地元の定時制が多いのですが、県下の私立高校の中には、長期欠席生徒を受け入れるコースをつくった学校も出てきました。
 また、地元の全日制公立高校への進学を、本人、保護者が希望する場合にも、それが実現できるように学校を挙げて支援する体制を取っていこうと考えています。
○議長(平家恭治君)  佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君  ある中学校の教師をされていた方にお話を聞いたときに、愛媛県では比較的、そういう市が認定したりとか県が認定している学校に通われとる子、不登校の生徒で特別に授業を行ってというそういう、大洲で言えばおおずふれあいスクールなどに通っているお子さんは出席扱いになるけれども、なかなか学校に来れない子たちへのその出席の扱い方が愛媛県は非常に厳しいとそういうところでは、出席数になかなか扱っていただけない傾向にあるというお話も聞いたので、今教育長のお話を聞かせていただいて、非常に安心をしております。
 まだまだこれが100%パーフェクトかどうかというのは、まだまだこれからのところの部分も残されているのかなというふうに思いますが、今以上のまた御支援をしっかりとこれからも行っていただきたいなというふうに思っております。
 ここで、事例を紹介させていただきます。
 愛知県春日井市は、本年度、中学校の普通教室に、何らかの理由で行けない生徒やいづらい生徒が過ごせる登校支援室を9校開設し、市立中学校15校への設置が完了をいたしました。支援室は、授業をしないフリースクール型で、学校内への設置は全国でも珍しいというふうに言われています。
 支援室は、不登校傾向にある生徒の居場所を学校内につくることで、安心して学校生活を送れるよう支援するのが狙いと言います。各中学校に常駐している支援員が、生徒に寄り添いながら社会的自立や集団への適応を促していくというもので、ある中学校では、支援室だけに通う生徒のほか、普通教室に通いながら休憩で訪れる生徒もいると言います。
 支援室では、絵を描いたり楽器を演奏したり、仕切られた個室で勉強するなど、過ごし方は自由。テーブルにボードゲームを広げて数人で遊ぶこともできる。こうした支援は校内フリースクールと呼ばれ、集団生活や学習が苦手な子供にとって、校内に教室とは別の居場所があることで登校する動機が維持されやすいというよさがあり、実際、早くから設置している学校の多くで不登校生徒が減少する効果が出ているというふうに言われています。
 2020年度に最初に導入したモデル校でも、前年度と比べて不登校生徒が減少し、ある学校では半減した。同市の教育委員会の担当者は、支援の手応えを感じていると話されています。
 全国的には取り組んでいる自治体はまだ少ないようですが、愛知県では岡崎市、名古屋市など広がりを見せているようです。
 不登校の子供、不登校傾向の子供の居場所を学校内につくることは、誰一人取り残されない学びの保障を社会全体で実現していくとのCOCOLOプランの目指す方向性ではないかというふうに思っております。
 それでは、最後の質問になりますが、不登校及び不登校傾向の子供への寄り添い方は一人一人、先ほどから言っておりますが、違いがあります。困難なことも多いと思いますが、八幡浜市の子供たちへの誰一人取り残されない学びの保障を実現するために、今後どのように取り組んでいかれるのかについて伺いたいと思います。
○議長(平家恭治君)  教育長。
○教育長(井上 靖君)  お答えします。
 愛媛県では、「不登校児童生徒等支援事業」として5つの重点施策を行っており、その一つに「校内サポートルーム設置事業」があります。これが議員御指摘のCOCOLOプランにあるスペシャルサポートルームに当たるのかなと思っています。
 本事業は、長期欠席生徒の多い県内7市8中学校に設置されており、昨年度から南予では西予市と宇和島市の2つの中学校にも設置されました。
 本市では、県の動向も見ながら、不登校の子供たちに対する支援の最終目標である将来の社会的自立を目指し、保護者との連携を図り、子供たちへのきめ細かな支援を行っていきたいと考えています。
 児童・生徒にとって人とつながって悩みを打ち明けたり、自分の学習状況を把握してもらったりすることは、安心につながると考えています。
 ただ、別室での学びを完結とするのではなく、あくまでも最終的には教室での学びにつなげていくことを目指していきたい。そう考えています。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  佐々木加代子議員。
○佐々木加代子君  ありがとうございます。
 永岡文部科学大臣は、「私は不登校により学びにアクセスできない子供たちをゼロにすることを目指します。そして、子供たちに『大丈夫』と思っていただけるよう、徹底的に寄り添っていきます」というふうに言われ、教育行政の責任者として、「1、不登校の児童生徒全ての学びの場を確保し、学びたいと思ったときに学べる環境を整える」「2、心の小さなSOSを見逃さず、『チーム学校』で支援する」「3、学校の風土の『見える化』を通して、学校を『みんなが安心して学べる』場所にする」というこの3つの点について、「誰一人取り残されない学びの保障を社会全体で実現していきます」というふうに言われております。
 行政、学校、地域社会、各家庭、NPOなどが相互に理解や連携を行い、子供たちのためにそれぞれの持ち場で不登校支援にスピード感を持って取り組んでいかれることを強く要望をいたしまして、私の今回の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○議長(平家恭治君)  休憩いたします。
   午前10時55分 休憩
―――――――――――――――――――――
   午前11時11分 再開
○議長(平家恭治君)  再開いたします。
 次、西山一規議員。
〔西山一規君質問席へ移動〕
○西山一規君  私は、大綱1つについて一般質問を行います。理事者のほうも分かりやすい答弁をお願いしたいと思います。
 今回、「八幡浜のお金の流れについて」というタイトルで質問いたしますが、過去からこういった経済に関する質問を何度か行っております。まず令和元年12月、お金とはとか、お金の機能について。市内経済のためにお金は市内で回す。入る金を増やして出る金を減らすというのが理想的だというふうなお話になりました。
 次は令和2年6月、コロナ対策の10万円定額給付、これによって市内のお金が33億円増える。お金は使うとなくなるのではなく、次の人に渡る。市内で使えば市内が潤う。それと、インフレのときは今お金を使うほうが得である。デフレのときは貯めておいたほうが得であるというような内容です。
 次は令和2年12月、需要と供給についてです。需要が多いとインフレに向かう。供給が多いとデフレに向かうと。デフレの場合は貯蓄に向かい、需要がさらに減ってさらにデフレが進むという。それの解決策として答弁いただきましたが、政府が需要を創出するということです。市のほうでは、この需要を刺激すると、プレミアム商品券等で需要を刺激するということでした。
 令和3年3月、市内でお金を回すときの手法として、ちょうど佐々木議員がナッジの手法という一般質問をされてまして、ちょうどそれがそうだなとも思いましたが、自然にそうなるように導く仕掛け、これを行ったり効果的なPR方法を活用して市内でお金を回すということをされると。
 令和4年3月には、市の財政の厳しさということで、様々な指標について質問をいたしました。
 現在私は、先ほどトップバッターで質問されましたが、井上 剛議員とともに積極財政を推進する地方議員連盟、今朝ホームページで確認しますと、会員数は130名になっております。そのような連盟に所属しておりまして、そういう観点から質問をいたします。
 よくある積極財政についていろんな批判がありますけれども、ばらまきであるとか放漫財政だとか、そして極端な例を出されて、財政破綻やハイパーインフレに向かうということですとか、特に最近よく聞くのは、将来へのツケ回しだというような表現で批判されることがよくあります。
 これは国の財政を家計に例える財務省の説明があります。それをそのままうのみにしてしまうとそのような発想になってしまうものであるというふうに考えております。
 積極財政を推進する立場からですが、あまり特徴的な主張をする前に、今回は根本的な事実、現実についてまず確認をいたします。
 1つ目は、お金はどうすれば増えるのかということです。
 一生懸命働いて稼いだと。企業努力で売上げを増やして貯金が増えた。これはお金が増えたのかということですが、世の中全体を見ると、これはお金が増えたんではなくて、お金が移動したにすぎません。誰かが黒字になるということは誰かが赤字になる。結局そのようなものではプラス・マイナス・ゼロで、全体としては増えていないということになります。
 これから以降、分かりやすいように、聞き慣れない言葉は極力使わないで進めたいと思います。
 現実にどうやってお金が増えるか。これは、銀行から借りるとお金が生まれ、返済すると消えるというのが現実であります。
 これ私個人の勝手な思い込みとか感想とかではなく、権威ある組織も同様の説明をしております。
 どこが説明しているかというと、イギリスの中央銀行、日本で言う日銀に当たるところです。イングランド銀行の季刊誌「現代の経済における貨幣創造」という説明があります。
 その中にも、貸出しを行う商業銀行によってお金が生まれる。銀行は預かった預金を又貸ししていない、貸出額を記帳するだけ、そのような考え方があります。
 その文章の中にはもう一つ、金利などによって金融政策を行うことも書いてありますが、そちらはちょっと割愛いたします。
 今手元に持っているのがその資料であります。これ同じものがインターネットでも見れますので、イングランド銀行、貨幣創造などで検索していただければすぐ出てきます。
 事前に理事者のほうにもお渡ししておりますので、それを読んでいただけているかと思います。
 問いの1つ目ですが、この説明を読んでどのように感じられたか伺います。
○議長(平家恭治君)  財政課長。
○財政課長(明礼英和君)  お答えいたします。
 議員御紹介のイングランド銀行の季刊誌「現代の経済における貨幣創造」を読んでの感想ということですが、経済の専門家ではないため詳しいことは分からないものの、銀行の貸付けがお金を生み出すということが書かれているものと理解しました。
 これまで、銀行は預金を元手に貸付けを行うものと認識しておりましたが、実際にはそうではなく、融資の申込みをした人の口座に融資額と同額のお金を入金することで貸付けを実行するため、結果として同額の預金が生じる流れとなる。つまり、銀行は預金量に縛られずお金をつくり出す、無からお金を創り出すという考え方を本季刊誌では解説されていました。
 経済用語の信用創造(銀行が貸付けを繰り返すことによって、銀行全体として元の預金額の数倍もの預金通貨が創り出されること)という考え方には、社会全体の通貨量を増やすことにより経済活動を円滑にするという役割があり、金融機関が貨幣経済において果たす重要な役割の一つであると認識しております。
 経済学は、個人や企業だけでなく、国家など社会全体の経済活動の仕組みを幅広く研究する学問であり、経済学者による様々な見解や経済理論もあるため、広い視野で多角的に物事を捉える力を養うことも大事なことだと感じました。
 以上でございます。
○議長(平家恭治君)  西山一規議員。
○西山一規君  詳細な感想をいただきまして、誠にありがとうございます。
 確かにこれが現実ではあるんですが、これを認めないというような考え方の経済学者というか、一部の方もいらっしゃいます。
 経済自体が、私も経済に対して興味を持ち出したのが、実は一番最初はやはり財布の中に入っている千円札、一万円札、こういったものが、よく考えたらこれ何だろうかなというのが、まず最初の疑問のスタートだったんですけども、世の中で聞く何かお金足りなかったら輪転機で刷ればいいんだよとかというような極端な話をされる方、そういう方の話も、お金を刷るのはいいんですけど、それって日銀の倉庫にたまるだけで、どうやって外に出ていくんですかとかという疑問から、いろいろ調べてきたというのが経緯であります。
 いろいろ新古典派とかケインズ派とか、あとはマルクスですか、そういったいろんな方の経済理論がありますが、私は理系の人間でしたので、一つの事象に対していろんな理論があって、みんな言うこと違うというのはなんやねんというふうな感じで思っていたんですが、経済の場合実験ができないと、もういきなりが本番ですよということですので、そういったいろんな解釈によってこうするべきああするべきというのが変わってくるというのはある程度理解しておるところです。
 今のイングランド銀行に書いてあることは、よくある教科書とは異なっている。実際はこれが現実と思われますが、教科書とは異なっているということになります。
 この現実により新たな疑問が湧いた人は、またネットや本で調べていただければと思います。
 よく話題になります、国が国債を発行して通貨を得る。それは、結局今のように通貨を発行するのと同じだと、お金を創り出しているのと同じだということが言えるかと思いますが、それに対してのいろんな御意見もありますので、またそれもお調べいただけると面白いかと思います。
 次、個人、企業、自治体、政府の関係についてであります。
 まず、個人で想定をします。収入より支出が多い。そうなると借金が膨れ上がっていく。これはよいことですか、悪いことですかと。
 今度企業です。少し表現変わりますが、将来の収入のための支出、投資です。そして、節度ある借金、これを行うのはいいことなのか、悪いことなのか。
 次は自治体です。収入より支出が多くて、貯金である財政調整基金もなくなってしまった。これはいいことなのか、悪いことなのか。
 最後、政府ですが、現在約1,200兆円の借金というふうに言われています。これが毎年増え続けている。これよいことなのですか、悪いことなのですかと。
 というようなことを、それぞれを、イエス・ノーとかではなくて多面的な答弁でも結構ですが、上記の4つについて答弁をお願いします。
○議長(平家恭治君)  財政課長。
○財政課長(明礼英和君)  お答えいたします。
 個人の借金は、収入より支出が多く借金が膨れ上がる状況は、いずれ生活が破綻してしまうため、支出の見直しや新たな収入の確保策を考える必要があると思います。
 企業の借金は、将来の収入のために節度ある借金を行うことは、企業が成長する上で必要な投資と考えられます。
 自治体の借金としては、公共施設の建設事業や災害復旧事業など、単年度に多額の財源を必要とする事業の場合、地方債を発行して必要な資金を調達して実施します。このことにより、財政負担を後年度に平準化し、将来恩恵を受けることになる世代にも公平に負担を分かつことが可能となります。
 なお、収入より支出が多く、貯金である財政調整基金もなくなった場合は、大規模災害などの不測の事態に早急に対応するための財源が確保できていないことになり、市民の安全・安心を守るためにも、一定の財源は確保しておく必要があると考えています。
 政府の借金は、新型コロナ対策や物価高対応で国債の発行額が膨らみ、現在1,270兆円余りと過去最大で、毎年増え続けている状況にあり、財政状況が一段と厳しくなっていると報道がされています。
 国の借金については、大きく議論が分かれるところもあるため、一概には言えませんが、医療や介護、年金などの社会保障費の増加や、新型コロナ、物価高騰対策への対応など、国民生活を守るために必要となる予算を確保する上で必要な面もあると思います。
 一般的には借金はよくないこととされるイメージがありますが、全ての借金が悪いわけではなく、将来的にお金を生み出すための支出であれば、借金をしての投資も時には必要であり、積極的にお金を増やしていく努力も大事なことであると思いますし、それぞれの立場や役割によっても考え方は変わってくるものと思います。
 以上でございます。
○議長(平家恭治君)  西山一規議員。
○西山一規君  私もほぼ同様の意見を持っております。
 それぞれ立場が変わると、借金という言葉に対しての重みとか価値とか、そういったのが変わってきますので、それを同一視することはちょっとおかしいのではないかということが言えるかと思います。
 それぞれの支出が経済効果を生むという面も見なければいけません。
 最初のほうに言いましたけど、誰かが黒字の場合は誰かが赤字だということは言えますので、政府が黒字になったら政府以外の民間は赤字ですよということもつながってくるということになってきます。
 個人の家計と国の財政、これは同一視していいのかということは、今の比較である程度分かっていただけたんではないかと思います。
 次に移ります。
 経費節減についてですが、経費節減とか身を切る改革など、歳出削減の取組について伺いますが、一般的にも無駄遣いは悪いことだと。これは恐らくどんな方でも同じような認識であろうかと思いますが、歳出削減を行うと、市内の経済にとってはどのような影響があるかを伺います。
○議長(平家恭治君)  市長。
○市長(大城一郎君)  本市においては、市税や地方交付税など限られた財源の中で、その時々の状況に応じて優先順位の高い事業から予算措置を行っており、ゼロベースでの事業の見直し、事業のスクラップ・アンド・ビルドの徹底によって無駄のない予算編成に努めております。
 一方で、過度な歳出抑制は、市内経済の停滞を招きかねないと考えており、今年度は大型投資事業の支出抑制と平準化を図りつつ、デジタル技術活用に関する取組や、社会経済情勢の変化を捉えた事業者支援や産業振興に関する取組、少子化対策・子育て支援の拡充など、必要性の高いソフト事業に予算配分をするなど、めり張りのある予算編成を行っております。
 また、ここ数年は特に新型コロナの感染拡大だけでなく、ウクライナ侵攻や円安等による物価高騰や大雨等の災害が頻発して発生するなど、経済的にも社会的にも先行きが不透明な状態が続いています。そのため、市民の安全・安心な暮らしを守る必要があるときには、時期を逸することなく財政調整基金を取り崩してでも必要な事業を実施していくべきものだと考えております。
 今後も、市内経済を停滞させることがないよう、ただ歳出削減だけを行うのではなく、選択と集中により真に必要な事業、これへの予算措置を行っていきたいと考えております。
○議長(平家恭治君)  西山一規議員。
○西山一規君  削減するだけがいいことではない。きちんと優先順位をつけて、無駄がないように有効な使い方をするということで、しっかり理解いたしました。
 次ですが、財政調整基金についてであります。
 家計で言う貯蓄、貯金、こういったものに当たるのが財政調整基金でありますが、家計で言えば、貯蓄が多ければ多いほどよい。これはもう老後の蓄えとか、そういったことで多ければ多いほどよいというふうな認識は恐らく皆さんも同じかと思います。
 ちょっとさっきとかぶりますけども、では市の場合は本当にこれが多いほどよいのかということになります。
 市の支出は市内の需要創出であり、通貨供給と同じであります。
 基金が多いのは、使うべきところに使っておらず、地域経済にマイナスであるというふうな考え方もできるかと思いますが、ここで問いですが、財政調整基金は財政規模に対してどの程度が適切と考えられるか、そしてその根拠を伺います。
○議長(平家恭治君)  財政課長。
○財政課長(明礼英和君)  お答えいたします。
 財政調整基金は使途に制限のない積立金で、想定外の歳入減・歳出増に伴う収支不足の解消、いわゆる赤字決算を回避することを目的として積み立てております。
 具体的には、自然災害発生時等の一時的な備えであり、発生直後の救援・救護の財源となることが想定され、災害発生時に機動的に対応ができるよう、一定規模の財政調整基金を持っておく必要があります。
 一般的にその所要額は、標準財政規模の1割から2割程度と言われており、本市の令和3年度決算における標準財政規模が120億6,000万円ですので、12億円から24億円程度となります。
 個別の自治体によって状況は異なりますが、参考としまして、平成30年7月豪雨災害で被害の大きかった南予3市の当該災害への突発的な財政需要に対する平成30年度の財政調整基金の取崩し額は、予算計上額で宇和島市約27億8,000万円、大洲市約18億5,000万円、西予市約22億5,000万円でありました。
 本市の令和4年度末での財政調整基金残高の見込みは約36億3,000万円となっておりますが、そのうち令和4年度3月補正予算時点での財政調整基金の取崩し額が約5億800万円、令和5年度当初予算での取崩し額が約15億2,000万円であることから、これらを差し引いた残り約16億円が自然災害等の想定外の歳出増加に対応できる額ということとなり、一般的な所要額の範囲内と言えます。
 本市の財政調整基金残高の標準財政規模に対する割合は、令和3年度決算において25.3%と、県内11市中3位と高い順位となっていますが、これらから勘案し、安心な予算編成や財政運営を行うためには、30億円程度が必要な額と考えております。
 大規模災害発生時や新型コロナウイルス感染症といった新興感染症の流行時にすぐに必要な対応ができるよう、適正な規模の財政調整基金の積立てに努めていきます。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  西山一規議員。
○西山一規君  必要額が30億円というふうに考えているということでありますが、やはりこれ一時的に赤字にならないように必要なお金ということでありますから、突発的なことに対してゼロでは駄目だと。幾らかは持ってなきゃいけない。ただし、たくさん持つということは、本来、市内経済に使えるお金を使わないで置いておくということにもなってきます。
 ですから、いろんな考え方で、適正がどれかというのはきちんと見極めて、それに合わせるように。よく一般市民の方で認識されているのは、多いほうがいいと。要は家計と一緒だというふうな認識で、多ければ多いほど、ああ頑張っとるなというふうな認識をとられる方が結構いらっしゃいますが、そうではないんだと。要は市民のために使うお金はちゃんと使う。いざというときのための額を必要最低限のけておくという考えの下できちんとした額を設定して運用していただきたいと思っております。
 あと、質問としては以上で全部質問をしましたが、あとちょっと一方的にある程度のお話をさせていただければと思います。
 まず、お金は物なのか情報なのか、ここが一番の肝になってくるかと思います。
 物であるという発想から脱却しないと、こういったのは正しい判断ができなくなります。
 昔は物でした。要はこの紙幣に対して金が幾らと交換できますよ。こういった兌換紙幣という、物が裏づけになっているので、紙幣、通貨も物であるという考えでおかしくはなかったんですが、現在は、この紙幣が何かに交換できるということはありません。ただの日本銀行が発行したという券です。
 バランスシート上は日本銀行の負債でありますから、日本銀行の借金の借用書を私たちは持っているというのとほとんど同じであると言えます。
 あと、ちょっと分かりやすいかどうか分からないですけど、私が勝手に考えた極端に限定的な部分での例えを御紹介したいと思います。
 行列のできるちゃんぽん屋があります。お客さんに並んでいただくのはかわいそうなんで、整理券を渡しますよと。ちゃんぽん屋さんは1日300食提供できる。それなのに整理券が200枚しか出さなかったと。どうなるでしょうかと。そうすると100食分の食材が余ります。
 逆に400枚出したらどうなるかと。そうすると100人分のお客さんが食べられないです。券をもらったのに食べられない。
 この整理券は幾ら発行すればいいかというのは何で決まるかというと、1日の供給力で決まるということになります。
 いろいろ話を膨らますと、突っ込みどころはいっぱいあるんですが、この部分だけ考えると、そういったことになります。
 そして、経済に関して私が興味を持った「お金とは」というスタートの時点です。これを調べると、なぜか「お金の機能とは」というような説明に変わって、インターネット上、あるいはいろんな教科書、そういった話にすり替えといいますか、変えて説明されます。
 保存の機能、交換の機能、尺度の機能という3つの機能がありますよということで、いやそうじゃなくて、お金って何ですかって聞いてるんですけどというふうに私が最初思った疑問であります。
 現在の私の認識を述べますと、「お金とは需要と供給の橋渡しをするツールである」というふうに認識をしております。
 そして、後日ですが、国が税収の範囲内で支出するのは本当に理想なのかということも後日議論したいと思います。
 最後に、八幡浜のことに戻りますが、言葉を言い換えると、市役所は市内で最大の消費者、節約ではなく有効活用をし、最大限市内にお金を供給することを考えていただきたいと思いまして、私の一般質問を終わります。
○議長(平家恭治君)  休憩いたします。
   午前11時39分 休憩
―――――――――――――――――――――
   午後 零時57分 再開
○議長(平家恭治君)  再開いたします。
 次、田中繁則議員。
〔田中繁則君質問席へ移動〕
○田中繁則君  それでは、通告書に従いまして大綱2点を質問いたします。
 令和3年9月、私は議員として初めてこの場に立ち、地域を担う人材育成のための奨学金の創設について質問いたしました。
 社会人になったばかりの若者が抱える奨学金返済負担は、結婚や出生数減少の一要因となるなど、大きな社会問題となっています。
 政府は、少子化問題を最重要課題として取り組む方針を示し、今後六、七年がラストチャンスと捉え、従来とは「次元の異なる少子化対策」として給付型奨学金の対象拡大を含め、多種多様な政策が検討されています。
 前回の質問から約1年半が経過し、本市においても人口減少問題がますます重きを増す中で、就学支援事業の柱となる奨学金制度をその解決の一助として活用していくことについて、改めて質問する次第であります。
 最初に、八幡浜市奨学資金、八幡浜市入学資金、西村奨学資金の運用状況をお伺いします。
○議長(平家恭治君)  学校教育課長。
○学校教育課長(梶本教仁君)  お答えします。
 今年度の八幡浜市奨学資金貸付事業の貸与者は1名です。
 貸付開始年度別の内訳は、令和元年度1名、令和2年度3名、令和3年度と令和4年度はゼロ、令和5年度1名です。
 校種別では、高等学校3名、短期大学1名、専修学校1名、貸与額は月額で高等学校が1万2,000円、短期大学・専修学校が3万5,000円です。
 西村奨学資金の対象は、大学生で特に優秀な者1名に貸し付けるもので、現在利用者はおりません。貸与額は、月額で4万5,000円です。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  田中繁則議員。
○田中繁則君  今ほど詳細に説明いただきましたが、これらの奨学金は本市の育英事業において確かに大きな功績がありました。
 しかしながら、その利用状況を伺うと、就学支援としての機能は十分に発揮されているとは言い難く、より利用が進むよう手を入れる必要性を感じています。
 八幡浜市奨学資金貸付条例(第3条)には、「八幡浜市奨学資金は予算の範囲内で貸付けを行い、八幡浜市西村奨学資金は八幡浜市西村奨学基金を、八幡浜市入学資金は八幡浜市奨学基金をそれぞれ財源に充てる」とあります。
 令和3年度決算によると、八幡浜奨学資金は一般会計教育費として393万6,000円が予算計上されていますが、返済額が支給額を上回る黒字となっています。
 また、八幡浜市奨学基金の年度末現在高は約7,920万円、西村奨学基金は約1,620万円、合計1億円近くの金額が留保されています。
 貸与型奨学金制度の仕組みとして、受給者が返済拒否あるいは返済不能にならない限り資金は目減りせず、市の実質的な負担はほぼゼロになります。
 日本学生支援機構が令和2年度に全国約9万人の学生を対象として行った学生生活調査によりますと、奨学金受給者の割合は、短期大学生56.9%、大学生49.6%と、高い率を示しています。
 世帯年収400万円以上600万円未満では83.9%が利用しており、中所得層においても高い需要があります。
 この春、市内3高校を卒業して進学した生徒たちも同様の状況であります。
 以上のように、奨学金の需要が高いにもかかわらず本市奨学金の利用が低調な理由をどのように考えられているのか、所見をお伺いします。
○議長(平家恭治君)  学校教育課長。
○学校教育課長(梶本教仁君)  お答えいたします。
 奨学資金の利用者は、先ほどお答えしたとおりで、以前に比べて減少傾向です。
 理由としては、給付型奨学金が多くなったことが考えられます。
 平成29年度に創設された、国が経済的に困難な学生などを支援する返済義務のない給付型の奨学金制度の申請は、4月下旬から申請開始、進学先が決まっていなくても予約採用で申込みができるなど、奨学金を検討している場合には早めの情報収集ができ、自分に合った奨学金を見つけやすくなっていることなども考えられます。
 本市の奨学金は、11月下旬に募集要項を中学校・高校に送付して、1月末を申請締切り、2月中旬に選考委員会を開催して採用・不採用を決定しています。他の奨学金と比べて申請時期が遅く、出遅れているため、募集時期を早めることや直接高校へ出向いて説明会を開くなど、検討する必要があると考えています。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  田中繁則議員。
○田中繁則君  教育委員会でも現状の課題は十分に認識されていることが分かりました。
 また、最後に検討という言葉がありましたけれども、ぜひ利用者目線で再考をいただきたいと思います。
 前述した調査によりますと、給付型受給者が10.2%、貸与型が38.9%、さらに貸与型38.9%のうち17%が無利子、21.9%が有利子であります。有利子貸与がこれほど多い現状でありながら、無利子である本市奨学金利用が進まないのは、答弁にありましたように、受給資格や金額等の諸条件がニーズと合致してない、あるいはその認知度が低いからと推察いたします。
 令和2年、国によって高等教育修学支援新制度が導入され、授業料減免や給付型奨学金によって経済的に修学が困難な学生に対する支援が大幅に強化されました。
 さらに、今また給付対象者の拡大が検討されています。
 このような情勢を踏まえると、経済的事情で修学が困難な学生への支援は、ある程度国や県の政策に負託し、市の奨学金は経済的困難者への支援も残しつつ、世帯収に左右されない受給者本人の目的意識や能力を選考基準とすることも検討すべきと考えます。
 「他の奨学金との併用を認めない」現行奨学金制度の維持を前提とした場合、八幡浜市奨学資金は現在の6段階区分及び支給額を見直し、高校在学者への支給分を給付型へ転換するなどの内容変更を、また全奨学金共通の「経済的事情により就学が困難」という受給資格を一部緩和することを検討すべきと考えますが、所見をお伺いします。
○議長(平家恭治君)  副市長。
○副市長(菊池司郎君)  八幡浜市奨学資金貸付利用の資格は、1つ目は学校教育法に規定する高等学校、高等専門学校、大学、短期大学及び専修学校に在学する者であること、2つ目に保護者が八幡浜市に居住する者であること、3つ目に学業面、人物面、健康状態において就学に十分耐え得ると認められる者であること、4つ目に経済的事情により就学が困難な者であること、5つ目にほかに同種の奨学金を受けていないこととあります。
 特にこの5つ目の「ほかに同種の奨学金を受けていないこと」につきましては、国すなわち日本学生支援機構ですけれども、給付型奨学金と併せて貸与型奨学金を借りることを可能としていることから、今後は奨学金の利用を促進するために、支給条件の緩和について具体的に検討したいと考えております。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  田中繁則議員。
○田中繁則君  先ほどの質問にも述べました「経済的事情」に関しては今のところ考えはないということでよろしいでしょうか。
○議長(平家恭治君)  副市長。
○副市長(菊池司郎君)  経済的事情と申しますのも、今申し上げましたように、2つを借りることができましたら、その分支援になるのかなと考えております。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  田中繁則議員。
○田中繁則君  ただいまの答弁内容をぜひとも改善につなげていただきたいと思います。
 ただ、今私の質問は、最低限やるべきことではないかという問いかけであり、受給者のニーズを考えた場合、抜本的な見直しは避けて通れないように思います。
 令和3年11月発行、教育委員会事務事業点検評価結果報告書、そのうち「重点施策4 教育環境条件の整備充実」の項目において、事務事業点検評価委員の意見として、育英事業について次のように述べられています。
 「家庭の経済格差がますます大きくなっている現状を踏まえて、奨学金をふるさと納税の生かし方の一方策としたり、奨学金制度を貸与型から給付型に転換したりするなど、抜本的に再構築を検討するよい機会ではないだろうか」であります。大変的を射た指摘であります。
 ふるさと納税寄附金の活用には「教育」も掲げられており、令和3年実績で約2億5,000万円が充てられています。この一部を奨学資金として活用し、育英事業としてだけでなく、若者定住・地方創生にもつなげれば、その趣旨を最大限に生かすことになるのではないでしょうか。
 先ほどの事務事業点検評価委員の意見に対する教育委員会の自己評価は次のとおりであります。
 「国による教育費の支援の拡充に伴い、貸与型奨学金の新規貸付を停止する県内自治体もある。本市においても、貸与型奨学金制度のあり方について、今後の情勢や他市町の状況を注視しながら、見直しや奨学金返還支援事業についても検討していきたい」でありました。
 同令和4年発行版によっても、「奨学金制度については、新たなステージの支援を検討する必要性を感じる」との自評でありました。
 この自己評価以降、見直しや新事業の立ち上げの協議・検討はどの程度進んでいるのか、お伺いします。
○議長(平家恭治君)  学校教育課長。
○学校教育課長(梶本教仁君)  それでは、お答えいたします。
 令和4年11月の八幡浜市教育委員会事業点検評価委員の意見でも、「高等教育以上の進学費用の捻出という点で生活基盤の影響は明らかであるが、経済的理由により、修学の道が閉ざされることのないよう、今後も、子どもの貧困対策に取り組み、切れ目なく必要な支援を推進していただきたい」との意見でありました。
 学校教育課としては、奨学金制度については新たなステージの支援を検討する必要を感じており、貧困の連鎖を断ち切れるような支援を、近隣市町の状況を見定めつつ、他部署とも連携して検討していきたいと考えています。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  田中繁則議員。
○田中繁則君  事業点検評価、それを将来生かすためにあると私は思います。有言実行は施策策定の基本姿勢であると思います。今後の取組を注視しておりますので、自己評価に沿った対応をぜひ実践していただきたいと思います。
 奨学金問題の本質は、教育ローンとも言える貸与型が中心であること、保護者など本人以外の意思が重視されること、将来の返済能力が予測できないことにあります。にもかかわらず救済制度は整っていません。
 そこで、救済と地方創生の観点から、政府は「奨学金返還支援事業」の創設を強く推奨しています。これは、貸与された奨学金の返済について、大学等を卒業後に一定地域に定住、就労するなどの条件を満たせば、その一部または全額の返済を自治体が支援するものであり、地域にとっては若者の定住促進、企業にとっては人材確保、学生にとっては債務軽減による安定した生活に寄与するものであります。
 他市町の状況を注視しながらという教育委員会の自評がありましたので、宇和島市を例に挙げますと、一人当たり毎年上限20万円を5年間、最大100万円を補助しています。企画情報課所管の若者定住支援の中に組み込まれており、令和5年度は前年度より大幅に増額し、700万円が予算計上されています。平成28年度に創設以降、7年間で申請者149名、利用者59名、令和4年度に限ると9名が新規に利用されています。窓口である教育総務課では、この事業は定住支援政策の中での位置づけが高く、成功例であると自評されています。
 令和4年4月、総務省「奨学金を活用した若者の地方定着推進要綱」一部改正により、特別交付税が措置率0.5に引き上げられ、自治体独自の返還支援事業も対象になることが明記されました。
 さらに、内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議からも、「本制度未導入の地方公共団体は導入に向けた積極的な検討をお願いする」との通知が出されるなど、事業開始の機運は熟しています。
 市立八幡浜総合病院において、令和6年度から薬剤師に係る奨学金返済支援助成事業が実施されるなど、参考事例も多く、制度の設計・構築は比較的容易であると考えます。
 奨学金返還支援事業の創設が進まない具体的な課題や障壁は何であるのか、また創設の計画はあるのか、お伺いします。
○議長(平家恭治君)  市長。
○市長(大城一郎君)  令和4年6月1日現在で奨学金返還支援に取り組んでいる自治体は36都府県615市区町村となっており、それ以降も取組を開始する自治体が増えてきています。
 県内でも、条件や上限額など相違ありますが、先ほど田中議員が紹介されたとおり、愛媛県のほか宇和島市、新居浜市、大洲市、上島町、伊方町、愛南町が奨学金返還の支援を実施しております。
 当市で制度を導入していないことについて、具体的な課題や障壁ということではありませんが、奨学生のみが支援を受けるという公平性の面、また支援期間終了後にすぐに転出して定住につながらないのではないかといったような懸念もあり、慎重な考えを持っていたことは否めません。
 御質問にあるとおり、政府は奨学金支援事業の創設を強く推奨しており、特別交付税措置など財政支援もありますので、当市としても今後、移住・定住施策の一つとして制度の導入、これを前向きに検討したいと考えております。
○議長(平家恭治君)  田中繁則議員。
○田中繁則君  私の今回の質問の意図を十分にかみ砕いていただいてありがとうございます。
 私自身も率先して取り組むべきではないかとこの事業に関しては思っておりますし、もし将来的に実施される場合に、先ほど宇和島市の例を挙げましたけども、伊方町の場合には全額を支援しておりますので、その辺の兼ね合いも含めてぜひ検討をよろしくお願いいたします。
 返済支援事業の実施について、もう一つ検討いただきたいことがあります。
 日本学生支援機構奨学金に限りますが、企業が自社の新入社員が抱える奨学金の返還を肩代わりする「代理返還制度」であります。
 学生支援機構に代理返還の登録を行うと、機構のホームページ上に企業名と支援内容が公開され、同時に大学にも紹介されるなど、これを積極的にPRすることで社員の募集・採用の強化につながることもできます。
 さらに、給与としての損金算入、税額控除等も認められるなど、企業にとって大変メリットの多い制度であります。
 代理返還制度は、行政が費用を負担することなく、企業の協力によって地域産業の振興や若者定住の推進が期待できます。市として、市内企業に対して積極的な導入を検討されるよう働きかけることについて所見をお伺いします。
○議長(平家恭治君)  産業建設部長。
○産業建設部長(垣内千代紀君)  代理返還制度は、事業者の負担は大きいものの、人手不足が深刻化している中、議員御指摘のとおり、損金算入ができることや雇用の確保につながることなどメリットもありますので、商工会議所や商工会と連携して市内事業者に制度の内容を周知するとともに、市や商工会議所、市内の主要企業で組織する八幡浜地区雇用促進協議会でも議題として取り上げてもらうよう、事務局の商工会議所へ働きかけてみたいと思います。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  田中繁則議員。
○田中繁則君  大変心強く思います。
 ただ、可能でありましたら、情報提供にとどまらず、申請をサポートするなど、制度の導入の機運を高めていただきたいと思います。
 最後に、利用者にとって最も魅力があり強力な修学支援となる「給付型奨学金」であります。
 既に市立八幡浜総合病院で運用している看護師等修学資金貸与事業のように、貸与の形を取りながら修学を支援する方法は、家庭の経済状況に関係なく、将来の市内定住、就労などの条件を満たせば返済免除の給付とし、満たさなければ無利子返済することで受給者の進路を拘束することもありません。
 受給者は進学した時点で卒業後の進路の方向性がある程度定まり、将来の地元回帰、定住が期待できます。
 現行制度の中に「地方創生枠」として給付型を組み込めば、条例改正で対応できます。
 仮に採用者を毎年5名、給付額月5万円、平均支給年数4年とすると、初年度から300万円ずつ積み上げ、開始4年目からは年間総支給額1,200万円を予算計上する必要があります。
 一旦始めると最低でも10年程度は継続すべきであり、財源の確保と併せ地方創生に資するための条件設定を十分に検討しなければなりません。
 以前、この場で鹿児島県長島町の「ぶり奨学金」を一例として紹介しました。将来は地元に回帰して活躍したいと希望する若者に対し、給付型奨学金によって修学支援を強化することについて所見をお伺いします。
○議長(平家恭治君)  総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君)  お答えします。
 給付型の奨学金につきましては、議員が言われるように、事業の実施に当たりまして条件設定と財源の確保が大きな課題となります。
 また、利用する学生にとっては、返済さえすれば進路を拘束するものではないとはいうものの、受給の段階で地元へのUターンを強く意識せざるを得ません。
 医師や看護師などの特定の資格職を除けば、若い入学の段階で就職先を地元に限ってしまい、将来的に様々な職種で広い視野で活躍できる可能性をあらかじめ制限してしまうことは、検討すべき余地があるのではないかと思います。
 大学等卒業後の選択の自由度の高さや、また条件次第ではUターン以外の移住者にも適用ができることから、当市としましては、現時点では給付型奨学金制度ではなく、先ほど市長から答弁がありましたように、まずは返還支援事業の創設について検討をしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(平家恭治君)  田中繁則議員。
○田中繁則君  奨学金制度の再構築について、3つの視点から質問してまいりました。
 奨学金のような地道な事業も、今後丁寧に査定し、奨学金の機能強化を図っていただきたいと思います。
 地域の未来を担い、その存続・活性化に貢献するという強い意志を持った若者の育成・定住のため、本市にとってどのような仕組みづくりが必要なのかを再考していただくことが質問の意図であります。
 学校関係者や市民が注視する中で、どのような方法でどのくらいの資金を投じていくのか、市としての課題認識の程度が問われます。
 特別交付税措置、ふるさと納税、企業の協力、若者定住による税収増等、総合的に財源を確保することは、行政の手腕を発揮されるところであります。
 さらに、2つの基金の取扱いや関連条例の制定・改正、現利用者への対応等、解決すべき課題は数多いですが、利用されない制度ではなく、利用しがいのある制度へと変わっていかねばなりません。
 市内3高校が1校に統合される令和8年度までには、思慮深く大胆な見直しが行われ、奨学金による若者支援宣言が市の広報紙の一面に堂々と掲載されることを期待し、大綱1の質問を終わります。
 続きまして、大綱2「市職員の募集・採用及び選考について」。
 3月定例会一般質問におきまして同僚議員から技術系職員採用についての質問があり、副市長の答弁において、職員採用試験全般について、試験実施日の前倒し、教養試験の廃止、年齢要件の引下げ、さらには民間の就活システム利用を取り入れるなど、積極的に改善に取り組む姿勢が示されました。
 5月19日、令和5年度八幡浜市職員募集要項が公開されましたが、過年度から変更された箇所があれば、その理由も併せてお伺いします。
○議長(平家恭治君)  総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君)  お答えします。
 職員募集要項につきましては、愛媛県や県内自治体の状況、近年の応募状況など、様々な情報を基に必要に応じて改善するなど、柔軟に対応をしてきております。
 なお、具体的な変更点につきましては、土木技術職の確保が困難な状況を踏まえ、令和3年度に短大・専門学校新卒者の受験ができるよう、年齢要件を二十歳まで引き下げました。
 また、土木技術職について、今年度はこれまでの教養試験だけでなく、専門試験も取りやめ、SPI試験に変更。このSPI試験は、学歴や職歴などの表面的な情報だけでなく、応募者の能力や人となりを客観的に把握することのできるもので、今では9割以上の企業が新卒採用で活用していると言われているものですが、このSPI試験とすることで、基本的に公務員試験対策を不要とし、受験に対する心理的ハードルを下げ、受験者の確保に努めているところでございます。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  田中繁則議員。
○田中繁則君  募集・採用について改善が進んでいることが分かります。
 ならば、さらにこの取組をもう一歩進めていただきたく、次の質問をいたします。
 職員採用に関して以前から私の持つ疑問は、一般事務職に高校新卒者が応募できないことであります。高校卒業または見込みもしくは高校卒業程度の学力保有者を対象とする試験は、一般に初級区分と呼ばれ、若者の地元就職先の確保、実践的な知識やスキルを持つ若手職員の育成、多様な人材の募集などの目的によって設けられます。
 本市の応募資格は、一般事務職は22歳から33歳まで、学歴は問わず、22歳以上なら高卒・短大卒も応募できますが、筆記試験は大学卒程度の内容であります。
 県内において高校卒業見込み者も対象とする一般事務職初級試験を実施しているのは、新居浜、西条、松山、宇和島の4市、久万高原、伊方、鬼北、松野、愛南の5町であります。
 国家・愛媛県でも初級採用枠が設けられているにもかかわらず、高校新卒者の採用には、町は積極的で市は消極的な印象を受けます。
 一般事務職採用において、高校新卒者の募集を取りやめた経緯と、その後、応募資格の年齢引下げ議論があったかどうか、さらに現在に至るまで初級枠年齢引下げを行っていない理由をお伺いします。
○議長(平家恭治君)  総務課長。
○総務課長(宇都宮久昭君)  お答えします。
 一般事務職における高校新卒者は、旧保内町との合併前の旧八幡浜市で平成15年4月に1名を採用して以降、今年度まで採用していません。
 募集を取りやめた経緯としては、合併を見据えて新規採用者数を抑制したほか、合併後においても10年程度は採用抑制を継続して職員数の適正化を図る必要があったためです。
 また、採用抑制がある程度落ち着いた現在でも、高校新卒者の採用枠を設けていない理由としては、高校卒業後の進学割合の増加と就職割合の減少、少子化による生徒数の減少や定員割れ等で地元高校の新卒就職者が以前よりもかなり少なくなっていることなどが挙げられます。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  田中繁則議員。
○田中繁則君  取りやめた経緯については、今の説明で十分に把握することができました。
 ただ、現在でも採用枠を設けてない理由については、やや不可解な思いをいたします。
 就職希望の高校生にとって、公務員は憧れであります。行政事務はもとより、警察官・消防官等の専門職も人気があります。
 私は、大綱1で高等教育進学者を支援する奨学金の充実を提言しましたが、高卒で社会人となる若者たちに、私自身も含めしっかりと目を向けるべきであり、地域の構成員として、また産業の担い手としての社会的評価はもっと高くあるべきだと思っています。
 現在の年齢制限によって、地元志向が強い公務員志望の市内在住高校生が、やむを得ず近隣自治体を受験・就職せざるを得なかった実例を数多く見聞きしてまいりました。最近もその例があります。
 学校現場からは、「地元に貢献する意欲と能力のある高校年代の若者に門戸を広げてほしい」との要望も耳にします。
 社会人としての未熟な面があっても、潜在能力を秘めた若き力を組織の中で生かし、人材の多様性や適材適所の人員配置をより進めていくためにも、一般事務職初級枠を設けることで、市から高卒世代の若者たちに地域の未来を担う人材として期待するメッセージを発信すべきと考えます。
 今後、一般事務職試験区分に高校卒業程度(初級)を設けることについて、所見をお伺いします。
○議長(平家恭治君)  総務課長。
○総務課長(宇都宮久昭君)  お答えします。
 今年度の職員採用に関しては、初級枠を追加で設ける予定はありませんが、昨年及び一昨年の一般事務職の採用では、採用試験合格者の辞退や早期退職者が発生したことによる欠員を補充するため、一般事務職の追加募集を実施するなど、人材確保に苦慮したことも事実です。
 しかしながら、大学生と高校生では就職活動の方法が大きく異なると思いますので、まずは地元高校に市役所志望の生徒の状況や高校生の就職の内定時期等について調査した上で検討したいと思います。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  田中繁則議員。
○田中繁則君  高校含めてぜひ現場の意見を聞いていただいたらと思います。
 年齢要件を引き下げた場合に、例えば試験としてSPI-Nを導入すれば、高校新卒はもとより、短大・専門学校卒年齢での受験も可能になります。幅広く人材確保を図る観点からも、柔軟な発想を求めたいと思います。
 年齢要件の引下げについてもう一点、冒頭に触れました副市長の答弁では、土木技術職についてはいまだ必要な人員は確保できていないとのことでした。
 年齢要件を大きく引き上げ、教養専門試験を廃止して社会人としての基礎能力や人となりを把握するSPIに切り替えるなど、応募者増を狙った改善が行われていますが、これをもう一歩推し進めて、年齢要件の下限を20歳から高校新卒年齢まで引き下げることを検討していただきたい。市として技術職に専門知識・技能を有した即戦力を求めるのは当然でありますが、地元には機械土木工学科・電気技術科を有した教育機関があり、技術者の育成に熱心に取り組んでいます。
 その不足が叫ばれる中、この地域資源を有効活用しない手はありません。生徒にとっても、卒業後に市職員として活躍できる道が開かれるとするならば、工業科で学ぶ大きな励みにもなります。
 令和8年度の市内3高校統合に向けて、統合校の教育課程編成作業が開始されつつあります。市として地元での技術者育成につながるよう、土木コースの存続を準備委員会に働きかけるなど、長期的・俯瞰的視野を持った採用活動が展開されることを期待いたします。
 土木等技術職の応募資格を、高校卒年齢まで引き下げることについて、所見をお伺いします。
○議長(平家恭治君)  副市長。
○副市長(菊池司郎君)  先ほど御説明しましたとおり、土木技術職については、人材確保を図るため、専門試験の廃止や対象年齢の拡大など応募要件を緩和したほか、今年度は募集時期を前倒して5月に1次試験を実施しましたが、3名程度の募集に対して応募者は1名であったため、引き続き2名程度を募集して、大学訪問等の広報活動に努めているところです。
 土木技術職は、官公庁に限らず民間企業においても人員不足であり、待遇面で比較した場合、初任給など給与水準の高い民間企業に流れやすい傾向にあり、今後も厳しい状況が続くことが予想されます。
 これからも大卒者・高専卒者の応募が少ない状況が続けば、高卒新卒者の受験が可能となるよう、初級区分での採用も含めて検討しなければならないと考えておりますが、いずれにしても必要な人材確保のためには、あらゆる選択肢を排除しないで検討していきたいと考えております。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  田中繁則議員。
○田中繁則君  私の質問が年齢引下げなんですけれども、それを考えていくということで理解してよろしいでしょうか。
 多分、高校生卒に対しての採用が進まないのは専門性等があるかと思います。私も八幡浜工業の現在の教育内容、また検定資格等、調べてみたんですけども、私が思った以上かなり高いレベルの授業が行われています。
 さらに、学校要覧の教育目標の中で、土木コースの教育目標に次のように書かれております。
 「道路、橋梁、ダムなどの土木構造物の施工に関する知識・技術に関する基礎を学習し、卒業後は、官公庁や建設会社、測量事務所などで、土木工事に従事できる技術者を養成します」とあります。ぜひ積極的な検討をお願いいたします。
 私は大綱2を質問するにあたり、県内全市町の採用情報を得るべく、それぞれの公式ホームページを検索・閲覧いたしました。
 公務員志望者は早くから各自治体の募集・採用サイトで情報を収集・分析して出願を準備しますので、その時点で志願者の選択リストに載っておくよう訴求力の高い広報活動が展開されています。
 具体的には、早期特別枠などの複合的な試験日程、多彩な試験内容、過年度採用実績等の採用情報の詳細な提供、職場で働くイメージを持てるパンフレット、勧誘のための動画配信、インターネットによるエントリー、遠隔地受験システムなど、完全売手市場である就職戦線に挑む気概を持って募集・採用戦略に取り組まれています。
 本市の職員募集・採用に関する広報活動には改善の余地があるように思います。その強化も含めた今後の職員募集・採用戦略の在り方について所見をお伺いします。
○議長(平家恭治君)  総務課長。
○総務課長(宇都宮久昭君)  お答えします。
 現在の就職活動は、団塊世代の退職にコロナ禍からの景気回復も相まって、学生優位の売手市場が加速し、採用に苦戦する企業が増加しています。
 本市においても、職員募集・採用戦略を見直して優秀な人材の確保につなげることは重要な課題であり、今年度からは大手民間業者リクルートのシステムを導入し、就活サイト「リクナビ」を経由した学生へのアプローチやエントリー受付など、適宜改善を図っているところです。
 このような新たな取組と併せて、引き続き愛媛大学・松山大学などへの訪問、分かりやすいホームページの掲載など、地道な取組も継続して行うことで応募者が増えるよう努めてまいりたいと思います。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  田中繁則議員。
○田中繁則君  地道で構いませんので、ぜひ継続した取組をお願いします。
 特に情報発信につきましては、応募者目線で考えることを徹底していただきたいと思います。
 最後に、採用内定後の内定辞退や早期離職の防止についてであります。
 昨今、国・県・市町村を問わず公務員の早期離職率が高止まりしており、令和3年度総務省「地方公務員の退職状況等調査」によると、地方公務員全職種において25歳未満の普通退職者は13.5%、25~30歳未満は26.4%と、10代20代で約40%が退職しています。
 これが本市に当てはまるわけではありませんが、公務員試験受験者の中には、合格が目的となって職務への関心が高まらないまま採用されたり、事前に持つイメージと実際の仕事との乖離に意欲を失って早期退職に至ったりする傾向があるとの分析があります。
 本市の採用プロセスにおいて内定辞退や早期離職を防止し、新入職員の満足度や定着率を向上させるためにどのような方策を実践されているのか、「選考試験」「職務とのマッチング」「職場のサポート体制」「長期的なキャリア開発」以上4点についてお伺いします。
○議長(平家恭治君)  総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君)  お答えします。
 まず、内定辞退の防止についてですが、通常八幡浜市役所の職員採用試験を受験する新卒者は、愛媛県庁や松山市役所も併願するケースが多く、毎年合格を通知した者のうち、数名から辞退の連絡を受けております。
 また、最近では、警察や税務署など、自治体以外の公務部門と併願する受験者も見受けられることから、今後につきましては、合格通知を出した者に対して八幡浜市役所の特色でもある風通しのよい職場の雰囲気など、丁寧な説明と気持ちの伝わる対応を心がけ、内定辞退の防止につなげてまいりたいと考えております。
 次に、早期離職の防止につきましては、御質問のあった順番にお答えをしたいと思いますが、1つ目、選考試験については、作文や面接試験など人物重視の選考を行ってまいりたいと思っております。
 2つ目、職務とのマッチングにつきましては、本人の特性等を考慮した配属と定期的な人事異動に努めてまいりたいと思います。
 3つ目、職場のサポート体制につきましては、所属長との面談や年代の近い職員間での相談体制の充実を図ってまいりたいと思っております。
 4つ目、長期的なキャリア開発につきましては、若手職員対象の研修会などを充実をしてまいりたいというふうに考えております。
 このような様々な取組を行うことで早期離職の防止と人材育成につなげていきたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(平家恭治君)  田中繁則議員。
○田中繁則君  ただいまいただいた答弁の内容が、新入職員を含めた全職員に共有されることが重要だと思います。
 今後、この方策の見える化を一層進め、成果が上がることを期待しております。
 質問は以上でありますが、この春、本市においても活気と情熱にあふれる新進気鋭の若手職員が公務員としてのキャリアをスタートさせています。職員採用試験は、その情熱・意欲・能力をよりよいまちづくりにつなげる第一歩であります。そこでのミスマッチを防げるよう、インターンシップによる職場理解や多様な人材確保を目指すSPI試験の導入、複眼的な評価による人物重視の徹底など、採用プロセスの改善と同時に、早期の課題発見や幅広い年齢層の採用など、適切な人員配置の柔軟性を持つことも必要であることを申し上げ、一般質問を終わります。
○議長(平家恭治君)  休憩いたします。
   午後 1時46分 休憩
―――――――――――――――――――――
   午後 2時00分 再開
○議長(平家恭治君)  再開いたします。
 次、遠藤 綾議員。
〔遠藤 綾君質問席へ移動〕
○遠藤 綾君  私は、大綱3点について質問いたします。理事者の皆様には、市民に分かりやすい誠意ある御答弁をよろしくお願いいたします。
 大綱第1は、「マイナンバーカードをめぐるトラブルについて」であります。
 健康保険証を廃止してマイナンバーカードに一本化するマイナンバー法など改正関連法が6月2日に自民、公明、維新、国民の賛成で成立しました。2024年秋の実施を目指すとのことです。
 このマイナンバーは、国内に住む全ての人に割り当てられた12桁の番号です。健康保険証の廃止は、カード取得は任意とのこれまでの政府の説明に反し、事実上の義務化であると言えます。
 今後、利用範囲も拡大されるとのこと。これまで社会保障と税、災害対策の3分野に限られていましたが、自動車に関わる登録や国家資格の更新、外国人の行政手続も可能になるとのことです。
 しかも、これらに準ずる事務なら法改正せず、内閣や大臣の発する政令や省令で利用可能になるとのこと。国会のチェックが働きにくくなり、政府の恣意的運用が懸念されます。
 政府がマイナンバーカードの登録を急ぐ中で、期限までに保険証としての利用申込みや公金受取口座を登録すれば、マイナポイント最大2万円などと強力に推し進めた結果、今年3月末時点で全国で人口の76.3%まで普及したと言います。
 さらに、保険証とのひもづけも進むと同時に、全国で様々なトラブルが明らかになってきています。
 当市の現状や対応について伺ってまいります。
 当市におけるマイナンバーカードの4月末現在の交付率は80.7%と、県内11市中第1位とのことです。
 そこで、お伺いいたします。
 マイナンバーカード健康保険証(マイナ保険証)の利用手続を終えた方の割合はどのくらいでしょうか。
○議長(平家恭治君)  市民課長。
○市民課長(倭村祥孝君)  お答えします。
 まず、国全体の状況ですが、5月28日時点のデジタル庁のデータでは、マイナンバーカード交付率は77.0%、マイナンバーカードをお持ちの方で健康保険証としての登録をされている方は69.1%となっています。
 市で状況が把握できるのは国保被保険者のみとなりますが、4月末の市の交付率を当てはめて計算しますと、マイナンバーカード取得者のうち82.2%の方が利用登録済みであると推測されます。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  マイナンバーカード登録者で国保加入者の82%がマイナ保険証の手続を終えているということです。
 総務省の発表では、全国では69.1%ということで、来年の秋までに全国民が取得できるのか。高齢者や障害を持つ方などで意思を示すのが難しい方もいます。この件は後でも詳しく触れますが、全国民が取得するにはまだまだ課題があると思います。
 そこで、2点目ですが、現在当市においてマイナンバーカードを使うオンラインでできる手続はどういったものがありますでしょうか。また、今後新たに可能となる手続はいつから可能なのか、伺います。
○議長(平家恭治君)  市民課長。
○市民課長(倭村祥孝君)  お答えします。
 現在、本市で利用可能なマイナンバーカードを使用したオンライン手続には、マイナポータルを通じた転出届やパスポート更新の申請などがあります。
 マイナポータルとは、政府が運営するオンラインサービスのことで、このサービスを利用することにより各種行政手続が便利に行えるようになりました。
 また、オンライン申請とは異なりますが、本市では今年度中にマイナンバーカードを利用したコンビニ交付を実施する予定です。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  コンビニで住民票や印鑑登録証明書、税証明書、戸籍証明書などが取れるようになるという理解で合ってますでしょうか。はい。
 その際の手数料は、市役所で現在支払っている手数料と比べて、同じでしょうか、それともコンビニを経由するので高くなるのでしょうか。ちょっとこれは分かる範囲でお願いします。
○議長(平家恭治君)  市民課長。
○市民課長(倭村祥孝君)  コンビニ交付の手数料についての御質問なんですけれども、まだ現段階で決まっておりませんけれども、これから検討するということでございますが、現状では同額で行いたいということで協議を進めております。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  分かりました。
 次に、オンライン申請の具体的なやり方について、簡単に御説明をお願いいたします。
○議長(平家恭治君)  市民課長。
○市民課長(倭村祥孝君)  お答えします。
 転出届やパスポート更新につきましては、マイナンバーカード読み取りに対応しましたスマホやカードを読み取る装置を備えたパソコンから、行政手続のオンライン窓口であるマイナポータルを通じてマイナンバーカードと暗証番号を使用して申請します。
 また、コンビニ交付は、全国のコンビニエンスストア等に設置されておりますキオスク端末を利用しまして、マイナンバーカードの読み取り、暗証番号の入力をした上で、証明書の種別や部数等を選択すれば、住民票、印鑑登録証明書、戸籍証明書、課税・所得証明書などの各種証明書が発行されます。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  スマホ、それからパソコン、そしてコンビニなどでもできるようになるということですが、若い方でしたら割と適応が早いかと思うんですが、そういったことが苦手な方も高齢者を中心にいらっしゃるのではないかと思います。そういった方法を知りたい場合は、市の窓口に問い合わせれば教えていただけますでしょうか。
○議長(平家恭治君)  市民課長。
○市民課長(倭村祥孝君)  4月から市民課のほうにマイナンバー係が新設されましたので、そちらにお問合せをいただきましたら、オンラインの取扱いについて御説明をしたいと考えております。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  ありがとうございます。
 マイナンバーカードをめぐるトラブルが全国で相次いでいます。公金受取口座に他人の口座が登録されていた例が全国で748件、本人ではない家族名義の口座が誤って登録される事案が13万件確認されていると発表されています。
 公金振込の口座が家族名義の口座で登録されていて、本人に振り込まれないおそれもあります。DVを恐れて逃げている人が公金を受け取れない、そんな場合も考えられます。
 また、マイナ保険証でもトラブルが続出しています。
 他人の医療情報が誤登録されたり、医療機関が保険資格を確認できず、患者が一旦10割負担を請求されるケースが、少なくとも533件発生していると報道されています。これでは大事な個人情報が漏れてしまいます。
 それだけでなく、保険証に誤った情報が登録されていたら、他人の薬が処方されたり、他人の治療履歴に基づく治療が行われることになれば、命や健康に関わります。
 また、マイナポイントが他人に付与されていたり、マイナポータルで他人の年金記録が閲覧できるトラブルがあったことなども新たに分かりました。
 マイナンバーカードに旧姓を併記できるようになっているはずが記載されていなかったり、間違った写真が貼られたままになっていたなどの事例も聞きます。
 当事者がトラブルを問い合わせたら、総務省、デジタル庁、マイナンバー総合フリーダイヤルなど、様々な窓口をたらい回しにされ続けたとの報道もあります。責任の所在がはっきりしていないなど、問題が指摘されています。
 また、マイナ保険証に他人の情報が登録されていたケースは全国で7,000件以上が確認されているということです。
 厚労省は、その主な原因は、健康保険を運営する組合による加入者情報の入力ミスだったとして、先月23日におよそ3,400ある全国全ての組合に対して、これまでの入力作業でルールを守っていたか、点検を要請しているとのことです。
 マイナンバーカードのトラブルは、一気に申請が増えたことから、人のアナログのミスやシステムへの負担が増えたことが原因とも指摘されています。当市でも申請が急激に増えたかと思います。
 次に、当市においてこれまでにマイナンバーカードをめぐるトラブルの報告はないでしょうか。今後トラブルがあったときの窓口はどこが担当するでしょうか。改めて問題のある登録はないか総点検を行うべきではありませんか。市として間違いをチェックする仕組みなどはあるのでしょうか、伺います。
○議長(平家恭治君)  市民福祉部長。
○市民福祉部長(福岡勝明君)  お答えします。
 今日現在、本市ではマイナンバー誤登録のトラブルの報告はありません。
 トラブル時の御相談については、今、議員おっしゃられたマイナンバー総合フリーダイヤルもしくは市民課マイナンバー係にお問合せください。
 総点検については、市が管理しているシステムやデータではありませんので、実施することができません。
 現在報道されている公金受取口座の誤登録問題については、国が総点検していると承知しています。
 なお、市として確認できるのは、市が保険者である国民健康保険の被保険者情報に関してのみとなります。
 国保の点検の仕組みとしては、資格情報を集約している国保連合会が定期的に中間サーバーのシステム内でデータの突合チェックを行い、誤入力が疑われるケースがあれば、関係団体に個人番号誤入力チェック一覧表が送付されるようになっています。
 市では、誤入力チェック一覧表を受領の都度、基幹系システムの情報と登録内容に相違がないか確認しています。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  デジタルを使うためには、今のところアナログな手法、人の手で入力するしかないということです。アナログなので、どこでもミスは起こり得ます。
 ある事例では、端末で入力する際、前の人の情報をログアウトしないまま他人の情報をそこに入力してしまったという事例も報告されています。
 市役所の窓口での市民の方の新たな登録のサポート業務などはされるかと思いますし、国保情報の登録業務など市が関わる業務で既に慎重に業務を行われているとは思いますが、ミスは起こり得るという前提でしっかりチェック機能が働くよう、入力作業のルールの明確化など、改めて工夫をすることが必要ではないかと思いますが、その件についてどのようにお考えでしょうか。
○議長(平家恭治君)  市民課長。
○市民課長(倭村祥孝君)  ただいまの、支援窓口の支援体制といいますか、チェック体制についての御質問だと思うんですけれども、基本は個人でオンライン、つまりスマホとかパソコンを使って、そういうマイナンバーに関する手続をしていくということなんですけれども、それが御自宅でできないとか、スマホで分からないとかという方について、支援窓口をつくって、市のほうがその方の支援をしているという形になっております。
 端末を使って操作するわけなんですけれども、そういう中で御本人と画面を確認しながら手続を行っておりますので、それが誤ったかどうかというのは、御本人と確認しながら操作をしていくということでやっております。これについては、申請書とか、特に書類とかがない操作でございますので、間違いが起きないかと言われましたら、絶対間違いはないということはもちろん言えないんですけれども、あくまでも御本人と確認を取りながら操作をしているということで御理解をいただきたいと思います。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  あくまでも本人が入力するということであるということで、そういったときにミスのないようにということで、さらに注意していただきたいということは申し上げたいと思います。
 次に、全国の高齢者施設、介護施設のうち、59%の施設担当者が健康保険証の廃止に反対、94%の施設が利用者、入所者のマイナンバーカードの代理申請について対応できないと回答していたことが、全国保険医団体連合会の調査で分かったと報道されています。
 代理のカード申請の対応ができない理由は、83%が本人の意思確認ができないと回答しています。
 また、マイナンバーカードの暗証番号を含む管理について、94%が管理できないと答え、その理由としては、91%がカード暗証番号の紛失時の責任が重いと回答しています。
 また、愛媛県保険医協会では、2日に健康保険証の廃止を含むマイナンバー法など改正関連法が与党などの賛成多数で成立したことに抗議する声明を出しています。
 声明では、現行の全ての被保険者に健康保険証を交付する義務を、被保険者から申請主義に転換するものだと指摘。無保険扱いになる人を政策的につくり出す愚策だと訴えています。
 来年の秋には現行の紙の健康保険証が廃止され、マイナ保険証を申請しない人、申請できない人は保険料を払っていても無保険の状態になる。資格確認書を発行すれば診察を受けられるということですが、窓口負担はマイナ保険証よりも重くなるということです。
 この資格確認書というものですが、これは自動的に送られてくるのか、それとも本人が申請しなければ送られてこないのか、その点についてはどうですか。
○議長(平家恭治君)  市民課長。
○市民課長(倭村祥孝君)  今、御質問は、資格確認書についての御質問と思います。
 これにつきましては、国のほうがマイナ保険証の義務化を令和6年秋から予定をしておりまして、現行保険証につきましては、これに伴い廃止をされます。
 ただし、マイナンバーカードの取得につきましては任意であるということでございますので、カードの未取得者には資格確認書というものを保険者、国保でありましたら市民課の国保係が発行することになります。
 これにつきましては、資格確認書につきましては、有効期間は最長1年ということになりまして、あくまでも本人からの申請に基づき無償で交付をすることになっております。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  やはりこの資格確認書も申請で行わなければ届かないということです。
 今後、本人の意思確認を行うことが困難な方が無保険者扱いになり、不利益を被ることがないような対策が求められますが、同時にカードと暗証番号の管理の問題もありますし、盗難なども心配されます。
 国の対策は十分とは言えない。そのまま改正法が通ってしまいました。意思確認の難しい方を置き去りにした対応だと思います。
 現行の紙の健康保険証も廃止後1年間は有効にするとの経過措置が取られるとのことですが、一番簡単なのは、今の紙の保険証も使えるままにすることではないでしょうか。
 ここまで様々なトラブルの事例、課題などを上げてまいりました。ここまでの話を聞いて、市長、率直な感想はどうでしょうか。
 八幡浜市ではマイナンバー交付率80%、県内1位とのことですが、お金、マイナポイントや物価対策のポイントをつけても100%にはならないということは、逆に言えば残りの20%に申請ができない方、また自分の意思でしないと決めている方などが含まれているのではないかと思います。
 紙の保険証も併用可能であれば、わざわざ資格確認書を発行する手続も必要なくなるわけですが、市長、全国市長会などで現行の保険証との併用を行うよう声を上げていただけないでしょうか。御意見も含めてお願いします。
○議長(平家恭治君)  市長。
○市長(大城一郎君)  マイナンバーカードについては、先ほど首相のほうから、今のトラブルに対して重要に受け止めて、国民に心配をおかけしていることについて陳謝するというような報道がなされたところであります。国からもそういった報道が出されたところでありますが、私としてどう思うかということですが、やはり社会がそういったマイナンバーカードを、今後の生活において地域社会の活動をしていく上でやはり今の時代に必要だろうということで、今社会が大きく変わっていく段階にあると思っております。その変わっていく過渡期において、幾ら100%でスタートしていこうといっても、やはりトラブルは至るところで出てくるものだということも認識をしております。そこをやはり改善しながら次の世代へ向けていくためには、そういったトラブル、いろいろなところでどんなトラブルが起きるのか、最初から仮定もできないところがあろうと思いますので、やっぱりそういうところも社会のひずみとして出てくるのは当然だろうと私も思っております。
 その上で、国としてしっかりリードしていただいて、次なる社会において市民生活、国民生活がいい形になるような制度の充実につなげていってもらいたいと思っております。
○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  そうすると、市長会で意見を言う考えはないということでしょうかね。併用を求めるような意見はないですか。
○議長(平家恭治君)  市長。
○市長(大城一郎君)  今の状況を見ながら、それは私なりに判断をしていきたいと思います。
○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  分かりました。
 これだけマイナンバーカードのトラブルが毎日のように明らかになる中、健康保険証の廃止の時期が来年秋と決まりまして、意思確認ができない方の代理申請やカードの暗証番号の管理はどうなるのか、置き去りのままです。
 河野大臣は、9日の参議院特別委員会で、トラブルについて当然責任は私にある。何らかの形で私に対する処分をやらなければいけないだろうと答弁したそうです。
 しかし、法案が通った後にこういう発言をするのではなくて、国会で審議中にしっかりとそういう話をするべきではなかったのかなと私などは思います。
 一方、マイナンバー事業は、初期投資で3,000億円、ランニングコストはその20%と言われ、毎年数百億円もの税金が投じられ、事業規模はトータル1兆円とも言われています。
 カードの発行の事業の中核を担うのは地方公共団体情報システム機構で、国と地方公共団体の共同運営法人であり、その法人には総務省出身の理事が務めると同時に、電気通信の大手企業からの出向者が多数在籍、また機構の発注事業の発注先を出向元の企業や制度設計から関わった大手企業が独占していることなど、問題があると思います。関係省庁の天下り先ともなるなど、指摘されています。
 また、その企業から自民党の政治団体への献金が、21年までの3年間で2億5,000万円になるとの報道もあります。政官財癒着の構造が指摘されています。
 また、このマイナンバーに似たシステム、アメリカでは社会保障番号に様々な情報がひもづけられているため、社会保障番号を基に名寄せなどがされ、個人のプライバシーが丸裸にされ、不正使用や売買、なりすましをされるなどの被害もあると言います。
 カードの顔写真と市内の防犯カメラを連動させれば、特定の個人の行動を追跡することも可能になり、防犯、治安を口実に中国のような国民監視社会をつくることも可能になります。
 集約した膨大な情報は、匿名化したといってもビッグデータであり、今後企業活動に利用されるというおそれもあります。
 国民のデータを集約し、金融資産の保有状況、医療保険、介護保険の負担増の連動、税と社会保険料の新たな徴収強化につながるということも指摘されています。国民の所得、資産、社会保障給付を把握し、国民への課税強化、給付削減を押しつけることは許されません。
 サービスの拡充の一方で、このマイナポイント等を呼び水にして交付率を上げ、その反面、そのような課税強化が狙われている、こういう面もあります。
 日本共産党は、このマイナンバーカードの問題点の改善を求め、社会保険料の削減などは許さないよう声を上げていきたいと考えております。
 以上で大綱1を終わります。
 次に、大綱2、2015年11月に消費税の増税、8%の軽減税率、10%と8%の軽減税率との導入と併せてインボイス制度が導入されることが決まりました。
 大綱第2は、「インボイス制度による市民生活への影響について」であります。
 今年の10月1日から実施予定の「適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス制度)」とは、税務署が発行する登録番号を記載した取引ごとにやり取りする伝票を基に消費税の納税額を計算する仕組みです。
 現行の帳簿方式の場合、課税業者が課税売上げが1,000万円以下の免税事業者から仕入れをしても消費税から経費として仕入税額が控除できます。
 しかし、今年の10月からは、納税額の計算方式が適格方式に変更になり、課税業者が仕入先から適格請求書(インボイス)がもらえないと、売上げにかかる消費税から経費として仕入税額の控除ができないため、課税業者としては消費税の納入額が増えてしまうということになります。
 そのため、課税業者は免税業者を取引から外したり、あるいはその分単価の引下げを求めたり、課税業者になるよう求めたりするという可能性が指摘されています。
 課税売上げが1,000万円以下の免税業者がインボイスを登録すれば、消費税の申告と納付が必要になり、免税業者に新たな負担が生じます。
 今多くの免税業者はこのインボイスに登録して負担増を受け入れるか廃業するかの危機に瀕しているという声があります。この免税業者には個人事業主も含まれ、零細の飲食店、美容室、建設業の一人親方、個人タクシー、ホステスやヤクルト配達員、電気やガスの検針員、農業・漁業者、それから障害者施設、幅広い事業者が影響を受けると言われています。
 八幡浜市議会でも、インボイス延期の意見書が去年の12月議会で通りました。
 フリーのライターや声優など多くの人が反対の声を上げているのもそのためです。
 実際、非正規労働者と同じような勤務形態、時給制であっても雇用契約によらない場合、個人事業者になります。
 そこで、1つ目の質問です。
 インボイスの影響を受ける可能性がある人について伺います。
 例えば直近の収入で営業収入がある方の人数と1,000万円以下の人数、また農業収入がある方の人数と、そのうち1,000万円以下の方の人数をお答えください。
○議長(平家恭治君)  税務課長。
○税務課長(田本憲一郎君)  お答えいたします。
 本年10月1日から導入される新しい仕入税額控除の方式であるインボイス制度は、議員が言われるように、これまで消費税の納税義務者であった課税事業者だけでなく、消費税の納税を免除されてきた免税事業者にも影響が及びます。
 なお、議員御質問の営業収入及び農業収入のある方の人数ですが、令和4年度の申告に基づく令和3年中の収入では、営業収入を申告された方1,206人のうち、その収入額が1,000万円以下の方は964人です。
 また、農業収入を申告された方1,453人のうち、その収入額が1,000万円以下の方は872人です。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  2つ合わせると大体2,000人弱ぐらいになります。
 八幡浜市にある事業者といっても、大規模な事業者はほとんどいないと思いますので、ほとんどの八幡浜市の多くの事業者が影響を受けるのではないかと思います。
 今の上げていただいた数字がイコール必ずしも影響を受ける方とは言えないかもしれませんが、おおよその目安になるのではないかと思います。
 このまま10月からインボイス制度が始まれば、事業者の中で混乱が起こる可能性があります。
 2つ目の質問ですが、税務署、商工会議所などとも連携して、市内の免税業者へのインボイス制度の説明会や相談窓口を設けることなどの検討も必要だと思いますが、どのような対応をなさっていますでしょうか。
○議長(平家恭治君)  商工観光課長。
○商工観光課長(萩森久人君)  お答えします。
 インボイス制度については、関係省庁等が連携し、コールセンターや相談窓口を設置しているほか、インボイス制度への対応も見据えたデジタル化基盤導入に係るIT導入補助金、小規模事業者持続化補助金でのインボイス転換事業者に対する補助上限を一律50万円上乗せするなど、国が支援策を講じているところです。
 また、八幡浜商工会議所、保内町商工会では、インボイス制度に関するセミナーを開催しているほか、申請する必要があると思われる会員については申請手続を指導するなど、きめ細かな対応を行っています。
 市としても、関連機関と連携してインボイス制度の周知に努めてまいりたいと思います。
○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  実際に10月から始まれば、また、よく分かっていない、まだ分かってない人も多いのではないかと予想しますので、混乱も予想されます。影響がありそうな方に親身に相談に乗っていただくように、再度強く要望したいと思います。
 次に、シルバー人材センターについてです。
 シルバー人材センターの会員も事業者とみなされます。
 インボイス制度が始まると、シルバー人材センターは免税業者である会員との取引において、消費税の仕入税額控除が認められなくなり、その分シルバー人材センターに新たな納税コストが生じます。もしくは会員の負担となる場合、1人3万円ほどの負担増になるのではないかと言われています。
 激変緩和の観点から、3年間は80%の控除が可能に、そしてそれから先の3年間は50%の控除が可能に、その先は控除不可という激変緩和措置が併せて設けられていますが、国は会員に負担がかからないように、発注者の地方自治体に適正価格の設定を要請したと聞いています。
 インボイスでシルバー人材センターの実質収益が減ることから、その分は地方自治体が負担しなさいということかと思います。本来は当然国が負担すべきものだと私は思いますが、この国の答弁、市からシルバー人材センターへの補助金の増額についてどうお考えでしょうか、お答えください。
○議長(平家恭治君)  市民福祉部長。
○市民福祉部長(福岡勝明君)  お答えします。
 現時点では、シルバー人材センターから補助金の増額要望はありません。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  インボイス制度について先ほど申し上げたように、激変緩和の経過措置が設けられているということで、すぐに大きな影響が出るとは言えないかもしれませんが、数年かけて段階的に率が上げられていくということですので、今後シルバー人材センターから経営が苦しいのでもっと補助金を出してほしいという要望がある可能性があると思います。その場合は協議して、この補助金の額を決定していっていただけますでしょうか。その点についてはどうですか。
○議長(平家恭治君)  市民福祉部長。
○市民福祉部長(福岡勝明君)  今後のことになると思いますけれど、当然そういう要望があれば検討したいと思いますし、今の遠藤議員の要望、それをシルバー人材センターの事務局にも伝えたいと思います。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  会員の配分金が減らされたり、会員の負担が増えたりすることがないように、そのようなことがないよう、しっかりとシルバーの方と協議をして、必要な場合は対応していただけますように、支援をしていただきますように強く要望いたします。
 次に、市とインボイス制度の関わりについて伺います。
 市の企業会計、水道、下水道、病院などへのインボイス制度の影響はどういったことが考えられますでしょうか、お答えください。
○議長(平家恭治君)  財政課長。
○財政課長(明礼英和君)  お答えいたします。
 市内事業者等に不利益を及ぼすことのないよう、本市においてもインボイス制度への対応が必要と判断した一般会計、特別会計及び企業会計については、適格請求書発行事業者の登録を完了しております。
 インボイス制度の対応にあたり、現在対象の会計において登録番号、適用税率、税率ごとに区分した消費税額等を記載した請求書または領収書等を発行するため、財務会計システム等の改修が必要となりますので、10月からの制度開始に向け対応中です。
 また、駐車場事業特別会計では、インボイス対応のレシートを発行するために、精算機の更新も予定しており、費用負担が発生しております。
 制度開始後の影響としましては、事務の煩雑化に加え、適格請求書発行事業者になっていない事業者との取引については、消費税の仕入税額控除を受けることができないため、消費税の負担額が増加してしまうことも懸念されます。
 以上でございます。
○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  市が発注する建設工事、役務、物品納入などにおいて、取引先の免税事業者に対して課税業者になることを強要したり、免税事業者が取引から外されたりすることがないようにしていただきたいと思いますが、つまり市の負担が発生するということになるんですが、けれどもそのようなことがないようにしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(平家恭治君)  財政課長。
○財政課長(明礼英和君)  お答えします。
 事業者に適格請求書発行事業者の登録を強制したり、登録していないことをもって取引において不利な扱いをすると、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独占禁止法)などの法律に抵触する可能性があるため、そのようなことは絶対に行わないよう、庁内での周知徹底を図ります。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  よろしくお願いいたします。
 まとめますと、フリーライターの小泉なつみさんという方が、「STOP!インボイス」制度中止を求めるアクション、呼びかけ人をなさっていますが、その中で、インボイスは知れば知るほど分かりにくい制度ですが、一言で表すならば消費税の増税です。フリーランスや小規模事業者だけの問題ではなくて、将来さらなる増税への足がかりになる制度だと思っています。インボイスを発行するため課税事業者になり重い負担を強いられるか、取引から排除される不安を抱えながら免税事業者のままでいるか、私たちは地獄の2択を迫られている。どちらの選択をしてもインボイスによって新たに発生する消費税を誰かが必ず負担しなければならなくなるという制度だとはっきりと言っています。
 ライター、声優、俳優など、様々な文化的な分野で活躍している若い方々が、このインボイス制度によって廃業も選択肢になると、苦渋の選択を迫られている、こういう問題をはらんでいます。
 激変緩和措置が入っていますけれども、根本的な解決にはなっていないという意見もおっしゃっています。
 マイナンバー制度のところでも述べましたが、国は国民の徴税を強化したいというのが一番の本音ではないかと私は思います。
 それは、今後5年間で43兆円という、軍事費を2倍化する、その財源をひねり出すために、今まで免税されていた免税業者など弱いところからも取ろうということではないでしょうか。
 先ほど井上議員の質問でも減税が必要だという意見がありましたが、日本共産党は消費税5%への減税と併せて大企業の内部留保に適切に期限付で課税して、併せて労働者の賃金やグリーン投資をすれば税額は控除される。そういうことをすれば消費税は減税することができる。これまで消費税が3から5、8、10と上げられるたびに大企業の優遇税制を行い、不況時でも大企業は内部留保を積み増してきましたが、適切に課税すればこのインボイスによる増税は必要ないと思います。弱いところへの負担を増やすインボイスは中止すべきだ。そのことを主張しまして大綱2を終わります。
 大綱3「八幡浜道路開通による交通量の変化と影響について」お伺いいたします。
 高規格道路「大洲・八幡浜自動車道」、総距離14キロのうち、市内大平から郷にかけて約3.8キロの八幡浜道路が3月25日に開通しました。
 県のホームページによりますと、本来「大洲・八幡浜自動車道」は、四国の西の玄関口として九州とフェリー航路を持つ八西地域と大洲市北只で四国8の字ネットワークとを結ぶ自動車専用高規格道路ということで、本州、四国、九州を結ぶ新たな国土軸の一翼を担い、地域産業の活性化、観光振興、地方創生の道であり、また大規模災害発生時の広域避難や緊急輸送の役割を担うなどとうたわれています。
 さて、八幡浜道路が開通し約2か月超がたちますが、その効果について町の声を聞いていますと、前向きな評価ばかりではないようです。
 ある方は、車の流れが変わってしまい、みなっとから江戸岡交差点を通り大洲方面へ向かう国道197号線の通りは交通量が激減し、交通量に商売の影響を受けやすい国道沿いのコンビニやガソリンスタンドではお客さんが激減しているということです。1本道ができただけでこんなにも交通量が変わってしまうのか、何とかしてくれとの声が寄せられています。
 そこで、お伺いいたします。
 八幡浜道路開通による交通量の変化と市内事業者の影響について、予測していましたでしょうか。また、市内事業者の中でどのくらい影響が出ているか、実態を把握していますでしょうか、お聞きします。
○議長(平家恭治君)  市長。
○市長(大城一郎君)  県では、八幡浜道路の開通1か月後の4月末に交通量調査を実施し、現在、調査結果の整理を進めている状況と伺っております。
 また、八幡浜商工会議所におきましても、12月と3月の年2回、昭和通など市内9地点で交通量調査を実施しているところですが、八幡浜道路開通後の調査は未実施であるため、今のところデータを持ち合わせておりません。
 これらの結果が出れば、事業所への影響をある程度把握できるのではないかと思います。
 なお、八幡浜道路が開通し、長年の懸案だった昭和通など中心市街地の慢性的な渋滞が緩和され、市民の皆さんから多数好意的な声が寄せられる一方、議員御指摘のとおり、交通量の激減により、一部では売上げに影響のあるお店もあろうかと思われます。
 ただし、見方を変えれば、渋滞緩和により交通の流れがよくなったことで、お客さんにとっては行きたい場所、行きたいお店へ行きやすくなったというような側面もあります。
 そして、何より当市へのアクセスがよくなったことで、市外からのお客さんを呼び込むチャンスが広がりました。
 市としましては、八幡浜道路の開通を契機として、魅力ある商品やサービスを提供するお店がさらに増えていくことを期待しております。
○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  データはこれから出てくるということですが、日々、今言った道を通っていますと、今言ったように渋滞の緩和といういい面もありますし、脇道から国道へ出るのもスムーズに楽になったという面は確かにあります。
 ただ、明らかに交通量が少ないなと感じます。みなっとから郷までの国道にはガソリンスタンドが4軒あります。江戸岡フジの横にあるガソリンスタンドでも、やはり大きな減少があったという意見があったということです。駅前や千丈にも2軒ありますが、これまで車社会になって小さな商店がどんどんなくなっていった反面、この国道沿いで車でさっと行けるようなお店がにぎわってきたということがあったかと思いますが、今度はそういった店にも交通量の大きな影響を受けているということで、営業的には打撃があるのであろうというふうに感じます。
 そこで、八幡浜みなっとはゴールデンウイーク中、県内からのお客さんで大変にぎわった。松山城に次ぐ観光客数で大盛況であったとの市長の報告もありましたが、例年であればゴールデンウイーク中はそういう国道沿いのガソリンスタンドなどは車があふれるぐらいで、売上げが期待できた、そういう状況でしたが、みなっとから大洲へ向かう国道、それから伊方、保内、大洲方面から高速に乗るために向かうために通っていた車、そういったものがほとんど通らなくなってしまったという現状があり、みなっとの大盛況の恩恵を全く受けてない状態であったということです。
 個人の努力も必要ですが、市や県の施策によって影響を受けた事業者に対して何もしなくていいのでしょうか。
 そこで、お伺いします。
 今後事業の見直し等の対策を迫られる、そういう苦境にある事業者に対して何らかの支援が必要ではないかと思いますが、お考えをお伺いいたします。
○議長(平家恭治君)  産業建設部長。
○産業建設部長(垣内千代紀君)  八幡浜道路が事業化されたのは平成17年で、少なくとも18年前には八幡浜道路が開通すれば昭和通などの交通量が減少することは想定できたと思います。
 このように、計画的につくられた道路の影響による売上げの減少について、直接補填するような支援はほかの自治体でも例がなく、実際のところ難しいと思います。
 ただし、先日の市議会協議会で御説明しましたように、市では創業等支援事業補助金を拡充するなど、新たな事業展開を後押しする補助制度や低利の融資制度もありますので、事業の見直しを検討される場合には、ぜひこれらを御活用いただきたいと思います。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  そうですね。個々の店の努力ももちろんあると思いますし、相談があれば、そういった融資制度などもあるということは私からも伝えますし、ぜひ相談があればぜひ親身に乗っていただきたいなと思いますが、その点はどうですか。
○議長(平家恭治君)  産業建設部長。
○産業建設部長(垣内千代紀君)  先ほども申しましたように、直接的に売上げを補填するようなことはなかなか難しいんですけど、御相談がありましたら、いろんな制度を御紹介したりと、親身になって相談に乗りたいなと思います。
 以上です。
○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  よろしくお願いいたします。
 大洲・八幡浜自動車道の全ルートが全面開通した場合でも、市内の道路を車がバランスよく通るよう、市内にもここへ行きたいという目的地をつくり、動線を導いていくこともまちづくりをしていく上では大切な観点だと思います。
 高速で大洲方面から来た車が、郷の八幡浜東インターで降りて、駅前を通って市内をみなっとへ向かう道に車の流れを呼び戻すためにも、途中で車で立ち寄りたくなるような、ほかにはない拠点が必要ではないかと考えます。
 例えば八幡浜駅からみなっとまでの通り、無電柱化の計画もあるとは聞いていますが、それと併せて人が集まる魅力ある施設をつくり、車の流れをつくっていくことも大切だと思います。町にとって道路を走る車は人間の血液の流れと同じ。車がどこかに滞っても、通わなくなっても、そのルート、その周囲は死んでしまいかねません。
 そこで、お伺いしますが、例えば八幡浜駅周辺で、駅から降りた観光客をおもてなしするような施設をつくるとか、伊方や保内から来た人たちも時々は市内を通りたくなるような施設を検討すべきではないかと思います。そのようなスポットがたくさんあることがベストだと思うんですが、今の考えについていかがでしょうか。
○議長(平家恭治君)  市長。
○市長(大城一郎君)  八幡浜駅周辺などで新たな拠点施設を市が整備する具体的な計画は、現在のところありませんが、市内を素通りされないための魅力あるまちづくり、これは大切な考えであると私も思っております。
 現在取り組んでいる四国電力跡地プロジェクトや八幡浜港みらいプロジェクトに、より魅力ある施設などの誘致ができれば、周辺への波及効果も期待でき、新たな人の流れにもつながるのではないかと考えているところです。
○議長(平家恭治君)  遠藤 綾議員。
○遠藤 綾君  例えば西予市の駅前周辺には今レストランがたくさんできていますが、そういったところを利用した後に八幡浜駅を見ますと、やっぱりちょっと活気を失っている。レストランなども減ってしまったなという感じもしておりますので、八幡浜のもう一つの玄関口である八幡浜市駅前周囲、これをやはり今後車で通りかかった人が行きたくなるような、そのような拠点をつくっていただきたいと御要望をお伝えします。
 それを要望しまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(平家恭治君)  これをもって本日の一般質問を終わります。
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○議長(平家恭治君)  これにて本日の会議を閉じます。
 以上で本日の日程は全部終了しました。
 明日13日は午前10時から会議を開き、引き続き一般質問を行います。
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○議長(平家恭治君)  本日はこれにて散会いたします。
   午後 2時55分 散会

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