一般質問(一問一答)R5.12 菊池彰議員

公開日 2024年03月04日

〔菊池 彰君質問席へ移動〕

○菊池 彰君  おはようございます。
 初めてトップバッターを務めさせていただきます。よろしくお願いします。
 早いもので今年も残すところ3週間足らずとなりました。実りの秋、収穫の秋を迎え、11月からミカンの収穫が始まっています。今年は猛暑、酷暑続きで雨量も少なく、小玉傾向ではありますが、生産予想数量は平年より2割程度多いとのことでした。
 昨日、地元の共撰長に伺うと、小玉の比率が高くて、市場への出荷はよくても平年並みになりそうとのことでございました。
 厳しい自然環境の中で、生産者の方が手を抜かず気を抜かず日々努力した結果、高品質なミカンに仕上がり、市場での評価も高く、高値で推移しております。たわわな実りが農家の収入に結びつき、今後新たな担い手が増えることを切に願っているところでございます。
 それでは、通告書に従いまして、大綱1点についてお伺いします。理事者の皆様には、誠意ある御答弁をお願いいたします。
 大綱1、認知症の施策についてであります。
 この件につきましては、令和2年9月議会においても質問を行ったところであります。令和2年8月9日の夕方、日土東地区におきまして老老介護をされている高齢者御夫婦の奥さんが行方不明となりました。過去に徘回の経歴があり、地元の方に発見された経緯がございます。
 地元の方に迷惑をかけられないという思いからか、御主人がお一人で探されておりましたが、約3時間後に地区の方が異変に気づき、その後、深夜まで住民で捜索をいたしましたが、発見には至りませんでした。
 8月10日、11日には、地元並びに近隣の消防団、消防署、警察署、地区住民の協力を得て、両日で150人を超える人数で捜索活動、山狩りを実施しましたが、何ひとつ手がかりを見つけることができず、捜索活動は打切りとなりました。
 それから2年7か月が経過した今年3月に、当時捜索活動に参加されていた方が、捜索済みの場所で人骨を発見しました。DNA鑑定の結果、9月になって行方不明者本人であったとのことであります。3年近い月日がたってようやく身元が判明し、御家族の皆様も悲しみの中にも安堵されたことと思います。
 こういった悲しい案件は、これから先、発生しないでほしいと願いつつ、認知症行方不明者の最近の動向はどうなのだろうかと思っていたところ、たまたま11月20日放映のNHKクローズアップ現代を見ようとしたら、「認知症行方不明者1万8,000人の衝撃 10年で2倍」というタイトルが目に飛び込んできました。
 2022年に認知症で行方不明になった方は、全国で延べ1万8,700人余りと、過去最高に。この10年で2倍に増えました。
 名前や住所が言えず自宅に帰れなくなってしまう人もおり、9割以上の方は見つかって保護されていますが、毎年のように100人を超える方が行方不明のままであり、亡くなって見つかった人は、2022年1年間で491人に上がっております。
 愛媛県内においては、2021年に266人、2022年に236人が認知症行方不明者となっているようです。
 県内各市町の人数については、個人の特定につながるおそれがあるので公表はしていないとのことです。
 当市における高齢化率は、2020年に40.2%でしたが、2025年では44.1%、2045年には53.8%になると予測されています。
 ここで質問ですが、現在認知症であると認定している方は何人くらいおられるのか、症状についても区分があれば御答弁をお願いします。
 また、直近の人数の推移についても伺います。
○議長(樋󠄀田 都君)  保健センター所長。
○保健センター所長(小野嘉彦君)  お答えします。
 市が把握している認知症高齢者の数は、要介護認定者のうち、認知機能が低下している方の人数です。
 令和5年4月1日現在、認知症高齢者数は1,611人です。
 区分別では、Ⅱa、Ⅱbに分類される中等度の高齢者数は972人、Ⅲ以上に分類される重度の高齢者数は639人です。
 直近3年間の認知症高齢者数は、令和2年4月1日が1,537人、令和3年が1,535人、令和4年が1,520人です。3年間はほぼ横ばいですが、令和5年度は90人程度増えています。
 以上です。
○議長(樋󠄀田 都君)  菊池 彰議員。
○菊池 彰君  高齢化率は少し上がっておりますけれども、あまり人数に変化はございませんが、やはりこれは高齢者の方がお亡くなりになったかなというような判断をいたしております。
 認知症の有病率は、年齢とともに急激に高まることが知られています。全国では現在、65歳以上の16%が認知症であると推測されており、80歳代の後半であれば、男性の35%、女性の44%、95歳を過ぎると、男性の51%、女性の84%が認知症であることが明らかにされています。
 当市においての65歳以上の発症者はどれくらいの割合なのか、お伺いします。
○議長(樋󠄀田 都君)  保健センター所長。
○保健センター所長(小野嘉彦君)  65歳以上の高齢者数は、令和5年4月1日現在、1万2,862人で、認知症高齢者率は12.5%になります。
○議長(樋󠄀田 都君)  菊池 彰議員。
○菊池 彰君  全国の数値と比較すると、まだ八幡浜市は発症者が少ないということ、これはやはりみんなが健康管理に気をつけて、健康寿命を延ばしておられるかなということで私は判断をいたしております。
 認知症高齢者や徘回高齢者の情報については、認知症で困っておられる御家族や民生委員、見守り推進員、医療機関、介護保険事業者等から、保健センターにある地域包括支援センターに連絡や相談があり、対応されていると思いますが、2022年の総合相談についてお伺いします。
 併せて「徘回SOSネットワーク」、八幡浜市では、2009年にスタートした「認知症高齢者どこにいるの?ネットワーク事業」の名称で行われていますが、令和5年11月末現在の登録者数並びに事業所数についてお伺いいたします。
○議長(樋󠄀田 都君)  保健センター所長。
○保健センター所長(小野嘉彦君)  令和4年度の高齢者総合相談件数は621件で、そのうち認知症に関する相談は55件、認知症関係を含む健康・生活不安に関する相談は72件です。
 次に、「徘回SOSネットワーク」とは、行方不明になった高齢者を行政や警察などの関係機関が連携し、地域ぐるみで捜索し、早期発見・保護につなげる体制づくりのことで、当市では、「認知症高齢者どこにいるの?ネットワーク事業」という名称で平成20年度から開始しています。
 その登録者数は、令和5年11月末現在、23人です。
 また、ネットワーク事業協力事業所数は、市内の介護事業所、郵便局など125か所あります。
 以上です。
○議長(樋󠄀田 都君)  菊池 彰議員。
○菊池 彰君  ただいま事業所数が125登録されているということでございました。
 こういった事業所の方で、訓練を行っている方が、市のほうでそういったことを指導されているかなと思うわけですけど、一つの例でありますけど、今月12月1日、山口県の山陽小野田市におきまして、迷子になった認知症の人に対応するため、認知症の人への接し方や、実際に迷子になった人への声のかけ方について理解を深められております。
 山陽小野田市が、認知症になっても安心して暮らせる地域づくりを目指しており、各地区で見守り・声かけ訓練を行っております。
 まず、驚かせない、急がせない、自尊心を傷つけない、この3点が大事であると。また、ゆっくりと近づき、相手の目線に入ってから優しく声をかける、これが訓練のマニュアルとなっております。
 当市においてこういった訓練は実施されているのか、お伺いします。
○議長(樋󠄀田 都君)  保健センター所長。
○保健センター所長(小野嘉彦君)  当市では訓練は行っておりません。
 今後、訓練の内容や実施に向けて調査・検討していきたいと考えております。
 以上です。
○議長(樋󠄀田 都君)  菊池 彰議員。
○菊池 彰君  事業所の方に対して、マニュアルづくりなり、また訓練も計画していただきたいと思っております。
 次に、この事業所数が125ということでございますけれども、これはもう市内全域を全て網羅をされているのか、この点についてお伺いします。
○議長(樋󠄀田 都君)  保健センター所長。
○保健センター所長(小野嘉彦君)  登録事業所には、各地区のJAや郵便局などが登録してありますので、全域網羅していると考えております。
 以上です。
○議長(樋󠄀田 都君)  菊池 彰議員。
○菊池 彰君  JAや郵便局、また他の事業所等で、やはり郵便局とこの人は地域を毎日見守っておられますので、有効かなと思っております。
 また、市内全域が網羅できているということで、この125で十分カバーができているということで安心をした次第でございます。
 認知症で徘回する人の早期発見・保護のため、他市町村とのSOSネットワーク広域連携は取れているのか、お伺いをします。
○議長(樋󠄀田 都君)  保健センター所長。
○保健センター所長(小野嘉彦君)  県内全ての市町で広域の連携が取れています。
 県内で行方不明者が出た場合は、県を通して情報提供などがあります。
 以上です。
○議長(樋󠄀田 都君)  菊池 彰議員。
○菊池 彰君  先ほどもあったわけですが、このSOSネットワーク事業に登録をされておられない、この方が徘回をされた場合の対応、こういったものはどうなっているか、この点についてお伺いをします。
○議長(樋󠄀田 都君)  保健センター所長。
○保健センター所長(小野嘉彦君)  八幡浜市では、「八幡浜市高齢者等見守りネットワークに関する協定」というのを結んでおりまして、市への情報提供や警察・消防への通報などを行うようにしていますので、大丈夫だと思います。
○議長(樋󠄀田 都君)  菊池 彰議員。
○菊池 彰君  私は、この登録者数が少ないというのは、やはり御家族の方が、できたら周りに知られたくないというようなことが一番の要因かなと思うわけですけど、この高齢者の登録に至るまでの経緯、どういった形で登録をされるのか、この点についてお伺いをします。
○議長(樋󠄀田 都君)  保健センター所長。
○保健センター所長(小野嘉彦君)  登録というのは、御家族から申請がないと登録ができませんので、御家族の理解がないと登録のほうはできないような形になっております。
 以上です。
○議長(樋󠄀田 都君)  菊池 彰議員。
○菊池 彰君  やはりこの人数が少ないというのは、やっぱり御家族の方の判断の中で、登録するよりは、周りに知られたくないというほうが勝ることかなと理解しているわけですけど、こういった周知、御家族の方に勧めるようなことで、何かあったときの安心・安全のために、もっと周知徹底をできたらと思いますので、この点、所長よろしくお願いをいたします。
 次に、認知症発症者の20%くらいの人に徘回のリスクが推測され、近隣の自治体で発見された事例もございます。
 認知症と診断された時点で、次のようなツールを希望する家族に配付することはできないでしょうか。「どこシル伝言板」は、保護された認知症高齢者が自分の名前を言えなかったり、手がかりとなる所持品がない場合、発見者が衣服、靴、つえなどに貼られたQRコードのついたシールをスマートフォンで読み取ることで、24時間365日伝言板を通して家族に直接情報を伝えることができます。
 職員の方が休日や時間外に、徘回者に関する問合せに対応する必要がなくなります。
 本年10月31日時点において、1都1道1府36県、297の自治体で導入されているシステムです。
 認知症発症者の安全確保と家族の方の心配を一つでも減らし、なおかつ捜索活動の負担軽減のために、このシステムのほか、GPS等も含め導入できないものか、お伺いします。
○議長(樋󠄀田 都君)  市民福祉部長。
○市民福祉部長(福岡勝明君)  お答えします。
 本市における徘回高齢者の発見に係る機器類の導入や助成事業については、コスト面も含め、利便性や効果など検討しておりますが、導入には至っておりません。
 県内5市町が助成を行っている持ち運び型のGPS端末は、認知症の方が持っていくことを忘れたり、なくしたりすることが多く、また利用者も少ないため、既に事業を廃止または廃止を予定している市もあります。
 なお、要介護2以上の認定を受けている方については、介護保険サービスにおいて、GPS発信機器のレンタルサービスの利用が可能です。
 他市町の状況や介護保険サービスの状況を踏まえて、引き続き検討をしていきたいと考えています。
 以上です。
○議長(樋󠄀田 都君)  菊池 彰議員。
○菊池 彰君  やはりなかなかGPS機能を持ったものを常に持ち歩くというのは難しい状況でありますし、先般クローズアップ現代を見ておりましたときには、御家族の方が靴に発信機を縫いつけて、それを頼りにスマートフォンで探すという場面がございました。やはり一番有効なのは、毎日自分が必ずつけるような靴、そしてつえとかにあれば見つけやすいかなと思うんで、これはまた行政に家族の方から相談があったときに、適切な対応ができるように、よろしく御検討をお願いいたしたいと思います。
 自分自身は認知症にならない、大丈夫である、人ごとであると多くの方が思っているのではないでしょうか。
 厚生労働省の調査報告書によると、2025年には国内で65歳以上の認知症患者数は730万人に到達するとのことであります。実に5人に1人が認知症患者となる見込みとなっております。
 認知症にならないためにしっかりと予防をする必要があると思います。
 朝田 隆筑波大学名誉教授は、脳血管を大切にする、食生活を整える、運動を心がける、飲酒・喫煙が過度にならないようにする、活動・思考を端緒にしないよう努める、生き生きとした生活を送る、家族・隣人・社会との人間関係をふだんから円滑にしておく、自らの健康管理に心がけるなど、脳の劣化が始まる40歳あたりから認知症の予防を始めることが大切であると述べられています。
 予防することで発症リスクを下げることが認知症対策として重要です。
 昨年4月に「八幡浜市認知症あんしんガイドブック(第二版)」が発行され、今年度は「介護予防ガイドブック」も発行され、認知症の方が住み慣れた地域で安心して暮らすための情報として、本人、御家族の心の支えになっていると感じています。
 この「認知症あんしんガイドブック(第二版)」は、どのように周知をされているのか、伺います。
○議長(樋󠄀田 都君)  保健センター所長。
○保健センター所長(小野嘉彦君)  「認知症あんしんガイドブック(第二版)」の配付数は、283か所500冊配付しています。
 配付先は、医療機関、歯科医院、介護サービス事業所、薬局、民生児童委員、相談来所者などに配付しています。また、市ホームページにも掲載しています。
 以上です。
○議長(樋󠄀田 都君)  菊池 彰議員。
○菊池 彰君  市内隅々まで配付されているというのが、今答弁をいただきまして分かりました。
 また、なおかつこの「認知症あんしんガイドブック」というのは、あくまでも認知症のおそれがある方とか御家族の方が見られるわけですけど、この「介護予防ガイドブック」、この件についても、これは今年度発行されたばかりでありますけれども、どういったところへ配付というか、置いておられるのか、この点について答弁いただけるでしょうか。
○議長(樋󠄀田 都君)  保健センター所長。
○保健センター所長(小野嘉彦君)  認知症あんしんガイドブックについて、今同じように配付しております。
 以上です。
○議長(樋󠄀田 都君)  菊池 彰議員。
○菊池 彰君  分かりました。
 やはり、まずは予防、そしてどうしても予防し切れなかってそういった認知症になった場合の「認知症あんしんガイドブック(第二版)」を参考に、本人また御家族の方で有効活用をしていただきたいと願っております。
 本年6月14日、認知症基本法案が参議院本会議で可決となり、基本法が成立しました。
 認知症基本法とは、認知症がある人でも尊厳を持って社会の一員として自分らしく生きるための支援や認知症予防のための施策を定めるための法律であります。
 地方公共団体には、認知症支援のための施策を策定・実施することが求められ、介護福祉サービス事業者だけでなく、公共交通機関や金融機関、小売業といった日常生活に必要なサービス事業者においても、認知症施策への協力や認知症の人への配慮が求められることになります。
 認知症の人が暮らしやすい地域をつくるため、交通機関の整備やバリアフリー化などインフラの整備、また雇用・就労の援助、認知症を理解するための教育や運動も行われると思います。
 認知症基本法の成立を受けて、当市としてこれから具体的にどう取り組むことが必要と思われているのか、お考えを伺います。
○議長(樋󠄀田 都君)  市長。
○市長(大城一郎君)  認知症基本法は、令和5年6月16日に公布され、令和6年1月1日から施行される予定です。
 この法律は、認知症施策に関する国や地方自治体の責務を明らかにし、認知症施策の推進に関する計画の策定について定めております。
 しかし、国や県の認知症施策推進計画がまだ策定をされておりません。計画が策定されれば、それを参考に市の方針を決定し、計画を策定していきたいと考えています。
 計画策定に当たっては、地域住民が基本法についての理解を深めるための勉強会、そして認知症の理解促進のための普及啓発イベントの実施や、認知症の人や家族等の意見を丁寧に聞く場の設置が必要です。
 既存の家族介護教室や認知症カフェ等の機会を捉えてこれらの準備を進め、実効性のある計画策定に努めていきたいと考えています。
○議長(樋󠄀田 都君)  菊池 彰議員。
○菊池 彰君  ありがとうございました。
 令和6年1月1日からということで、国のほうも具体的な指針を出されておりませんので、市としては、国の指針を基にこれから肉づけをされると思いますが、早く策定のほうをよろしくお願い申し上げます。
 認知症は誰にでも起こり得ます。認知症の人と家族のよき理解者となるために、自尊心を傷つけない、子供扱いしない、笑顔で正面から声をかける、ゆっくりはっきりシンプルに話す、失敗しても責めない、時間がかかってもできることは自分でやってもらうなど、地域社会全体でさりげない見守りと手助けをして、認知症になっても安心して暮らせる町になるように願っております。
 私、今回初めて、一般質問の原稿を出しましたが、質問通告書を出すのを忘れておりました。その忘れたのを忘れておりまして、それを忘れたのを思い出すと、これは度忘れということで片づけることができるようですけど、忘れたことを思い出せないのが認知症の始まりであると言われておりますので、これから健康に留意しながら、皆様方に迷惑をかけないようにやりますので、よろしくお願い申し上げまして一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

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