公開日 2025年06月10日
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○攝津眞澄君 今年は例年に見ない寒さであり、比較的温暖な地域である八幡浜市では、自分自身も含め雪に対する警戒が甘かったと感じております。
今回私は、先般2月4日~8日にかけて発生いたしました豪雪災害における八幡浜市の現状、課題と対策、そして今後の自然災害への備えについて、大綱1点について発言させていただきます。理事者の皆様におかれましては、市民に分かりやすい答弁をお願いしたいと思います。
なお、他の同僚議員とかぶる質問もあるかとは思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
まず最初に、豪雪の状況についてです。
2月4日~8日にかけて八幡浜市を含む南予地方を中心に降り続く大雪に見舞われました。気象台によると、四国の上約1,500メートルに氷点下12度以下の強い寒気が流れ込んだためであると言われています。
記録的な寒波の影響で、山地だけでなく平地でも過去何年来見たことのない積雪が観測され、慣れない雪への対応を含め、市民生活に甚大な影響を与えました。
最初に、当時の状況についてお伺いいたします。
○議長(佐々木加代子君) 総務課長。
○総務課長(宇都宮久昭君) お答えします。
先月の初め、今季最強の寒波が本市にも流れ込み、2月4日火曜日朝早くから雪が降り始め、16時15分、本市に大雪警報が発表されました。5日と6日未明まで降り続いた結果、市内全域で近年まれに見る積雪を記録し、市内の幼稚園、小・中学校や高校が休校したほか、公共交通機関の運行休止など、市民生活に大きな影響を与えました。
県内に大雪警報が発表されたのは、久万高原町で大きな被害に見舞われた令和4年12月以来となり、本市においては平成30年2月12日以来となります。
なお、大雪警報については、2月6日木曜日3時21分に解除され、大雪注意報に切り替わっております。
以上です。
○議長(佐々木加代子君) 攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君 玄関口に膝下まで雪が積もり、家から一歩も出られなかったとの声も多く聞かれておりました。
次に、交通機関への影響についてです。
4日から大雪警報、暴風雪・波浪警報が次々発表され、40センチ以上の積雪もあり、5日午前0時~6日正午の36時間、国道197号が通行止めとなりました。
八幡浜市内では、道路に立ち往生する車両が多数発生し、大規模な交通渋滞が発生しました。公共交通機関にも遅延や運休が発生し、市民の移動手段が著しく制限されました。
当時の状況や被害、その対応について。
まず交通状況、被害状況についてお伺いいたします。
○議長(佐々木加代子君) 総務課長。
○総務課長(宇都宮久昭君) お答えします。
当時の市内の交通状況としましては、県が管理する国道197号や378号、県道である昭和通などでも積雪による交通渋滞が発生し、その中でも八幡浜市と大洲市を結ぶ主要道路である国道197号のうち、JR八幡浜駅から大洲市平野の区間が、5日0時から6日12時までの間、全面通行止めとなりました。
また、市が管理する市道に関しても、市内各所で山間部を中心に通行止めが発生した状況でした。
公共交通機関は、2月5日、6日の両日、宇和島自動車バス、伊予鉄南予バス、JR四国予讃線が運行休止となっています。
なお、最終的に全ての道路の通行止めが解除となったのは、2月10日月曜日でした。
以上です。
○議長(佐々木加代子君) 攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君 交通渋滞はすごいひどかったと聞いていましたが、人的被害がなかったと聞いておりますので、まだよかったかなと思っております。
次に、災害時における交通渋滞についてです。
道路の積雪や路面凍結によるノーマルタイヤの車両の立ち往生や、スリップ、脱輪事故が多発し、大規模な交通渋滞が発生しました。
また、八幡浜・大洲自動車道や夜昼トンネル付近の国道の通行止めにより、国道197号に車両が集中し、保内や長浜を通る海岸回りの道も大渋滞しました。
通常1時間半ほどの道のりが10時間近くかかった、ガソリンがみるみるうちに減って怖かった、トイレに行けなくてつらかった、長時間食べ物も飲物もなく不安だった、南海トラフ地震でもこんなふうになるのではと心配と、市民の声をお聞きしております。
市民からの苦情や要望も含め、4つの事柄についてお聞きしたいと思います。
まず、1つ目です。今回、市職員が交通誘導をしたのか、お伺いいたします。
○議長(佐々木加代子君) 建設課長。
○建設課長(宮下栄司君) お答えします。
今回の積雪により、国道197号、JR八幡浜駅から大洲市平野の区間と大洲・八幡浜自動車道が通行止めとなりましたが、これらのことを周知するための交通誘導は、道路管理者である県が実施しており、市職員は交通誘導をしておりません。
なお、県職員による交通誘導は、江戸岡交差点、大平インターチェンジ交差点、保内インターチェンジ交差点の市内3か所で実施されました。
また、県によると、大雪に係る道路交通情報やノーマルタイヤの危険性について、国道に設置してある電光掲示板をフル活用して周知したほか、フェリー会社へ依頼してターミナル内・船内におけるアナウンスも実施したとのことです。
市としても、県からの依頼により、防災行政無線で市内全域に同様の内容で広報を行っております。
以上であります。
○議長(佐々木加代子君) 攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君 先日のような大雪の中では、なかなか交通誘導も難しいだろうと思いました。
地域ごとに一方通行や車両規制を考慮した避難ルートを設定し、事前に周知しておくことや定期的な避難訓練を行い、市民にルートを認識していただくことが必要と感じました。
また、市民より、誘導の際、一般の方なのか職員さんなのか分からない。どのような立場の方が誘導いただいているのか分かるよう、腕章や帽子等の着用をお願いしたいとの声もありましたので、お伝えしておきます。
2つ目です。除雪車及び融雪剤等の実施についてお伺いいたします。
○議長(佐々木加代子君) 副市長。
○副市長(菊池司郎君) 除雪車の活用につきましては、市内で専用の除雪車を保有している建設事業所はありません。今回の除雪作業は、舗装工事に使われるモーターグレーダー及び土木工事に使用される油圧ショベル(バックホウ)などの重機を使用しました。
具体的には、孤立のおそれのある11地区につながる市道25路線を対象に、市内8事業者の協力を得て、道路の総延長で約45キロメートルの除雪を行いました。
また、重機を操作できる方がいる地区においては、重機のリースで除雪対応をお願いしたケースがあったほか、積雪による倒木の除却作業も実施しております。
次に、例年どおりの凍結予防策として、融雪剤を市内20か所の橋に前もって設置しておりましたが、災害級の大雪により、各地区から融雪剤を配付してほしいとの依頼が殺到し、在庫の融雪剤が底をついたため、急遽追加購入を行い、要望のあった全地区に配付しました。この間、全体で227袋の融雪剤を配付しております。
このたびの大雪を受けまして、道路管理者としては、除雪作業を円滑に行うために、県や建設業協会との間で事前に除雪ルールを設定しておくことの必要性を痛感しており、今後関係機関と協議を行いたいと考えています。
また、融雪剤については、今回の配付実績を参考にしながら、孤立が予想される集落にはある程度まとまった量の融雪剤を事前に配付しておきたいと考えております。
以上でございます。
○議長(佐々木加代子君) 攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君 八幡浜市には除雪車はないが、企業が持っている代替車両を用いて除雪をし、融雪剤は凍結しそうな場所にあらかじめ置いてあるということを確認いたしました。
内子町では、異常降雪による緊急時において、町道等の生活道路の通行確保のため、自主的に除雪作業を行った自治会、行政区、その他町長が特に必要と認めた任意団体や個人に対し、支給対象の要件を満たしている場合に限り、1時間4,000円の報奨金を支給しております。市民のお力を借りて自主的に行っていくこともありだなと思いました。
気象情報の発信や道路状況の広報についてお伺いいたします。
○議長(佐々木加代子君) 総務課長。
○総務課長(宇都宮久昭君) お答えします。
気象情報に関しましては、市の防災メールに登録している方には、警報の発表と解除のタイミングでメールが届きます。
市からの大雪に関する注意喚起や道路の通行止め状況などの広報は、防災行政無線や市公式LINE・市防災メールなどのSNS、市ホームページなどを活用し、実施しています。
また、当日は八幡浜警察署や八幡浜土木事務所からの依頼により、通行止めや注意喚起の広報も併せて実施しております。
今回の大雪を機に、市公式LINEや市防災メールの登録を再度市民の皆様に周知してまいりたいと考えております。
以上です。
○議長(佐々木加代子君) 攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君 私も防災メールは登録しておりまして、防災メールも確認しておりましたが、個人の方が上げられていたFacebookやInstagramなどの写真入りのSNSが非常に現状をよく捉えており、分かりやすかったです。
次です。車内の防寒対策、水、食料備蓄やトイレ対策、また運転手への注意喚起の強化について、市としてどのように対応していくのか、お伺いいたします。
○議長(佐々木加代子君) 総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君) お答えします。
災害が原因で車両が停滞した場合、先ほど議員からもお話がございましたが、災害の規模によっては数時間から数日間車内で過ごさなければならない可能性があります。
今回の大雪では、市内各所で渋滞が発生したことで、空腹や喉の渇きのほか、トイレなどの生理現象で困られた方も多かったのではないかと思っております。
大雪だけでなく、自然災害に対しては、いつどこで巻き込まれることになるか予測できませんので、ふだんから車内に最低限の保存水や保存食を用意しておくことや、携帯トイレさらに冬季においては防寒グッズなどの防災グッズを備える自助の行動が大切であると思います。
また、出かける際には、必ず数日先までの気象予報をチェックし、雪に対しては、路面状況に合わせたタイヤやチェーンを携行するようなことも大切であると考えております。
市としましては、そのような際には、ホームページや防災行政無線、市公式LINEなどで大雪、暴風雪等に対する注意喚起を行ってまいりますが、できる限り不要不急の外出は控え、やむを得ず外出する際には、スタッドレスタイヤやチェーンを装着し走行していただくよう広報していきたいと考えております。
以上でございます。
○議長(佐々木加代子君) 攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君 先ほど御説明があったとおり、車内での対策は日頃から個人で準備していく必要があります。
外出時には、大人用のおむつやペット用シーツ、またそのまま食べられる食料品や飲物等を持参するほうがいいねと、お友達との井戸端会議でも話していたところです。
コンサルティングのアクセンチュアとソフトバンクは、災害発生時にスマートフォンを使って住民の避難誘導や安否確認ができる「デジタル防災」アプリを提供しています。
アプリでは、地震などの災害発生時の際、位置情報に基づいて最寄りの避難場所へのルートを案内したり、家族などに居場所を知らせることができるほか、無事かどうか安否確認情報を登録することができます。
災害発生後に位置情報が変わらない人は、自力で避難できない状況にある可能性が高いとみなし、素早い救助につなげるなど、情報を救助などに活用している自治体や消防関係団体もあるそうです。
介護が必要な高齢者や障害者らの情報は、事前に同意を得た上で自治体などと共有しておきます。持病や服用している薬の種類を登録しておく機能もあり、被災時に支援を受けやすくすることにもつながるようです。
2023年3月より会津若松市では、東日本大震災からの復興を目指す中で、デジタル技術を活用したまちづくりに積極的に取り組んでおり、「デジタル防災」アプリを活用しているとのことです。
市の担当者は「従来の安否確認は個別に住宅を訪問するなどアナログな方法だったが、アプリでは災害時に必要な情報を即座に共有できる」と話されています。
企業は、アプリ導入を検討する他の自治体との協議を進めており、既に20程度の自治体が関心を示しているそうです。
ひろしま避難誘導アプリ「避難所へGo!」は、災害が発生する前に適切な避難行動を行っていただくための防災アプリです。避難指示等の発令時、最寄りの開設避難所へのルート案内を行います。
滋賀県野洲市の防災アプリ「みたチョ」では、AR技術を用いた避難場所への誘導及び平時からの周辺避難場所の確認、気象庁の災害情報の確認、野洲市から避難情報等が表示されます。
このように、各自治体で個々の交通誘導アプリが活用されています。
特に車での移動中や出先など、周辺の地理情報が乏しい場合などにも活用できるアプリは安心であり、民生委員さんの高齢化もあり、高齢者の見守り機能としても有効であります。
DX推進事業の一つとして、ぜひ八幡浜市にも取り入れていただきたいと強く要望いたします。
次です。農業への影響について。
着雪によるかんきつ等の倒木やビニールハウスの倒壊などの被害が多数発生し、農業従事者の方々は、ミカンへの被害が広がらないように、長時間枝に積もった雪や屋根の除雪作業に追われたとお聞きしています。
まず、ビニールハウス・倉庫等の被害について。
今回の積雪は、特に雪が水分を多く含んでおり重く、雪の重みでビニールハウスや倉庫が倒壊する被害が多数発生したとお聞きしております。
まず、施設の被害、かんきつへの影響についてお伺いいたします。
○議長(佐々木加代子君) 農林課長。
○農林課長(松本有加君) お答えします。
施設の被害につきましては、先ほど菊池 彰議員の御質問にお答えしましたとおり、市内全地区合わせてビニールハウスの全壊が4万767平米、半壊が9,790平米、一部倒壊が2万平米、軽微な被害が2万1,300平米、合計9万1,857平米という状況です。
また、かんきつへの影響につきましては、ビニールハウスの倒壊による枝折れ等の被害は確認しておりますが、積雪や低温による果実そのものの被害は、もう少し時間がたたないと分からないとのことなので、現時点では把握できておりません。
以上でございます。
○議長(佐々木加代子君) 攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君 宮内、喜須来、日土、双岩、千丈、高野地など7割近くが全壊であると新聞記事でも読んでおります。
次です。農業従事者への支援、施設の耐雪強化についてです。
被災した農業従事者の中には、高齢で今後の農業存続を懸念されている方が多く、支援金や融資制度の拡充やビニールハウスの耐雪構造への改修支援、農業者への雪害対策に関する情報提供の仕方や技術指導等、市としての支援や助成が必要であると考えられます。この点について市のお考えをお聞かせください。
○議長(佐々木加代子君) 市長。
○市長(大城一郎君) 台風や大雪などの自然災害によるビニールハウスの倒壊等については、生産者が加入する農業共済制度の園芸施設共済の掛金に応じて補償金が支払われます。
標準コースでは、設置から10年以上経過した古いハウスも、撤去費用を含め新築時の資産価値の4割まで補償され、さらに特約をつけることで100%まで補償されます。なお、標準コースの掛金の半分は国が負担する制度となっています。
また、収入についても、農業経営収入保険により、収入額が一時減収となった場合、減収額の90%を上限に補填されます。
このことから、愛媛県では、前例に倣い、ビニールハウスへの支援ではなく、雪害により弱ったミカンの木を回復させるための液体肥料の購入費に対して補助することを決定しましたので、市としても、県と同率の3分の1上乗せして補助する予定です。
また、農業者への雪害対策に関する情報提供や技術指導等につきましては、市としては専門的な知見を持ち合わせていないため、必要に応じて愛媛県の公表している技術資料を提供するとともに、JAの営農指導員や愛媛県の普及指導員と連携し、市でできることがあれば対応をしてまいります。
なお、これらの被害の詳細がさらに明らかになってくると思います。先日、知事と被災地を一緒に視察しましたが、そのときに知事のほうからも、このような災害に対して、被災者に寄り添うことが一番大切だというふうに言われておりましたので、引き続きJA・国・県と情報共有しながら、そのほかの支援についても検討していきたいと考えています。
○議長(佐々木加代子君) 攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君 県からの液肥の助成と各種保険等の説明をしていただきました。
ビニールハウスの修理に大きな農家さんであれば8,000万円ほどかかるとのお声もありました。
説明の中にもあったように、大雪による低温障害等で中晩柑類が今後さらに減少すると予想され、「今後ハウス栽培をやめる」との回答が22施設あったそうです。
農林水産省では、被災農業向け経営体育成支援事業として、農業用ハウス、果樹棚、畜舎等の建築・修繕、農業用機械の取得について助成をしているようです。
また、ふるさと納税を活用して、災害時に被災自治体の復旧・復興のための寄附金を募る「ふるさとチョイス災害支援」を活用している自治体もあるようです。
全農家が保険に加入しているとは限らず、農業存続も危惧されます。農業従事者の減少により、八幡浜市の大きな財源の一つであるふるさと納税への影響も心配であります。
みかんのまち八幡浜市を守る市独自の補助金や低利融資の提供、技術支援等、迅速な支援等を御検討いただくことを要望いたします。
また、ニュースや新聞記事を見て、砥部町のボランティアの方より八幡浜市の復興支援に入りたいとのありがたい御連絡をいただき、現在、JA、市役所農林課と相談しながら検討いただいているところです。
今後は、災害時における他市町との連携も大切であろうと考えます。
国は、南海トラフ巨大地震に備え、大きな被害が想定される東海から九州にかけての10の県に対して、支援に当たる自治体をあらかじめ決めておく計画を新たに策定しました。来年度から運用予定であり、愛媛県には群馬県が支援に当たります。
事前に支援する自治体を決めておくことで、ふだんから連携が進み、災害対策の効果も高まり、地震が起きたときは支援する自治体が国からの要請を待たずに職員を派遣できるようになります。県は今後、避難訓練実施に向けて、群馬県との協議を重ねていくとのことでした。
群馬県は、過去100年内に震度4以上が77回と、地震や災害の少ない地域であり、今年移住したいランキング1位に輝き、4年連続1位であった静岡県を抜いたとの報道がありました。学ぶべきことも多いため、ぜひ一度視察に伺いたいと思っております。
次です。市民生活の影響についてです。
市内各所で大雪の積雪が観測され、市民は慣れない雪かきや雪下ろし作業に追われ、日常生活に支障を来しました。
水道管の凍結や被害の状況についてお伺いいたします。
○議長(佐々木加代子君) 水道課長。
○水道課長(山本 覚君) お答えします。
水道管の凍結については、2年前に低温・降雪により市内で100か所以上の水道管の凍結・漏水があったことを踏まえ、今回は降雪前から連日、防災行政用無線で凍結防止の注意喚起をしたところ、多くの市民の方が凍結防止に協力してくださり、幸いにも水道課への水道管凍結の通報はありませんでした。
しかし、凍結ではありませんが、屋根からの落雪によって屋外の立水栓が破損したという被害通報が3件ありました。
以上です。
○議長(佐々木加代子君) 攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君 私自身も除雪のための準備は全くしておらず、ちり取りで雪かきをしましたが、ホームセンターでは雪かきのスコップが完売、スーパーでは食料品が品薄状態になった地域もあったようです。
また、豪雪のため予定していた物資が何日間も届かず、事業者の皆さんも大変御苦労されたとお聞きしております。
積雪前から何回も水道凍結防止のアナウンスが流れており、水道管にタオルを巻いたりカバーをしたりしておられる御家庭も数多く見受けられました。今後ともよろしくお願いいたします。
次です。高齢者・要支援等福祉事業関係の影響についてです。
独居の高齢者や介護の必要な方や毎日の医療支援が必要な方など、豪雪で外に出ることができない方も多くおられたとお聞きしています。市としての対応や今後の課題についてお伺いいたします。
○議長(佐々木加代子君) 市民福祉部長。
○市民福祉部長(福岡勝明君) お答えします。
特に積雪がひどかった2月5日、6日における、市内の訪問介護事業所及び訪問看護事業所のサービス提供の状況については、交通状況が悪く、職員もそろわなかったことから、リハビリや掃除などの急を要しない支援は中止にし、家族で対応できる家庭は家族にお願いしたり、前後に訪問日を振り替えるなどの対応をしたと聞いています。
ただし、人工呼吸器など医療機器を使用している方、状態の悪い方、おむつ交換など頻回な清潔保持が必要な方、支援者のいない独居の方、これらの方は優先して時間の調整をするなどしてサービス提供を行ったとも聞いています。その際、雪により車で行けない利用者宅には、長時間徒歩で訪問するなど、大変な苦労をされたとのことです。
また、市役所の地域包括支援センターが関わっている高齢者は、御自身で対応できる方や家族や近隣の支援が得られた方がほとんどでしたが、食品の買い置きや移動スーパーで食事の確保ができたという方がいらっしゃる一方で、中には御飯と漬物など簡単なもので過ごしたという方もいらっしゃいました。
今回の大雪は、雪に慣れていない私たちの想定を超えるものでありましたが、それぞれの事業所で安全面を考慮し、可能な範囲の対応をしていただいたものと思われ、事故や被害の報告もなく、安堵しているところです。
大雪は、大雨や台風と同様、地震と違い、事前に予測可能であるため、今回の大雪災害を教訓に、事業所や高齢者に向けて、大雪の際にも備えが必要であることについて周知していきたいと考えています。
以上です。
○議長(佐々木加代子君) 攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君 医療や福祉従事者の方が大変御苦労されたことを理解しました。
孤立地域でのオンライン診療や、緊急時・災害時等での訪問介護・看護の仕方など、今後考えていかなくてはならないことがたくさんあります。先ほど述べた防災DXとともに医療DXを市として推進いただきたいと思います。
特に民生委員さんの成り手不足解消のためにも、アナログからDXへよろしくお願いいたします。
次です。南海トラフ地震を見据えた今後の備えについて。
今回の豪雪により、八幡浜市では様々な課題が浮き彫りになり、防災対策の重要性が改めて認識されました。
運転手への冬用タイヤ、チェーン等の装着や安全運転の啓発、被災者への生活支援金の支給、施設の修理費用の一部補助、農業者への被害状況に応じた支援策、また豪雨・豪雪等の今後の自然災害への備えや南海トラフ地震などの大規模自然災害に対する備えとして防災体制の強化、迂回・避難経路の確保や避難場所の拡充、防災訓練の実施や市民への防災意識の啓発、関係機関との連携強化、インフラの整備、道路や橋梁などの耐震化、ライフライン(電気・ガス・水道)の安定供給、地域防災力の向上、自主防災組織の育成、住民への防災教育の推進などなど、多くの課題があります。
本年度、愛媛県では、最新デジタル技術を活用し、災害対応力の強化を図るための新防災オペレーションルーム整備事業3,095万円が予算化されています。
八幡浜市も南海トラフ地震による避難を想定した市道愛宕緑ヶ丘線、八幡浜高野地線(大法寺から愛宕中学校)の道路拡幅・改良工事等を含む愛宕山プロジェクト事業に1億2,071万円の予算計上をしています。
先日、人命を救うこと、災害からの回復をできるだけ早くすることを目標とした愛宕山プロジェクト住民説明会が、白浜、江戸岡、そして今月末には松蔭地区で開催されます。
南海トラフ地震の最大震度は7、津波の高さは八幡浜港では51分で1メートル、72分では9メートルに達し、津波による死者は504人と想定されています。
愛宕山プロジェクトでは、津波避難困難地域人口336人185世帯、徒歩避難可能エリアの高齢者を含む世帯の70%である1,046世帯、1世帯1台として計算を足した車1,231台を車避難と想定し、愛宕山に565台を収容できる避難地が必要としており、現在大法寺から愛宕中学校までの全長680メートルの道路を整備しているところです。
今後、防災広場や分散避難地の平常時、復旧・復興時の活用法については、市民の皆さんと検討していきたいとのお話でした。
なお、愛宕山プロジェクトは令和3年から開始し、令和26年工事完了予定となっております。
また、フェリーターミナル津波避難ビル、先日、避難誘導灯付地震解錠ボックスを設置したJAにしうわ、今後建設予定である魚市場付近の立体駐車場を含む3か所の津波避難ビルも、従来の津波避難指定ビルに追加されました。
JAにしうわは、避難場所に指定されているものの、夜は職員が不在で鍵が開かないため避難できないとの地域住民からの声で、地震解錠ボックスが設置されました。
地域のことは住人でなければ分かりません。八幡浜市夜間津波避難対策事業補助金を活用して、市民自ら自分の町を守ることも大切です。
そこで、理事者より再度、夜間津波避難対策事業補助金について市民の皆様に説明いただきたいと思います。
○議長(佐々木加代子君) 総務課長。
○総務課長(宇都宮久昭君) お答えします。
八幡浜市夜間津波避難対策事業補助金は、令和5年度から7年度までの3か年において、愛媛県と宇和海沿岸5市町で、夜間の津波発生時に安全に避難し、滞在できるよう、避難路及び一時避難場所の環境整備に必要な経費の一部を津波災害警戒区域に所在する自主防災会に対して補助するものです。
本市においては、12地区自主防災会47組織が該当しています。
補助金の上限額は、避難場所を含む1避難路に対して、市が2分の1、県が2分の1、それぞれ100万円を上限に合計200万円まで補助するものです。
補助対象となるものは、夜間の避難時の安全を確保するために行う避難路等の整備として、停電時にも点灯可能な街路灯の整備、避難路における転落防止柵の整備、避難路の舗装、避難場所に設置する防災倉庫の整備などとなります。
あくまでも新規設置のみが対象となるため、県または市の事業により過去に整備された設備の補修や交換などのための経費は補助対象外となります。
以上でございます。
○議長(佐々木加代子君) 攝津眞澄議員。
○攝津眞澄君 今回の豪雪災害を体験して、災害時の物資の品薄や流通網遮断への対策は、備蓄・流通確保・需要抑制・情報伝達の4つの側面から考える必要があると考えます。
備蓄では、家庭で最低3日間、できれば1週間分の食料品、飲料水、衣料品などを自宅に備蓄するローリングストックを徹底する。
流通確保では、備蓄品の分散化。備蓄品など様々な施設で分散して備蓄することで、1か所の被災による被害を最小限に抑える。また、耐震性のある倉庫を確保する。停電時にも活動が継続できるよう発電機を備え付ける。トラックだけでなく、ヘリコプターや船舶、ドローンなど、多様な運送手段を確保する。
需要抑制では、適切な情報提供。災害発生時には冷静な情報提供を行い、買占めやパニック買いを防ぐ。特定商品が品薄になった場合、代替品の提案。以前マスクが品薄になったとき、ガーゼで手作りしたり、キッチンペーパーでマスクをつくったり等の提案がありました。新聞紙でスリッパ、包帯の代わりにサランラップを活用など、代替品としての活用方法を知っておくとよい。6月に開催される「福祉のつどい」では、八幡浜市女性消防団として初めて防災工作をはじめ、知ってて得する防災・減災に役立つ情報を発信したいと考えております。先ほど御説明にもあったように、家具の固定の仕方やそのチラシの配布なども考えておりますので、ぜひ皆さんの参加をお願いしたいと思います。
情報伝達では、テレビ、ラジオ、インターネットなど多様なメディアを活用して災害情報や物資の供給状況などを一元的に管理・発信する専用アプリの必要性を感じます。
また、極寒に不慣れな我々は、冬の夜間などに発生した際の備えが十分ではありません。今回のような大雪の中で地震が起きたらと考えると、とても怖いです。特に高齢者や子供は体温を奪われやすく、低体温症のリスクが高いとされており、防水性・透湿性の高い服装、アルミ製の防寒用具や懐炉等の準備が必要です。
車内で寒さをしのげる対策や、トイレや食料の環境も個々で備えておかなければなりません。
資材等の供給については、ダスキンなど民間企業と協定を結んでいる自治体もあるそうです。
理事者の皆様におかれましては、市民の安全・安心な暮らしを守るために、今回の豪雪災害の教訓を生かし、今後の自然災害に備えた対策をより強固に構築していただくことを切に願っております。
以上で私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。