公開日 2026年03月12日
〔杉山 啓君質問席へ移動〕
○杉山 啓君 12月に入り、朝晩の冷え込みに冬らしさを感じるようになりました。日々目にする神山小学校正門両脇に並ぶ立派なイチョウの木をはじめ、各所の木の葉の色づきも見頃を迎え、本市が誇る温州ミカンも赤みを増して収穫の最盛期を迎えております。先日は、きれいに色づいた富士柿のお裾分けをいただく機会にも恵まれ、その上品な甘さを堪能したところでございます。
私たちの暮らしの身近にある木々の存在感をひときわ大きく感じる季節の中、9月定例会で可決された補正予算に基づき、神山こども園移転予定地である王子の森公園の木々の伐採も行われました。近隣に住む方からは、切られた木々を惜しむお声も伺っております。物事を進めるに当たっては、失われるものもまたあるのが世の常ではありますが、失われるものへの思いにも最大限御配慮いただきつつ、しかし先人たちに倣う進取の気性をもって、八幡浜市民のよりよい未来のために今回も誠意ある御答弁をお願いいたします。
大綱3点に基づいて一般質問を行います。
まず、「総合計画の広報について」伺います。
10月9日から11月7日にかけて、第3次八幡浜市総合計画(案)に対するパブリックコメントの募集が行われました。募集開始に際して、愛媛新聞に掲載されたほか、市のウェブサイトの新着情報一覧にも並べられていたかと思いますが、その他の手段を含めてどのように広報し、何件の意見書を受領したのでしょうか、伺います。
○議長(菊池 彰君) 政策推進課長。
○政策推進課長(松良喜郎君) お答えします。
第3次八幡浜市総合計画(案)に対するパブリックコメントの広報手段と、その結果、受領しました意見書の件数についてお答えします。
本計画案につきましては、議員が言われるとおり、令和7年10月9日から11月7日までの30日間、パブリックコメントの募集を行いました。その広報手段としましては、八幡浜市パブリックコメント制度実施要綱に基づき、より多くの市民の皆様に周知を図るため、以下の方法で実施しました。
まず、市の公式ホームページにおきまして、新着情報へ掲載するとともにパブリックコメントのページを設け、計画案の全文、意見提出様式などを掲載し、どなたでも閲覧・ダウンロードできるようにしました。次に、愛媛新聞をはじめとする報道機関へ情報提供を行い、記事として取り上げていただくことで周知を図っております。また、市役所本庁舎の政策推進課窓口及び保内庁舎管理課窓口におきまして、関連資料一式の閲覧と配布を行いました。
これらの広報活動の結果、募集期間中に2件の貴重な御意見をいただきました。
提出いただきました御意見につきましては、市のホームページでの回答のとおり、今後の計画策定において十分考慮させていただき、市民の皆様とともに活力ある八幡浜市の未来を築くためのよりよい総合計画となるよう努めてまいります。
○議長(菊池 彰君) 杉山 啓議員。
○杉山 啓君 意見書の提出は2件にとどまったとお話しでしたが、パブリックコメントの意見書以外の形でも何かこの期間、審議会外からの意見はなかったのでしょうか。
○議長(菊池 彰君) 政策推進課長。
○政策推進課長(松良喜郎君) パブリックコメントの2件以外に特に意見はありませんでした。
○議長(菊池 彰君) 杉山 啓議員。
○杉山 啓君 大事な計画ですが、そうですね。この総合計画案は、第1章第1節に記述のあるとおり、本市が向こう10年間「まちづくりの基本」「まちづくりの指針」とする重要な計画であると認識しております。その大事な計画に対して市民からの意見提出がごく僅かにとどまったことは残念で、今後の計画の実効性にも不安が残ります。
まちの姿は、行政だけでなく全ての市民の日々の営みによってつくられていくものです。ゆえに、総合計画をまちづくりの基本とするからには、より多くの市民の目に留まり、より多くの意見が集まるよう工夫すべきだったのではないかと考えます。
今回のパブリックコメントについて、議員に対しては10月22日に事務局を介した周知が行われましたが、市民に対しては、募集を始めた際の各新聞やウェブサイトへの掲載以降、広く周知する取組は見られませんでした。例えば、市のLINE公式アカウントからメッセージを配信したり、市のウェブサイトでも新着情報に埋もれていかないトップページの注目情報欄に掲載したりすることはできなかったのでしょうか。
○議長(菊池 彰君) 総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君) パブリックコメントにおいてより効果的な広報手段はなかったのかという御質問にお答えをいたします。
まず、議員が言われるとおり、第3次総合計画(案)のパブリックコメントに際しまして、市民の皆様から寄せられた御意見が少数にとどまったことは今後の課題であると認識をしております。
しかしながら、本計画案作成に当たりましては、パブリックコメントの前の作成段階におきまして、市民2,000人及び市内の高校2年生の全てを対象に市民アンケートを実施したほか、まちづくりワークショップを2度開催し、市内各地区や各種団体に所属する若い世代、子育て世代の方など市民50人以上の方からたくさんの御意見をいただき、計画案に反映をしているところです。
しかし、やはりまちづくりは行政だけでなし得るものではなく、市民の皆様お一人お一人の御意見や御協力を得て進めるべきものと考えたとき、計画素案に対するこのたびのパブリックコメントにおきましてはより多くの御意見をいただくための工夫が足りなかったと反省しているところです。そこで、今回御提案いただきましたLINE公式アカウントでの情報発信や、市ホームページのトップページ注目情報欄への掲載は、情報が他の新着情報に埋もれることなく市民の皆様の目に確実に届けるための大変有効な手段であると認識しております。
なお、今後のパブリックコメントの実施に当たりましては、従来のホームページの新着情報への掲載といった手法に加え、今回いただいた御提案を参考にデジタルツールを積極的に活用して、より分かりやすい情報がお届けできるよう広報の在り方を改善してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(菊池 彰君) 杉山 啓議員。
○杉山 啓君 広く意見聴取の際における広報の改善、ぜひ今後取り組んでいただければと思います。
総合計画がまちづくりの基本として機能するためには、策定後も全ての市民が折に触れて参照できるように公開方法も改善すべきと考えています。
今年度までを対象期間とする第2次八幡浜市総合計画は、市のウェブサイトのトップページからは容易にたどり着けないページに掲載されており、サイト内検索をすればようやく見つけられる知る人ぞ知る存在になってしまっています。トップページからすぐにたどり着けるよう改善できませんか。
○議長(菊池 彰君) 総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君) お答えします。
まず、議員が言われるとおり、市の最上位計画である総合計画は、策定するだけでなく、市民の皆様がいつでも分かりやすく参照でき、まちづくりの指針として共有されてこそ、その意義が発揮されるものと思います。よって、市のホームページの構成をいま一度精査し、トップページに総合計画に関するページの入り口となるバナーやメニュー項目を常設する方向で検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(菊池 彰君) 杉山 啓議員。
○杉山 啓君 前向きな御答弁をいただきました。ぜひお願いいたします。
続きまして、大綱2つ目「総合計画に掲げられた目標について」も伺ってまいります。
第3次八幡浜市総合計画(案)の第1章第3節に、第2次八幡浜市総合計画を振り返る内容が記述されています。この中で各指標の達成状況も示されていますが、施策分野でいえば「1健康・福祉」「4都市基盤」「5教育・文化・スポーツ」の3項目で全体達成率が50%を下回っていることが気になります。ただ、これらの数値は単純に目標を設けた指標の数で達成した指標の数を割り算しただけの値であり、内実は目標に惜しくも届かなかったもの、達成には程遠かったものなど、様々あろうかと思います。しかし、本文の記述からはその内実を読み取ることができません。ひとまず、例に挙げた3項目について、全体達成率が低い値にとどまった理由を御説明願います。
○議長(菊池 彰君) 政策推進課長。
○政策推進課長(松良喜郎君) お答えします。
第2次総合計画における目標達成率が低い分野の理由についてお答えします。
第2次総合計画の成果を検証しますと、議員が言われるとおり、「1健康・福祉」「4都市基盤」「5教育・文化・スポーツ」の3分野において目標達成率が50%を下回る結果となりました。この背景には、計画策定時には予想し得なかったこの10年間の急激な社会経済情勢の変化が大きく影響しています。特に、想定を上回るペースでの人口減少や少子高齢化の進展、新型コロナウイルス感染症の拡大、地域的な事案では平成30年7月豪雨などが各施策の推進に大きな影響をもたらしたことが主な要因と考えています。
分野ごとに未達成となった項目のうち、主なものの要因を御説明します。
まず、20項目中12項目が未達成となり、達成率40%の「1健康・福祉」の分野では、「介護予防に資する住民運営の通いの場」の会場数について、参加者御自身の高齢化により会の運営が困難となり、解散・休会する団体が増えたという本市の高齢化の現実を象徴する構造的な課題に直面したためです。
また、胃がん検診や乳がん検診の受診率につきましては、目標値算定の母数に職場で受診される方なども含まれており、実態との乖離が生じやすいという指標設定上の課題があったものと分析しております。
次に、18項目中13項目が未達成となり、達成率27.8%の「4都市基盤」の分野では、多くの事業が計画どおりに進捗しませんでした。大洲・八幡浜自動車道や国道378号の整備につきましては、用地交渉の難航に加え、国の予算配分が県の要求額に満たない状況が続き、本市単独の努力だけでは解決できない外部要因が大きく影響しました。
また、市民のライフラインを支える上下水道施設の耐震化や更新にも遅れが生じました。これは、水道事業における愛宕第4配水池の想定外の事業費高騰に加え、下水道事業においては、平成29年・30年の豪雨災害からの緊急対策として神越ポンプ場の建設を最優先せざるを得なかったことが大きな要因です。
最後に、15項目中11項目が未達成となり、達成率26.7%の「5教育・文化・スポーツ」の分野では、学校統廃合が目標どおりに進みませんでした。これは、学校が地域コミュニティーの核であるという側面から、保護者や地域の皆様の理解を得るために丁寧な合意形成に時間を要したことに加え、コロナ禍により大きな環境の変化を避ける必要があったことや対話の機会が制限されたことも影響しております。
また、文化・スポーツ活動の担い手不足も顕著になりました。市スポーツ協会や文化協会の加盟者数の減少は、役員の高齢化によって団体の維持そのものが困難になったことなどの要因によるものです。
さらに、今回の検証では、中央公民館利用者数のように、目標年度である令和6年度に建物が存在しないため利用者がゼロになり、指標としては機能しなかった項目もございました。
説明は以上となります。
○議長(菊池 彰君) 杉山 啓議員。
○杉山 啓君 目標を立てたからには、それがどうなったかという事後の検証、これも重要なことかと思います。
今回、第3次総合計画(案)に記載し切れなかった内容についても、ぜひ説明があったほうが今後のまちづくりに資するというものもあろうかと思いますので、様々な場での市民に向けた情報公開も検討いただければと思います。
そして、実績値が特に目標から遠かった項目については、そもそも達成するつもりのある目標だったのかという疑念が生じてきます。マネジメント論の分野では、事業において設定する目標には十分な具体性や測定可能性そして達成可能性が備わっていなければ有効に機能しないことが論じられています。具体的な施策によって達成する見通しを持った目標でなければ設定する意味はなく、この種の計画に対してしばしば見られる形骸化という批判を免れ得ません。
例えば、第2次八幡浜市総合計画中「1健康・福祉」の項目では、市内の出生数や婚姻届出数を指標として数値目標が掲げられました。市内の出生数は、平成26年時点の実績値が183人で、10年後の目標として掲げられていたのが200人だったのに対し、令和6年の実績が115人、婚姻届出数は、平成26年時点の実績値が112組で、10年後の目標が130組だったのに対し、令和6年の実績が60組と、いずれも目標及び10年前の実績値を大きく下回りました。
市内の出生数と婚姻届出数は、第3次八幡浜市総合計画(案)でも「政策分野1こども・教育」の中で指標とされ、数値目標が設定されています。令和17年に市内の出生数は160人、婚姻届出数は70組が目標とされ、いずれも令和6年時点の数から増やそうという、第2次総合計画では達成できなかった挑戦的な目標が掲げられていますが、達成するための具体的な対応策として記述されている内容は、第2次総合計画の中でも記述されていた施策に妊娠・出産の費用助成を加えた程度のもので、達成できる見込みが薄いように思えてなりません。
令和5年8月に内閣府が発表した「令和5年度年次経済財政報告」の中では、若年層の所得の低迷と不安定さが婚姻・出産の重大な阻害要因であることが示されています。現在の所得もさることながら、将来の自身の所得が子供を進学させるのに十分足りるだろうという期待ができなければ、なかなか結婚や出産には踏み切れません。出生数や婚姻届出数についての数値目標を達成するには、この観点を踏まえて、若年層の所得を向上させる具体的な施策も必要だろうと思われます。
本市としては、婚姻・出産の阻害要因をどのように捉えており、令和17年の数値目標をどのような施策によって達成する見通しなのでしょうか。また、目標の数値をどのように設定したのか、算定の考え方も併せてお答えください。
○議長(菊池 彰君) 市長。
○市長(大城一郎君) 出生数や婚姻届出数の目標達成の見込みに関する質問ですが、議員の言われるとおり、若年層の経済的な安定は結婚・出産を考える上での大前提であり、極めて重要な要素であると認識をしております。その上で、ニッセイ基礎研究所の人口動態シニアリサーチャーである天野馨南子氏の調査研究も踏まえ、本市の認識と今後の取組について御説明をさせていただきます。
天野氏のデータが鋭く指摘している点は、出生数減少の最大の要因は、夫婦が持つ子供の数の減少ではなく、そもそも結婚するカップルの数の減少にあるという事実であります。そして、その未婚化の背景には、経済問題に加え、若者世代の価値観の大きな変化があります。
現代の若い男女の理想は、もはや「夫は仕事、妻は家庭」というかつてのモデルではなく、「男女が共に働き、共に子育てをする家庭」を圧倒的に望んでいます。つまり、今後の人口減少対策は、若者たちが経済的な安定を得られること、そして男女が共に働きながら安心して子育てができる社会を築けること、この2つが若者に選ばれる町となるための必須条件であると考えています。
市民アンケートの結果を見ても「雇用の場の確保」の満足度が3番目に低い項目の一つであり、多くの若者が安定した職を求めて市外へ転出しているのが現状であります。まず、若者が地元にとどまり、あるいは市外から集まる魅力的な雇用の場を創出することが全ての出発点となります。この認識に基づき、本市では目標達成に向けて「経済基盤の安定」と「子育てと仕事の両立支援」を車の両輪として、以下の施策を強力に推進してまいります。
まず、経済的な不安を解消するため、企業誘致や創業支援による雇用の場の創出、若者が経済的な見通しを持てる環境を整えます。同時に、現代の若者の価値観に応えるため、男女が共に輝ける環境づくりを進めます。具体的には、多様な保育ニーズに対応する保育サービスの充実、男性の育児休業取得を後押しする企業への啓発、そして女性がキャリアを中断することなく活躍できる多様な働き方の支援などを通じ、若者が望んだライフステージに安心して進むことができる社会を実現してまいりたいと考えています。
なお、第3次総合計画の目標値の算定根拠でありますが、出生数160人については、本市が将来目指すべき人口目標を定めた「第3期八幡浜人口ビジョン」における令和17年度時点の数値であります。また、婚姻数70組につきましては、愛媛県の交付金事業の目標を踏まえ、本市の施策効果を反映させた挑戦目標として設定をしております。
以上です。
○議長(菊池 彰君) 杉山 啓議員。
○杉山 啓君 御答弁の中で若年層の所得の安定、これも重要な課題と認識されているとお答えいただきました、認識が共有できているということを確認できましたので、ぜひ引き続き挑戦的な目標も含めて前向きに取り組んでいただけたらと思います。
それに関連しての質問ではありますが、第3次総合計画(案)の第4章「第3期八幡浜市総合戦略」の第2節「基本目標1」には、一人当たり市民所得を令和3年の実績値239万8,000円から、令和12年には280万円へと引き上げる目標が記載されています。施策には、農業や漁業、商工業の振興などについて記述されていますが、目標を達成するには、より細かい業種・業態や、就業者一人一人の働き方にも注目する必要があるのではないでしょうか。
本市は業者が多いことを主な要因として全国平均よりは事業主の比率が高くなっていますが、やはり就業者の多くは雇用者です。ゆえに、一人当たり市民所得を引き上げるには、雇用主が雇用者に支払う賃金が重要となりますが、賃金を引き上げることが構造的に難しい業種・業態もあろうかと思います。雇用主から見れば、固定費である賃金を引き上げるためには将来的にも売上げが増えるだろうという見込みが必要となる一方、本市周辺の生活者を対象とする事業では、人口減少により売上げの増加を見込むことが難しいからです。
そうした事業に従事する方々の所得向上を図るに当たっては、需要の減少に応じて少しずつ異業種に転職していただいたり、兼業で収入源を複数持っていただいたりといったことも考慮する必要があろうかと思います。この際に有用となる国家資格の取得等の職能訓練を市として促進できないかという意図も含めて、9月定例会の一般質問で資格取得支援制度の創設を提案いたしました。すぐに制度を設けることは難しいとの御答弁でしたが、現に県内他市町でも行われている施策ですので、ぜひ前向きに検討いただきたいと思っております。
国が実施する就業構造基本調査を基に、愛媛県では業種ごとの就業者数やその増減のデータを公開していますが、八幡浜市の単位では把握されているのでしょうか。また、売上げを増加させることが難しい事業に従事する方々を含めて、どのように市内の就業者の所得を向上させ目標を達成するのか、検討されている施策を御説明願います。
○議長(菊池 彰君) 副市長。
○副市長(菊池司郎君) 議員御指摘のとおり、一人当たり市民所得の目標達成は、市民生活の豊かさに直結する最重要課題の一つであると認識をしております。
本市におきましては、まず計画に掲げる農業、漁業、商工業といった本市の基幹産業の振興を力強く推進することが所得向上の基本であると考えております。特に、製造業など市外の需要を取り込める産業の成長は、市全体の所得向上につながるものと期待しております。その一方で、人口減少が進む中、小売業など地域内需要に依存する産業においては所得向上に困難な面があることも認識しており、複数の仕事を掛け持ちせざるを得ないなど、厳しい就労環境にある方々がいらっしゃる実情もございます。
これまで、市では、防災や医療など特定の分野の人材確保のため個別の資格取得支援を行ってまいりましたが、国の制度では支援が届かない個人事業主の方などもおられ、市民一人一人のスキルアップを促す新たな支援策の必要性も認識しております。その具体的な方策として、9月定例会で御提案の資格取得支援制度につきましては、当時答弁させていただきましたとおり、財政状況や公平性、また資格取得が人材の市外流出につながる懸念といった観点から、慎重な検討が必要であると考えております。そのため、現時点におきましても、制度創設に向けた具体的な検討には至っておりません。
なお、最初に申し上げましたように、産業そのものを強くすることが所得向上の基本となりますので、まずは新たな雇用の受皿となる企業誘致や外需獲得につながる販路拡大のほか、企業自体の事業拡大や事業転換に向けた前向きな取組に対して、しっかりと支援をしていきたいと考えております。
もう一つの御質問、市内の業種別就業者数につきましては、就業構造基本調査ではありませんが、国が実施する国勢調査や経済センサスに基づき、市として産業分類別に把握をしております。
以上でございます。
○議長(菊池 彰君) 杉山 啓議員。
○杉山 啓君 現時点での認識や把握されている内容、御説明をいただきました。引き続きといいますか、より一層といいますか、細かく市民の就業状態、現時点どういう状況で皆さん働いてらっしゃるのか細かく目を向けていただいて、その実態に即した所得向上の施策の展開を今後期待をいたします。
続いて、大綱3の「夜間中学の設置意向について」の質問に移ります。
9月末に、特定非営利活動法人やわたはま銀座バスケットを訪問し、休日子どもクラブ事業や子ども第三の居場所事業「あむ」についてお話を伺いました。また、10月には、国立大洲青少年交流の家で運営されている教育支援センター「おおずふれあいスクール」を攝津眞澄議員の呼びかけにより議員有志で視察をいたしました。いずれも、本市で登校に困難を抱えた児童・生徒に心理的安全性の高い居場所を提供する重要な事業であり、不登校対応の現状や課題について現場の視点からいろいろと教えていただきました。
この中で特に大きな課題であると感じたのが通所の困難です。おおずふれあいスクールでは保護者による送迎が原則となっていますが、保護者の仕事等の事情でどうしても送迎を行えず通所を断念する例もあるとのことでした。また、やわたはま銀座バスケットの事業においても、職員による送迎を一部行っているものの、負担は大きいとのことでした。
通所の困難に対処する施策としては、行政が委託する乗合タクシーなどによる直接的な送迎支援も考えられますが、別の方法として、開所時間帯の異なる居場所の運営、例えば夜間中学の設置も有効ではないかと考えています。
夜間中学とは、もともとは戦後の混乱期に昼間の就労を余儀なくされた方々などへの教育機会の提供を目的として、昭和20年代初頭に中学校に付設された学級ですが、現在では戦後の混乱で就学できなかった高齢者に加え、不登校などにより十分な教育を受けられなかった方、そして本国で十分な教育を受けられないまま我が国で働いていらっしゃる外国籍の方など、様々な方へ学びの機会を提供できることが期待されて文部科学省も推進している枠組みです。
平成28年12月に成立した「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」では、第14条において「夜間その他特別な時間において授業を行う学校における就学の機会の提供その他の必要な措置を講ずる」ことが地方公共団体に義務づけられています。その後、各種の閣議決定文書においても、全ての都道府県に少なくとも1つの夜間中学が設置されるよう促進する方針が示されています。
夜間であれば通所・送迎がしやすいという方もいらっしゃるのではないかと思いますし、夜間中学において外国籍の方への日本語指導を行っている事例を鑑みれば、より一層の共生社会の形成にも役立つのではないかと思われます。愛媛県にはまだ1つも夜間中学は設置されていませんが、記念すべき1例目が松山市ではなく八幡浜市であってもよいのではないでしょうか。
令和2年の国勢調査の回答では、未就学のまま学齢期を過ぎた方は本市に9名、最終卒業学校が小学校である方は本市に323名いらっしゃったそうです。外国籍の方は、今年の8月31日時点の集計で、本市に434名いらっしゃると伺っており、八幡浜地区施設事務組合所管の特別養護老人ホーム青石寮でも、今後、外国人労働者を受け入れる方針であるほか、福祉や農業、漁業をはじめとする分野でますます重要な担い手となっていただくことが予想されています。本市に夜間中学を設置することで得られる効果は十分に大きいのではないでしょうか。
第3次八幡浜市総合計画(案)の「政策分野1こども・教育」の「施策2学校教育の充実」などにも合致する施策であり、夜間中学の設置や教育活動に対する国の補助事業も行われています。本市で夜間中学を設置する意向はないでしょうか。まずは需要の調査だけでも行っていただきたいと思うのですが、理事者のお考えを伺います。
○議長(菊池 彰君) 教育長。
○教育長(井上 靖君) お答えします。
夜間中学校とは、議員御指摘のとおり、例えば戦後の混乱期で学齢期を迎えたものの学校に通えなかった人、親の仕事や結婚などで来日した外国人で学齢期を経過していた人たち、また不登校となって学校に通えないまま学校を卒業した人など、様々な理由から学べなかった人たちが学び直しができる中学校のことです。
県の教育委員会と連携して、平成30年度から夜間中学校の必要性を把握するためにニーズ調査を行っています。日本語、英語、ベトナム語、中国語で書かれた夜間中学校アンケートを、市役所、市民文化活動センター、一部地区公民館、図書館など、市内13か所の窓口に置かせてもらいアンケートを実施していますが、現在までのところ回答はありません。
今後も本調査を継続したいと思いますが、現在、県が設置に向けて先進地視察などを行っていますので、本市としてはその動向を見守っていきたいと考えています。
以上です。
○議長(菊池 彰君) 杉山 啓議員。
○杉山 啓君 需要の調査については、主に外国人労働者向けには行政の窓口に質問紙を置いているとのことですが、回答のハードルの高さなどもあろうかと思います。存在も知っているかどうかというところもあろうかと思います。雇用主に協力を依頼するなど、より回答しやすくなるよう調査方法を改善することはできないのでしょうか。また、外国人労働者以外、広く需要を調査する意向はないのでしょうか、伺います。
○議長(菊池 彰君) 教育長。
○教育長(井上 靖君) お答えします。
調査方法につきましては、アンケートを設置する場所を市内の店舗や事業所等に拡大したり、広報等を活用したりして、より一層の周知に努めていきたいと思います。
また、学齢期に義務教育を受けられなかった人や外国にルーツを持つ方々を対象としてアンケートを実施していますが、それ以外の例えば現在小・中学校に在籍している不登校児童・生徒に対するアンケート等については、今後の検討課題とさせていただきます。
以上です。
○議長(菊池 彰君) 杉山 啓議員。
○杉山 啓君 ぜひ御検討ください。先人たちの進取の気性に見習って、県の動向をうかがうだけではなく、率先して取り組んでいくという姿勢を見られるとうれしく思います。
結びに移りますが、繰り返しになりますが、具体的な施策によって達成する見通しを持った目標でなければ設定する意味はなく、せっかくの総合計画もつくった労力に見合わないものとなってしまいます。設定したからには必ず目標を達成するという意志を持って行政運営に当たっていただくことを強く要望いたしまして、一般質問を終わります。
