一般質問(一問一答)R8.3 杉山啓議員

公開日 2026年06月08日

〔杉山 啓君質問席へ移動〕

○杉山 啓君  2月22日に川之石地区交流拠点施設みなせにて2024年のノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会の四国ブロック代表理事である松浦秀人さんをお招きしての講演会を開催いたしました。
 開催に当たっては、実行委員に名を連ねていただいた遠藤 綾議員をはじめ、運営を手伝ってくださった先輩議員の皆様、協賛いただいた八幡浜ライオンズクラブ、愛媛県行政書士会八幡浜支部、後援いただいた愛媛新聞社、八幡浜市、八幡浜市教育委員会、八幡浜市職員労働組合、そして伊方町など、いろいろな立場の皆様に様々な形で御協力をいただき、核兵器にまつわる議論について深く考える機会をつくることができました。
 この場を借りて改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。
 御講演の中では、被爆者が差別や偏見にさらされる中、自ら団体を結成し、行政や社会への働きかけを行っていくことで、医療費等の支援制度がつくられ、その内容や対象範囲が拡充されてきた歴史も語られました。
 政治においては、課題に気づいた人が声を上げられること、そして多くの人が課題に気づけるようにすることがとても重要であるという現実を再確認したところでございます。
 この認識を踏まえ、また、昨日の卒業式を経て巣立っていく高校生の未来にも思いをはせながら、大綱3点について質問してまいります。
 理事者の皆様におかれましては、先人たちに倣う進取の気性をもって、誠意ある御答弁をお願いいたします。
 さて、1月に総務産業委員会の行政視察で大分県豊後高田市を訪問しました。
 豊後高田市は、ふるさと納税を主な財源とした子育て支援や移住・定住促進施策の先進自治体として知られており、2025年まで12年連続で転入者が転出者を上回る社会増を達成しています。
 この成果には、豊後高田市の実施する様々な補助・助成事業が寄与しているものと思われますが、個々の内容を見ると、高校生までの医療費無償化などは八幡浜市も実施しておりますし、住宅改修費用の補助などは八幡浜市のほうが上限金額が大きく、本市も豊後高田市と比べて遜色ない取組をしているようにも見受けられます。
 しかし、総務省が発表する住民基本台帳人口移動報告によれば、確認した限り、本市では2020年以降ずっと転出者が転入者を上回る社会減が続いています。
 この違いを生む要因として、豊後高田市には県営の大分北部中核工業団地が立地し、雇用の大きな受皿があることが大きいと考えてはいますが、市の補助・助成事業の違いにも着目して、本市で今後取り組める施策を考えてみたいと思います。
 豊後高田市の補助・助成事業の特徴として、例えば、子育て応援誕生祝い金や孫ターン奨励事業、空き家マッチング奨励事業など、かかった費用に対して補助するのではなく、条件を満たせば一定額を給付する事業の多いことが挙げられます。
 こうした事業は、一件当たりの金額は少額でも、費用補助と比べた手続の簡便さや対象者への該当しやすさ、費用に関係なく一定額をもらえるお得感などから、特に転入を促す効果が高いのではないかと考えます。
 しかし、公金支出の公平性の観点から、費用に対する補助と比べて慎重な検討を要するという考え方もあるかもしれません。
 そこでまず伺います。
 本市の人口減少対策に関わる各種補助・助成事業の中で、費用補助ではなく、定額給付型の事業にはどのようなものがありますか。
 また、本市では、各種補助・助成事業の実施を検討する際に、費用補助型事業と定額給付型事業との違いや公金支出の公平性についてどのような見解を有し、検討しているのか、お答えください。
○議長(菊池 彰君)  総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君)  お答えします。
 まず現在、本市が人口減少対策として実施している各種補助・助成事業のうち、定額給付型の性格を持つ事業としましては、3つの事業がございます。
 まず1つ目は、妊娠届出時に妊婦一人につき5万円、胎児一人につき8万円、そのうち3万円は市の単独になりますが、それを給付する「妊婦のための支援給付」、そして2つ目は、多胎児の出生時と1歳時にそれぞれ12万円を給付する「多胎児支援事業」、そして3つ目は、利用者の補助申請時の負担軽減を図るために、先月2月2日から運用を変更し、補助型から給付型としました「出産世帯応援事業」で、これは出生時に新生児一人につき上限20万円または10万円を給付する事業であります。
 この3事業が現時点におきまして、本市が実施をしている定額給付型の助成事業となります。
 次に、費用補助型事業と定額給付型事業の違いや公金支出の公平性について市の見解をお答えします。
 費用補助型と定額給付型の違いとしましては、まず定額給付型は、一定の条件に該当すれば比較的申請が容易で、より多くの方に制度を活用していただきやすいという特徴があります。
 一方で、費用補助型は、申請時に必要書類が多く、利用者の負担が大きくなることや後払いになること、対象経費によって補助金額に変動があるといった課題はあるものの、補助目的を明確に定め、実費に応じた適正な公金支出が可能であるという利点があります。
 費用補助型事業と定額給付型事業、どちらの手法を選択するにしても、公金支出における公平性の確保は最も重要なことであると思います。
 費用補助型は、先ほど申し上げたとおり、要した費用に応じて支援を行うことで、公平性を確保する手法であると言えます。
 一方、定額給付型につきましては、スピード感を高め、申請へのハードルを下げるなどの効果がありますので、その事業の目的や意義について市民の皆様から広く御理解をいただくことが重要と考えております。
 なお、人口減少・少子化対策事業の実施メニューを選択するに当たりましては、市民ニーズや他の自治体の先進事例など、様々な情報を基に検討を進めております。
 人口減少対策には画期的な解決策が少なく、有効と思われる事業を各種組み合わせて総合的に、なおかつ継続して実施していくことが重要であると認識をいたしております。
 また、これらの事業を実施するに当たりましては、財源確保の観点から可能な限り、愛媛県が事業費の2分の1を負担する「えひめ人口減少対策総合交付金」を活用しており、事業実施を検討する際には、この交付金の対象事業であることも判断要因の一つといたしております。
 以上でございます。
○議長(菊池 彰君)  杉山 啓議員。
○杉山 啓君  まずは現状の考え方を確認させていただきました。
 公平性を最も重視しつつ、先進事例も見ながら、公平性と継続性、続けられる事業で、かつ、財源として県の交付金も使えるというところも判断材料として重視しているというところを確認したところで、それを前提にまた検討していきたいと思うんですが、ちなみに現行の事業について伺っていきます。
 本定例会で審議する補正予算案では、各種補助・助成事業の給付申請数が見込みを下回ったことによる減額補正も多く含まれています。
 人口減少対策に関わる主立った事業について利用額や給付件数など近年の動向を教えてください。
 また、そういった事業は、対象となる方々にどのくらい届いているのでしょうか。
○議長(菊池 彰君)  政策推進課長。
○政策推進課長(松良喜郎君)  お答えします。
 現行の各種補助・助成事業のうち、主立った事業の利用実績についてお答えします。
 まず、出会い・結婚・新生活の支援では、新婚世帯の家賃や引っ越し費用、省エネ家電購入など最大80万円を補助する「結婚新生活支援事業」の令和6年度の利用実績は37件、1,461万9,000円で、今年度の利用実績は12月末時点で16件、313万円ですが、既に申請者から問合せがあり、最終的には前年並みの実績になるものと見込んでおります。
 次に、妊娠・出産の支援では、不妊治療などにかかる費用を無料化する「不妊治療費・先進医療不妊治療助成事業」ですが、令和6年度の利用実績は42件、518万4,302円、今年度の利用実績は12月末現在で32件、412万8,244円です。
 なお、この事業によって令和6年度は17人、令和7年度は13人の出生実績があり、事業利用者の約4割の方が出産に至っています。
 続いて、先ほどの答弁において御説明しました「妊婦のための支援給付」の令和6年度の利用実績は228件、1,437万円で、今年度の利用実績は12月末時点で152件、1,025万円です。
 次に、移住・定住支援では、中学生以下の子供を含む3世代が同居や近居などで生活する際の住宅取得費などの費用、最大120万円を補助する「三世代家族移住促進事業補助金」があります。令和6年度の利用実績が6件、364万6,000円で、今年度の利用実績は12月末時点で2件、190万円です。
 続いて、市外から転入し、民間賃貸住宅を契約した若年・子育て世帯等の家賃の一部を補助する「若年移住者等家賃補助事業」は、令和6年度の利用実績が12件、90万9,000円で、今年度の利用実績は12月末時点で16件、155万3,000円です。
 これらの事業の利用割合については、「不妊治療費・先進医療不妊治療助成事業」及び「妊婦のための支援給付」は、受診時や母子手帳交付時、赤ちゃん訪問時に申請を促すため、全ての利用者が利用されていますが、「結婚新生活支援事業」は年齢制限や所得制限があるため、実際の対象者の把握が難しいこと、また、移住・定住支援についても、移住者のうち事業対象者の特定が困難であるため、利用割合は把握できておりません。
 なお、これらの事業対象者の方々が申請漏れなく支援を受けられますよう、少子化・人口減少対策事業を一冊にまとめたパンフレット「はまっこわくわくライフ応援パッケージ」を全戸配布するほか、市のホームページに各事業を紹介する特設ページを設置するなど、引き続き幅広い周知に努めていきます。
○議長(菊池 彰君)  杉山 啓議員。
○杉山 啓君  様々な施策について実績を確認させていただきました。
 妊娠・出産等に関わるものについては、保健師さんの関与などもありますので、基本的に対象となり得る方、皆様に届くという形だろうと思うんですが、ほかにも市として促進していきたいという政策目的がある婚姻ですとか、あと市外からの移住といったところについて、今述べていただいたような年間10数件といったような数字が果たしてどのぐらい促進に寄与しているのだろうかというところ、検証の余地があるのではないかなと思っております。
 人口減少対策としての効果は、補助・助成事業の対象者に該当し、利用を検討し得る人数の多い施策ほど高くなるものと私は考えます。
 というところで、今ほどの費用補助型に比べて定額給付型のほうが広く届く可能性があるというのは、公金支出の公平性というのを考えたときにも、一部の人に届くものと多くの人に届き得るものというところで比べたときに、果たして本当に費用補助型のほうが公平なのかというところも問い直せることかなと思ってもおります。
 というところで、豊後高田市の例や本市の現状を踏まえて、定額給付型事業を拡大するというような意向はないでしょうか。伺います。
○議長(菊池 彰君)  市長。
○市長(大城一郎君)  人口減少対策の効果は、補助・助成事業の利用を検討し得る人数の多い施策ほど高くなるという、議員の意見に全く同感であります。
 これまでも、本市において各種事業を検討する中で重要な判断要素としてきました。
 議員から、豊後高田市の事例等を踏まえ定額給付型の助成を拡大する考えはないのかという御質問でありますが、これまでお答えしてきたように、費用補助型事業と定額給付型事業、それぞれにメリットとデメリットがあります。
 大切なことは、移住・定住支援策や少子化対策支援策において、どのような支援メニューを展開することが一番効果があるか。それを見極めることが大切だと思っています。
 今後も、豊後高田市のような先進地の事例等も参考としながら、一方で、常に市民のニーズを的確に把握し、本市にとってどのような支援策を講じることが、移住・定住の促進や少子化対策に効果があるのか、常に考えていきたいと思っています。
 よって、費用補助型、定額給付型という分け方にこだわるのではなく、効果が高いと判断した場合には、新しい補助メニューを含め、柔軟に対応していきたいと考えています。
○議長(菊池 彰君)  杉山 啓議員。
○杉山 啓君  今回の一般質問では、一つの視点として、費用補助型、定額給付型というところを提示させていただきましたが、今、市長が答弁いただいたとおり、政策目的に照らして何が効果が高いのかというところを多角的な視点でじっくり考えを持って選んでいただけたらと思っておりますので、当初予算はもう今回出てしまっておりますが、今後も継続して検討いただけたらと思っております。
 次の質問に入ります。
 1月の行政視察では、熊本県熊本市も訪問いたしました。先ほど佐々木議員がおっしゃったとおりです。
 視察の目的は、2016年の熊本地震における上下水道の被災対応です。
 被災経験を踏まえて、ここ10年間で進められてきた防災施策についてもお話を伺い、基礎情報をデジタル化しておく必要性やマンホールトイレの有効性なども改めて認識いたしました。
 上下水道といえば、2月18日付の愛媛新聞の記事で、本市上下水道使用料等検討委員会からの報告書が市長に提出された旨が報じられました。
 2月24日の市議会協議会で開示された資料によると、昨年10月から計6回の会合を開き、上下水道使用料の引上げ改定の内容を検討してきたとのことですが、この間に当該委員会の議事内容が本市ウェブサイトに掲載されることはなく、傍聴の案内もありませんでした。
 他方、中学校部活動の地域展開については、本市中学校部活動地域展開検討委員会の委員名簿及び議事の概要が本市ウェブサイトに掲載され、傍聴の案内こそありませんが、検討状況を市民も把握できるようになっています。また、指定管理者の選定についても、選定委員の名簿及び会議概要が本市ウェブサイトに掲載され、昨年10月にみなと交流館等の指定管理応募者のプレゼンテーション審査を行った際には、傍聴の案内も本市ウェブサイトに掲載されていました。
 昨年9月の定例会で私は、神山こども園の移転先検討に際して、情報公開の不足により市民の十分な合意を得られなかったのではないかとの問題提起を行いました。
 上下水道使用料についても、検討の過程が市民に伝わらず、十分な合意を得られないまま、改定が決まってしまうことを危惧しております。
 使用料改定においては、生活困窮家庭への影響がなるべく小さくとどまるよう求める意見があり、私も市議会の協議の場において何度か要望としてお伝えしましたが、検討委員会では、超過使用料だけでなく、基本使用料も引き上げる改定が適当とされたとのことです。
 上下水道を合わせた基本使用料の値上げ額は月々410円で、そう大きい金額ではないようにも思えますが、議論の中で生活困窮家庭への影響が十分に考慮されたことが示されなければ、使用料改定に対する市民の十分な合意は得られないのではないかと心配しております。
 そこで伺います。
 中学校部活動の地域展開や指定管理者の選定と異なり、上下水道使用料等検討委員会については、委員名簿や議事の内容を本市ウェブサイトに掲載していないのはなぜか。
 その背景となる情報公開についての考え方と併せてお答えください。
○議長(菊池 彰君)  産業建設部長。
○産業建設部長(垣内千代紀君)  検討委員会設置の経緯も含めて説明させていただきます。
 まず、本市の水道料金及び下水道使用料は、平成27年10月に改定して以来、据え置いたままとなっています。
 これは、平成30年7月豪雨や新型コロナウイルスのまん延、不安定な世界情勢に伴う急激な物価高騰など、市民生活への影響を考慮し、改定時期を慎重に見極めてきたためですが、10年にわたり料金改定を見送ってきたことで、人口減少に伴う料金収入の落ち込み、施設の老朽化対策・耐震化対策に要する費用の増大など、水道事業、下水道事業とも経営的に厳しい状況となっています。
 このような中、市では今後も両事業を安定的に運営していくためには料金改定もやむを得ないと判断し、料金改定案をつくる上で参考とするため、昨年10月、市民、事業者、議会、行政など幅広い分野の委員で構成する八幡浜市上下水道使用料等検討委員会を設置し、料金改定について御検討をいただき、2月18日に報告書の提出があったところです。
 お尋ねの検討委員会の情報公開に関する考え方ですが、料金改定は市民生活に直結する案件であり、市民の関心も高いことから、一定の透明性を確保するため、検討委員会の全ての会議で報道機関の傍聴を認めるなど、公開する形を取りました。
 ただし、その一方で、検討委員会の途中段階での議論が結論を得る前に独り歩きし、無用な誤解を招く懸念もありましたので、会議を開催するたびにその内容を公表するのではなく、検討委員会の最終的な意見集約である報告書について外部へもお知らせすることとし、まずは先週の市議会協議会でその概要を説明したところです。
 今後の流れですが、市議会協議会で申し上げましたように、市において検討委員会の報告書を踏まえながら料金の改定案をまとめ、6月議会にて関係条例の改正案を上程する予定としています。
 引き続き、議員各位の御理解をいただけるよう努めるとともに、報告書にもありますように、料金改定によって負担が増える市民の皆様に御理解いただくことが何より大切です。
 議決をいただきましたら、市民の皆様に対して、検討委員会での審議内容を含め、料金改定の必要性についてできるだけ丁寧に説明していきたいと考えているところです。
 以上です。
○議長(菊池 彰君)  杉山 啓議員。
○杉山 啓君  今、御説明いただいたのは、今回の上下水道料金改定については情報公開についてどういう考え方であったのかというところを説明いただいたのかなと思います。
 私としては、物事はなるべく決まる前からどんどん情報を出して、広く意見を集めつつ、合意をつくっていくと。ほとんど決まってから出すのではなく、途中から出していくということが重要だろうと私は思っているんですが、そこの考え方の違いがあろうかと思います。
 質問の中では、上下水道の料金改定を中学校部活動展開と比較してどうなのかというところも問わせていただいておりました。
 これはもう、本市全体として何か情報公開の考え方があった上で、これは公開する、これは公開しないというような判断がなされているのかなというのを期待しつつの質問だったんですが、それは今のお話の中では言及がなかったのかなと思っております。
 次の質問の答弁でそれがあったらいいなと期待をしているんですが、市全体の考え方について次は伺っていくんですが、12月定例会で可決した第3次八幡浜市総合計画では、「一人ひとりの輝きを力に未来を創る持続可能なふるさと八幡浜」という基本理念が掲げられており、これを受けて、現在パブリックコメントの募集を含めて改定が進められている八幡浜市DX推進計画改定案の中でも、「「住民との対話」から住民本位のスタートをする」ことが基本原則の1つとされています。
 住民との対話の前提となるのは、行政からの情報公開、それも決まったことの広報ではなく、検討の途中段階からの情報公開であり、公開した情報を基に施策が決まる前から住民の皆様にも考えていただき、行政に対して意見を述べていただける仕組みをつくらなければなりません。
 計画にこうした基本理念や基本原則を掲げているということはすなわち、行政としてはより一層の情報公開に努めていくつもりであると認識してよろしいでしょうか。
○議長(菊池 彰君)  総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君)  お答えします。
 これまで本市の審議会などの情報公開につきましては、法令などに特段の定めがない限り、各担当課が議題の性質を考慮し、個別に公開の是非を判断するという運用で行ってまいりました。
 しかしながら、個別の判断に委ねるだけでは対応にばらつきが生じる可能性もございます。市民の皆様とともに協働のまちづくりを進めていく上で、分かりやすく一貫性のある情報公開がその信頼の土台となることは言うまでもありません。
 つきましては、法令に基づき設置される附属機関はもとより、市が任意で設置する様々な協議会などについても、どの範囲の会議までを公開の対象とすべきなのかという基本的な点を含め、他の自治体の事例なども参考に調査・研究を進めていきたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(菊池 彰君)  杉山 啓議員。
○杉山 啓君  「他の自治体の事例も参考に」という言葉よく伺うんですが、進取の気性を基に率先して行っていくという事例も、さきの定例会の手話言語条例のような県下初というような取組もたくさんあったらいいなと思うところでございます。
 この情報公開に関しては、私の個人の考えとしては、基本全て公開、基本全て公開だけれども、内容によってはいろんな支障を考慮して公表しないこともできるという形で何か方針を立てられてはいかがかなと考えております。
 あと、全庁で一貫性をもってという話では、他の自治体を見れば、情報公開の手引きというような全庁を対象とした基本指針を掲げているところもあったりします。
 そういったところ、せっかくDX推進計画改定案でこういった基本原則を掲げた上で行っていくということですので、行っていくといいますか、今の御答弁でいうと「調査・研究を進める」ということなので、調査研究を進めるという用語もかなり実現の可能性としては低めという受け止め方を議員側はしてしまうんですが、となると、この計画で「「住民との対話」から住民本位のスタートをする」という基本原則は一体何なのかということにもなろうかと思います。
 DX推進計画改定案、対象年度は令和12年度までとしていたかと思います。
 せっかくなので、これについてちょっと再質問させてもらうんですが、令和12年度までのこのDX推進計画改定案の基本原則に従って、この情報公開、住民との対話の前提となる情報公開、果たしてどのようにこの基本原則に沿って施策を進めていくつもりなのか、お考えをお聞かせ願います。
○議長(菊池 彰君)  総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君)  杉山議員の再質問にお答えさせていただきます。
 まず最初に、基本的な考え、情報公開は開かれた市政の基本であり、情報公開の一層の推進は重要な課題であるという認識は当然持っておりまして、それは私どものDX推進計画に記載させていただいているとおりでございます。
 基本的にはその方向で進めるんですが、やはりいろんなことを考慮する中で、クリアしていかなければならない課題がたくさんございます。
 ですので、少しお時間をいただきたいというのが私どもの答弁の趣旨でございます。
 少し順を追って説明をさせていただきます。
 先ほども答弁いたしましたが、附属機関や審議会など、市の方針に直接関わる会議につきましては、これまでも一部を除いて原則として公開をしておりまして、今後、開催案内や会議録などの公表についても今まで以上に充実したものとなるように前向きに考えたいと思っております。
 しかしながら、議員がおっしゃられるように、市が任意で設置する協議会など全ての会議についてそれを行うとなると、次の2点の理由によりもう少し慎重な検討が必要かなというふうに思っております。
 まず1点目は、会議の内容や性質によっては、委員が周囲の反応を過度に意識し、自由闊達な発言が抑制される、いわゆる萎縮効果が生じる懸念がございます。
 特に、検討の初期段階における会合においては、試行錯誤の過程を保護することで、より質の高い政策立案につながる側面もあると思っております。よって、会議の内容や議題の性質に応じまして、公開、一部公開、非公開、あるいは会議結果の公表のみを行うなど、それぞれに応じた形を適切に判断していくことで、実りある議論を確保することが大切であるというふうに思っております。
 2点目の理由としましては、全ての会合において会議録等を作成し、その都度公表していくということは多大な事務コストが生じます。
 現在、本市では働き方改革を推進し、事務の効率化を図っている中で、過度な事務負担の増大は他の市民サービスへの影響も懸念されます。
 仮に、生成AI等を使って、会議概要、会議要旨の公開にとどめるとしましても、外部に公式文書として公開する以上は、一言一句、慎重に精査し、外部委員等に承諾を得るプロセスが必要となります。
 この確認・調整の作業に多大な時間を要することとなり、全庁的にあらゆる会合でこの作業を義務化することは、実務上、職員の業務許容量を超えるおそれがあると思っております。
 ですから、全ての会合について一律に会議録、あるいは会議概要を作成して公表するということではなしに、まずは市の重要な方針決定に関わる審議会などから優先して、対象となる会議の範囲や公表の基準を整理していくということが、職員の事務負担を抑え、持続可能な公開の在り方につながるものというふうに思っておりますので、先ほど答弁しましたように、他市の状況をまず調査し、まずは内部でその整理をさせていただきたいと思っておりますので、少しお時間をいただきたいと思っております。
○議長(菊池 彰君)  杉山 啓議員。
○杉山 啓君  考慮すべき懸念もいろいろとあるというところは私も理解をできるところでございます。
 先日、DX推進計画改定案のパブリックコメントの募集に際して、意見書は個人的には提出をさせていただいたんですが、そこには、ちょっとそのときは気づかず、この観点を漏らしていましたが、再度見直すと、この「「住民との対話」から住民本位のスタートをする」という原則に対応する施策の記述がこの計画案は少し少なかったような印象を受けているんですが、今答弁いただいたような情報公開の在り方の再検討とできる限りの情報公開、今よりも進めるというような内容、これはDX推進計画でなくても構わないのですが、どこかの計画等に盛り込まれるものなんでしょうか、伺います。
○議長(菊池 彰君)  総務企画部長。
○総務企画部長(藤堂耕治君)  情報公開につきましては、御承知だと思いますけど、八幡浜市情報公開条例を定めておりまして、基本的には原則公開なんですが、その中にいろんなプライバシーの問題であったり、企業の経営に関する部分であったり、あるいは委員を特定することで不利益が生じる等の一定の理由のあるものについては、非公開とするみたいなことを定めております。
 ですので、基本的にこの情報公開について特段の計画を定めるということではないんですけれども、委員がおっしゃられる、今後、市の情報公開を進めていくという姿勢については同感でありまして、それはDX推進計画であり、総合計画であり、その中で基本的な姿勢は定められているものと思っております。
 ただ、先ほどと同じになりますけれども、やはり慎重にまだ検討していかなければならない部分もございますので、そこのところはこれから他市の状況を調査し、順次進めてまいりたいというふうに考えております。
○議長(菊池 彰君)  杉山 啓議員。
○杉山 啓君  知る権利というのも人権の一つでございます。情報の公開がないと、主権者たる市民が市政に意見をするというのもなかなか難しくなってこようかと思います。
 ぜひ、これも多角的な視点で、なるべく早く進むように検討をしていただけたらと思っております。
 というところで、人権の話をさせていただこうかと思います。
 2月21日には八幡浜市人権・同和教育研究大会が盛大に開催され、私も午前の実践報告から午後の作文発表と記念講演まで通して参加し、多くの学びを得る1日となりました。伺った報告や作文発表の中では、相手の気持ちや事情をおもんぱかること、先入観にとらわれないことなど、他者の人権を守るために必要な意識を育む様々な取組が本市において行われていることをうかがい知ることができました。
 しかし、その一方で、自らの人権を守るための教育は十分に行われていないのではないかという懸念も感じました。
 私たちは誰もが社会生活を営む上で人権、特に自由権に一定程度の制約を受けながら暮らしていますが、中でも子供というのは、とりわけ制約を大きく受けやすい属性です。多くの法律行為に際して、保護者の同意や追認を要しますし、学校では校則による制限も受けます。
 こうした制約は、子供の健全な生育環境を担保する目的でなされるものですが、時として、その程度の妥当性が争われることもあります。
 現在、東京地方裁判所で争われている、未成年者の選挙運動を禁じる公職選挙法の規定を問う「18歳未満にも選挙で応援する自由を」訴訟や、近年話題になったブラック校則の見直し運動などが例として挙げられます。
 人権教育の中で、自らの人権に課される制約に目を向け、その妥当性を問うような機会が設けられているか、人権・同和教育研究大会の質疑応答の場で尋ねた限りでは、設けられていないような印象を受けましたが、他者の人権だけでなく自らの人権にも目を向ける機会は、人権問題を人ごとではなく自らの問題として捉えるため、そして、いざ自らの人権が侵される危機に面した際に自信を持ってあらがえる力を身につけるために、必要不可欠であると考えています。
 人権・同和教育研究大会の報告者の1人、NPO法人やわたはま銀座バスケットの代表理事の方からは、我が国も批准している子供の権利条約の御紹介がありました。この条約の中で、子供は権利を持つ主体であることが明示され、子供の意見を尊重することが原則の一つとしてうたわれています。
 令和4年には、条約を背景としたこども基本法が成立し、さらにこの法に基づいて昨年8月、八幡浜市こどもまんなか応援サポーター宣言がなされました。
 宣言の趣旨に照らせば、人権教育の中で自らの人権に課される制約に目を向け、その妥当性を問う経験を積む機会、大人がよかれと思って課した制約にも嫌だと思えば嫌だと言ってよいと実感する機会を設けることには、市として積極的に取り組んでしかるべきではないでしょうか。
 そこで、改めて、教育部局に伺います。
 本市の小・中学校で行われている人権教育の中で、法律や校則、家庭内ルールなど、自らの人権に課せられる制約に目を向け、その妥当性を問うような機会は設けられているのでしょうか。
○議長(菊池 彰君)  教育長。
○教育長(井上 靖君)  お答えします。
 小・中学校で行われている人権教育は、自他の人権を尊重し、実践的な行動力を身につけるために、全ての教育活動の中で取り組んでいます。例えば、道徳教育においては、差別や偏見を許さない態度の育成など、発達段階に応じた内容で取り扱っています。
 議員が例として挙げられている校則については、教育的配慮の下、教育目的達成のための学校裁量として認められていますが、児童・生徒の社会規範の形成期であり判断力が未熟である義務教育段階では、校則の持つ意味は、ある意味大きいのではないかと考えています。
 一方で、時代に合っていないものや通学を含めて学校生活を送る上で不合理なものについては、見直しを行っていくべきだと考えています。見直しを行っていく中で、児童・生徒の規範意識の醸成、自他の人権意識の向上を図っていく必要があると考えます。
 校則を見直す場合には、全ての学校が校則検討委員会を設置しておりますが、昨年度の実績でいいますと、小学校の場合、半数の学校が検討委員会を実施した。そして、具体的に見直しをした学校は1校、中学校の場合は昨年度4校ありましたので、全ての学校で校則検討委員会を開催し、4校とも改善をしています。
 参考までに、今年度の話題を紹介しますと、本市の場合、これまで教職員の研究も、児童・生徒の健全育成も、人権教育も、中学校区単位のブロック別研究という方向でやってきました。中学校が2校になった関係で、そのブロック別の研究体制、青少年の健全育成という点ではいじめ対策委員会があったんですけど、全てやめました。
 新たに起こしたのが、学校運営協議会、コミュニティスクールです。
 この1年目なんですけども、新生八幡浜中学校の場合でいいますと、地域の方の代表11名と教員4名の15名で構成しています。
 年間6回の学校運営協議会を開催しますが、八幡浜中学校の場合は、その6回のうち3回、生徒を入れています。3回のうちの1回は校則をテーマにして話合いをしたと聞いています。
 なぜ校則のことについて子供たちが参加して話合いをしたかというと、子供たちのほうが校則について大人がどう考えているのか聞いてみたいと、そういうのが出発点で、いろいろ話し合った結果、子供たちの言ったことは、私たちのこの集団だから、私たちのこの学校だから、こういう決まりはあっていいよね、自由にすることも大事だけど、こういうことも必要だよねというふうなことを語っていたと聞いています。
 以上です。
○議長(菊池 彰君)  杉山 啓議員。
○杉山 啓君  改善、実践が行われているというお話ですが、大きく2点、気になったところがありまして、私の質問としては、校則、ルールが大事だというのは、それはそうなんです。規範意識を醸成するというのは大事です。それが人権に対する制約であり、程よい制約なのか、行き過ぎた制約なのかを問うという、人権の文脈で果たして語られているのかどうかというのが先ほどの質問の趣旨でもありました。
 例えば、先ほどの鎌田議員の一般質問の中での総務課長の答弁の中で、投票する自由と、あとなりすまし投票を防ぐという、これは規範意識ですよね。
 これのせめぎ合いの中で、果たして身分証の提示は求めた方がよいのかどうかというような話、これも一つの人権問題としてのいい参考例だと私は感じるんですが、そうした形で校則を考え直すというのが、人権を考える問題なのかどうかという文脈が伝わっているのかどうか、これが気になるのと、それからもう一つあるんですが、生徒を入れるという取組、試み、これもあると思いますが、その際に、果たして大人がよかれと思って課した制約が、問題があるのではないかと説得力を持って語れる生徒が果たしてどれだけいるのだろうかと。
 それを期待するためにも、小学校のうちからなるべく早いうちから、ルールというのは人権の問題であり、それを人権の問題として問い直していくという訓練を受けている必要があるのではないかと、そうした課題意識があります。
 一旦ちょっと再質問として伺いたいんですが、その校則を見直すとき、これが人権の文脈であるというのは生徒に伝わっているんでしょうか。
○議長(菊池 彰君)  教育長。
○教育長(井上 靖君)  様々な生徒がおりますので、捉え方として、自分の人権ということで捉えられている生徒と、そうじゃない、自由にしてほしいという単に言っているだけの生徒もいますので、一概には言えないと思いますが、校則を見直しする中で、そういう自分の人権について考える機会にはなっていると捉えています。
○議長(菊池 彰君)  杉山 啓議員。
○杉山 啓君  様々な受け取り方があるというところが現実だろうと思いました。
 次の質問にいくんですが、本市のウェブサイトを見ると、学校教育課所管のページとして「小・中高校・校外生活 共通のきまり」というものが掲載されています。
 「交通規則を守る」など、改めて書くまでもないようなことも列挙されているのですが、例えば「ボウリング場、カラオケボックス、喫茶店」には、高校生を含めて「保護者同伴でなければ入れない」としている点などは、行政が決まりと題して課す制約としてはいささか過剰であるように思います。
 私は松山市で高校生活を送りましたが、友人と連れ立って、ボウリング場やカラオケボックスに行くことはよくありました。本市では「きまり」に基づく指導や叱責の対象となってしまいます。
 仕事や勉強のはかどる居心地のよい喫茶店は本市にも多数ありますが、高校生たちがそれを知らずに巣立ってしまうことは、人口政策、産業政策の面からも、もったいないことのように思います。各家庭の方針に任せてもよいのではないでしょうか。
 「きまり」として掲げていることで、学校教員に管理や指導の責任が生じ、業務を増やしてしまっているのではないかという懸念もあります。
 この「きまり」の内容は妥当とお考えですか。
○議長(菊池 彰君)  生涯学習課長。
○生涯学習課長(山中貞則君)  お答えします。
 「共通のきまり」は、児童・生徒の安全確保と健全な育成を最優先に考え、小・中学校、県立高校、警察及び行政で組織する学校警察連絡協議会において、本市の状況やこれまでの課題を共有し、協議を経て策定しております。
 御指摘のように、一部の規定が詳細にわたることから、現在の社会状況に照らして厳しく受け止められる面もあるかもしれません。
 これらの「きまり」は、過去の補導事例等を踏まえたものであり、子供たちを危険から守るとともに、社会のルールを理解し、自らの行動に責任を持つ規範意識を育み、犯罪に巻き込まれない力を身につける上で、一定の意義と妥当性を有するものと考えております。
 一方、国では、学校における決まり等は、教育目的の達成のため合理的な範囲で定めるとともに、社会の変化や児童・生徒の実情を踏まえ、適宜見直しを図ることが重要であるとされています。
 したがって、「共通のきまり」につきましても、議員御指摘の点を踏まえまして、児童・生徒の主体性や自らの人権を尊重する新たな視点、また、学校現場の負担にも配慮しつつ、社会情勢の変化に即したものとなるよう努めてまいります。
 以上でございます。
○議長(菊池 彰君)  杉山 啓議員。
○杉山 啓君  市内でカラオケボックスを営む事業者さんともお話しする機会よくあるんですが、ちょっとこの辺について聞いてみたところ、やっぱり高校生が卒業した途端に大挙として押し寄せるというようなこともあると。要は、この「きまり」があることで、潜在需要を取れないでいるという実態もあるんだろうというふうにも考えております。
 その辺り、人口政策、産業政策を所管する方々としてはどのようにお考えですか、伺います。
○議長(菊池 彰君)  市長。
○市長(大城一郎君)  先ほど来より、議員の発言を聞いておりましたが、人権に関して、個人の人権が主に語られていたように思われます。
 学校というのは集団生活でありますし、社会でも集団で生活をしております。集団の中での個人の人権、また個人の人権といった意味、個の人権で、やはり違う面があると思います。
 個人の人権、個で生活しているときには、それは尊重されますが、集団で生活している場合には、やっぱり公共の福祉なり秩序、そういった中で個人の人権をどう生かしていくかというふうになってまいりますので、そこらは十分に考えながら学校としても子供を育てていく、いい青少年になってもらいたいということで、人権を捉えながらやっていかなければならないと思っております。
 それと、社会生活、人口減少対策とはまた違った意味があると思いますので、今、各家庭においても子供が少ない、兄弟が少ないということで、一人っ子が増えてきているというようなことも鑑みると、やっぱり学校での集団でのその子供の個性の表現の仕方、これがまた変わってくるといいますか、集団の中での生活が子供にとって、分かり切っていないところがあると思うんです。
 そういったところは、やはり学校側としてやっぱりある程度決まりを持って子供たちに教えていく、社会の在り方、公共の福祉の在り方、そういったところを学んだ上でそれを利用するのならいいと思うけど、まだ理解していないうちにそういったところに、例えば先ほど言われたように、カラオケボックスとか、喫茶店とか、どこでも行っていいよというふうにしてしまうと、やはり個々の成長が追いついていない子供たちにとっては、公共の福祉に反することが出てきたらいけないというところも鑑みながら、やっていけたらなというふうに思っております。
○議長(菊池 彰君)  杉山 啓議員。
○杉山 啓君  規範意識が大事じゃないと言っているわけでは私もございません。バランスを考え続けるということが大事だと思っております。
 そこは、子供のためを思って大人側が提示していくということももちろん必要ではあると私も思いますが、と同時に、それが果たして妥当なのか、嫌だと思えば嫌だと言ってもいいという訓練もしていくというところは、昨今の教育の中で、主体的な学びですとか、対話の中で自ら考える力をということを重視している方向性にも合うものではないかと思っております。
 必要なものを大人として提示しつつ、子供自身も考えていくと、考える機会を持てるというところが私としてはいい形なのかなと考えておりまして、ちょっと次の質問で、ちょっとした御提案もしたいと思うんですが。
 私は行政書士でもあります。行政書士は、民法や行政法の知識に基づいて、私人間の契約や行政手続を補助、代行する業務を担いますが、関連する法律の基礎にあるものとして、憲法も行政書士試験の科目にあり、学んでいます。
 学ぶ題材は主に裁判の判例です。
 先日、成年後見制度の利用者は警備業の仕事に就けないという、2019年の法改正で削除されるまでは警備業法に存在していた欠格条項が違憲であったという判決が最高裁判所でなされました。
 この例では、基本的人権のうち、自由権に含まれる職業選択の自由が主に関わりますが、憲法を扱う裁判では、公共の福祉のために人権に課される制約の必要性及び合理性が深く問われ、判決では問われた結果が丁寧に説明されます。判例は、人権の尊重と公共の福祉のための制約とのバランスを考えるとてもよい題材です。
 こうした法的知見を人権教育にも取り入れてはいかがでしょうか。少し調べてみると、教育学の研究者の間でも同様の提案がなされている例が見られました。
 大学の法学の先生や弁護士さん、司法書士さん、行政書士さんなどに協力を頼めば実現できると思いますが、いかがでしょうか。
 まずは小・中学校における人権教育について御意向を伺います。
○議長(菊池 彰君)  教育長。
○教育長(井上 靖君)  お答えします。
 小・中学校における人権教育については、各学校の実態に応じた教育課程を編成し行っており、教育実践については、年度末に検証し、見直しを行っています。
 議員御提案の大学の法学の教授、弁護士等の講師派遣依頼等は、現在は行っておりませんが、先ほど、今年度から学校運営協議会を立ち上げたと言いましたが、市のいじめ対策委員会に代わりまして、八幡浜市こども未来共創会議というのをつくって、会議と実務チーム会議と2段階でやっております。その八幡浜市こども未来共創会議のメンバーは、議会からは民生文教委員長、八幡浜警察署、八幡浜中学校と保内中学校の各校区の主任児童委員さん代表、そして専門の臨床心理士、さらに今年度から弁護士さんにも加わっていただきました。
 まだ事業への参加はいただいておりませんが、そういう会合での弁護士さんの参加も新たな転機かなと考えています。
 以上です。
○議長(菊池 彰君)  杉山 啓議員。
○杉山 啓君  弁護士さんの参加は転機になると思います。
 そういった人を入れるというだけでなく、事業で例えば新聞記事などで、その最高裁判所の判例を取り上げてみるなんてこともまた一つの手段として考えられるかなと私は考えておりますので、その法律で、実社会では人権は一番法律の問題として裁判で争われる、扱われるものなので、ぜひ取り入れてみていただけたらと思うんですが、今のは小・中学校の教育の文脈でした。
 より広く、小・中学校以外も含めた人権教育、人権啓発の中では、この御提案いかがでしょうか、伺います。
○議長(菊池 彰君)  人権啓発課長。
○人権啓発課長(菊池和幸君)  本市では、人権・同和教育推進校を指定して、人権講演会、人権コンサートなどを開催するほか、地区公民館における人権問題学習講座や人権教育推進者のための研修会などを開催しております。
 また、大綱の冒頭でも御紹介いただきましたが、毎年2月には市人権・同和教育研究大会において、各種団体の取組の発表、児童・生徒の人権尊重作文の発表、人権啓発講演を実施しております。
 議員の言われるとおり、他者の人権だけではなく自らの人権にも目を向ける機会を設けることは重要であると考えていますが、法的知見を有する講師を招いて、判例等をテーマに研修会などを実施することについては、専門性の高い内容になる可能性があるため、今後の検討課題として認識しているところでございます。
 以上です。
○議長(菊池 彰君)  杉山 啓議員。
○杉山 啓君  ぜひ御検討ください。
 質問は以上となりますが、結びの少しお話をさせていただきます。
 「あなたがあなたを生きるための政治。」という言葉を掲げて、私は政治活動に取り組んでいます。その意図するところは、一人一人の願いと力がよりよく生きるように、政治の場で社会の環境整備に取り組んでいきたいというものです。
 これは第3次八幡浜市総合計画の掲げる「一人ひとりの輝きを力に未来を創る 持続可能なふるさと八幡浜」という基本理念にも相通ずる考え方かと思っています。
 ふるさとの持続可能性を高めるためには、少額でも対象者となる範囲の広い事業のほうが効果的かもしれません。
 情報公開を進めることで、よりよい未来への道筋に気づく人は増えることでしょう。
 そして、人権を自らのものと認識して、過剰な制約にはあらがってもよいという意識を育むことで、一人一人の輝きはより一層強い力に変えられるようになるものと考えます。
 今回の問題提起や提案が八幡浜のよりよい未来につながることを願いつつ、私の一般質問を終わります。

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