一般質問 H22. 12 中岡庸治 議員

公開日 2014年09月03日

質 問 事 項
道路空間利用について
分庁方式について
機構改革について
部制の導入について
鳥獣被害防止対策について

 


 

〔中岡庸治君登壇〕

○中岡庸治君 
 大綱
5点について、市長及び関係理事者にお尋ねします。

 

 大綱1、道路空間利用について。

 

 太平洋新国土軸構想の実現見通しが全く立たない愛媛と大分を結ぶ豊予海峡事業では、今なおろうそくの火を消さないようにしましょうと、愛媛県と大分県が調査費871,000円などの予算計上を続けて、従来と変わらない姿勢を見せており、この炎がいつの日か海底トンネルか架橋で豊後伊予連絡道として連結することを願うものです。

 

 関連事業として、名坂道路の大平八幡浜インターチェンジでは、大きなフルインターとして高速道と同じ設計で工事が進められており、大平インターから大洲へのルートも着工、完成までにはまだまだ年月を要すると思われますが、一日も早く開通の運びとなるよう期待してやみません。

 

 この名坂道路は、将来を見越して2つのトンネルと4車線構想で用地買収をされましたが、費用対効果、財政難、予算減の中で暫定2車線として事業が縮小され、現在に至っております。その結果、八西トンネルの喜木側、神越の側道面はかなり広い用地が空き地になっており、セイタカアワダチソウ等の雑草が繁茂し、時期的に草刈りを実施、一部は建設資材置き場になっております。

 

 先般、国土交通省の方針として、道路空間を民間に開放して地域の活性化につながる仕組みに着手、早ければ2011年から導入したい考えのようです。現在道路空間の利用については、原則として道路管理者愛媛県が公園や駐車場など公共的な目的に限って許可しているようですが、この更地面積が幾らあるのか、何か有効的な活用はないか、今後関係機関、地元関係者と協議検討し、地域の生活環境の向上を図るべきではないか、お伺いしたいと思います。

 

 大綱2、分庁方式についてであります。

 

 合併協議の中で、新市の事務は八幡浜市、保内町の両庁舎を利用する分庁方式を前提とし整備することとされており、現にそのような体制が組まれているわけですが、一部に庁舎が2カ所に分かれていては不便であり、一カ所に統合すべきとの意見を聞くことがあります。しかし、仮に八幡浜庁舎にすべてを一本化することを想定しておられるのであれば、旧保内町民としては合併の経過からしてとても容認できることではありません。分庁方式の今後について、市長の見解をお伺いしたいと思います。

 

 次に、大綱3、機構改革についてです。

 

 機構改革については、合併時に出先機関を除いて25人の課長さんでスタートし、平成187月に危機管理室ができ26課に、本年度からは3課を減らし、医療対策課を新設、現在24課となっているわけでありますが、まだまだ不十分との指摘があります。また一方、組織機構は固定的なものではなく、必要とされる仕事に応じて変化していくべきと考えもあります。人口4万人の八幡浜市として必要な仕事を進める上で現在の組織をどう評価しているのか、またこれは近隣市と比較してどうであるのか、お伺いしたいと思います。

 

 大綱4、部制の導入についてでございます。

 

 部制については、本市では過去一たん導入し、その後廃止した経過がありますが、現在県下の状況を見ておりますと、八幡浜市以外のすべての市と松前町が部制を導入しております。当市では、平成21年度からは収入役も廃止されており、市長、副市長の2人で24課すべてを把握、管理し、さらに政策を打ち出していくことは非常に大変ではないかと思います。最近では、市の仕事が多様化し、複数の課で協議調整すべき案件が増加していると聞いておりますが、24課それぞれが独立して自己主張をしていたのではまとまりません。一部の課では独立傾向が強く、必要なチェックが十分届いていないとの指摘を聞くこともあります。元気な課長がどんどん仕事を進められることはもとより、組織の活性化上必要なことですが、年間約400億円の予算を全体の優先度を把握し適切に使用していくためには、十分な方向づけと管理が必要ではないかと考えます。これまで、課の集まりではなく、市として組織だった取り組みがなされていたのか、また市長は庁内の会議で部制の導入に向けた発言をされたと聞いておりますが、これらのことについて改めて市長のお考えをお伺いしたいと思います。

 

 大綱5、鳥獣被害防止対策についてであります。

 

 毎年有害鳥獣による農産物被害が多く、特にイノシシによるかんきつ被害が山間部を中心に、今まで被害の少なかった海岸部に至る市内全域に及び、市街地まで出没し、深刻な問題になっており、当該地域だけでは対応が困難な状況になっております。イノシシは警戒心が強く、行動範囲が数平方キロから数十平方キロに及ぶので、駆除を行うには地域の連携が重要です。1年に四、五頭は産み、イノシシ全体個数を減らそうとすると、50%以上駆除しないと次の年に全体個数が減らないと言われています。そのためにも、猟友会の支援が欠かせません。全国の狩猟者会員が、昭和53年度の425,000人を最高に、平成21年度には19万人と年々減少傾向をたどり、当市でも高齢化が進み、会員数が138人と3分の1以下になっております。年ごとに狩猟者が減少することによって有害鳥獣の捕獲数が減少し、被害が多大となり、大変な事態になりかねません。農業従事者の高齢化、後継者不足、経済問題、荒廃園の増大によるイノシシ被害関係も大いにあります。

 

 9月の同僚議員の質問を受けて、鳥獣被害防止対策協議会を立ち上げ、先月第1回が開かれましたが、その協議はどのような内容だったのか、お聞きします。

 

 今回12月議会補正に箱わな10基、109万円を購入し、猟友会などわな猟免許所持者に貸し出すことになっており、このボックスわなを設置するためには、どうしても免許所持者でなければ使用できません。そのためにも狩猟免許所持者の育成、定着に取り組む必要があり、ハンターの確保をどのように考えているのか、また職員の中で狩猟免許資格者が何人いるのか、鳥獣被害防止のため、狩猟者資格所持者を嘱託専門員として雇用する考えはないか、お伺いしたい。

 

 その他、いろんな防止策もあるが、年間通してイノシシの侵入を防ぐには、鉄筋さくか電気さく、いわゆる鉄筋さく、ワイヤーメッシュ以上の有効な方法は考えにくく、鉄筋さくの設置は管理が容易で、隣接園との共同設置により地域全体の有効な方法として評価が高いようです。いずれも以前から電気さくと鉄筋さく等に助成があるが、生産対策安定のためにより一層の支援拡充を図り、農業支援の活性化につながるよう期待して、私の質問を終わります。

 

○議長(萩森良房君)  市長。

○市長(大城一郎君) 
 中岡議員の質問、大綱
3、機構改革についてお答えをいたします。

 

 機構改革につきましては、ことしの4月現在で、西予市が7部局23課、大洲市が9部局27課、宇和島市が7部局32課で、これに対し八幡浜市では部局はゼロで24課となっております。八幡浜市程度の規模の市としては十分ぜい肉を落とした状態ではないかと思っております。現在所属人員や事業規模で大きな課、小さな課もありますが、現時点ではそれなりに役割を果たして機能していると感じております。

 

 なお、組織は時代に応じて変化するべきものであり、また職員の能力に応じて考える必要もあると思っております。必要な場合は組織の改廃を行うとともに、昨年ちゃんぽん担当を設置いたしましたが、今後組織という形にこだわらず、必要な職を設置し、そこで新しい仕事が担えるような形も検討していきたいと考えております。

 

 次に、大綱4、部制の導入についてお答えをいたします。

 

 市として組織立った仕事ができているかとの御指摘でありますが、市長の打ち出した考えが十分浸透していなかったことなどの実例もあり、反省すべきところがあると思っております。現在八幡浜市以外のすべての市で部制が導入されており、市長、副市長2人ですべての課長に直接対応していくには限界に近い状態であると思っております。組織として適正なマネジメントを行うためには、やはり部制の導入が不可欠でないかと考えております。

 

 ただし、かつての部制施行時の実情等を踏まえ、部制の導入が組織全体のまとまりと活力アップにつながるよう十分配慮して運営していきたいと思っております。

 

 済みません、先ほどのちゃんぽん担当の設置のことは、昨年と言いましたが、ことしの間違いでございます。

 

 その他の問題につきましては、副市長初め担当課長から答弁をさせます。

 

○議長(萩森良房君)  副市長。

○副市長(橋本顯治君) 
 それでは、中岡議員御質問のうち、大綱
2、分庁方式の今後についてお答えをさせていただきます。

 

 新市の事務組織及び機構の取り扱いにつきましては、合併協議第39号において分庁方式を前提として新市における事務組織・機構の整備方針というものに基づいて整備すること、また市民の日常生活に不便を来さないように両庁舎に相談等の総合窓口を設置することが確認をされております。この合併協議に基づきまして、現在保内庁舎には教育委員会、建設課等7課、八幡浜庁舎につきましては総務課、議会事務局等14課を設置しているところであります。現在のところ、分庁舎による不便さはありますけれども、おおむね円滑に運営できているのではないかというふうに思っております。

 

 御質問に一カ所に統合すべきとの意見を聞くこともあるとのお話でしたけれども、今のところ、市においてそのような考えはありませんので、お答えをさせていただきます。

 

 以上です。

 

○議長(萩森良房君)  農林課長。

○農林課長(二宮嘉彦君) 
 それでは、大綱
5、鳥獣被害防止対策についてお答えをいたします。

 

 去る1125日、鳥獣被害防止対策協議会の設立総会を開催をいたしました。協議の内容は、会の設置要綱、役員、22年度の計画、予算、そして今後の鳥獣被害防止対策の方法や提案、御意見をいただきました。駆除につきましては、御質問にもありましたように、今議会において予算の計上をいたしております箱わなの貸し出しや今年度から実施いたしております駆除補助金制度の拡充についての協議もさせていただきました。

 

 御指摘のように鳥獣被害の防止対策には猟友会の御支援が欠かせず、狩猟免許取得者の育成、定着は重要な対策の一つであり、中山間地域等直接支払制度を利用して取り組んでいただいている地区もございます。猟友会は現在支部単位で活動を主にしていただいておりますが、会員の少ない地区もございますので、今後そういった地区での研修会の開催や市として資格取得のための経費の助成、特にハンター育成の助成制度を検討しているところです。

 

 また、市の職員の狩猟免許取得者は過去には数名おりましたが、現在はいないのが現状です。市の職員も地域住民の一人でございますので、地域を守るという意味で資格取得の働きかけを考えたいと思います。嘱託職員の雇用については、今後の課題としてどういうシステムが適当か、対策協議会あるいは猟友会と協議してまいります。

 

 一方、防止対策としては、電気さく、鉄筋さくの設置が有効ということで助成を行ってまいりました。新しい資材もいろいろ出てまいりますが、今のところ電気さく、鉄筋さくが有効と考えており、引き続き国、県の補助事業を利用しながら、共同による設置を対策として努めてまいりたいと思います。

 

 以上です。

 

○議長(萩森良房君)  建設課長。

○建設課長(菊池賢造君) 
 大綱
1、道路空間利用についてお答えいたします。

 

 名坂道路高架下等有効利用面積及び有効活用についての地元関係者との協議についてお答えいたします。

 

 愛媛県では、高架の道路路面下及び道路予定区域は直接には通行に供していない道路空間として、まちづくりやにぎわい創出などの観点から、暫定利用も含め一層の有効利用を推進すべきと考え、愛媛県道路高架下等有効活用基本方針及び道路高架下等の道路占用の取り扱いについてを策定し、計画的に有効活用を図ることとしております。

 

 質問の保内神越地区の面積についてですが、道路や水路で6カ所に分割されておりますが、一番広い箇所で横56メートル、縦34メートルの平行四辺形で、橋脚部を含めて約1,900平方メートルあり、利用可能な総面積は約9,800平方メートルでございます。現在一部は八幡浜土木事務所の資材置き場、土砂の一時仮置き場として利用されております。愛媛県から市に有効活用してはどうかとの話もいただいており、これまで検討しておりましたが、今までのところ具体的な案はまだございません。

 

 議員御承知のとおり、国土交通省及び愛媛県は利用制限を緩和し、民間にも広く開放する方針でありますので、いろんな角度からの利用について地域で御検討いただけたらと思っておりますし、市といたしましても地域の要請にこたえていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 

○議長(萩森良房君)  中岡庸治君。

○中岡庸治君 
 再質問させていただきたいと思います。

 

 名坂道路の喜木の神越には八西事務組合のし尿処理場が現在も稼働しておるわけでございますが、この種の環境問題は少しでも改善していかなければなりません。そのためにも道路空間利用をすることによって、周辺地域の生活環境の向上を図る観点からも強く要望しておきたいと思います。

 

 それから、これ名坂道路の所管は愛媛県でございますが、供用開始についてお聞きしたいと思います。

 

 平成19年度には開通予定でございましたが、大平インターの用買、また橋梁メーカーの談合や地すべり現象等で延び延びとなっておりますが、使用開始はいつごろになるのか。また、八幡浜道路の大平から郷までの完成予定について、知っておられるならば、お伺いしたいと思います。

 

 それから、分庁方式でございますが、今のところ一本化はやらないというようなことでございます。保内庁舎、八幡浜庁舎を有効に使って市民のためにやっていきたいということでございますので、これ以上のことは申しませんが、これは平成14年の合併協議会の中での基本的な協議項目でございますので、そこらを十分頭に入れていただいて、どうすればいいのか、今のところはそういうなことでございますけど、これからも有効に両庁舎を使いながら、市民のために行政サービスを提供していただきたいというように思います。

 

 それから、機構改革と部制の導入についてでございますが、これ市を取り巻く環境の変化に対応するためには人事管理が一番重要な位置づけだろうと思います。しっかりと市民に効率的で迅速、柔軟な行政サービスを提供するための部制の導入ならいいんですが、そういうことに努めていただきたいというように思います。

 

 それから、大綱5の鳥獣被害防止策についてでございます。

 

 市の政策、安全・安心のまちづくり、行財政改革の推進、産業の振興の取り組みを3本柱として、その実行に全力を挙げ、真の行政サービスを提供することに積極的に取り組みたいとの姿勢で鳥獣被害防止策について確かに前向きに考えておられることを評価したいと思います。

 

 きょうの地方紙に、わせミカン、前年比市場価格も安定し、1キロ当たり平均290円で推移、前年度と比べて140%高と好調を維持しているという記事が載っておりました。当初わせミカンは21,000トン計画しておったが、鳥獣被害などで約1,500トン、これ少雨で小玉の関係もあると思いますけど、減収の見込みであると報じられておりました。今年産のミカンは、春先の低温で新芽がやられ、開花のおくれもありましたが、その後の天候や生産努力によって大変おいしく仕上がり、最終段階を迎える直前になって鳥獣による食害と枝折れ等により収量が激減したケースもあるわけでございます。農家の生産意欲の減退が心配されますが、この問題はエンドレスかもしれませんが、県、市、JA、猟友会、農家代表の連携で地域全体の課題としてとらえ、予算編成でも重点的に計上し、鳥獣被害防止対策を含め1次産業振興元年の思いで取り組んでいただきたいというように思います。

 

 くどくど申し上げましたが、改めて理事者のお考えをお伺いして、再質問を終わりたいと思います。

 

○議長(萩森良房君)  建設課長。

○建設課長(菊池賢造君) 
 名坂道路と八幡浜道路の供用開始予定はどうかとの質問ですが、現状とあわせて説明させていただきます。

 

 愛媛県では23年度中の名坂道路の開通を目指しており、現在用地買収率は98%、工事進捗率は96%と聞いております。本年713日付で収用裁決が出ておりますので、法定手続により粛々と進めていくと思われております。

 

 八幡浜道路につきましては、現在用地買収率84%、工事進捗率が17%と聞いております。工事が順調に進んでおりますことは、千丈地区や入寺地区で見ることができ、さらに補正予算で3億円決定したとの報告もあり、大変喜んでいるところでございます。

 

 今後、日本のトンネル工事の予算がいつどれくらいつくかが注目されるところでございますが、期成同盟会などあらゆる機会をとらえて要望活動を行っていきたいと思っております。公共事業費が非常に厳しい現状で、明確な開通時期はわかりませんが、目標といたしましては20年代後半というふうに聞いてございます。

 

 以上です。

 

○議長(萩森良房君)  市長。

○市長(大城一郎君) 
 中岡議員より分庁方式について、以下機構改革、部制の導入、そして鳥獣被害防止対策についてたくさんの要望をいただきました。それぞれにおきまして真摯に受けとめて行政の運営に当たっていきたいと思います。

 

 以上です。

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