一般質問(総括方式)  H28.9 竹内秀明 議員

公開日 2016年11月22日

 

質 問 事 項
中学・高校の部活動顧問の労働問題及び生徒達の部活動の選択に関して

 

 


 

〔竹内秀明君登壇〕

 

 

○竹内秀明君  私は、一般質問通告書に従いまして、大綱1点質問いたします。市長及び関係理事者の誠意ある御答弁をお願い申し上げます。
 大綱1、中学、高校の部活動顧問の労働問題及び生徒たちの部活動の選択に関してお伺いします。
 いまだ全国の中学校、高校に色濃く残るある教育及び労働問題について質問いたします。来年度、当市に新たな中学校として新保内中学校が誕生する運びとなっておりますが、その新保内中にもかかわりのある質問です。
 去る2月13日、朝日新聞の社会面にて、中学、高校の部活動をめぐり、顧問を務める教員の多忙さ、休日返上の練習などの問題を改善しようと若手教員らがネットで署名を集める活動を始めたとの記事が掲載されました。具体的には、部活顧問をするかどうかの選択権を文科省に対して求める内容で、8月5日、集まった2万8,000人分の署名が文科省の関係部局へ提出されたとのことです。
 考えてみれば、先生たちにかかる部活の顧問としての負担というものは世間一般には余り知られておりません。しかし、運動部顧問ともなれば、練習、練習試合などで休日が潰れることの数多いことは想像できます。そして、それは正式な職務でない、いわゆる超勤4項目にも当たりませんから、賃金も伴いません。
 部活問題、その他教員の労働時間に関する問題について調べてみると、この超勤4項目という用語が出てきます。超勤4項目とは何か、生徒の実習関連業務、学校行事関連業務、職員会議、災害等での緊急措置など、平成16年からのことで、それまでこの4項目は定められていませんでした。部活動顧問は、ここに含まれていないため、部活動顧問業務で残業や休日出勤を命じることは不可能で、超勤4項目以外の教員の時間外労働は全て教員の自発的行為として整理されているようです。先生が本当にみずから進んで顧問となっているのならば問題はないのですが、そうではなく、無理に押しつけられてしまっているケースが全国的に数え切れぬほど存在します。だからこそ2万8,000もの署名が集まったのでしょう。
 そこで、質問なのですが、八幡浜市における先生への部活動顧問の強制の有無及びそれに伴う顧問としての無賃労働に関する実態をどのように把握し、またその問題解決に関してどのような手だてをとっておられるでしょうか。
 そして、部活動の問題は先生のみにとどまりません。中学生や高校生もまた当市においてやむなく部活動に入部している生徒たちも少なくないのが現状ではないでしょうか。中学校や高校の指導要領を見れば、部活動に関する記載として、生徒の自主性、自発的な参加により行われる部活動とあり、部活動の前提にはやる、やらないを生徒がまず自由に選択できるものでなくてはならない、そう文科省が定めていることは明らかです。
 ところがです。保内中学校のホームページにあります、統合して新たにできる保内中に関するPDF文書には、14、部活動、(1)部活動への加入という項目で、原則として生徒全員部活動に加入し、活動するとあります。この原則としてとは何か、つまるところ、強制ではないでしょうか。原則の適用外となる条件を何も文書内で例示していないことから、それは明らかです。確かに部活動で得られるものはあります。しかし、人それぞれに時間は有限です。だからこそその時間の使い方、それ自体について、生徒自身に悩ませるべきではないでしょうか。難易度の高い進学先やかなりの学習量を要する職業を目指して勉強したい人、特定の趣味に時間を使いたいという人、そのどれも大切な時間の使い方です。けれども、部活動を強制され、毎日の放課後の時間や労力を自分の意思に反して削られる、さらにそれは文科省の部活動に関する意図を無視してさえいるように思います。
 昔、まだ人口の多い世代が中学生だったころは、学校外でトラブルを起こさないよう全員に部活動を強制して中学生世代全体を拘束することに意味はあったのかもしれません。しかし、今や若者世代の人口は少なくなるばかりであり、世代全体を丸ごと拘束しておく意味はなくなりました。部活動をやる、やらないの選択肢を生徒に与えることに、もはや何の不都合もありません。
 そして、学校ごとに1つの競技に1つのチームをつくること自体、人口減少で不可能になりつつあります。各校ごとでなく、1つの自治体または南予地域など1つの地域で1つのチームをつくるのが現実的ではないでしょうか。その上でも、部活動という学生スポーツのあり方自体が今や転換期に来ていることは誰の目にも明らかです。
 そこで、質問ですが、県内の他の自治体に先駆け、中学生のスポーツ環境の担い手を従来の学校ごとの部活動組織から地域の総合スポーツクラブ的な組織へ移すことを前提に検討すべきではありませんか。素人同然の先生にスポーツの技術指導をやらせるのではなく、あくまでもそのような技術のある方に指導してもらうほうが指導するほうもされるほうも満足いくものになるはずです。長期的に技術指導のできる指導者が、学校所属でなく、スポーツクラブ所属になることで、従来の部活動にありがちな人事異動などで指導者が急に消えてしまうこともなくなります。何より、そうすることで望まない先生に顧問を強要する必要が全くなくなります。これが何より誇るべき点です。
 課題は数多くあると思います。しかし、ここで大事なのは、みんなもやっているからおまえもやれという、より大きな苦労を皆同等に背負うべきだといういわゆるブラック企業的な考え方が顧問強制の背景にあり、そしてそれこそ第一に打破すべきものであるということです。ほぼ無休で先生の休みを削ってハードワークを強いてきたのが、今までのやり方です。これを異常と思えない日本の教育界そのものが既にブラック企業的体質に染まっていると言われても仕方ありません。このような体質は一刻も早くたださなければなりません。この八幡浜がまずはその一歩を踏み出してはどうでしょうか。
 スポーツは本来楽しむものです。しかし、その楽しむ目的から部活動強制は真逆のものとなっています。生徒には強制的にやらせ、先生には顧問を強要する。中学生のスポーツ環境を十分に整える上では、国や県の支援も必要なため、一朝一夕にいくものではありませんが、まず今できることから始めましょう。それはまず、各学校内で慣習法的に続く生徒への部活動の強制及び先生への顧問就任の強要をやめさせることであります。その学校の中でも、来年度新たにできる新保内中こそ望ましい部活動のあり方を実現する学校になってほしいと思います。
 以上で私の一般質問を終わります。
○議長(上田浩志君)  教育長。
○教育長(井上 靖君)  大きく3点につきましてお答えいたします。
 まず1つ目、部活動顧問が強制になっていないか、またその部活動顧問に対する報酬、手当がないのではないかということについてお答えいたします。
 中学校における部活動は学校の教育活動において重要な役割を担っており、学習指導要領におきましても、教育課程との関連を図りながら、学習意欲の向上、責任感や連帯感を育てる取り組みとして実施することとされています。
 部活動の顧問につきましては、年度当初の職員会議において決定されますが、教職員の指導経験、適性や能力等を配慮しながら部活動の担当をお願いしており、決して強制的に決定されているものではありません。
 次に、部活動従事に伴う報酬についてですが、市内の教職員の平日の勤務時間はおよそ8時から4時45分です。したがいまして、児童・生徒とのかかわりがある中で、4時45分に仕事が終わるというわけにはいきません。中学校に限らず、小学校でも音楽の指導、水泳の指導、陸上の指導などを放課後行っております。
 それに対して、教員には超過勤務手当はございません。ただ他の公務員とは異なるということで、給料の4%が教職調整額として一律に支給されております。また、土曜日、日曜日、祝日等の部活動の従事につきましては、特殊業務手当として3,000円支給されております。もちろんこの手当がなかった時代もあるんですけども、年々増額されており、文部科学省は来年度、その3,000円を2割増額するという予算計上をしております。
 2つ目です。子供たちの部活動が強制になってないかという質問なんですけども、確かに保内中学校のホームページには原則としてという記述がございます。ここで言う原則としてというのは、特別な事情で部活動に参加しないこともあり得るということを意味しています。したがいまして、決して全員に部活動加入を強制するものではありません。個人の身体的理由、さまざまな実態等に応じて柔軟に対応することを意味しています。
 現在保内中学校には創造部という部活動があります。スポーツや芸術に限定するのではなく、子供たちが自主的、自発的に計画し活動する部活動と聞いております。そのように、選択肢をふやして子供たちが選べる部活動をつくっております。
 部活動を通じて、また顧問や仲間との出会いを通じてさまざまな楽しさや喜びを味わい、豊かな学校生活を経験する、中学生にとって部活動はとても価値あるものと認識しております。
 3点目です。今後の中学生のスポーツ環境についてでございますが、中学校の部活動を地域のスポーツクラブ、団体等に移管することにつきましては、単にスポーツ環境を整えるという問題だけではなく、生徒の生活環境や日常の生活習慣にもかかわる問題であり、学校独自で進められるものではありません。
 また、八幡浜市単独でそうした変革を行えるものではなく、国の指針あるいは施策にのっとり、学校を取り巻くスポーツ環境のあり方等も含めまして総合的に見直していく中で検討されていくものと捉えております。
 以上です。
○議長(上田浩志君)  竹内秀明議員。
○竹内秀明君  当市における部活動顧問の強制の有無とか無賃労働に関する実態とかと申し上げましたが、職員会議でいろいろ話をして顧問になられたと今言われましたが、その後、実際に部活に従事しておられる先生方からの、苦情は出んと思いますけど、そういう実態調査を今までにアンケートなり何か調査したことはあるでしょうか。
○議長(上田浩志君)  教育長。
○教育長(井上 靖君)  実態調査、意識調査はしておりません。校長が部活動の運営状況の確認や指導上の悩みを各顧問から相談するなどして、その実態について把握に努めております。教育委員会に対してそういう負担になっているという課題としては今のところ、上がってきておりません。
 以上です。
○議長(上田浩志君)  竹内秀明議員。
○竹内秀明君  なかなかつらくても言えないこともあると思うんです。八幡浜地域柄の特性もあるかもしれませんけど、都会ではいろいろな問題が出ておると思います。本当に実際に腹割って言いたいけど言えれんようなところもありますんで、できれば部活動の顧問に対して無記名の調査なりして、その結果を重視されて今後に生かしてもらったらと思います。
 それと、部活動の指導ですけど、県の教育委員会では教科指導や生徒指導に加えて、部活動の指導を行うことに負担を感じている教職員もいると思われるということが載っていました。いると思われるで県の教育委員会でも余り調査してないように思うんですけど、これもさっきと同じことになりますので、この辺にしときますが、そのために県の教育委員会では各学校に部活動の休養日を設定するよう指導しているほか、教職員の負担軽減に向けた取り組みを推進していくようにと言っております。その負担軽減に向けた取り組み、具体的にはこれ書いてないんですけど、私これ質問するのに載せてませんでしたので、また県のほうからもいろいろあると思いますが、負担軽減に向けた取り組み、これを具体的にまたわかれば知らせてもらったらと思います。
 それで、スポーツクラブのことですけど、地域柄なかなかスポーツクラブというのは難しい点もあります。都会では地域でクラブをつくったり、そういうのが大分ふえておりますが、人口減少していく中で、これからのスポーツということで学校と地域がうまく連携した総合型地域スポーツクラブということも長期的に視野に入れておいてもらったらと思います。
 以上で私の一般質問を終わります。ありがとうございました。

 

 

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